ダイヤモンド・オンラインの記者が斬る! 最近のおシゴト事情
これで堂々と休める! ユニークな有休制度を大紹介
掲載日:2015.11.25

厚生労働省の調査によると、平成25年1年間の有休休暇取得率は48.8%(「平成26年就労条件総合調査結果の概況」)と、多くの人が休める権利を半分も放棄している。
なぜ、せっかくの権利を放棄する人が多いのだろうか。ダイヤモンド・オンラインでは読者に対し、「有休を取らない理由」調査。すると、「仕事が忙しい」などの理由を抑え、「職場の雰囲気でなんとなく」(32.3%)が最も多い結果となった(※)。
ワークライフバランスの高まりから有休取得を促す企業も増えているが、3人に1人が「職場の雰囲気でなんとなく」休まないのはもったいない!堂々と休みやすい会社はないかと探してみたら、ユニークな有休制度を持つ会社が続々見つかった。
(※)スマートフォンにてサイトにアクセスしたダイヤモンド・オンライン読者を対象に実施。4万7051人から回答を得た。調査期間2015年7月21日~7月31日。
「有休取得率100%」が義務! 部署ごとに取得率ランキングも
近年、人気も高まり就職希望者が殺到しているブライダル業界。しかし現実には、1年~3年未満で辞める人も多いと言われている。そんな業界の姿を変えようと休暇制度改革に取り組むのがノバレーゼだ。
同社は2010年3月に「アイデア休暇」という有給休暇制度を導入。嘘か本当かを問わず、“ユーモアあふれる理由”を考えられたら休める変わった制度だ。エンターテインメント性を求められる業界。社員に楽しいことを考える自主性を養ってもらうため、「ズル休みしたら面白いよね」という発想で生まれたという。
「サッカー日本代表に選ばれた」「石油王と結婚」などを理由に、当初は取得する人も現れた。しかし実際には取得しない人もおり、全員に休んでもらいたいという思いは実を結ばなかった。そこで同社は新制度導入に踏み切る。「有休取得率とさらなるモチベーション向上のため、2015年からは年2回、“Rock your life”という同社の経営理念をなぞった全社休業日『Rockの日』を作った」(同社人材戦略部長・三木芳夫さん)のだ。この日は、部署や店舗ごとに遊びに行くなど社員の交流につながっているという。
さらに今年1月には、「有給休暇取得率100%」の義務付けも決定した。年初、全社員に年休計画表を作成させ、四半期に一度は調整、取得状況を確認する。計画表と取得状況に基づいて部署ごとに取得率を算出し、ランキングを作成、それを全社のイントラネットに掲載しているというから驚きだ。
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エンタメ休暇、スポーツ観戦休暇…… 3日以上休めば補助金が出る会社も
ブライダル業界にも負けず劣らず、過酷な労働環境のイメージがあるのがゲーム業界だろう。そんな業界でユニークな休暇制度持っているのが、gloopsだ。同社は、2013年7月より「エンタメ休暇」という、年間1日か半休×2回の特別休暇が取れる制度を導入した。
「新しいゲームの発売日に休む」「丸1日映画を観続ける」「平日にディズニーランド」など、堂々と遊ぶために休めるのがこの休暇の魅力。「エンタメ休暇の取得率は7割を超えており、2014年は前年よりも10%以上も取得率がアップした」(同社人事グループマネジャー・岩藤洋志さん)というのだから、効果は絶大だ。そんな同社も2年ほど前は休みが取りづらかったそうだが、この仕組みが功を奏し、年次有給休暇の新規取得率も10%以上アップしたという。
インターネット広告事業を行うファンコミュニケーションズは、「スポーツ観戦推奨時間休暇」を導入している。きっかけは、2013年6月4日に行われたW杯アジア地区最終予選の日本vsオーストラリア戦だった。もともと重要な試合は、社内にモニターを設置してみんなで観戦していたが、社員が増えてきたことで見づらくなった。そこで社長の「早く帰って良い!」という鶴の一声をきっかけに、日本国民の多くが応援するような重要な大会の際は、この制度が発動するという。
最近では、7月6日に行われたFIFA女子ワールドカップの決勝で適用された。その日はもともと四半期に1度行われる全社会議の予定だったが、開始時間を10時から11時にずらし、出社時間も9時半から10時半に変更。その1時間分は時間単位の有給休暇扱いになったという。有休扱いに決まったのは、7月2日と突然のことだったが、同社管理部の生沼園美さんによると、「全社員の8割程度が取得している」というから驚きだ。
遊ぶために休むには金が要る――。そんな社員の心の声に耳を傾ける会社もある。それが、プリント基板商社のNTW Inc.だ。同社は2014年10月から「明日への英気を養うリフレッシュ休暇」を導入した。この仕組みが凄いのは、年1回連続3日以上の有給休暇を取得すると、休暇補助金が休みの日数に応じて3~5万円(最大)支給される点だ。連続2日×2回休んでも1円ももらえないから、なんとかして3日連続休みたくなる。
さらにすごいのがこの制度を利用した社員が、自分がどんな休暇を過ごしたかプレゼンをするアワードが開かれること。なんと優勝者には金一封が支給されるという。第1回優勝者に選ばれた同社秘書室の石崎杏子さんは、東京マラソンや自宅周辺のボランティアに勤しむ休暇を過ごし、平日には見えない世界を見て、リフレッシュにつながったそうだ。
有休制度を充実させるには 仕事の効率化・共有がカギ!
有給休暇の充実の良い点は、十分な休暇を取ることで、社員が英気を養えることだけではない。休みを取るために、部内で業務の効率化はもちろん、休む人がいない間も業務が滞りなく行われるために、業務のシェアや共有化がなされるようになる点だ。
あなたの会社で充実した休みが取れないとしたら、仕事の効率化や共有がまだできていない状態なのかも。来年の夏こそじっくり休めるように、まずは職場での業務の進め方を見直してみては?
(ダイヤモンド・オンライン編集部 林恭子)
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