アセスメントの使い方とは? 看護や福祉など業界別の意味や例文を解説
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【アセスメント】を要約すると……
- アセスメントが意味するのは、客観的かつ公正な評価・査定
- 偏りのない評価や判断をする時に欠かせないものがアセスメント
- SDGsへの関心の高まりから注目を集めているのが環境アセスメント
ビジネスシーンやニュースなどでも聞く機会の多いカタカナ用語、アセスメント。その正しい意味や使い方、どのくらい理解できていますか?
「人材アセスメント」「看護アセスメント」「環境アセスメント」など、実に幅広い業界やシーンで使われています。異なる言葉と組み合わせられた時に、意味やニュアンスは変わるのか? 日本語ではどういった意味になるのか? 業界やシーンごとの使い方を例文を挙げて、深掘りしていきます。
INDEX
アセスメントとは? まずは正しい意味を解説
アセスメントとは、英語の「assessment」という単語からきているカタカナ用語です。この英単語には、もともと「(財産・損害・税額などの)査定、評価、判断」という意味があります。
人事的な査定であれば「人事アセスメント」、価格を評価・判断する際には「価格のアセスメント」など、ビジネスシーンではさまざまな言葉と組み合わせて使われています。対象が何であっても、公平な評価・判断を行うためには、客観的な事実や根拠が必要ですよね。故に、ビジネスシーンで使われる「アセスメント」は、この言葉自体に「客観的な事実・根拠をもって偏りのない評価をする」という意味を含んでいます。異なるビジネスシーンや使い方であっても、対象やそれにひもづく実際の行動こそ変わるものの、アセスメント自体の意味は同じです。
今更聞きづらい!
「タスク」はビジネスと
日常使いで意味が違う?
「コンプライアンス」、「CSR」…
混同されがちな
意味の違い分かる?
「エビデンス」とは?
ファクト、ソースの
違い分かる?
アセスメントは、どのようなビジネスシーンで使われる? 使い方と例文
アセスメントは、一般的なビジネスシーンではどのように使われることが多いのでしょうか。アセスメントが使われる例をいくつか紹介していきます。
人事的な場面で使われる「人材アセスメント」
異なる業界をまたいで使われることが多い言葉に「人材(人事)アセスメント」が挙げられます。
人材アセスメントを分かりやすく日本語で言えば、「人材採用の際や人材の適材適所への配置のために、個々人のスキルや経験を客観的かつ正確に評価すること」となります。適切な人材アセスメントをすることで、採用や異動のプロセスがスムーズになったり、より明確な指標で昇進・昇給を決めることができたりします。
- 例文:「採用のミスマッチを減らすため、人材アセスメントツールを導入した」
- 日本語で言い換えると:「採用のミスマッチを減らすため、採用基準となるスキルや経験を客観的に評価できるツールを導入した」
日本語に言い換えると説明が長くなってしまいがちですが、人材アセスメントという言葉を使えば、端的に伝えられます。
トラブルを未然に防ぐ? 「リスクアセスメント」
ビジネスで大きな決断や方向転換をする際などには、想定できるリスクやトラブルを事前に明確にし、未然に防ぐための対策が必要です。こういった際に行われるリスクの事前評価のことを「リスクアセスメント」と言います。
- 例文:「消費者のデータを収集するにあたり、個人情報の取り扱いについて事前のリスクアセスメントは必須だ」
- 日本語で言い換えると:「消費者のデータを収集するにあたり、個人情報取り扱いに関わるリスクや危険性を事前に見積もり、リスク低減の対策もしておくことは必須だ」
この場合も、日本語だと説明が冗長になってしまう可能性があるため、リスクアセスメントという言葉が便利でしょう。
効率的な組織改編をかなえる「組織アセスメント」
人材アセスメントと似たような文脈で使われたり、時に同時に会話に出てきたりする言葉に、「組織アセスメント」があります。
