岡佳伸
特定社会保険労務士/社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表
掲載日:2024年02月09日
監修者
特定社会保険労務士/社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表
退職届に書く日付は重要で、何も記載しない、または深く考えずに記載すると、思わぬリスクを抱えることもあります。
退職日と退職届提出日がそれぞれ持っている意味と書き方のポイントについて、押さえておきましょう。
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まずは、退職届に記載する必要がある2つの日付について解説します。
退職日とは、実際にあなたが退職する日付を指します。事前に上司と相談して決めた退職日を書くようにしましょう。
「このたび、一身上の都合により、20XX年3月31日をもって退職いたします」
のように記載します。あなたが退職する日を明示した大切な証拠になります。
退職届提出日は、あなたが上司に退職届を提出する日付を記載するため、退職日とは異なります。
後述しますが、就業規則によって退職の申し出を行うタイミングが指定されているケースもあるため、あなたが退職届の提出日を記載することは退職日の記載と同様に大切です。
退職日を文中に記載し、文章が終わった後に退職届提出日を記載します。下記、退職届の例を参考にしてください。
詳しい書き方は以下で解説しています。
退職届の日付の書き方は、縦書きか横書きかで変わります。それぞれ解説します。
退職届を縦書きで書く場合は漢数字を、横書きで書く場合は算用数字をそれぞれ使います。
退職届は縦書きが一般的ですが、会社によっては横書きを指定しているケースもあるので、事前に就業規則を確認しておきましょう。
年の表記は西暦・和暦(元号)のいずれを用いても問題ありませんが、事前に就業規則で指定がないか確認しましょう。
また、同じ退職届に記載する年の表記は統一します。一つの書面で西暦と和暦の両方を使うことがないように注意してください。
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退職届に日付を書くべき理由は主に2つあります。
1つ目の理由は、あなたが退職する日を明確にするためです。
退職日の記載がないと、退職するという事実のみで「いつ退職するのか」という肝心の部分が曖昧になってしまいます。
その場合、あなたの代わりになる人材が見つかるまで退職できないなど、会社側の都合で退職日を決められてしまうかもしれません。
実際のトラブルも参考にしましょう。
2つ目の理由は、あなたが退職した日の証拠を残すためです。
例えば、最後の給料が振り込まれない、離職票の日付が違うといったトラブルが発生しても、退職届に記載している日付を根拠に会社と相談できるでしょう。
退職届は会社で保管される書類なので、きちんと日付を記載して証拠を残すようにしましょう。
退職日を決める時に意識しておくべきポイントについて5つご紹介します。
退職日を決める前に就業規則を確認しましょう。
就業規則には、退職を申告するタイミングや退職届の記載・提出方法に関する記載があるかもしれません。
あなた自身はもちろん、会社の関係者にとっても負担とならないよう、退職日を決める際には事前に就業規則を確認しておくことをおすすめします。
分からないことがあれば、上司や人事部に確認するようにしましょう。
退職日を決める際には、有給休暇の消化期間も考慮すると良いでしょう。
現時点で何日の有給休暇日数が残っているかを確認し、その日数を消化する前提で退職日を決めます。
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業務の引き継ぎ期間を設けることは、円満退職のための大切な要素の一つです。
現在のあなたの業務を後任者に引き継ぐにはどのくらいの期間があれば良いか、引き継ぎ相手が現状抱えている業務量も考慮し、余裕のあるスケジュールを意識しましょう。
丁寧に引き継ぎを進めるための工夫をチェック
スムーズな引き継ぎに必要なものは?
