「仕事がつまらない」は転職で解決できる? 第二新卒で転職した経験者の本音って?
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第二新卒の時期に転職を考える理由はさまざま。「仕事がつまらない」「楽しくない」から仕事を辞めたいと思う人もいるのでは? そこで、第二新卒での転職成功者を対象にした座談会を開催! 「転職で仕事がつまらない」という悩みは解決したのか、本音を語っていただきました。また、転職経験者の視点から、転職する際の注意点についても聞くことができました。
※新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じたうえ、取材を行っています。
参加者プロフィール
異職種へ転職/提案営業・K.Mさん
大学卒業後はシステム会社に入社。ITエンジニアとして働きながら、社会人3年目で転職を考えるように。
同職種へ転職/事務職・Y.Nさん
大学卒業後、web広告制作会社へ。社会人2年目の9月に転職活動を開始し、同年12月に今の会社に入社。
異職種へ転職/営業アシスタント・M.Yさん
大学卒業後は、ブライダル会社のウエディングプランナーに。「転職したい」と思い始めたのは、社会人2年目。
INDEX
第二新卒時代に「仕事がつまらない」と感じた原因は?
- K.M
- 僕の場合、新卒で入社した会社は業界大手のIT企業。カード決済システムの企画・開発を行っていました。会社の安定感や待遇などは申し分なかったのですが、社会人3年目にはITエンジニアという「仕事がつまらない」「仕事が楽しくない」と感じるようになりました。
- M.Y
- 「つまらない、楽しくない」と思うようになったきっかけはあるんですか?
- K.M
- 実はもともとITエンジニアではなく、営業職希望だったんです。案件の要件定義など上流工程からかかわれるポジションでしたが、お客さまへの提案活動などもっと営業的な仕事にチャレンジしたいという気持ちが強くなっていったのがきっかけです。
- Y.N
- やってみたい仕事と、入社後の配属先が違ったんですね。大手企業での新卒採用や総合職採用でありがちなパターンですね。
- K.M
- でも最初は「やってみないと分からない。最初の3年はやり切るぞ!」っていう、気持ちもあって……。
- M.Y
- 分かります! 謎の覚悟というか、自分に対する意地というか。
- K.M
- そうなんです(笑)。だけど、やっぱり自分の理想と現実のギャップがどんどん大きくなってしまって。「やりたいことはこの仕事じゃない」「仕事がつまらない」という思いが膨らんでもんもんとしていました。
- Y.N
- 一度「この仕事、自分に合っていないかも?」と強く感じてしまうと、もうごまかせないですよね。私の場合、転職を考えたのは入社前のインターンシップ中でした(笑)。
- M.Y
- えっ!? 入社する前の段階で、すでに違和感があったってことですか?
- Y.N
- 私の場合は仕事じゃなくて、「会社」にですけどね。上手く言葉にはできないんですが、「どこか信用できない会社かも……」っていう、予感がありました(笑)。
- K.M
- でも、そのまま入社したんですよね?
- Y.N
- そうです。web広告の制作という会社の事業内容や、事務という仕事自体は興味があったので。でも、いざ入社してみると募集要項と実際の条件が異なっていたんです(笑)。当時は実家に住んでいたので大丈夫でしたが、一人暮らしなんて絶対にできないなと思うほどの給料でした。
- M.Y
- 特に新卒入社だと、“手取り額”のイメージがしにくいですもんね。
- Y.N
- 本当にそう。単純に「待遇に不満がある!」という気持ちよりも、自分が働いている会社を疑ってしまう気持ちが強くて。それでも仕事は楽しかったので続けていたのですが、知らないうちに会社への不信感に追い詰められてしまったみたいで……。最終的には、体調を壊してしまいました。
- K.M
- わぁ~。それは辛い……。
- M.Y
- 社会人経験が浅い時って、頑張り過ぎてしまうこともありますよね。私はウエディングプランナーという職業柄、休日は週1~2日。残業時間も多かったですし、土日休みの仕事をうらやましく思っていました 。
- Y.N
- “お客さまありき”の仕事ですもんね。
- M.Y
- 専属プランナーとして複数のお客さまを担当するので、気が休まることがないですし、寝ても疲れが取れなくて。「業務量と待遇面のバランスが取れていない」と気が付いたのが、社会人2年目の秋ごろでした。
- K.M
- 「ワーク・ライフバランスを大切にできるかどうか」も、仕事を楽しむため、長く働くための重要なポイントですよね。
- M.Y
- このまま結婚して、子供を産んで、仕事も続けて…… という、“40歳の自分”を想像できなくて。先が見えなくなるとモチベーションが保てず、つまらないものに感じてしまう、という状況に陥ってしまいました。
実際に行った「仕事がつまらない」の対処法は?
