【自己分析シートあり】転職時の自己分析のやり方や書き方を解説
更新日:2024年07月08日


記事まとめ(要約)
- 自己分析とは、自分の特徴や長所・短所、得意・不得意、価値観などを整理すること
- 自己分析をすることで、企業とのミスマッチを防げる、自分の強みが見つかる
- 自己分析の方法は、5W1Hで自分の経験を書き出す→深掘りする→そこからエピソードを作る
- 自己分析シートのダウンロードあり
転職を成功させるために「自己分析」はおろそかにできません。自己分析の結果は、転職理由や志望動機、自己PRに生かすことができるため、転職成功につながります。
転職時と就活時の自己分析の違い、自己分析のメリットや注意点を紹介します。
無料でダウンロードできる自己分析シートと書き方のコツも解説しているので、転職を検討している方はぜひご活用ください。
自己分析とは?
自己分析とは、特徴や長所・短所、得意・不得意、価値観などを整理することです。客観的に自分自身を深く把握することで、志望動機や自己PRに一貫性を持たせられます。一般的に、就職や転職活動の一環として自己分析を行うことが多いです。
自己分析の目的
就活時にしっかりと自己分析を行った方も、転職用の自己分析にあらためて取り組む必要があります。就活と転職における、自己分析の違いは以下のとおりです。
就職活動 | 転職活動 | |
---|---|---|
目的 | 「仕事選びの軸」と「自分自身のこと」を明確にするため。 | 「転職先を選ぶ軸」を明確にするため。 |
いつ やるのか | いつからとは決まっていない。就職活動中に随時アップデートを行う。 | 応募や書類作成の前。希望の転職時期があるなら逆算して始める。 |
やり方 | アルバイト・サークル・ゼミ・受験など主に学生時代のエピソードが中心。エピソードに対して深掘りをしていくことで自分の“大切にしたい価値観”が見えてくる。 | 自身の就業経験を5W1Hで書き出し、自分ができることをリストアップする。そこから“できること”を“強み”に変換していく。 |
志望動機 の作り方 | 自分の「仕事選びの軸」と、応募企業との接点を探して志望動機にまとめる。なぜその企業に引かれたのか、自身の強みをどう生かせるのかなどの理由を明記する。 | 企業が求める人物像とマッチした実績・強みをアピールする。また、自身の強みをどのように生かして応募企業に貢献していくかを明示しながら「なぜ当社なのか?」という採用担当者の疑問に答える。 |
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就活時の自己分析
就活時の自己分析には、「自分の仕事選びの軸」と「自分自身のこと」を明確にするためという目的があります。自己分析の時期は特に決まっておらず、就活を続けるなかで徐々にアップデートを重ねていくイメージです。
自己分析で深掘りしていく内容としては、アルバイト・サークル・ゼミ・受験などが挙げられます。学生時代のエピソードについて分析しながら、自分の本当の価値観を探していきます。
「なぜ入社したいのか」「自分の強みをどう生かせるのか」「会社にどのような魅力を感じたのか」という点を自己分析で見つけて、志望動機としてまとめます。
自己分析の結果を志望動機としてまとめる際は、仕事選びの軸と応募企業に引かれた理由を関連付けて説明することが求められます。
転職時の自己分析
転職時の自己分析は、仕事選びの軸と自分の強みを明らかにするという点では就活時と共通しています。就活時との違いとしては、「就活と転職とでは採用側の視点がそもそも異なる」という点です。就活時はポテンシャル重視の採用が中心となる傾向がありますが、転職時は即戦力を求めているケースが多くなります。
転職時の自己分析では、就業経験のエピソードを深掘りし、「自身が会社にどれだけ貢献できるのか」「スキルを応募職種でどう生かせるのか」という点をアピールできるようなエピソードを整理することが重要です。
また、転職をする際に自己分析を行うタイミングとしては、転職活動の最初がおすすめです。実際に企業に応募したり、書類を作成する前にある程度自己分析を終えておくとスムーズだからです。自己分析を行うことで自分の希望する仕事内容や労働条件が整理できるため、企業選びに役立つほか、入社後のギャップを防ぐなど転職するうえでの判断基準になります。
