「よろしくお願いします」は敬語です。目上の人にも使えますが、相手との関係性やお願いごとの内容にもよります。
例えば、近しい社内の先輩への軽いお願いごとなら良いでしょう。ただ、上司やお客さまの場合は、基本的に後述の「お願いいたします」、内容によっては「お願い申し上げます」がふさわしいです。
更新日:2025年08月05日
記事まとめ(要約)
話し言葉としても書き言葉としても、ビジネスシーンで使われることの多い「よろしくお願いします」というフレーズ。目上の人とのやりとりにおける正しい用法や、より丁寧な言い方について解説します。
ビジネスマナー講師:人見先生
「よろしくお願いします」は敬語です。目上の人にも使えますが、相手との関係性やお願いごとの内容にもよります。
例えば、近しい社内の先輩への軽いお願いごとなら良いでしょう。ただ、上司やお客さまの場合は、基本的に後述の「お願いいたします」、内容によっては「お願い申し上げます」がふさわしいです。
「よろしくお願いします」を上司など目上の人や、お客さまに対して使う際には、文末に「いたします」を用いて、より丁寧にすべきか? などと迷ってしまうこともあるかもしれません。
「よろしくお願いいたします」の「いたします」は、「する」の謙譲語である「いたす」に、丁寧語の「ます」を付けた形です。謙譲の気持ちを表現する補助動詞となり、「お願いいたします」とすることで、より丁寧な印象となります。
具体的な確認・検討事項についてお願いしたい際には、「お願いいたします」の前に「ご検討のほど」「ご確認のほど」などを付け加え、その意図を明確に伝えるようにしましょう。
ビジネスマナー講師:人見先生
丁寧語と謙譲語はいずれも敬語ですが、謙譲語のほうが丁寧な表現になります。
丁寧語は相手を敬うために使う「丁寧な言い方」であり、謙譲語は自分(身内や自社の人)がへりくだることにより、「相手を敬う言葉」です。
お願いする気持ちをより強く伝えたい場合には、「相手に対して強く願う」という意味の「何卒」を添え、「何卒よろしくお願いいたします」とすると良いでしょう。
口頭の場合には、「何卒」より少しカジュアルな印象になる「どうぞ」を添えて、「どうぞよろしくお願いいたします」というフレーズが、より一般的に用いられています。
更に丁寧に言いたい場合には、「よろしくお願い申し上げます」を使うこともできます。
「申し上げます」は「言う」の謙譲語である「申し上げる」を用いて、丁寧語の「ます」で締めています。「よろしくお願いいたします」よりも、かしこまった印象になるでしょう。
文章で用いる際、「宜しくお願い致します」と書くのは間違いだといわれることがあります。それはなぜでしょうか。
まず「よろしく」については、ひらがなで書くことが好ましいとされています。理由としては、「宜しく」という漢字の読み方が、常用漢字表に含まれていないことが挙げられます。常用漢字表とは「法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安」として国が定めたものです。
「お願いいたします」と書く場合の「いたします」についても、ひらがな表記のほうが良いとされています。この場合の「いたします」の役割は、動詞ではなく補助動詞。公用文(府省庁が作成する文書)のルールでも補助動詞はひらがなで書く、という決まりになっています。
ビジネスマナー講師:人見先生
ビジネスにおいて公用文のルールが絶対ではありませんが、読みやすい文書は漢字とひらがなの割合が3:7といわれています。
漢字を減らす意味でも、常用漢字ではないものや補助動詞はひらがなで書くと良いでしょう。
参考:常用漢字表の音訓索引|文化庁
公用文作成の考え方(建議)|文化庁
あなたに合った
非公開求人をご紹介!
転職支援サービスでは、
公開されていない求人もご紹介可能。
転職活動、1人では不安…
業界専任のキャリアアドバイザーが
あなたの転職をサポート!
シゴト性格や強み・弱みをチェック
向いている仕事が分かる、応募書類作成に役立つ!
「よろしくお願いします」は便利な表現ですが、頻用しすぎると単調なやりとりになってしまいがち。やりとりの内容やコミュニケーションの頻度などに応じて言い換えたほうが、相手に適切に敬意を示せたり、的確に自分の意図を伝えたりできるでしょう。
「お願いします」では直接的すぎると感じる際には「存じます」を用いて、「お願いしたく存じます」とすることができます。
「存じます」は、「思う」「知る」の謙譲語「存ずる」に、丁寧語の「ます」を付けた表現で、ビジネスシーンでは、「と思います」の意味で用いられます。
「お願いしたく存じます」と言い換えることで、より謙虚な姿勢でお願いすることができるでしょう。
「ご検討いただけますと幸いです」は、提案した内容に対して、相手からの反応や返信を催促したい場合や、考え直してほしい時などに使うと良いでしょう。
「ご検討のほど、よろしくお願いします」と直接お願いすることもできますが、「幸いです」に変えると、一層謙虚な姿勢を示すことができます。
メールで相手の意見を求める際や、商談の日程調整をする際の締めとして使えるのが「ご返信をお待ちしております」です。
「待っている」の謙譲表現である「お待ちしております」を用いることで、相手に敬意を払いながらも、返信を期待している意図は明確に伝えることができます。
あなたに合った
非公開求人をご紹介!