- Y.N
- 「仕事がつまらない」「仕事が楽しくない」ことに対し、転職前に行った改善や対処法はありますか?
- K.M
- 営業部門への異動をあきらめられずに、上司に直談判して撃沈(笑)。「まぁ、まだ入社して間もないんだからさ」と、真剣に取り合ってくれないというか……。信頼していた上司だったので、ちょっと傷つきましたね。
- M.Y
- 大手企業だと、ジョブローテーション制度なども整っていそうですけど?
- K.M
- そういった制度もなくはなかったのですが、希望が通るのは30歳前後。「そんなに待てない!」と、余計に焦ってしまいました。
- Y.N
- 私の場合、人間関係は良かったのですが、社内イベントなどが苦手で、あまり積極的に参加できませんでした。少しでも会社を好きになろうと頑張ってはみたのですが、会社への不信感はなくならなくて。対処するというより、やり過ごす術を見つけてしまいました(笑)。
- M.Y
- 私は、もっとキャリアを重ねて待遇が良くなれば「仕事がつまらない」と感じないかも! と思い、マネジメントにも挑戦。最終的にはプランナー兼店舗責任者までステップアップしました。やりがいのある仕事で、楽しいと思えるようになった反面、残業はもっと増え、売り上げの管理など責任者としてのシビアな問題も抱えるようになりました。
- K.M
- おぉ! すごいポジティブ。でも「仕事がつまらない」というより、「仕事がしんどい」になってしまった感じですね。
「仕事がつまらない」は転職で解決できた?
- K.M
- 転職先の職場では「仕事がつまらない」と感じないように、営業職だけに絞って転職活動をスタートしました。でも、いざ転職しようと思うと会社選びの基準はぜいたくになっていて、応募企業を絞るのに苦労しました。
- Y.N
- 「次は失敗したくない、妥協したくない」という気持ちから、希望条件が多くなりがちですよね。
- K.M
- だから僕の場合は営業職であり、かつ「会社の規模感は同等レベル」「未経験でも挑戦できる業界」という絶対に外せない3つの条件を決めることにしました。そこをちゃんと見極めて転職したので、今は楽しく仕事ができています!
- Y.N
- 私も募集要項をしっかり読んで、面接では不明点をクリアにできるような質問を。その結果、制度面が整っていて信用できる会社に転職することができました!
- M.Y
- 私は「残業少なめ&土日休みの会社」が第一条件。なので、今の会社、仕事に基本的には満足しています。
- K.M
- 「基本的には」って、解決できなかったことも多少はあるんですか?
- M.Y
- 不満というよりも残業時間が大幅に減った分、仕事の難易度は上がっていて。携わるビジネスがBtoCからBtoBへと変わったことにも、最初は戸惑いましたし……。
- K.M
- 分かるような気がします。僕は営業職って、もっとキラキラしたカッコイイ仕事だと思っていたんです。転職して「仕事がつまらない」という感覚はなくなったけど、数字を追う泥臭さや数字に追われる厳しさを、身をもって痛感しています(笑)。
- Y.N
- 想像していた仕事内容と実際に求められる働き方が、必ずしも一致するわけじゃないですもんね。しかも業界や会社によってルールや業務フローが異なる分、覚えないといけないことも山のようにありますし。
- M.Y
- 第二新卒って社会人経験がないわけじゃないし、かといって豊富なキャリアがあるわけじゃない、本当に微妙な立場ですよね。
- K.M
- 希望の職種や業界にかかわれるといっても、すべての悩みが解決するわけじゃない。「仕事がつまらない」原因が消えても、新しい課題は生まれてきますよね。
転職で「新たに生まれた課題」にはどうやって対処する?
- M.Y
- そういった課題に対してどう向き合って、解決しようとしましたか?
- K.M
- う~ん。まずは自分の仕事に対する考え方や、スタンスを変えてみることを始めたかもしれません。営業職の表面上のカッコ良さなんてどうでもいい、というように。そこまでのプロセスがどれだけ不格好でも、目標を達成することに意義があると思うように意識を変えてみました。
- Y.N
- 仕事って、とらえ方一つで「つまらない」を解消できるケースも多いですよね。さっき話した「覚えないといけないことも山のようにある」ということも、「まだまだ学べることがいっぱいある!」と脳内で前向きに変換したり。
- K.M
- 考え方だけでなく、自分の対応方法を変えないといけない時もありますよね。つい前職でのやり方を引きずってしまって、周囲に迷惑を掛けてしまったり。そうした失敗に対して、ネガティブになり過ぎないことも「仕事がつまらない」とならないために大切です。
- M.Y
- 自分だけで進める仕事じゃないので、周囲との人間関係や仕事の進め方には気を付けないといけませんね。職場環境が変わっても、“人”対“人”の問題はどうしても発生しますから。
- Y.N
- 周りの様子を見ながら仕事をしないとダメですよね。事務職って特にそうだと思うんですけど“単なるルーティンワーク”だと思ったら、やらされている感でいっぱいになってしまう。上司や先輩に言われる前に先回りしてやるべきことを考えて実践したり、自分なりの工夫をして「仕事がつまらない」と感じないようにしています!
