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既卒とは? 内定を得るための履歴書・面接対策と就職成功のコツ

更新日:2024年07月24日

既卒とは? 内定を得るための履歴書・面接対策と就職成功のコツ

監修者マイナビジョブ20's

記事まとめ(要約)
  • 既卒とは、学校を卒業後一度も就職していない人のこと
  • 一般的には卒業後1~3年程度の人を指すことが多い
  • 新卒、第二新卒、フリーターとは違う
  • 既卒者が就活を成功させるには、4つのコツを押さえることが大切

既卒者とは、大学や専門学校などの学校を卒業後、一度も就職をしたことがない人のことを指します。既卒とは何か、新卒・フリーターとの違い、就職が難しいと言われる理由について解説します。

併せて、既卒者の内定率や就職方法、内定を獲得するコツもまとめました。効率的に就職活動を進められ、理想の働き方を実現するために、ぜひ参考にしてください。

既卒(既卒者)とは?

「既卒(既卒者)」とは、高校、専門学校、大学などの学校を卒業後、一度も就職したことがない人(社会人経験がない人)を指します。明確な定義はありませんが、一般的には卒業後1~3年程度の人を指すことが多いようです。

最近では新卒の就活(就職活動)が思うように行かなかった場合、「既卒」になることを避けるケースもあります。そのうえで、次年度に新卒として就活できるよう、あえて留年する人もいるようです。

しかし、学費がかかるなどのデメリットもあります。

新卒との違い

新卒とは、大学や専門学校、高校を卒業後すぐに企業へ入社する学生のことを指します。一方、既卒は一度も就職したことがない人が初めて就職をする際に用いられる言葉です。

第二新卒との違い

既卒と同様、よく聞く言葉に「第二新卒」があります。学校を卒業して1~3年程度であることは同じですが、一度は就職し、社会人経験がある人のことを指しています。

フリーターとの違い

一般的には、就職をせずにアルバイトやパートとして働く人のことを指します。

厚生労働省によると、「フリーターとは、15~34歳の若年者(学生及び主婦を除く)のうち、勤め先における呼称がアルバイト又はパートである者(これまでアルバイト・パートを続けてきた者で無業の者を含む)をいう。(※1)」と定義されています。

また学校を卒業後に、一度就職をしたものの、離職してアルバイトやパート勤めをしている人のこともフリーターと呼びます。フリーターと既卒は両立する概念ですが、一度就職した経験があれば、既卒ではなくフリーターに該当する部分が大きな違いと言えるでしょう。

  1. 出典:厚生労働省|IV フリーターについて 結果の概要

では「既卒」として就活をする場合、就活の方法や、気を付けるべきことはあるのでしょうか?

「既卒」の現状・就活方法について、キャリアアドバイザーに聞いてみた!
マイナビジョブ20’s/キャリアアドバイザー

求人市場における既卒の求人ニーズや、企業が既卒者に求めること、就活で気を付ける点などを、マイナビの20代専門人材紹介サービス「マイナビジョブ20’s」のキャリアアドバイザーに聞いてみました!

既卒って増えている? 減っている?

近年の新卒採用は売り手市場(就活生のほうが有利)といわれており、大学生の内定率も上がってはいるのですが、「マイナビジョブ20’s」に相談に来る既卒者の数は、年度で大きく変わらないという印象です。

というのも、既卒になる理由はさまざまで、就活を始めようとする時期も人によって違うからです。

<既卒になる理由>

  • 在学中に就活をしていなかった
  • 就活はしてみたけれど、積極的になれず、そのまま卒業してしまった
  • 就活し、面接に進んでいたけれど内定が出なかった
  • 公務員試験に受からず、卒業してしまった
  • 内定を得たが、その会社のインターンやアルバイトをしてみて、合わないと思い内定を辞退してしまった
  • 学校卒業後、資格学校や専門学校に通っていたため
  • 海外留学などで卒業時期がほかの学生と異なり、新卒就活ができなかった
など

