
再チャレンジを成功させる方法
再チャレンジで受かる人は実は意外に多い
企業は常に戦力アップを考えているものです
一度は不採用になった企業への再チャレンジ。「また落ちるかも」と不安になるものです。しかし、それは面接突破の大きな障害になります。不安そうな挙動の人と自信を持っている人、どちらが魅力的に映るかは明らかですね。
実は中途採用の場合、再チャレンジで採用になる人は意外に多いのです。不安な気持ちなど取り払って、「私は御社の成長に貢献できます」と自信を持って応募することが大切です。
たとえ自己PR・志望理由の内容面で前回は不採用になったとしても、たまたまその年の採用ニーズと合っていなかっただけかもしれません。それどころか、印鑑が曲がって押されていたり、提出書類に誤字があったり、面接で声が小さかったなどささいな原因で不採用になっていた人も多いのです。
さて、1回しか応募していない人と2回の人では、どちらから志望の熱意や粘り強さを感じられるでしょうか。もちろん後者です。営業職・販売職・企画職などを志望する場合はむしろ高く評価されることもあるので、最チャレンジを諦(あきら)めるのはもったいない。前回不採用になった原因を修正し、応募企業に適した新たな自己PRを付け加えれば、あなたの受かる可能性は、初めて受ける人よりも大きいくらいです。
夢を現実に変える努力をしていますか
再チャレンジを成功させる秘訣(ひけつ)は3つあります。1つ目は、前回の失敗を書き出して同じことを繰り返さないための検討をすること。独り善がりの分析にならないよう、転職経験者に履歴書・職務経歴書をチェックしてもらい、客観的な意見を聞くことも大切です。2つ目は、自分のこれまでの経験のどんな部分が、応募企業に対してプラスの自己PRとして付け加えられるかを検討すること。3つ目は、面接慣れするために第一志望以外にも数社程度は受けてみることです。
最終的に希望の仕事に就く人と就けない人の最大の違いは、落ちた後に諦めずに努力しているか何もしていないかです。例えば希望の仕事に関連する学習をするなど、努力の対象はいくらでもあります。プラスの題材は、これからいくらでも付け加えられるのです。
テレビ局のアナウンス職への転職に成功したSさんは、新卒時の入社試験で落ちてから、ずっと努力し続けました。別業界の企業で働きながらも、毎朝、新聞のコラム「天声人語」や「ひと」のスクラップ・音読を欠かさず行い、アナウンス教室にも通い、気象予報士の資格の取得もしたそうです。
小さな努力でもコツコツ積み重ねることが重要です。どんな不安も、実力と自信に必ず置き換わり、「以前の私とは○○が違います」と力強く語れるようになります。夢を諦めず、今日からでも自分の夢に挑戦してみてください。
case study 13“2度目の挑戦”ならではの注意点と目標設定のコツ
再チャレンジを成功させるためには、前回と同じ過ちを繰り返さないこと、そして、前回の応募時からの成長をしっかり伝えることが重要です。ここでは気をつけたい初歩的なミスと、「目標設定のコツ」を解説します。
意外に多い、提出書類の初歩的なミス
最初の応募時に不採用になった理由は、「初歩的なミス」が実は意外に多いのです。後になっては、確認のしようがないため、本人はミスしたことに気づきません。よって、落ちた理由を誤解したり、同じミスを繰り返してしまうことが多々あります。
勇気を出して再チャレンジしたのに、このような初歩的なミスで不採用になってはもったいないです。以下のミスは、絶対に防ぐように気をつけましょう。
書類送付時のミス
提出書類の一部を同封し忘れたり、間違って別の書類を同封するのは論外です。意外と多いのが切手の貼り忘れや料金不足で、志望企業に不足分を支払わせてしまう人です。郵便料金は、大きさや重量によって変わるので、発送前にしっかり調べましょう。
書類作成時のミス
同時に複数の企業に提出する場合は、履歴書・職務経歴書は同じ文章を書き写す場合があり、その際に、志望理由等に別の企業名をうっかり書いてしまうことがあるので気をつけましょう。また、印鑑が曲がって押されていないか、忘れずにチェックすること。
面接時のミス
「勝負スーツ」のはずが、しわが寄っていたり、汚れていたりして、相手に不快感を与えてしまう人は意外と多いので、身だしなみには細心の注意を。また、時間には余裕を持って、最低でも30分前には会社付近に着くように心掛けましょう。遅刻は問題外。
なお、面接での失敗パターンは第4回「面接失敗力をつける」のコラムで詳しく説明しています。また、志望理由等の失敗パターンは第8回「説得力のある志望理由の組み立て方」のコラムで詳しく説明しています。併せて参考にしてください。
再チャレンジを成功させるための目標設定のコツ:4つの面にどんなプラスを付け加えるか!
前ページで説明したように、再チャレンジを成功させるためには、「以前の私とは○○が違います」と断言できるように努力する必要があります。この時、大変効果的なのは「知識」「能力」「資格」「人脈」の4つの面で以前にはなかった強みを自己PRとして付け加える努力することです。希望の職種・業務経験がない人でも、これらの努力をすることにより、転職成功に大きく近づくことができます。
前ページで紹介したSさんは、新卒の際にテレビ局の試験はすべて落ちましたが、異業界の教育系の企業(学習塾)で働きながら、以下の4つの努力をコツコツと積み重ね、転職を成功させました。
1.知識
毎朝、新聞のコラム『天声人語』と『ひと』のスクラップをし、音読をすること
2.能力
アナウンサー教室に通うこと
3.資格
気象予報士の資格の取得をすること
4.人脈
番組の観覧に何度も行って、知り合いを作ること
アナウンサー教室の講師の方々に紹介を依頼すること
前回応募時から、再チャレンジまでの間で身につけたスキルを効果的にアピールするコツ
身に付けたスキルや努力したことは、履歴書に明記することはもちろん、面接で自信を持ってアピールすることが大切です。さらにアピール力の効果を強めるコツを一つ紹介します。それは、努力の証になるものを面接に持参し、アピールの際にさりげなく見せることです。テレビ局に受かったSさんは、“分厚いスクラップブックと資格のテキスト・合格証書”をバックに入れておき、採用担当者に見せました。「百聞は一見し如かず」という諺もあるように、どれほどの努力をしたかが、採用担当者に一目でわかってもらえたそうです。
以前も受けたことを面接時に言っても大丈夫か?
上段で解説したように、前回の応募時よりもプラス要素をしっかりと付け加えてある場合は、再挑戦であることを面接で伝えても大丈夫どころか大きなメリットがあります。向上心の高さ、熱意の強さを高評価されます。しかし、プラス要素をアピールしきれない場合は、進歩がない人と思われてマイナス評価をされる恐れがあります。やはり夢を叶えるためには努力が必要不可欠なのです。
さて、あなた自身はどんな成長をPRしますか? 先に挙げた4つの面で目標を立てて努力したことは、転職の成功のみならず、転職後の仕事でも大いに活躍できる武器となるものです。そして、人生に多くの喜びをもたらしてくれるものです。このこともしっかり認識しておくと、やる気が一層高まります。
プロフィール
就転職・キャリアコンサルタント
坂本直文(さかもと・なおふみ)
キャリアデザイン研究所代表。劇的就職塾主宰。大学講師。全国各地の大学にて年間200回以上講義。著書多数。近著に『就活ノート術』(日本実業出版社)、『人生のエントリーシート』(PHP研究所)。
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