仮に、転職活動期間を3カ月程度と見積もるならば、希望転職時期の3カ月前には済ませておきましょう。
自己分析のメリット
転職活動を本格的に始める前に、まずは自己分析をしっかりと行いましょう。ここでは、転職時の自己分析にどのようなメリットがあるのかを解説します。
企業とのミスマッチを防げる
仕事の選び方として、「やりたい仕事」と「自分に向いている仕事」という2つの方法があります。しかし、「やりたい仕事」と「自分に向いている仕事」は必ずしもイコールではありません。
「やりたい仕事」であっても、実際に取り組んでみると「好きだけど得意ではない」「自分の性格には合わなかった」と感じることがあるかもしれません。また、「想像と違った」「会社の風土が合わない」など、理想と現実のギャップに戸惑う可能性もあります。
自己分析を十分に行うことで自分の強みが分かり、その強みを生かせそうな企業が見つかれば入社後のミスマッチは起きにくくなります。また、その強みを生かせそうな仕事も視野に入り選択肢が広がるでしょう。
「やりたい仕事」だけでなく、「自分の強みを生かせる仕事」を見つけることも大切です。いろいろな仕事を検討しながら、「やりたい仕事」「自分に向いている仕事」のちょうど良いバランスを探していきましょう。
自己分析をすることで自分の強みが見つかる
自己分析を行い、自分の経験を掘り下げていくことで、「強み」を見つけられます。その強みと企業の求める人物像がマッチしていれば、面接時のアピールも円滑に行えるでしょう。
ただし「転職をどうしても成功させたい」という気持ちから、企業の求める人物像に合わせ過ぎるのは気を付けましょう。たとえ転職が成功したとしても、ミスマッチの状態では長続きはしないからです。
転職を何度も繰り返すと、「転職回数が多いのは何かあるのでは?」「採用しても長く続かないのでは?」という印象を応募企業に与えかねません。ミスマッチな転職を繰り返さないためにも自己分析をしっかり行い、転職に必要な「自分の強み」を見つけましょう。自己分析シートを上手に活用しながら、自分の強みを生かした志望動機を作成してみてください。
自分の強みを採用担当者にアピールできる
自己分析をすることで、今までの仕事の振り返り、キャリアの棚卸しができます。キャリアの棚卸しとは、社会人経験を振り返り、職務内容や実績などを整理することです。
自分の経験やスキルを思い起こすことで、志望動機・自己PR・職務経歴書の作成がスムーズに進むでしょう。
自分の強みを採用担当者に伝えるには、就業経験のエピソードを上手に使うことが大事です。自己分析で十分にエピソードを発掘しておくことで、自分の実績や強みを具体的に説明できるはずです。
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転職するか悩んでいる人には方向性が見えてくる
転職活動が不安な時も、自分の向き不向きが分からず悩んでいる時も、自己分析を徹底的に行うことで、今までは見えていなかった自分の本質が見えてきます。また、内定をもらった企業に入社すべきか悩んでいる時の判断材料にもなるでしょう。
自己分析の結果、不安の原因を客観的に把握できたり、逆に「今の仕事を続けたほうが良いかもしれない」「もう少し今のままで頑張ってみよう」という気持ちになることがあるかもしれません。
「転職をするために自己分析をしよう」というよりは、「自分にとっての答えを見つけるために自己分析をしよう」と意識してみてください。自分自身をいま一度見つめ直すことで、進むべき道が見えてくるでしょう。
まずは自己分析シートを作ろう【シートあり】
自己分析の重要性を理解したところで、実際に自己分析シートを作成してみましょう。自己分析シート作成時のポイントとなるのは以下の3点です。
- 5W1Hで自分の経験を書き出す
- 5W1Hから更に深掘りをする
- 深掘りした内容をもとにエピソードを作る
自己分析シートは下記のページから無料でダウンロードできるので、読み進める前にぜひこちらをダウンロードしてみてください。
5W1Hで自分の経験を書き出す
まずは自分の強みを見つけるために、5W1Hで過去の出来事を振り返ってみましょう。自己分析シートを使用する際は、会社や商品の名称、従業員数や仕事の納期といった数値についても具体的に記入します。
- Where:どんな会社でしたか?