既卒者の就職が難しいと言われる理由

既卒者の就職が難しいと言われる理由として、下記の2つが挙げられます。

  • 不利になる要素を持っているから
  • 強力なライバルの存在があるから

学校を卒業後、すぐに働かなかった事実に対して、「働く意欲が低いのかもしれない」といった不安を抱く採用担当者もいます。

応募書類や面接で企業側が抱える不安要素を払しょくすることが大切です。

また、既卒者は新卒採用枠か中途採用枠のいずれかに応募することになりますが、どちらも強力なライバルが存在します。

新卒採用枠では、社会人経験がないという点は同じですが、年齢が若い学生がライバルにあたり、中途採用枠では社会人経験を経ている第二新卒層がライバルです。

ただし、ここ数年では国の後押しもあり、既卒者の就職機会が広がってきています。厚生労働省では、学校を卒業してから3年以内は新卒枠として応募を受け付けて、有望な既卒者を新卒者として採用しようという通達(※2)を出していることもあって、既卒を新卒扱いとする企業もあります。

とはいえ実態は、「仕事で生かせる資格を保有している」「留学などやむを得ない事情がある」など、就活中の学生に対抗できる理由があることが選考通過のカギと言えるでしょう。

不安がある場合は、既卒者も歓迎する中途採用枠での応募がおすすめです。

  1. 出典:厚生労働省卒業後|3年以内の既卒者は、「新卒枠」での応募受付を!

企業の採用難で既卒の就職チャンスは広がっている

既卒者の就職活動は難しそうなイメージがありますが、実態は異なります。ここでは、既卒の就職活動における実態や、企業が既卒を採用する理由について解説します。

既卒を採用する企業は増えていますか? また、既卒を採用する理由は何ですか?

既卒を採用する企業は増えているという実感はあります。その理由の多くは、売り手市場に関係していると思われます。

<企業が既卒を採用する理由>

  • 新卒採用だけでは人員を確保しきれない企業が多くなっているため
  • 新卒採用の競争の激化により、中小企業の採用が難しくなっているため
  • 組織の年齢構成上、20代の人員を確保するため

などが挙げられます。

売り手市場によって、大手・中小企業を問わず、採用予定人数を確保しきれない企業が多くなっています。また学生側の応募も有名・大手企業に偏ってしまい、中小企業が人材確保に苦戦している、という現状があります。

企業は組織の年齢構成を適正に保つため、定期的に若手を採用することが多く、更に「3年以内に辞める新卒入社社員が多い」といわれる現代、企業側の「若手を採用したい」というニーズは絶えることがありません。

最近では一部の大手企業が、新卒一括採用のシステムを見直し、新卒・中途の採用枠や卒業年度、年齢にとらわれない採用手法を取り入れることを発表するなどの動きを見せています。

そのため「既卒」だからといって一概に「就職が難しい」とは言えない時代になってきていると思います。

既卒の内定率はどれくらい?

既卒の内定率はどれくらい?

株式会社マイナビが公表する「2022年度マイナビ既卒者の就職活動に関する調査(※3)」によると「内定を保有している」と回答した既卒者の割合が44.8%と、前年の42.4%から増加していることが明らかになりました。2年連続で数値が上昇しています。

また、厚生労働省が公開している「労働経済動向調査(令和4年8月)の概況」の「既卒者の応募可否及び採用状況(※4)」では、69%の事業所が既卒者の応募を可能にし、そのうちの38%が採用に至ったと記述されています。

産業別の数値を見ると、サービス業や医療・福祉、宿泊業・飲食サービス業などは積極的に既卒者を採用していることが分かります。

  1. 出典:マイナビキャリアリサーチLab|2022年度 既卒者の就職活動に関する調査

  2. 出典:厚生労働省|労働経済動向調査(令和4年8月)の概況

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既卒の就活方法とは?