転職支援サービスでは、
公開されていない求人もご紹介可能。
転職活動、1人では不安…
業界専任のキャリアアドバイザーが
あなたの転職をサポート!
シゴト性格や強み・弱みをチェック
向いている仕事が分かる、応募書類作成に役立つ!
やりとりをしている相手から、「よろしくお願いします」と言われた時の返事で使える代表的な表現として、以下3つを紹介します。
目上の人や、お客さまとのやりとりに適した返事です。「かしこまる」は「分かる」の謙譲語で、へりくだった意を示すことができます。
一方、気を付けたいのが、類似の表現として用いられることが多い「了解しました」です。「了解」に丁寧語の「しました」をつけていますが、尊敬語や謙譲語ではありません。使う相手には注意が必要です。
「かしこまりました」とほぼ同義である「承知いたしました」を使っても良いでしょう。
たまに「承知です」と言う人もいますが、これは正しい表現ではありません。「承知」は名詞なので、後に「する」が付かないと言葉として成り立たないからです。何となく意味は通じますが、ビジネスの場面では控えましょう。
「承知しました」も丁寧語ではありますが、謙譲表現ではありません。
ビジネスマナー講師:人見先生
どちらも正解です。いずれも口頭でも文書でも使用できます。
あくまでもニュアンスの話ですが、「かしこまりました」のほうがより相手への敬意を強く表すのに対し、「承知いたしました」はやや硬い表現のため文語でよく使われます。
相手と同じ表現で返すことで、同調や肯定を示すことができる返事です。より汎用性が高い表現でしょう。
あなたに合った
非公開求人をご紹介!
転職支援サービスでは、
公開されていない求人もご紹介可能。
転職活動、1人では不安…
業界専任のキャリアアドバイザーが
あなたの転職をサポート!
シゴト性格や強み・弱みをチェック
向いている仕事が分かる、応募書類作成に役立つ!
日本語の「よろしくお願いします」に直接対応する英語はないものの、ビジネスメールの締めくくりとしてよく使われる表現は、いくつかあります。
最も一般的かつ汎用性が高いのが、「Thank you.」(ありがとうございます)です。送る内容に対して検討・承諾してもらえることを想定できる場合には、「Thank you in advance.」を用いることもあります。「in advance」は「前もって」という意味です。
最後に自分の名前を入れる際、その直前に「Sincerely,」(真心を込めて)、「Kind Regards,」(敬意を込めて)、「Respectfully,」(謹んで)といった一言を添えることが、「よろしくお願いいたします」と近しい意味を持つ、といわれることもあります。
また、返信を促す表現にしたい場合には、「I look forward to your reply.」(ご返信をお待ちしております)で締めくくると良いでしょう。
ビジネスシーンでは、毎日のように使い、聞くことがある「よろしくお願いします」というフレーズ。文頭・文末に言葉を加え、より丁寧な表現に変えることで、相手やコミュニケーションスタイルに適した形で使うことができます。
毎回「よろしくお願いします」だけで通すのではなく、機転をきかせて活用してくださいね。
人見 玲子(ひとみ れいこ)
ビジネスマナー研修講師、キャリアコンサルタント(国家資格)
株式会社コントレール 代表取締役
大阪市出身。航空会社のグランドスタッフとして10年勤務した後、金融機関へ転職。社内研修の企画・運営・臨店指導を経て2013年11月に独立起業。現在は企業・自治体向け「ビジネスマナー研修」への登壇を中心に、キャリアコンサルティング、覆面調査、執筆活動などを行う。これまでの登壇回数は2,000回、受講者数は2万5,000人を超える。
マイナビ転職 編集部
お体ご自愛くださいは間違い!
かしこまりましたは違和感ある?
なぜ宜しくお願い致しますはダメ?
幸いですは目上の人に使えない?
ご教示とご教授の違い
取り急ぎご連絡までは失礼?
御社と貴社の違い
御中・様・行など宛名の使い分け
豊富な転職・求人情報と転職ノウハウであなたの転職活動を支援する【マイナビ転職】。マイナビ転職は正社員の求人を中心に“日本最大級”常時 約8,000件以上の全国各地の豊富な求人情報をご紹介する転職・求人サイトです。毎週火・金更新であなたの希望の職種や勤務地、業種などの条件から検索することができます。職務経歴書や転職希望条件を匿名で登録するとあなたに興味を持った企業からスカウトされるサービスや、転職活動に役立つ職務経歴書サンプルや転職Q&A、会員登録をすると専門アドバイザーによる履歴書の添削、面接攻略など充実した転職支援サービスを利用できる転職サイトです。