業界、会社規模、従業員数、企業理念、創業の経緯、社風、会社の知名度など - What:何の商品・サービスを扱っていましたか?
商品、サービス、価格、品質、競合他社との優位性など - Who:どんな人と関わりましたか?
社内関係者、パートナー企業の担当者、お客さまの属性(法人・個人、年齢層)など - How:仕事はどのような進め方でしたか?
お客さまへのアプローチ方法、具体的な仕事の進め方など - When:スケジュールはどれくらいの期間で進めましたか?
スケジュール、納期、期間、実際のスピード感など - Why:会社(もしくは自分)は何のために何を目指していましたか?
会社の目標、個人の目標など
<具体例>
従業員が200名ほどの会社でホテルで使われる寝具を生産し、ホテルのオーナーにご意見を伺ったり、提案したりする仕事を経験した。年間150のホテルに寝具を納品し、会社に貢献した。
5W1Hから更に深掘りをする
次に、自己分析シートから「自分のできること」を見つけていきましょう。「親しみやすさ」「忍耐力」「論理的」など、自己分析シートに書かれているキーワードの中から、自分に当てはまりそうなものをチェックしていきます。
直感でキーワードを選んだ後、そこから自分の強みを引き出していきましょう。キーワードをもとに、「求められていたこと」「身に付けたこと」「大切にしていたこと」「心掛けていたこと」「やりがい」「楽しかったこと」を箇条書きで書き出します。今まで忘れていたことでも、キーワードを眺めているうちに思い出せるかもしれません。
<具体例>
納品遅れや納品漏れが起こらないようにスケジュール管理を徹底していた。自分が提案した製品が満足いただけた時にやりがいを感じた。自信を持って提案できるように製品に関する知識を身に付けた。親しみやすいと感じてもらえるように笑顔を見せるようにしていた。
深掘りした内容をもとにエピソードをまとめる
先ほど箇条書きでまとめた内容を、今度は具体的なエピソードとしてまとめてみましょう。
自分の強みとして「○○力があります」とアピールするだけでは、面接官には伝わりにくいものです。「○○のために○○を改善した」「失敗した経験を生かして○○をして○○の成果を出した」など、エピソードと絡めて説明することで、説得力が一段と増します。
自己分析シートであらかじめキーワードやエピソードを整理しておくことで、漠然としていた「自分の強み」が明確になるでしょう。小さな強みを強力な武器にして、面接に臨むことが大切です。
<具体例>
教育を担当した後輩が自分のように納期遅れで取引先に迷惑を掛けることがないように、スケジュールの見直しや管理方法を指導した。
自己分析をする際の注意点やポイント

転職時の自己分析は、転職の成功を左右する大切な役割を果たします。しかし、自己分析のやり方を間違えてしまうと、うまく転職活動に活用することができません。
ここでは、転職にあたっての自己分析を行う際に気を付けたいポイントを見ていきましょう。
具体性のない言葉は控える
自己分析では自身の特徴に真摯(しんし)に向き合い、そこで得たものから志望動機や自己PRを作っていきます。作成の際に汎用的な言葉ばかりを使っていると、ほかの応募者との差別化ができなくなるため注意が必要です。
志望動機や自己PRでよく使われる言葉は、面接官としては「聞き慣れた言葉」かもしれません。そのため、自分なりのエピソードを加えて、言葉に説得力を持たせる必要があります。もしくは、以下のような表現をするように意識してみてください。
例)
キャリアアップのため→○○を目指しているため
協調性がある→コミュニケーション能力があり、他者との協力を円滑に行えます
責任感がある→一度引き受けた仕事は、最後までやり遂げます
マイナスな印象はプラスに言い換える
自己分析をした結果、自分の強みだけでなく、自分のマイナス点も見えてくるかもしれません。そのような時でも、視点をうまく切り替えることで対応できる場合があります。