既卒者が就職を成功させるためには、どのような手順を踏むと良いのでしょうか。ここでは、具体的な就活方法とよくある質問について回答するので参考にしましょう。

主な就活方法は5つ

ここでは、既卒者が応募可能な求人情報を探す方法を5つに分けて紹介します。

それぞれの概要や既卒者が利用するメリット、注意点について解説するので、自分に合う方法を見つけましょう。

求人サイトからの応募

求人サイトを活用した就職活動は、自分のペースで進められるのが魅力です。

一口に「求人サイト」と言っても、業界特化型やハイクラス層向けなど取り扱う求人の種類が異なります。既卒者が応募できる求人を扱う「若年層向けの求人サイト」や、「転職サイト」の中で「既卒者応募可」「既卒者歓迎」などと記載されている求人を探すと良いでしょう。

「マイナビ転職」に掲載している求人は、「社会人未経験歓迎」という特徴項目で絞り込み検索ができるので、既卒で就活を行う場合は、ぜひ活用してください。

求人サイトを利用する場合のデメリットとしては、求人探しや面接の日程調整、応募先企業の情報収集などをすべて自分でこなさないといけません。

労力や時間がかかってしまうかもしれませんが、しっかり計画を立てたうえで行動すれば、自分のペースを保ちながらスムーズに進められます。

企業ホームページなどからの応募

企業ホームページの問い合わせや、採用情報ページなどから直接応募する方法もあります。

応募したい企業が決まっている人は、直接応募することで、就職・転職サイトへの登録やハローワークなどに足を運ばなくて済むのでスムーズです。

直接応募は入社意欲や志望度が高いと好印象を持たれる一方、採用情報を掲載していない場合はそもそも募集を行っていない可能性があることには注意が必要です。

また、求人サイトや転職エージェントの求人情報に比べると、仕事内容や給料、条件などの情報が不明確なケースもあるため、企業と直接やりとりを行い、自分で確認する必要があります。

人材紹介(就職・転職エージェント)

人材紹介(就職・転職エージェント)では専任のキャリアアドバイザーが付き、企業選びから書類・面接対策、条件の交渉までサポートしてもらえます。

応募企業に直接聞きづらい社風や昇給制度、離職率などを教えてもらえる可能性もあるので、入社後のギャップを軽減できるでしょう。

人材紹介も求人サイトと同様に、サービスによって扱う求人の分野が異なるので、若年層向けサービスの利用をおすすめします。

ただし、既卒者に合う求人がなく紹介してもらえないケースや、担当のキャリアアドバイザーと相性が合わないケースもあります。また、エージェントから頻繁に連絡があると対応が難しいと感じる方もいるでしょう。

ハローワーク

ハローワークは、国が運営する地域密着型の総合的雇用サービス機関のことです。全国に拠点があり、職歴や性別、年齢問わず誰でも利用できます(ただし、わかものハローワークの場合は34歳以下の年齢制限あり ※5)。

新卒や卒業後3年以内の既卒が利用できる「新卒応援ハローワーク」という若者向けの就職支援サービスもあります。地元企業、中小企業の求人掲載が多く、数が多いのも特徴的です。

また、職業訓練の案内や地域の求人情報の紹介といったさまざまなサービスやサポートを無料で受けられることが魅力です。職業訓練を受けたい方や地元で就職したい方におすすめだと言えるでしょう。

ただし、ハローワークでは転職サイトのような詳細な企業情報が得られなかったり、就職・転職エージェントのようなきめ細やかなサポートが受けられなかったりすることには注意が必要です。

  1. 出典:厚生労働省|わかものハローワークの利用対象年齢が変わります

友人や知人の紹介

友人や知人の紹介で就職先を見つけることも可能です。信頼している人から社風や働き方、環境、労働時間などの実態を把握したうえで検討できるためミスマッチを防げます。

しかし、選考辞退や退職しづらい点が大きなデメリットだと言えるでしょう。また、友人や知人にとっては良い会社であっても、自分にとっても良い会社とは言い切れません。

自分に合うかどうかは、会社の情報をよく調べることや、面接のタイミングなどで不明な点をつぶしておくことなどが必要です。

Q:既卒の就活にはどんな方法が最適ですか?

