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年功序列とは? メリット・デメリットや転職で失敗しないポイント、成果主義との違いを紹介!

更新日:2024年07月08日

年功序列制度のイメージ画像
谷所 健一郎

監修者谷所 健一郎

キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)/有限会社キャリアドメイン 代表取締役

記事まとめ(要約)
  • 年功序列とは、年齢・勤続年数が増すほど、給与や役職が上がる評価制度のこと
  • 年功序列のメリット:長期的な教育が期待できる、将来設計を立てやすい
  • 年功序列のデメリット:成果を出しても年齢や勤続年数が優遇されがち、上下関係が厳しい傾向にある
  • 転職する際は年功序列と成果主義の会社、どちらが自分に向いているか見極める

転職先を選ぶ際、評価制度が気になる人もいるでしょう。転職後のミスマッチを防ぐためにも、主な評価制度である「年功序列」と「成果主義」の特徴や違いを知ることが大切です。

今回は、年功序列と成果主義の仕組みやメリット・デメリットのほか、現職と異なる評価制度の会社に転職する際に知っておきたいポイントなどを解説します。

年功序列とは

先輩を見つめる若手ビジネスパーソンのイメージ画像

まずは「年功序列」について、制度の概要を解説します。

年功序列とは年齢に応じて給与・役職が上がっていく制度のこと

年功序列とは、年齢・勤続年数が増すほど、給与や役職が上がる評価制度のことです。

日本の会社では戦後の高度経済成長期から、人材を確保する目的で、定年まで安心して働ける「終身雇用」と「年功序列」がセットで導入されました。長く働くほどスキルが上がり、会社への貢献度が高くなることを前提とした日本独自の制度(年功序列)として普及したと考えられます。

なお、近年は社員の高齢化で人件費が高くなり、更に年功序列に不満を持つ若手社員の離職が増えるなどの理由で、年功序列から成果主義へと、方針転換をする会社も増えてきました。

成果主義とは

若手ビジネスパーソンのイメージ画像

続いて、広まりつつある「成果主義」の仕組みを解説します。

成果主義とは仕事の成果や成績、実力などによって待遇を決める制度のこと

成果主義は、仕事の成果に応じて、給与や役職などの待遇を決める評価制度です。成果を賃金に反映する方法としては、インセンティブ制度や歩合制、年俸制、賞与などがあります。

  • インセンティブ制度:ノルマ達成時に上乗せで奨励金が支払われる
  • 歩合制:「契約1件ごとに○円」のように、成果に応じて報酬が支払われる
  • 年俸制:1年分の成果を翌年の給与に反映。給与は1年単位で決定される
  • 賞与:成果に応じて賞与(ボーナス)の金額が決定される

一方の年功序列は、年齢や勤続年数が増えるにつれて待遇が良くなる制度です。年功序列と成果主義はよく比較されますが、どちらが良い・悪いというわけではありません。

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年功序列制度のある会社で働くメリット・デメリット

研修を受ける若手社員のイメージ画像

転職する際に、年功序列と成果主義、どちらの評価制度が自分に合っているかを適切に判断できるよう、まずは年功序列のメリット・デメリットを見てみましょう。

メリット1:長期的な教育が期待できる

年功序列制度を設けている会社は、社員が離職せず、継続して業務をこなすことを前提としています。そのため、仕事をしながら着実に知識やノウハウを身に付けられるように、長期的な視点で教育プランを組んでいるケースがあります。

新卒・第二新卒などキャリア経験が浅い若手であれば、年功序列の会社に就職する場合 、先を見越した長期的な教育を受けられ、じっくりと経験を積むことができるでしょう。

メリット2:将来設計を立てやすい

年功序列の会社は多くの場合、終身雇用が基本となります。急激な業績悪化や倒産などの特別な事情がない限り、給与を著しく下げられたり、リストラされたりすることは比較的少ないとされています。

ベテラン社員の話やキャリアパスから、昇給や昇進についてもある程度イメージできることが多いでしょう。年功序列の会社は、基本的には定年まで働き続けられるため、将来に向けたライフプランも立てやすい特長があります。

デメリット1:成果を出しても年齢や勤続年数が優遇されがち

年功序列の会社では、成果よりも勤続年数や年齢が重視されます。そのため、入社して数年以内に成果を出しても、昇給や昇進につながらないこともあります。

中途採用の場合は「即戦力として中途入社したのに、結果を出しても給与に反映されない」という状況にもなり得ます。そのため、モチベーションを保ちにくい可能性があるでしょう。