「仕事がつまらない」から転職する時の注意点は?
「仕事がつまらない」=転職の良いきっかけに!
- 仕事にやりがいを感じない
- 社風が合わない、人間関係が悪い
- 給料が低く、モチベーションが保てない
- この仕事を、将来も続けていいか分からない
- 残業が多い
座談会参加者は上記のような理由で「仕事がつまらない」「仕事が楽しくない」などと感じているようでした。座談会参加者の経験談から分かるように、入社から数年が経過した第二新卒だからこそ感じる仕事や会社に対する不満、疑問は、転職を考え始める良いきっかけになりそうです。
しかし、転職で解決できる悩みがある一方で、仕事を変えても解決できない不安があったり、新たなプレッシャーが増えたりするケースもあり、注意が必要です。
転職で解決できる悩み、できない悩みって?
例えば……
- やりたい仕事ができていない
- 今の会社ではスキルアップが望めない
- 休日が不規則・少ない
- 年収が低い
という悩みは、仕事内容や待遇など、働く環境に大きな要因があるもの。
求人原稿をしっかりチェックして企業選びをすれば、転職によって解決しやすい悩みと言えるでしょう。しかし、
- 想像していた仕事のイメージと違った
- 自分の強みや経験をなかなか仕事で生かせない
- 学ばないといけないことが多くて大変
という悩みは、K.Mさんのように仕事のとらえ方を変えるなど、自分で解決していく努力によって、転職せずに改善するケースもあります。
ほかにも、転職するだけでは悩みが解決しないケースも考えられます。
「仕事内容がつまらない、飽きてしまった」「周囲の仲間と上手に付き合えない」「今の職場がとにかくイヤ!」など、短絡的な理由だけで転職してしまうと、悩みを解決できずに転職を繰り返してしまう可能性もあるでしょう。
また、タイミング・時期が「仕事つまらない」という気持ちに影響することがあります。
入社から数年という短い期間の中で、会社の経営状況や体制、任される仕事が変わったり、自分の気持ちが揺れ動いたりすることも十分あり得ます。
そのため、まずは「仕事がつまらない」「仕事が楽しくない」と思う理由を整理し、「自分の今の悩みは転職で解決するものなのか?」「本当に今が動く時期?」などを冷静に考えて、転職するかどうかを判断することが必要です。
第二新卒→転職成功者からのアドバイス!
今回の座談会のなかで出てきた、第二新卒で転職活動を行ううえで気を付けるべきことをまとめました。第二新卒での転職を考えている人は、転職経験者のアドバイスを参考にしてみてください。
- やりがいと待遇、どちらに比重を置くか優先順位を考えておく
- 目先の月給だけじゃなく、年収モデルや手当、福利厚生などの詳細も確認するべき
- 入社してから5年、10年先を見据えてキャリアや将来設計を描ける会社がいい
- 事業内容(扱う商品やサービス)、会社の規模などが自分に合っているかを確認する
- 就活とは異なり、内定→就業までの流れがタイト。いつでも動ける気持ちだけは持っておく
- 条件を欲張り過ぎると、転職先が決まらない。自分の市場価値を受け入れることも大切
- 転職に希望を感じるけれど、悩みがすべて解決するなど転職に期待し過ぎない
- 内定が出るとつい舞い上がってしまい、不本意な条件も受け入れやすくなるので注意
転職するか迷ったらチェックすべきこと
今回の座談会の内容から、「仕事がつまらない」という理由で転職するか迷った場合には、次のポイントをチェックして判断してみると良さそうです。
- 「仕事がつまらない」という悩みの要因を整理できるか
- 「仕事がつまらない」という悩みの要因は、転職で解決できるものか
- 転職で解決できない悩みは、自分の工夫でなんとか解決しようという気持ちがあるか
- 転職先に求める条件の“優先順位”を決めて企業探しができるか
すべてにチェックが付くようであれば、転職を考えても良いかもしれません。
「仕事がつまらない」「仕事が楽しくない」などといった、一見ネガティブな感情は「やりがいのある仕事をしたい」「理想の会社を見つけたい」など、前向きな気持ちがあるからこそ生まれてくるものです。
だからこそ、転職では自分の理想のキャリアや働き方を、しっかりと描くことがポイント! 「仕事がつまらない」と感じないような、自分に合った仕事を見つけてください。
マイナビ転職 編集部
第二新卒の転職に役立つ記事
- 転職って、就職活動より難しいの?
- 「転職すべきではない人」に共通する特徴とは?
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