タイで働く情報コラム
タイ・バンコクの物価や生活費はいくら?特徴や日本との比較
掲載日:2016/08/30
更新日:2023/12/26

タイは日本と縁の深い国であり、2022年10月時点での在留邦人は7万8,431人に上ります(※)。では、現在のタイは物価や生活水準において日本とどれくらい違いがあるのでしょうか。
この記事では、首都バンコクでの暮らしを前提に、タイでの生活費を調べてみました。
- 出典:外務省「タイ基礎データ」
タイの物価は日本より安い?
これまでのタイは日本に比べて生活費がかからないイメージがありましたが、ここ数年、都市圏の物価は上昇しつつあります。
2013年ごろは、屋台やフードコートなどのローカルフードは1食約25~30バーツ(約105~125円)でおなかいっぱい食べることができましたが、今は1食約60~80バーツ(約250~330円)が相場。倍くらい値上がりしましたが、日本と比べたら、まだ安いと感じるでしょう。
デパートなどで食事をする場合、セットメニューや食べ放題は高くても一人約200~300バーツ(約825~1,240円)でしたが、今は500~1,000バーツ(約2,065~4,130円)かかるところも多いです。
外食費から見ると、バンコクなどタイ都市部の物価は、日本の2分の1から3分の2ぐらいと言えるでしょう。
為替レートは、1バーツ約4.129円(※1、※2)。2013年10月は1バーツ約3.128円(※3)だったので、この10年間で約1.3倍まで上昇しています。
- 1バーツ=4.129円(2023年10月20日現在)
- 日本銀行国際局の「基準外国為替相場及び裁定外国為替相場(令和5年11月中において適用)」を参考にして計算
- 日本銀行国際局の「基準外国為替相場及び裁定外国為替相場(平成25年11月中において適用)」を参考にして計算
また、円安の影響により、日本円で考えると、10年前と比べて物価が高く感じる傾向にあります。
タイの物価は街ごとに異なります。首都バンコクなどの都市部やプーケットなどの観光地では物価が高い傾向にあり、それ以外の郊外では物価が安い傾向にあります。

タイは住みやすい国?
タイは、気候的にも生活水準的にも住みやすい国と言えます。
タイは暑季(2月中旬~5月中旬)、雨季(5月中旬~10月中旬)、乾季(10月中旬~2月中旬)と3つの季節がありますが、年間を通して気温は高く、3月~5月は35~40度になる日もあります。この数年、4月は40度を超えることもあります。
バンコク(タイの中央部エリア)の気温
季節 | 平均気温 | 平均最高気温 | 平均最低気温 |
---|---|---|---|
暑季 | 29.7 | 36.2 | 24.6 |
雨季 | 28.2 | 33.4 | 24.8 |
乾季 | 26.2 | 32.3 | 21.2 |
- 単位は(℃)
- 上記の情報は、タイ気象局(Thai Meteorological Department)WEBサイトをもとに編集した情報です(2023年11月)
出典:タイ気象局(Thai Meteorological Department)「タイの気候」
年間を通して、平均気温の寒暖差が小さい分、日本よりも住みやすいと感じる人も多いのではないでしょうか。
また、バンコクでは交通インフラの整備も進んでいます。スカイトレインや地下鉄など電車移動が可能です。
ただし、電車が通っていないエリアもまだ多くあり、車を持っていないと不便を感じる場面もあるでしょう。
バンコクには日系小売店が多数出店しているほか、大型ショッピングモールもあります。都市部では日本と大きく変わらない生活が送れるでしょう。
タイの生活費の目安
実際にタイに住む場合に必要となる生活費を、バンコクで生活することを想定してご紹介します。
家賃
タイの都市部で生活する外国人は、コンドミニアムと呼ばれる物件に入居することが多いです。日本でいう分譲マンションにあたり、家具、家電が備え付けられているのが特徴です。物件によってはフィットネスジムやプールなど共用設備も充実しています。
エリア、アクセス、間取りにより賃料は変動しますが、バンコク内の1LDK(30~40平方メートルの場合)の家賃相場は、1万8,000〜3万5,000バーツ(約7万4,300〜14万4,515円)程度です。付帯サービスを考えると、日本に比べてリーズナブルと言えるでしょう。
また、コンドミニアムよりも安価な現地の人向けの賃貸物件を選べば、家賃を5,000~1万5,000バーツ(約2万650~6万1,935円)程度まで抑えることも可能です。
食料費
外食の場合、店舗によって金額が異なりますが、おおよその相場は以下のとおりです。
お店のタイプ | 1食あたりの価格 |
---|---|
屋台やフードコートなどのローカルフード | 約60〜80バーツ (約250〜330円) |
タイ料理レストラン | 約100~500バーツ (約415~2,065円) |
日本食・日系チェーンレストラン | 約100~500バーツ (約415~2,065円) |
コース料理・高級レストラン | 約500バーツ〜 (約2,065円〜) |
パッタイやガパオといったローカルフードを提供している屋台では比較的安価に食事ができます。
サンドイッチやスナックなどの軽食は30バーツ(約125円)程度、パッタイやガパオ、麺類は50バーツ(約205円)程度です。
日本でよく見掛けるファストフードや和食のチェーン店では、タイのほうが割高になるケースもあります。
日本のラーメンや一人前の定食であれば200~300バーツ(約825~1,240円)程度で食べられます。
アルコールが提供される居酒屋や本格的なコース料理などは、500バーツ(約2,065円)以上かかる場合もあります。
一方、自炊の場合は日本と比較すると安く手に入る食材が多いです。
商品 | 販売価格 |
---|---|
水(350ml) | 約10バーツ (約40円) |
コカ・コーラ(500ml) | 約20バーツ (約80円) |
豚バラ肉(300g) | 約100バーツ (約415円) |
米(5kg) | 約200バーツ (約825円) |
物価上昇に伴い食材ごとに価格変動があるため注意が必要ですが、日本貿易振興機構(ジェトロ)のビジネス短信によると、2023年9月度の食料価格はやや低下傾向で、今後も物価上昇率は緩やかになる可能性があるそうです。(※)
- 出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)「ビジネス短信|9月の消費者物価上昇率は前年同月比0.3%」