既卒者が就活を行う時の応募では「主な就活方法は5つ」でご紹介した方法があります。

ただし、新卒採用のように定期採用しか行わない企業や、ある程度のスキル・経験を持つ中途しか採用しない企業もあるため、既卒は応募できる企業が少なくなってしまいます。

そのため、さまざまなメディアやサービスから求人を探すことが大切です。

Q:新卒向けの就職サイトや、転職サイトから既卒者は応募できますか?

一概には言えません。新卒向け就職サイトに掲載される求人の多くは「卒業予定者を対象にした求人情報」ですが、企業によっては既卒者のエントリーを受け入れていることがあります。

転職サイトの場合、「社会人経験や業務経験を求める求人」が多く、求人情報には「応募資格」が記載されていることがほとんどです。

しかし、スキルや経験を求める募集ではなく「未経験歓迎」「経験不問」などと書かれている場合は、既卒にもチャンスがあるかもしれません。

なかには「社会人未経験者歓迎」「既卒者も応募可」とうたっている求人もありますので、「社会人未経験」「既卒」などのキーワードで就職・転職サイト内を検索してみるのもいいかもしれません。

求人サイト、あるいは企業ホームページなど、いずれにしても「応募したい」と思う企業が見つかれば、まずは応募してみる、あるいは応募前に「既卒ですが応募可能でしょうか?」と問い合わせてみましょう。

企業によっては、問い合わせること自体が「入社意欲がある」と捉えられ、自身のアピール要素の一つとなるかもしれません。

Q:人材紹介とは何ですか? 既卒でも利用できますか?

人材紹介とは、採用ニーズのある企業からの依頼を受け、応募条件に合う人材を紹介する就職支援サービスです。

人材紹介サービスの多くは募集職種や業界の経験がある人を対象にしていますが、最近では既卒や第二新卒など、社会人未経験や経験の浅い人材に特化した人材紹介サービスも増えています。

求人の紹介だけでなく、キャリアカウンセリングや、履歴書作成、面接対策などのフォローも行っていますので、一度相談してみるのも良いでしょう。

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既卒の就活を成功させるコツとは?

既卒者が就活を成功させるためには、4つのコツを押さえることが大切です。企業側の意図や自分が置かれている状況を正しく理解したうえで挑めば、スムーズに就職を実現できるでしょう。

自分が既卒である現実を受け入れる

既卒を積極的に募集している企業が少ないことや、中には「既卒」というだけで良くないイメージを持つ採用担当者がいることを考えると、既卒の就活は新卒や中途に比べると不利であると思っておいたほうがいいでしょう。

だからといって、「既卒は就職が難しい」ということに直結しません。なぜなら採用担当者は「既卒になった理由」や「社会人としての経験がないこと」よりも、「既卒になったことを踏まえて、就職するためにどんな努力をしてきたか」を重視しているからです。

履歴書や面接では、これらの点をどれだけアピールできるかが大切になります。

視野を広げて就活を行う

就活は、幅広く社会を知る機会です。「自分がやりたいこと」だけに絞らず「今の自分ができること」も踏まえて、幅広い業種や職種に興味を持つようにしましょう。

更に言うと、漠然と「自分がやりたいこと」を考えるのではなく、「将来的にこういうことができるようになっていたい」という具体的な目標を持ちましょう。

目標を達成するために必要な経験や、身に付けておくべきスキルが分かれば、どんな会社や職種に応募すれば良いかが明確になり、志望動機が書きやすいことはもちろん、応募後や入社後のミスマッチも防げます。

また、いきなり「将来できるようになっていたいこと」を考えることが難しい場合は、まずは社会人経験を積むことを目標に就職してから、あらためてキャリアチェンジを検討するのも良いでしょう。