会社の繁忙期に退職することはなるべく避けましょう。可能であれば業務が落ち着いてから退職するのが良いです。
ただ、落ち着く見込みがない場合やどうしても今すぐに辞めたい場合は、より丁寧に退職手続きを進め、できる限り会社に負担を掛けない意識が大切になります。
例えば、引き継ぎのスケジュールを明確に提示し、あなたが辞めても業務が滞らないという安心感を上司に持ってもらうといった対策が考えられます。
すでに転職活動を始めている場合は、選考の状況から退職日を決めることも一つの方法です。
スムーズな転職を見込んで退職日を先に決めてしまうと、仮に転職活動がうまく進まなかった場合、無収入の期間が生まれてしまうかもしれません。そうなると焦りが生じやすく、キャリア選択に影響が出る可能性もあります。
退職日は、あなたの次の仕事のことも念頭に置きながら、慎重に決めるのが良いです。
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続いて、転職活動の状況別の退職日の決め方をご紹介します。
転職活動がスムーズに進み、すでに転職先が決まっている場合は、入社日の前日を退職日にするのが良いでしょう。
現職の退職日から転職先の入社日までに空白期間ができてしまうと、社会保険や年金の手続きが必要になり、また該当期間は各種社会保険の自己負担金が発生するからです。
収入の面でも、無収入の期間をつくらずに転職先で働き始められます。
転職先がまだ決まっていない中で退職日を決めることは、なるべく避けるようにしましょう。
現在の会社に勤めながら転職活動を行い、転職先が決まってから退職日を決めるのがベストです。
前述のとおり、退職日は決まっているのに転職先が決まっていない状況では焦りが生じ、最初に内定をもらった企業に安易に入社を決めてしまうケースが考えられます。納得のいく転職活動をするためにも、綿密にスケジュールを立て、いつまでに転職するのか、自分の中で期限を設けたうえで退職日を決めましょう。
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最後に、退職届の日付に関するQ&Aをまとめました。
基本的に、退職届を提出して同日中に退職することは難しいです。
企業によっては、退職日の何日前までに退職届を出すべきか、就業規則で定められている場合もあります。就業規則を確認したうえで指定された期間を守り、業務の引き継ぎなどで関係者に負担を掛けずに済むスケジュールを立てましょう。
法律上では退職は希望日の2週間前までに申し出ることとされていますが、円満に退職するためにも、遅くとも1カ月前には提出すると良いです。
基本的には退職日の前に提出するべきです。ただし、病気やケガで入院しているなど、やむを得ない理由がある場合は例外的に認められるケースもあります。
トラブルにならないよう、上司や人事部に相談したうえで提出日を決めるようにしましょう。
退職届を郵送する場合の提出日は、発送する日を記載するのが適切です。手渡しの際は渡す日が提出日となります。
つまり、郵送と手渡しでは書くべき日付が異なるため注意が必要です。
退職届は一度提出すると原則撤回ができません。つまり、日付の変更も基本的には認められません。
どうしても日付の変更が必要な場合、理由によっては認められるケースもあるため、提出した上司に相談してみましょう。
日付の変更が認められた際には、初めから退職届を書き直して再度提出します。
退職届には必ず日付を記載しましょう。
「退職届に日付を書くべき理由」で解説したとおり、日付を記載しておかないとトラブルにつながる可能性があるためです。
退職勧奨の場合、退職届を出す必要はありませんが、会社から提出を指示される場合もあります。
その際の退職理由は「一身上の都合」ではなく「会社からの退職勧奨により退職」と記載しましょう。自己都合と会社都合では退職後の基本手当(失業保険)に差が出るためです。
退職勧奨によって退職した場合は特定受給資格者となり、自己都合による退職後と比較して基本手当受給のための条件が緩和されます。具体的には、基本手当の給付日数が増える、給付の制限がなくなるといった違いがあります。
解雇や契約期間満了の時は退職届を出す必要はありません。
解雇は会社都合、また契約期間満了は労働契約にて示された期間を全うした正当な理由だからです。
ただし、もし提出を求められた場合は、「一身上の都合」とは書かず、「解雇により退職」「契約期間満了後、次の契約の提示がなされなかったため退職」などと記載するのが適切です。
あなたが希望した退職ではない場合は「一身上の都合」とは記載しないことが重要なポイントです。
退職日と退職届提出日は、退職手続きをスムーズに進めるために記載が必要なもので、万が一のトラブルを予防する重要な役割を担います。退職届を提出する際には、忘れずに記載しましょう。
会社によっては、「退職は1カ月前に申し出ること」などと就業規則で定められている場合があります。また、退職日が明確でないために給与の振込や退職手続きに支障が出る恐れもあります。退職届に退職日と退職届提出日が記載されていればそれが証拠になり、トラブルを防ぐ根拠となります。
円満退職を目指すためにも、退職届では日付の記載を忘れないようにしましょう。
大手人材派遣会社、自動車部品メーカーなどで人事労務を担当した後、労働局職員(ハローワーク勤務・厚生労働事務官)としてキャリア支援や雇用保険給付業務、助成金関連業務に携わる。現在は開業社会保険労務士として活動。各種講演会で講師を務めるほか、日本経済新聞、読売新聞、女性セブンなどへの取材記事掲載、NHK総合テレビ「あさイチ」スタジオ出演などで活躍。
特定社会保険労務士、キャリアコンサルタント、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士。
マイナビ転職 編集部
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