中途採用とは? 新卒・第二新卒・既卒との違いや企業が行う意味と転職成功のコツ
更新日:2024年07月08日


記事まとめ(要約)
- 中途採用とは、一般的に就業経験のある人材を採用することを言う
- 中途採用では前職での経験を生かせる人材や、即戦力となる人材を採用する
- 第二新卒採用も社会人経験がある点では同じだが、中途採用ほどスキルや経験を求められない
- 転職を成功させるには、応募したい求人が出たらすぐに対応できるよう、常にアンテナを張っておく
求人サイトでは、「中途採用」の採用情報も多く見掛けます。中途採用で自分の希望する企業に転職するために、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか?
本記事では、「企業が中途採用でどのような人材を求めているのか」「転職成功のために何をすべきなのか」について、詳しく説明していきます。中途採用が行われる時期や、転職活動ならではの自己分析の方法についても詳しく知りたい方はぜひご一読ください。
中途採用とは

企業が採用活動をする時、「新卒採用」と「中途採用」の2つのルートがあります。「企業が新しい人材を募集している」という意味では同じですが、中途採用が行われる時期や求める人材に違いがあります。
ここでは中途採用の意味と、新卒・第二新卒・既卒との違いについて解説します。
中途採用とは就業経験者を採用すること
中途採用とは、一般的に就業経験のある人材を採用することを言います。新卒の場合は 未経験として採用しますが、中途採用では前職での経験を生かせる人材や、即戦力となる人材を採用します。
新卒採用では、採用の時期がある程度決まっていて、一度で多くの人材を募集するのが一般的です。一方の中途採用では、企業が募集したいタイミングで行われるため、通常、採用の時期は決まっていません。
新卒・第二新卒・既卒との違い
新卒・第二新卒・既卒の言葉の意味については、以下のとおりです。
- 新卒
新卒とは、一般的に「その年の3月末に学校を卒業する人」を指します。「新規卒業」や「新規卒業者」を略して、「新卒」と呼びます。 - 第二新卒
第二新卒とは、「卒業後に就職をして、その後に離職した人(卒業後3年以内)」を言います。ただし、第二新卒についての厳密な定義はありません。 - 既卒
既卒とは、「学校を卒業した後に就業経験がない人」のことです。第二新卒は就業経験がある人を指しますが、既卒は社会人としての経験がない人を指します。
中途採用と第二新卒採用は、社会人経験があるという点では同じです。しかし、中途採用は経験者採用が基本であり、第二新卒採用では中途採用ほどスキルや経験を求められない(新卒採用とそれほど差がない)という点で異なります。
第二新卒・既卒については、以下の記事で詳しく紹介しています。
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企業が中途採用を行う理由

中途採用を行う理由は、企業ごとの事情によってさまざまです。しかし、中途採用が行われる背景を知ることで、「どのような人材が求められているのか」「自分の人材価値はどれくらいなのか」を理解することにつながります。
欠員や増員のため
退職した社員や退職予定者がおり、社員を補充するために中途採用を行います。欠員や増員のための募集では、引き継ぎなどを考慮し通常短期間で入社でき実践力のある人材を採用します。
自社で不足している人材を中途採用で補いたい
新規事業の立ち上げなどで人材が不足している場合、企業は中途採用で事業に精通している人材を確保したいと考えます。またベンチャー企業などで組織が構築されていない場合、外部から経験者を採用して組織力の強化を図ります。ベンチャー企業以外でも、自社で対応できない業務改善や高度な専門技術を必要とする場合、中途採用を行います。
新卒採用の補填
新卒採用で採用しきれなかった人材の補填として、他社のカラーに染まっていない若年層の社員の中途採用を行います。企業は新卒採用者へ実施するビジネスマナーなどの研修を行う必要がないため、研修に伴う経費などが軽減でき、短期間で戦力になる人材を育成できると考えています。
業界や職種にとらわれない人材で活性化したい
中途採用は経験者採用が基本ですが、未経験者であっても採用する場合があります。その目的は主に2つ。一つ目は、自社で人材育成をしたい(育成できる環境が整っている)場合、二つ目は意欲のある人材を採用することで、新たな発想や仕事のやり方を取り込みたい場合です。前職の業界や職種にとらわれずに中途採用を行うことで、組織の活性化を図る目的もあります。
中途採用の人材に求められること

