「業種(業界)」と「職種」の違いや言葉の意味を知っていますか?
就職活動や転職活動の際に使われることが多い言葉なので、
まずは両者の言葉の違いと意味を把握しておきましょう。
また、転職活動においてどのように「業種(業界)」「職種」を考えたら良いか解説します。
「業種(業界)」「職種」の違いとは?
「業種(業界)」 = 事業の種類
業種(業界)とは、会社や個人が営む事業の種類です。
日本標準産業分類の大分類によると、「工業」「漁業」「製造業」「建設業」など、20種類に大別されています。また、マイナビ転職では業種(業界)を12種類に分類しています。
日本標準産業分類 大分類一覧
農業、林業 | 漁業 |
鉱業、採石業、砂利採取業 | 建設業 |
製造業 | 電気・ガス・熱供給・水道業 |
情報通信業 | 運輸業、郵便業 |
卸売業・小売業 | 金融業・保険業 |
不動産業、物品賃貸業 | 学術研究、専門・技術サービス業 |
宿泊業、飲食サービス業 | 生活関連サービス業、娯楽業 |
教育、学習支援業 | 医療、福祉 |
複合サービス事業 | サービス業(他に分類されないもの) |
公務(他に分類されるものを除く) | 分類不能の産業 |
- 2022年7月現在(平成25年10月改定、平成26年4月1日施行)
マイナビ転職上の業種分類一覧
IT・通信・インターネット | メーカー |
商社 | サービス・レジャー |
流通・小売・フード | マスコミ・広告・デザイン |
金融・保険 | コンサルティング |
不動産・建設・設備 | 運輸・交通・物流・倉庫 |
環境・エネルギー | 公的機関 |
「職種」 =仕事の種類
職種とは、仕事の種類のことです。
「営業職」「経理職」「人事職」「開発職」など、仕事の内容によって分けられます。営業部、経理部、人事部など、部署に分かれている会社に勤めている場合、所属している部署の業務の種類を自分の職種と考えることができます。
自分の職種をどう表現したらいいか分からない場合は、厚生労働省の職業分類で該当するものを探してみるといいでしょう。また、マイナビ転職では職種を16種類に分類しています。
マイナビ転職上の職種大分類一覧
営業 | 販売・フード・アミューズメント |
医療・福祉 | 企画・経営 |
建築・土木 | ITエンジニア |
電気・電子・機械・半導体 | 医薬・食品・化学・素材 |
コンサルタント・金融・不動産専門職 | クリエイティブ |
技能工・設備・配送・農林水産 他 | 公共サービス |
管理・事務 | 美容・ブライダル・ホテル・交通 |
保育・教育・通訳 | WEB・インターネット・ゲーム |
業種と職種で「仕事内容」を表現する
仕事を業種と職種で表現すると、
「製造業の営業職」「建設業の経理職」
のように、業種の後に職種を続ける言い方になります。具体的な例を見てみましょう。
■「駅」に関する仕事の場合
<例>
- 駅の売店の店員
- 「小売業」の「販売員」
- 駅員
- 「運輸業」の「駅務員」「運転士」「車掌」
- 電車の整備士
- 「運輸業」の「鉄道車両整備士」
■「本」に関する仕事の場合
<例>
- 書店員
- 「小売業」の「販売員」
- 少年誌の編集担当
- 「情報通信業」の「編集者」
■「携帯電話」に関する仕事の場合
<例>
- 携帯電話の開発者
- 「製造業」の「電気通信技術者」
- 基地局の設置作業者
- 「建設業」の「電気通信設備作業員」
- 携帯電話ショップ経営者
- 「小売業」の「会社役員」
「自分の仕事の業種と職種が分からない……」
そんな時は?
「希望する職種」に合わせて最適な職種を申告
中小企業に勤める方や個人事業を営む方の中には、一人で「販売」と「経理」と「営業」など複数の職種を兼務していて、自分の職種が分からない方がいるかもしれません。
このような場合に職務経歴書や面接などで前職について説明する時には、転職先で自分が就きたい職種に合わせて申告する場合が多いです。
まだ転職先を探している段階ならば、経験した複数の職種の中で、自分の力がより発揮できるものを軸にして検討するといいでしょう。
転職活動にどう活用する?
転職では業種(業界)知識、職種経験を生かすのが一般的
転職では、前職の経験・知識が重視される場合が多いことから、基本的には業界知識・職種経験を生かせる職を選びます。経験がある業種・職種での転職の場合でも、よりマッチングを図るためには、業界や職種の最新トレンドを知ることが大切です。
未経験の業種・職種にトライしたい時は?
転職において未経験の業種・職種にトライしたい時は、説得力のある志望理由を組み立てる必要があります。そのためにも業界と企業について理解を深めることが大切です。転職希望先の企業が求めているスキルや人物像と自分のスキルや特性とをすり合わせ、「貢献できること」「実践していきたいこと」を明確にして志望理由を組み立てましょう。
業界研究、企業研究の方法
業種(業界)研究 関連本多数。ニーズに合わせて活用を
希望する業種(業界)の知識がまったくない場合は、新卒者向けの業界研究本を利用するといいでしょう。業界の組織や仕組み、関連職種、業界で働いている人の生活スタイルなど、業界の基本が学べる内容になっています。書店では、就職・資格コーナーに置かれていることが多いです。
業界全体の長期的な動向を知りたい場合は、複数の会社の情報がまとめられた会社情報誌や、各業界の構図を説明した業界マップを活用するといいでしょう。
業界の規模、売上高や利益率の伸び、平均勤続年数、年収などの最新情報から、平均勤続年数が長く安定した労働環境の業界なのか、売上高の伸びが大きく新しい挑戦ができそうな業界なのか、年収が高く華やかな業界なのかなど、当たりをつけるのに役立ちます。
企業研究 まずはWebサイトのチェックから
企業研究は、転職希望先のWebサイトをチェックするところから始めます。
新卒者向けの採用ページの情報は転職希望者にも参考になります。企業が求める人材像の説明や社員紹介・インタビューは、社風や職場の雰囲気をつかむ手掛かりになります。応募したい企業が決まっている場合は、企業理念や取り扱い製品・サービス、業績などの基本情報もしっかり確認しておきましょう。
また、求人情報が公開されている場合は、その精読が大前提になります。募集職種の仕事内容や企業が求める人材像が書かれているので、必ずチェックしましょう。
企業に提出する履歴書や職務経歴書の志望理由では、その企業のビジネスに関する最新情報にキャッチアップできているかも、能力の一つとして見られています。新聞やネットのニュースに目を通し、製品、サービスに関連するトピック、競合の動向などを押さえておくことも重要です。
書籍やWebサイトでも分からない時は「人」に聞こう!
書籍やWebサイトの情報だけでは業界、企業の理解が十分でないと感じる場合、詳しい人に直接聞いてみるのも一つの手。
希望する業界、職種で働いている知人がいれば、会社の雰囲気や社員の気質などについて聞く機会を持ったり、企業が主催するイベントやセミナーに参加して、働いている社員から話を聞くことで、イメージとのすり合わせができます。
また、求人情報を見て気になる企業や迷っている企業があれば積極的に応募し、面接を受けて面接官に直接確認してみましょう。
まとめ
業種・職種の違いや言葉の意味を把握したうえで、転職活動では以下のポイントを押さえることが大切です。
- 業界研究、企業・職種の研究
- 現在の自分のスキルと特性を知ること
情報収集と自己分析をしっかり行い、自分も他人も納得させるような志望理由を伝えましょう!
◎イラスト 松尾 達
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