光熱費
電気代
年間を通じて気温が高いため、エアコンを利用する期間が長くなります。
使用量によっても差はありますが、一人暮らしの場合、目安としては月約1,000~2,000バーツ(約4,130~8,260円)程度でしょう。
水道代
水道代は日本と比較してかなり安く、一人暮らしであれば月約100~150バーツ(約415~620円)程度に抑えられます。
一方、そのまま飲むことはできないため、ミネラルウォーターなどの飲料水の確保が別途必要になることを覚えておきましょう。
交通費
交通費はかなり安く、日本の3分の1程度です。
交通手段 | 交通費 |
---|---|
バス | 8〜25バーツ (約35〜105円) |
電車(スカイトレイン、地下鉄) | 14〜47バーツ (約60〜195円) |
タクシー | 初乗り40バーツ〜 (約165円〜) |
バス代やタクシー代がかなり安くなっています。利用頻度によって異なりますが、交通費の目安としては月約2,000バーツ(約8,260円)です。
タイの平均年収はいくら?
タイで働く人々の全国平均年収は約135万5,320円です。
2021年度平均世帯実収入
平均月収 | 平均年収 | |
---|---|---|
タイ全国の収入 | 2万7,352バーツ (約11万2,935円) |
32万8,244バーツ (約135万5,320円) |
バンコクの収入 | 4万200バーツ 約16万5,985円) |
48万2,400バーツ (約199万1,830円) |
- 上記の情報は、タイの統計局(National Statistical Office)WEBサイトにアップロードされているデータをもとに編集した情報です(2023年11月)
出典:タイの統計局(National Statistical Office)「Average Monthly Income per Household by Region and Province: 2004 - 2021」
バンコクの平均年収は約199万1,830円となり、全国平均の1.4~1.5倍にあたる給与が支払われています。
日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所のレポートによると、若年層の高学歴化が進み、より高度な仕事に就きたいと考える人材が増えるなか、採用需要としては単純労働が多いというギャップが発生しています。そのため、若年層の失業率は高くなっているそうです。(※)
- 出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所のレポート|高橋 尚子「タイの労働力不足の現状と若者の苦悩」2023
タイの1カ月の生活費シミュレーション
これまでご紹介した内容をもとに、タイでの生活で実際にかかる費用をシミュレーションしてみました。
タイ全国の1世帯あたりの平均支出額
タイ政府機関が発表している家計調査から、1世帯あたりの支出金額を紹介します。
項目 | 費用 |
---|---|
家賃&光熱費 | 4,037バーツ (約1万6,670円) |
食費 | 7,487バーツ (約3万915円) |
交通費&通信費 | 4,208バーツ (約1万7,375円) |
教育費・娯楽 | 764バーツ (約3,155円) |
医療費 | 986バーツ (約4,070円) |
被服費 | 376バーツ (約1,555円) |
タバコ、お酒など | 241バーツ (約995円) |
合計 | 約1万8,130バーツ (約7万4,860円) |
- 2023年7月分
- 上記の情報は、タイ政府機関 Trade Policy and Strategy OfficeのWEBサイトをもとに編集した情報です(2023年11月)
出典:タイ政府機関 Trade Policy and Strategy Office「家計調査 1世帯あたり1カ月間の用途別支出金額(2023年7月分)」
上記の平均支出額はバンコクだけでなく、郊外も含めたタイ全国の平均となります。そのため、今回紹介したバンコクの物価や生活費と比較すると金額が低くなります。
ちなみに、日本全国の消費支出は、1世帯当たり28万2,969円ですので、約3倍以上の差があることが分かります。(※)
まとめ
バンコクはタイの首都であり、日本人駐在員も多く住む、都市部を代表する街です。家賃や食費次第では、日本と比較して生活費を抑えることができます。
とはいえ、為替や物価は変動するものなので、現地での生活を考える際には最新情報を必ずチェックしましょう。
- 記事監修:タイ出身マイナビ社員
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