中途採用の人材に求められることは、それぞれの企業で異なりますが、共通している点は、仕事への意欲と協調性だと言えます。優秀な職務能力があっても、意欲がなく組織適応力がなければ採用につながりません。また年代別では、20代ではポテンシャルや経験で培ったスキルが重視され、30代以降では専門分野の知識、経験に加えてマネジメント能力を求められることがあります。
応募条件や仕事内容等から求められている人材を読み取り、これまでの経験を踏まえて応募企業でできることを具体的に整理することが大切です。中途採用の人材に求められていることについて、具体的に考えてみましょう。
短期間で戦力になる実務能力
既存業務の欠員のための募集であれば、短期間で戦力になる実務能力が求められます。これまでの関連する経験や知識を生かして、職務で発揮できる実務能力を具体的にアピールすることが求められます。
応募企業で不足している実践力
業務改善や新規プロジェクトでは、自社の社員で補えない専門的な業務を中途採用でカバーしたいと考えます。そのためこれまでの経験を裏付けとした実践力が求められます。また自社に該当する人材がいないため管理業務などのマネジメントができる人材を求めている場合も、実務経験がある人材を採用したいと考えます。
組織・業務改善力
中途採用で新たな人材を採用することで、良い意味で自社の常識が大きく覆されるかもしれません。新しい人材の採用は、新しい視点を増やすことでもあるのです。
新卒は社会人経験がないため、ビジネスとしての考え方やスキルなどが育っていません。しかし、中途採用の人材には、今までに他社で培ってきた経験が蓄積されています。
把握できていなかった自社の強みや弱みを、中途採用者の視点を借りることで見つけ、組織力強化や業務改善を行います。
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中途採用に向けた転職を成功させるコツ

人材不足が叫ばれる中で、中途採用のニーズは高まりつつあります。自分の希望する企業や自分に合う仕事に転職したいなら、転職成功のための注意点を押さえておきましょう。
ここでは、転職しやすい時期の見極め方や、戦力になる人材としてのアピール方法、自己分析の重要性について説明します。
転職の旬を見極める
求人が増える時期は、「3~4月」と「9~10月」が一般的です。ただし、中途採用の場合は、人材不足など、企業が採用したいタイミングで求人募集が始まるため、いつ希望の求人が出るのかは予想できません。
中途採用 は、基本的には「通年採用」と考え「ライバルが増える時期を避ける」というよりは、「応募したい求人が出たらすぐに対応できるよう、常にアンテナを張っておく」という意識でいるのが望ましいです。
中途採用の求人は、採用者が決まったら次はいつ応募のチャンスが来るか分かりません。「中途採用で入りたい会社がある」という人は、こまめに求人情報を確認しておきましょう。
転職時期を決めるポイントについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
実践力をアピールする
中途採用で求められることとして、「即戦力もしくは短期間で戦力として働けるかどうか」が挙げられます。新卒採用の場合は、その人の入社意欲や人柄、伸びしろが考慮されますが、中途採用ではスキルや経験が優先されることが多くなります。
また、採用から入社までの期間も、中途採用と新卒採用とでは大きな違いがあります。新卒時は情報収集や企業説明会など、実際に就職するまでに1年近く費やすことも多々ありますが、中途採用の場合は応募から採用決定までの期間が短く、1カ月以内に採用が決まるケースも少なくありません。
そのため、「どのように活躍できるのか」「今までの経験をどのように生かせるのか」など、入社してすぐに活躍できる人材であることをアピールする必要があります。
自己分析をしっかりと行う
転職活動でも新卒の就職活動でも、自分に合った業界や企業を見つけるために自己分析は欠かせません。しかし、転職者と新卒者とでは、自己分析の方法が異なります。新卒者の自己分析は、アルバイトや受験など学生時代のエピソードを深掘りして、そこから自分の価値観や仕事選びの軸を見つけていきます。
一方の転職者の自己分析は、今までの就業経験を思い出しながら、転職先選びの軸、応募企業で生かせる強みを見つけます。
自己分析ができたら、企業が求めている人物像と自分がマッチしているのかを考えてみてください。最初は興味を持っていた仕事内容でも、「自分には合っていないのかも」「ほかに自分に向いている仕事があるのでは?」と感じることがあるかもしれません。
自分の強みや弱み、得意なことや苦手なことを正しく理解すれば、自分に適した仕事を発見できるでしょう。自己分析のやり方をもっと詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
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まとめ
中途採用と新卒採用とでは、企業が求める人材がそもそも異なります。中途採用では短期間で戦力になることが求められると理解したうえで、転職活動を進めることが重要です。
自分の人材価値と企業の求める人物像が合致していれば、中途採用での転職も実現できます。転職の情報を通年で集めながら、企業が求める人材に近づけるように、自分のスキルを磨いていきましょう。
監修者

谷所 健一郎(ヤドケン)
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例」(マイナビ出版)、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。
マイナビ転職 編集部
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