なぜなら社会人経験があることで応募できる求人は増えるからです。特に第二新卒層(学校を卒業して1~3年程度)であれば、社会人経験が1年程度でも選択肢が大きく広がるでしょう。

また、実際に仕事をしてみることで、自分自身の考え方や視野が広がったり、現実とのギャップを埋めることができたりと、キャリアパスも描きやすくなるのではないでしょうか。「急がば回れ」の考えで就活をしてみてください。

主体的に行動する

「志望業界や企業についてよく調べる」「応募可能かを企業に問い合わせてみる」「面接もしくは面談の機会を得たら、とにかく採用担当者に会ってみる」など、主体的に行動することが大切です。

応募前には、企業の求人情報やホームページなどをしっかりと読み込んでいく必要があります。実店舗や製品またはサービスがある企業ならば、店舗へ行く、商品を見る、使うなど、実際に利用してみましょう。応募企業の特徴や強みがより分かります。この点がアピールできれば、採用担当者も「うちの会社のことをよく調べているな」と好感を抱くでしょう。

求人情報やホームページに書かれている文章や条件だけでは、判断できないことはたくさんあります。これは新卒・中途にかかわらず、共通して言えることなので、社会人経験のない既卒の場合はより主体的に動くことが必要です。

自己分析や適職診断を行う

自己分析を行うことで、自分が仕事に求めていることや、自分が持つ強み・弱みなどを整理できるので応募企業を選ぶ基準が明確になり、入社後のミスマッチも防げます。

適職診断をしてみるのも一つの方法です。「自分の弱みは何?」「どのように伝えたらいいの?」「どの職種が自分に合うのか分からない」など、迷うことも多いでしょう。

マイナビ転職が提供する「ジョブリシャス診断」では、簡単な20問の質問に答えるだけで、27のジョブタイプ別に自分の適職を把握できるのでぜひ挑戦してみてください。

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既卒ならではの履歴書・面接対策とは?

書類の書き方や、面接時のあいさつや身だしなみなど、就活やビジネスマナーの基本を押さえておくことはもちろん必要ですが、既卒だからこそ注意してほしい点があります。

志望動機に自己PRを織り交ぜること

履歴書や面接の志望動機には、ほかの求人と比べて良いと思った点を説明しましょう。仕事内容や企業理念、その企業が扱う製品やサービスなどでも構いません。

でも単に「良いと思ったから」ではなく「自己PR」を交えながら述べるのがポイントです。

例えば応募企業に入社したら「これまでの自分のどういう経験を生かせるか」や、「自分のこういう目標をこの会社ならかなえられる」など、自分との接点や結び付きを探して説明しましょう。

そうすると、自分の強みをアピールできるだけでなく、採用担当者も志望動機に納得しやすくなります。

学生時代に一生懸命取り組んだことや、アルバイト経験からアピールできる強みなどを探しましょう。

参考記事

就職するためにどんな努力をしているかをきちんと説明できること

「なぜ既卒になったのか」という問いは、面接ではよく聞かれる質問です。既卒になった理由は人によってさまざまあると思いますが、正直に話して構わないと思います。

大切なのは「既卒になった事実を自分自身がどう受け止めているか」と、「就職するためにどんな努力をしてきたか」をきちんと説明できるかです。

就職するために努力していることを説明する例文

学生時代は就活に積極的になれなかったことを反省して、卒業後になりましたが、企業研究や業界研究を進めるべく、さまざまな本を読んだり、御社が運営する店舗にも足を運びました。またビジネスマナーを身に付けるため本で勉強しています。

このように、就活をしなかったことや、社会人経験がないことをカバーするため、現在どんな努力をしているのかを述べましょう。

  • 接客スキルを身に付けるため、接客業でバイトをしている
  • WordやExcelの勉強をしている
  • 志望する職種に必要な資格取得を目指している

などでもいいでしょう。

採用担当者は単に既卒になった理由を知りたいのではなく、そこから何を学び、どう考え、どんな行動や努力をしているのかを知りたいのです。

なぜならば仕事で失敗をした時も同じだからです。「失敗してしまった」で終わるのではなく、「その経験から何を学び、次にどう生かしていくか」を考えられる人は、新卒・既卒・中途を問わず、企業にとって本当に採用したい人と言えるでしょう。