デメリット2:上下関係が厳しい傾向にある

年功序列の会社では、年齢や勤続年数が重視されるため、若い社員がベテラン社員の役職を追い抜く状況はあまり見られません。社員同士の関係性に変化が起きづらく、会社全体の上下関係は厳しい傾向にあります。実力のある若手がいても、この上下関係がハードルとなるケースもあるでしょう。

「こっちのやり方のほうが適している」「古いシステムを変更して効率化したい」と考えても、上司に意見する、新たなチャレンジをするなどの行動が取りにくいかもしれません。

成果主義制度のある会社で働くメリット・デメリット

評価される若手社員のイメージ画像

成果主義制度のある会社で働く場合、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット1:待遇は実力次第で、年齢・社歴関係なく昇給・昇進のチャンスがある

成果主義の会社では、その人の成果によって待遇が決まります。業界の知識や実績が十分にある人、即戦力としてすぐに成果を残せる人であれば、年齢や勤続年数に関係なく、給与や役職など好待遇が期待できます。

実力がある人なら、成果主義の会社を選ぶことで、早い段階での昇給・昇進が見込めるでしょう。

メリット2:成果が評価・報酬に直結するため、モチベーションを維持しやすい

成果主義の会社では、インセンティブ制度や歩合制が用意されていたり、成果に応じて賞与アップが期待できたりします。

成果が評価・報酬に直接つながるため、「仕事で成果を上げて大きく稼ぎたい」「昇進して大きな裁量を得たい」という人にとっては、モチベーションにつながりやすいでしょう。

デメリット1:社員同士のライバル意識が強くなりやすい

成果が待遇に反映される分、社員同士のライバル意識が強くなりやすい点は成果主義の会社のデメリットになり得るでしょう。

なかには「成果につながらない仕事を避けたい」「自分の仕事を優先したい」という人がいるかもしれません。

たとえ中途入社の新人であっても、先輩社員にとってはライバルです。そのため、入社直後は社員同士のライバル意識の強さに苦労するかもしれません。

もちろん、成果主義であっても、社員が切磋琢磨しながらプラスの影響を与え合っている会社も多くあります。

デメリット2:評価基準が全社一律だと職種・部署によっては不公平感が生まれやすい

会社には、営業職・販売職など、商品の売り上げや新商品のリリースで成果を数値として可視化しやすい職種・部署がある一方、事務職・総務職・企画職など、仕事の成果が数値として見えにくい職種・部署もあります。後者のような職種・部署は、プロセスの評価がされにくいのです。

また、長期的なプロジェクト・研究に携わる場合は、すぐには成果が出ないことも少なくありません。

仕事内容がそもそも違うため、数字だけ重視するなど全社一律の評価基準を導入している会社だと、不公平感が生まれやすい面があります。

自分は年功序列と成果主義のどっちが向いているのか

今後のキャリアについて考えている若手のイメージ画像

年功序列と成果主義のメリット・デメリットを踏まえて、ここでは、それぞれの制度に向いている人の特徴を紹介します。

年功序列が向いている人

同一の企業で経験を積みたい人

同一の企業で長くコツコツと仕事をしていきたい人は、経験を積んでいくことでスキルを高め、存在価値を発揮することが期待されている年功序列の会社が向いているでしょう。

年功序列の会社のなかにはジョブローテーションを行うことがありますので、職種に特にこだわりがなく、さまざまな仕事を経験していきたい人にも向いています。

プロセスを重視し、長期的なスパンで仕事をしたい人

短期的な実績や結果を重視するのではなく、長期的なスパンで仕事がしたい、プロセスを重視してもらえるような仕事に就きたい人は年功序列の会社が向いているでしょう。

ライフステージに合わせて安定した生活設計をしたい人

年功序列の会社では勤続年数や年齢が増すことで報酬や役職が上がっていきますので、将来を見据えて安定した生活設計をしていきたい人に向いています。

未経験の仕事に就きたい人

未経験の職種に就きたい人は、研修制度が整っている傾向にある年功序列の会社が向いているでしょう。年功序列の会社は、通常じっくり育てていく環境が整っていますので、仕事を覚えながら経験を積みキャリアを高めていくことが可能です。

