

勤務先を10年以内に退職予定の新入社員は今年も半数超。定年まで勤務予定は16.6%
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コロナ禍によって在宅ワークが広まるなど働き方が大きく変わった2020年から2021年。変化は就職活動や入社時研修にも及び、2021年度新入社員は、オンライン面接、オンライン研修など新しい状況下で社会人デビューを飾ることになりました。
そこで、マイナビ転職では2021年4月に入社した新入社員の在宅勤務状況や会社への帰属意識、上司や先輩とのコミュニケーションに対する本音など、気になる実態を調べました。
※調査対象は、2021年4月に新卒入社した会社員(正社員)。WEB調査で2021年6月25日(金)~6月28日(月)までに行ったアンケート調査結果を基にしています。
リモート勤務率は24.3%。4人に1人は在宅勤務を活用
まず初めに、新入社員の出社状況について聞きました。在宅勤務を含む、リモート勤務利用している人は全体で24.3%。4人に1人はリモート勤務をしていますが、すべて出社している人は75.9%と依然として出社ベースの働き方が多い様子がうかがえます。
[ 在宅勤務の現状 ]

新入社員のうち、今の会社を「3年以内に退職予定」は28.3%、「10年以内に退職予定」は51.0%
今の会社に何年くらい居続けるか聞いたところ、約半数が10年以内に退社予定、定年まで居続ける予定と回答した人は16.6%にとどまりました。
男女別に見ると、「3年以内」の回答が男性22.5%、女性34.0%と女性のほうが今の会社で長く働くイメージは持っていない結果に。
長く働くと思わない理由を聞いたところ、男性は今の会社を出世や年収アップなど労働者としてステップアップしていくための土台と捉えている一方で、女性は仕事以外も加味し、今の会社で自身の変化に合った働き方をしていけるかを考えているようです。女性社員の定着においては「ライフステージが変わっても働き続けられるイメージを持てるか」が、一つの鍵になるかもしれません
[ 勤続予定年数 ]

[ (男女別)勤続予定年数 ]

[ 会社に居続けない理由 ]

※全体の降順で上位5つを掲載
会社への帰属意識は68.1%があり。フルリモート勤務者は会社への帰属意識は低いが、早期離職意向は低め
「会社・組織の一員であると意識するか」という質問に、「意識している」と回答した割合は68.1%。特徴的なのはフルリモート勤務者で、「意識している」の回答が58.9%と全体に比べて低い結果に。とはいえ、フルリモートで働いている人は勤続予定年数については「3年以内に退職予定」14.7%と早期離職検討者が少ないため、当面身を置く労働環境としてのミスマッチは感じずにいるものの、帰属意識へつながる愛着や一体感は得られずにいるのかもしれません。
[ 帰属意識 ]

[ (リモート勤務者)勤続予定年数 ]

在宅勤務日数が長い人は、コミュニケーション不足が不安?
今の会社における「対人関係」の不安や悩みを見てみると、全体では「苦手な人がいる」22.0%、「同年代が少ない」21.5%、「付き合い・交流が少ない」16.1%が上位に。
しかし、在宅勤務日数が長い人ほど、「付き合い・交流が少ない」や「会う機会が少なく、コミュニケーションしにくい」という悩みや不安が大きくなるようです。対面コミュニケーション機会の少なさから同僚との距離をいつまでたっても思うように縮められず、もどかしさを感じているのかもしれません。前章のフルリモート勤務者の帰属意識の低さも、このような「居場所の見いだしにくさ」が関係ありそうです。
[ 人間関係の悩み ]

会社や上司・先輩からやってもらって良かったことは「話し掛けてくれる・雑談してくれる」が最も多い
会社や上司・先輩にやってもらって良かったことは、「話し掛けてくれる・雑談してくれる」が60.9%で最多になりました。
在宅勤務の日数別に回答を見ると、フルリモートの人は「話しかけてもらえる・雑談してくれる」が、出社勤務者よりは少ないもののやはり最多に。フルリモート勤務者も、上司・先輩とドライな関係ではなく、つながりを作っていきたいと考えているようです。
[ 上司や先輩にやってほしいこと ]

「対面」での打ち合わせにこだわりを持たない人はおよそ3割
本年の新入社員は就活中にコロナ禍となり、オンライン面接やオンライン研修など、従来と異なるプロセスを経て入社、配属されたオンラインネイティブと呼べる世代。そこで、オンラインコミュニケーションと従来のコミュニケーションそれぞれへの感じ方を調査しました。
まず、仕事においてオンラインの打ち合わせと対面の打ち合わせどちらが気軽かを聞いたところ、「対面」派は50.9%、「オンライン」派は19.3%、「こだわらない」派は29.9%。リモート頻度が高いほど、オンライン打ち合わせへのハードルが下がる傾向が見られます。
ただし、フル出社の人も「どちらでもいい」との回答が30.5%。勤務形態は出社でも、会議形態としてはオンライン打ち合わせの利用が進んでいることの表れかもしれません。
[ 打ち合わせはオンライン派? 対面派? ]

具体的な理由を聞いたところ、オンライン打ち合わせのポジティブな要素としては、気楽さや移動や会議準備など、会議に付随する時間が不要になる点が挙がりました。一方で、ネガティブな要素としては、発言しづらい、ニュアンスが分からないなどコミュニケーションの質に関する不安が上位になっています。
[ オンライン会議のメリット・デメリット ]

上司や先輩とのコミュニケーションはテキストよりも対面が好まれる?
対面・対話でのコミュニケーションが気軽にできない環境下で、代替手段としてチャットツールの利用シーンも広がっています。テキストのコミュニケーション手段が増えるなか、新入社員は対面とテキストどちらのコミュニケーションを好むのか聞いてみました。
結果、上司や先輩とのコミュニケーションでは、圧倒的に対面でのコミュニケーションを望む様子。業務に不慣れな新入社員にとって、テキストで送られた業務指示を余すことなく読み取ることや、自身の状況を言語化し伝えきることはハードルが高いのかもしれません。
[ テキストツールで ]

そんななか、唯一対面よりもテキストでのコミュニケーションを望むのは有給休暇申請。有給休暇は労働者にとって当然の権利とはいえ、言い出しにくいと感じる人が少なくないのでしょう。テキストツールのほうが、気まずさを感じずに済むというメリットもうかがえる結果になりました。
ここまで、アンケート結果を基に2021年の新入社員の意識を見てきました。会社への帰属意識は一定数あるものの、勤続予定年数については半数が10年以内と答える2021年の新入社員。オンライン化やテキストコミュニケーションの手段が増えるなかでも上司・先輩とは対面のコミュニケーションを望み、「話し掛けてほしい」と思っているなど、ドライな関係より密なコミュニケーションを求めている様子がうかがえます。
感染症対策など、引き続きコミュニケーションの選択肢が限られる状況ではありますが、新入社員の定着や関係構築には、会話のキャッチボールのできるリアルな環境が欠かせないと言えそうです。
マイナビ転職 編集部
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【調査概要】マイナビ転職『2021年新入社員の意識調査』
調査期間:2021年6月25日(金)~6月28日(月)
調査方法:2021年卒の新入社員を対象にWEB調査を実施
有効回答数:800名(内訳:22歳~23歳の男性400名、女性400名)
※調査結果は、端数四捨五入の関係で合計数値と合わない場合があります
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【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社マイナビ
転職情報事業本部 サイト戦略広報部 ブランド推進課
Email:mt-brand@mynavi.jp
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