熱意・意欲をしっかりアピール

既卒であるということは、企業から「就業意欲が低いのでは?」と思われてしまう可能性もあります。そこを払しょくするためにも、「御社に貢献したい」「一生懸命に努力します」と熱意や意欲をアピールすることが大切です。

たとえ社会人経験がなくても、熱意や意欲がある人なら「一緒に働きたい」と思う企業は多いはずです。

【Q】社会人経験のない、既卒が企業にアピールできることは何ですか?

当然ですが既卒者には社会人経験や業務にまつわる知識・スキルはありませんし、企業もそこに期待はしていません。

企業が期待しているのは、「仕事への意欲」や「入社後の成長」「ポテンシャル」です。

<企業が既卒を採用する時に重視している点>

  • 素直さがあり、育てやすいか
  • 入社意欲の高さ、熱意があるか
  • 「社風にフィットするか」「一緒に働いていけるか」などの人柄

企業によって採用基準は異なりますが、多くの採用担当者がチェックしているのはこれらに集約されると思います。

企業にとって、既卒は基本的なビジネスマナーをイチから教えていく必要があり、教育の手間が掛かるためデメリットと捉えられることもあります。しかし、経験を積んだ中途入社者では、「前職の社風や業務の進め方にとらわれてしまい、入社後にうまく会社になじめない」という心配もあります。

その点、既卒者であれば新卒と同様に

  • 社会人経験がない分、柔軟で適応力がある
  • 社風になじみやすい

と考えられ、教育の手間は掛かるが育てやすく、成長スピードや伸びしろに期待できると考えている企業が多くあります。

入社後の伸びしろを重視して採用する点は、新卒とほぼ同じです。ですから「既卒で社会人経験もないのに、求人に応募してもよいのかな……」と不安に思う必要はありません。

ただし新卒一括採用が定着している会社の中には「既卒」に対するマイナスイメージを持つ採用担当者がいるのも確か。新卒の時よりも工夫した就活方法やアピールが既卒就活を成功させるカギになります。

面接でよく聞かれることを対策しておく

面接でよく聞かれることを把握し、回答を準備しておけば、落ち着いて対応できるのでおすすめです。ここでは、既卒者に対して聞かれることが多い質問を4つピックアップしたので参考にしてみましょう。

質問例1:どうして就職しなかったのですか?

この質問は、面接で聞かれる可能性が高いです。多くの企業は、既卒者に対して、「仕事に対する意識が低いのかもしれない」など、不安を抱えます。

そのため、就職しなかった理由を明らかにし、納得してもらえれば、採用担当者の不安を払しょくできるでしょう。また、回答する際には、就職しようと思ったきっかけを伝えるとより説得力が高まります。

例えば、

  • 就職しなかったのはどういう理由だったのか
  • 就職しなかったことで思ったことや感じたこと、反省点
  • 自分の思いや反省点を踏まえて、今就職活動を行っていること

を伝えるようにするとより伝わりやすくなるでしょう。

回答例:卒業後、留学していた

大学卒業後は本格的に英語を学ぶため、カナダに2年間留学をしていました。留学後は英語スキルを生かせる仕事に就くことを目標としていたため、就職活動を開始しました。

この回答例では、卒業後すぐに就職活動をしなかった理由や、今後の目標が明確に分かる内容になっています。

回答例:就活はしたが、内定を得られなかった

新卒時にも就職活動を行っておりましたが、どのような業界・業種を選べばいいのか分からず手当たり次第に面接を受けた結果、どの企業からも内定を得られませんでした。自己分析の量や質が不十分だったことが原因だと猛省しております。

自分が本当に挑戦したい仕事は何か、大切にしたい価値観や強みなどを分析すると、やりたいことが見えてきたのであらためて就職活動を再開しました。

この回答例では、なぜ内定を得られなかったのかしっかり原因を追求し、今後につなげようとしていることが分かります。

質問例2:どうして就職しようと思ったのですか?