自分のマイナスな印象が見えてきたら、いったんプラスの言葉に置き換えてみましょう。例えば、以下のような言い換えができます。
例)
優柔不断→柔軟性がある
飽き性→好奇心旺盛である
心配性→計画性がある
神経質→気配りができる
頑固→信念がある
我が強い→リーダーシップがある
表現をポジティブなものに変えることで、逆にアピールポイントにできる可能性があります。
定期的に見直す
その時に置かれている状況や環境、一緒に過ごしている人などの影響によって自分の価値観や考え方は変化します。
そのため、仕事を経験していくことで、以前行った自己分析とは違う気づきやアピールができることがあります。直近の自分自身について自己分析を行うことで、より明確な自分軸を見つけられるでしょう。自分軸を見つけることができれば、職務経歴書の記入や面接での質問に迷いなく答えられるようになります。
なお、自己分析の回数に制限はないので、時間のある時に見直す癖を付けましょう。
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他己分析もしてみる
他己分析とは、文字どおり他人に自分の評価を教えてもらう分析手法です。
第三者の視点から分析するため、自分では思いつかなかった長所や短所が見つかる可能性があります。また、他己分析で知り得た自分の長所をアピール材料につなげることも可能です。
自己分析だけでなく、他己分析も取り入れると、より深く自分について知ることができ、説得力を高められるでしょう。
自己分析に関する質問
自己分析に関するよくある質問に対して、回答します。自己分析を行ううえでの不安や疑問点をここで解消しましょう。
自己分析をしないで転職活動をしたらどうなりますか?
「自己分析は本当にやる意味があるの?」「自分のことは自分が一番知っている」と思う方もいるかもしれません。
自己分析をしないまま転職活動を進めることはできますが、企業選びに失敗したり、選考通過しづらくなったりと遠回りになる可能性があります。
自分に向いている企業が分からず手当たり次第に応募し、貴重な時間を無駄にしてしまうケースも多いので自己分析の時間を作ったほうが効率的だと言えます。
転職経験が少なく、強みと言えるものがありません
「強み」は、誰もが必ず持っているものですので、強みがない人は存在しません。
転職経験が少なくても、自己分析シートを使用すれば、強みを引き出すことができます。強みの裏付けとなるエピソードまで洗い出せるので、説得力のある志望動機や自己PRを作成することが可能です。
強みと言えるものがない場合の見つけ方として、どんな仕事でも仕事の目的があり、目的を達成するために行動があり、結果があります。これまでの仕事を書き出して、仕事の目的、目的を達成するために行ったこと、成果と分けて書き出すことで、強みが見つかります。
また、自分の弱みを見つけて、ポジティブに言い換えることで強みに変わるケースもあるので弱みから探すのも良いかもしれません。
まとめ
自己分析の効果が表れるのは、自分の過去の経験を深く掘り下げて、自分の本当の強みを見つけ出した時です。その強みを更に分析することで、「やりたい仕事」だけでなく「自分に向いている仕事」にも目を向けられるようになります。
転職を迷っている方、不安な方も、まずは自己分析をしてみましょう。自己分析で自分自身をしっかり見つめ直しながら、志望動機や自己PR、職務経歴書の作成に取り組んでみてください。
監修者

谷所 健一郎(ヤドケン)
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例」(マイナビ出版)、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。
マイナビ転職 編集部
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