成果主義が向いている人

成果や実績を評価されて、早い段階で裁量のある仕事に就きたい人

年齢や勤続年数にとらわれず成果や実績が評価されて、大きな裁量のある仕事などやりたい仕事に就きたい人は、成果主義の会社が向いているでしょう。

年功序列の会社ではなかなか携われない仕事でも、成果主義の会社では実力があれば入社して間もない人でも任せてくれる場合があります。

業績を上げて報酬をアップしたい人

業績を上げて報酬をアップしたい人は、成果主義の会社が向いているでしょう。成果主義の会社は、年齢にかかわらず成果を上げれば、報酬をアップすることも可能です。

ただし成果を出せなければ報酬が大幅に下がることもありますので、報酬の変動に動揺することなくチャレンジしていける人が向いていると言えます。

キャリアアップしていきたい人

成果主義の会社は、年齢に関係なく実力に応じた仕事に携われるため、キャリアアップ志向の強い人に向いているでしょう。特定の分野のスペシャリストとしてキャリアアップしていきたい人は、将来の転職も見据えた成果主義の会社が向いています。

キャリア目標がある人

将来のキャリア目標が明確で、成果や実績を上げて目標を実現したい強い意志がある人は、実績を重視する成果主義の企業であればモチベーションを高めやすいでしょう。モチベーションを高めやすい環境であれば、短期間でキャリア目標を達成させる可能性も高くなります。

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転職する際に知っておきたいポイント

オフィスで仕事を行う社員のイメージ画像

「成果主義から年功序列」あるいは「年功序列から成果主義」のように、異なる制度の会社から転職をする人は、評価基準や給与、社員の意識の違いに戸惑うかもしれません。

ここでは、転職する前に押さえておきたいポイントを解説します。

成果主義から年功序列の会社に転職する場合

長期的な視点で仕事を行う

これまでのように成果や実績だけで評価をされるわけではなく、年功序列の会社は勤続期間や年齢により昇給や昇進が行われていると認識したうえで転職すべきです。

年功序列の会社では長期的な視点で育成を考えていますので、さまざまな仕事に携われるチャンスがあります。そのためには、短期的な成果だけを追い求めるのではなく、長期的な視点で仕事を行っていく姿勢で臨んでください。

チーム力を生かす仕事を行う

成果主義の会社では、個人の成績を追求する傾向がありますが、年功序列の会社では、チーム力、組織力が重視されます。社員同士のコミュニケーションの機会もこれまで以上に増えるなかで、社員同士の協調性や連帯感を大切にして、チームや組織で成果を築いていくものだと考えてください。

これまでは個人の実績を重視してきた人も気持ちを切り替えて、今後は会社貢献という視点で、チーム力、組織力を生かして成果につなげてください。

安定性をメリットと捉える

実績を上げてもこれまでのような報酬が得られないかもしれませんが、長期的には報酬に大きな変動がなく安定した生活設計ができると考えることもできます。

過去の評価や報酬と比較をするのではなく、年功序列の会社だからこそ可能な仕事に携われることや安定した収入というメリットを認識して転職をしてください。

年功序列から成果主義の会社に転職する場合

成果主義の厳しさも認識する

年功序列の会社で成果を上げても適切な評価をされず報酬につながらないため、成果主義の会社への転職を考えている人が多いかもしれません。

成果で報酬が決まるということは、成果を出せば高額な報酬や役職を得ることができますが、成果を出さなければ報酬が下がり降格のリスクがあると認識したうえで臨んでください。

短期間で成果を上げる必要性

年功序列の会社では、長期的な成果も評価の対象になりますが、成果主義の会社では比較的短期間の成果が評価の対象になります。

またこれまでのようにプロセスの評価ではなく、実績を重視した評価になります。そのためこれまでのようにチームワークを重視した仕事ではなく個人の実力が重視されます。

自らキャリアプランを立てて実践する

長期勤務を前提とした年功序列の会社では、会社の指示で異動があり、キャリアプランについて深く考えることがなかったかもしれません。しかし、成果主義の会社では、会社に依存するのではなく、自らスキルアップを図り、キャリアプランを立ててやるべきことを実践していくことが大切です。

言われてやるというような受身の仕事ではなく、自ら積極的にチャレンジしていく姿勢で仕事に臨んでください。

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まとめ

会社には大きく分けて長期的な教育が期待でき、将来設計がしやすい年功序列を導入している企業と、実力が評価・報酬に直結する成果主義を導入している会社があります。

転職する場合は、入社後のギャップで悩まないように、それぞれの会社の特徴をよく比較することが大切です。メリットとデメリットを理解したうえで、どちらの制度を導入した会社を選ぶべきか、自分の向き不向きを見極めましょう。


監修者
谷所 健一郎

谷所 健一郎(ヤドケン)

キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役

有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例」(マイナビ出版)、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。

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