就職活動を始めた理由は、面接官にとって気になるポイントです。この質問の意図としては、長期的に働いてくれるモチベーションの高い人材であるかを確認するためだと言えるでしょう。

前向きな理由を具体的なエピソード付きで伝えることができれば説得力が高まります。また、アルバイトや契約社員、派遣社員ではなく、なぜ正社員を目指して就職しようと思ったのかを丁寧に伝えることもポイントです。

回答例:アルバイトから正社員を目指す

大学時代からアルバイトとしてフィットネスジムで働いていましたが、責任感のあるポジションに就きたいと感じるようになり、正社員として就職しようと決めました。前職では正社員登用制度がなかったため、就職活動を始めました。

この回答例では、アルバイトよりも責任があるポジションに就きたいという理由がしっかり伝えられています。

回答例:仕事に興味を持つきっかけを伝える

両親が祖父の介護をする様子を長年見てきました。そのなかで、訪問介護スタッフの方に丁寧にサポートをしてもらっている様子を見て、介護の仕事に興味を持つようになりました。

祖父の介護が終わった時、両親からいかに介護が大変なのか、介護サービスがありがたいかなどを聞く機会があり、サービスを提供する側として働く決心をしました。現在、フルタイムで充実した訪問介護のサービスを提供できる正社員雇用を目指して就職活動を行っています。

この回答例では、なぜその仕事に興味を持って、なぜ正社員になりたいのかをしっかり伝えられています。

質問例3:空白期間は何をやっていましたか?

卒業以降の空白期間の過ごし方次第で仕事に対する姿勢や意欲などが見えてくるため、この質問をする面接官は多い傾向があります。

また、自社で生かせるスキルや経験があるのかを確認するために、空白期間の過ごし方を聞くケースもあります。

回答例:自己研さんしていたことをアピールする

○○の資格取得のための勉強をしておりました。この期間を設けた結果○○の資格に合格し、△△として活動できるようになりました。入社後はこのスキルを生かして貢献していきたいと考えています。

質問例4:何か質問はありますか?

「何か質問はありますか?」という逆質問は、自分をアピールするチャンスだと捉えましょう。

回答によっては、やる気や積極性、志望度の高さが見え、評価につながるので、質問を準備しておきましょう。質問と併せて「自分の考え」を話すのも良いでしょう。

御社で成果を上げられている人や活躍している人に共通点はございますか?

入社後はイチ早く活躍したいと考えております。そのために勉強しておいたほうがいいことや準備などはございますでしょうか。

★面接の逆質問で注意したいポイント

「質問はありますか?」と聞かれたからといって、「何でも聞いて良い」というわけではありません。

例えば、「残業時間はどれくらいですか?」など、待遇面の話ばかりだと「仕事への興味が薄い」と捉えられることがあります。また「企業理念を教えてください」など、ホームページを調べれば分かることを質問するのも控えましょう。

「入社を決める前に福利厚生などについてしっかり確認しておきたい!」という場合は、就活・転職エージェントの利用がおすすめです。直接聞きづらいこともエージェント経由で質問でき、回答が得られます。

まとめ

「既卒(既卒者)」とは、高校、専門学校、大学などの学校を卒業後、一度も就職したことがない人(社会人経験がない人)を指します。

「既卒だから就職は無理」だと考える人もいますが、フレッシュさやほかの企業に染まっていないことから既卒者を積極的に採用する企業もあります。「既卒だから就職できない」と悲観的になることはありません。

空白期間もポテンシャルや適性でカバーすることができますし、社会人経験の有無にかかわらず、採用したいと考えている企業は多くあります。視野を広げて自分から行動することを心掛けましょう。まずは応募してみる、応募してもよいか問い合わせるなど、そこからチャレンジしてみましょう!

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