人材アセスメントは評価対象が人材のスキルや適性であるのに対し、組織アセスメントの評価対象は会社全体の特徴や現状です。組織の状態を適切にアセスメントすることで、課題を明確にし、組織改編や人事的な施策に反映することができます。
- 例文:「昨今のマーケットに合わせた会社の風土改革に取り組むため、まずは組織アセスメントを行いたい」
- 日本語で言い換えると:「昨今のマーケットに合わせた会社の風土改革に取り組むため、まずは会社全体の慣習や風土の現状を把握し、改善案を練りたい」
また組織アセスメントをすることで、社風に合った人材が見えてきたり、それぞれの部署やポジションに必要な能力やスキルを明らかにすることもできます。人材アセスメントと組み合わせて行うことで、より戦略的に組織力アップを図ることができるでしょう。
アセスメント、医療・福祉業界で使われるシーンとは? 使い方と例文
アセスメントは、医療、看護、介護・福祉の業界でも一般的です。アセスメント自体はほかの場合同様に「査定、評価、判断」の意味となり、看護アセスメント、福祉アセスメントといったように使われます。
例えばアセスメントを看護の現場で行う際には、主体的・客観的療法の視点から患者の症状や状態を事前に把握し、必要な対応や処置、サービスなどを判断します。重要なのは、患者本人からの申告による主体的な情報と、検査によるデータなどの客観的な情報を多面的に分析することです。
- 例文:「看護過程の良しあしは、アセスメントで決まると言っても過言ではない」
- 日本語で言い換えると:「看護過程の良しあしは、看護の症状・申告内容の事前の精査と、検査結果のデータ評価で決まると言っても過言ではない」
総合的な情報を見たうえで、偏りのない医療的な判断をするために看護アセスメントが行われます。
今更聞きづらい!
「タスク」はビジネスと
日常使いで意味が違う?
「コンプライアンス」、「CSR」…
混同されがちな
意味の違い分かる?
「エビデンス」とは?
ファクト、ソースの
違い分かる?
環境アセスメントとは? 建築・建設業界でアセスメントが使われるシーンと例文
ほかにも「環境アセスメント」という言葉も、聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。そもそもアセスメントという言葉が日本で使われる発端となったのが、環境アセスメントともいわれています。
日本では1997年に、公共事業などの開発事業によって環境問題が引き起こされないよう、環境への影響を事前に評価することを定める「環境影響評価法」が制定されました。この法律は通称「環境アセスメント法」とも呼ばれ、アセスメントという言葉が広く知られるきっかけの一つとなりました。
道路工事や新幹線の開発・建設などの際には、自然破壊や公害などが起きないよう、環境アセスメントの実施が義務付けられています。
- 例文:「土地開発を目的に環境アセスメントを行ったところ、問題ないという結論に至った」 日本語で言い換えると:「土地開発を目的に、開発事業による公害や自然環境への影響を引き起こさないか事前に調査・評価を行ったところ、問題ないという結論に至った」
またSDGsへの意識が高まる昨今では、自社製品を開発する企業についても環境アセスメントは重要なキーワードとなっています。各社が環境アセスメントの視点から、リサイクル素材を使用して作った製品や、消費電力が小さい電化製品などの開発に力を入れています。
【まとめ】ビジネスシーンで、あらゆる決断を支えるのがアセスメント!
アセスメントの正しい意味、使い方などについて、理解は深まりましたか? 会社の経営方針や人事的な査定から、医療サービスや商品開発の現場まで、あらゆる局面でアセスメントは求められている、と言えるのではないでしょうか。
なぜなら、業界・組織にかかわらず「客観的な事実や根拠をもって公平な評価をする」ことは、あらゆる決断をする際に求められる要素だからです。自分自身の会社や部署では、どういった場面でアセスメントが活用されているのか? 偏りのない評価をするための適切なアセスメントができているか? 新しい目で一度見直してみても良いかもしれないですね。
マイナビ転職 編集部
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