ポイント
何かが起きた時、自分に対して「何を学べたか」「何を教えてくれたか」と聞き、意識することを習慣化しましょう。
掲載日:2024年09月13日
監修者相場 聖
心理の専門家、組織活性化コンサルタント/株式会社メンタルグロウ、株式会社ヒューマンエナジー 代表取締役
「仕事に行きたくない」と思ったことはありませんか?
社会人であれば誰しも、仕事におけるストレスは大なり小なり感じるもの。ただし、知らない間にそのストレスが大きくなり、「仕事に行きたくない」と思うほどになってしまったとしたら、注意が必要です。
そこで、多くの人が抱えるストレスの要因をはじめ、仕事に行きたくない時の対処法やNG行動、ストレス耐性のあるメンタルの作り方などを紹介します。
仕事に対するストレスや悩みは、誰しもが持つものです。
厚生労働省による令和4年の「労働安全衛生調査(実態調査)」によれば、現在の仕事・職場環境において、「強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じる事柄がある」と答えた労働者の割合は、なんと82.2%にも上ります。
毎日仕事に前向きで、「仕事に行きたくないなんて思ったことは、一度もない」という社会人のほうがむしろ少数派である、といえるでしょう。
年代別に見ると40~49歳において「ストレスを感じる」と答えた人が87.1%と一番高く、実に9割近くの人が強いストレスを感じながら働いていることが分かります。
強い不安、悩み、ストレスを感じる事柄がある人の割合(年齢別)
20歳未満 | 59.8% |
---|---|
20~29歳 | 83.0% |
30~39歳 | 77.0% |
40~49歳 | 87.1% |
50~59歳 | 84.8% |
60歳以上 | 67.5% |
上記のように答えた労働者が「ストレス」だと感じていることの内容を見ていくと、一番多くの人が選んでいるのが「仕事の量(36.3%)」です。次に「仕事の失敗、責任の発生等(35.9%)」「仕事の質(27.1%)」「対人関係(26.2%)」「会社の将来性(23.1%)」と続きます。
強い不安、悩み、ストレスの内容(主なもの3つ以内)
仕事の量 | 36.3% |
---|---|
仕事の失敗、責任の発生等 | 35.9% |
仕事の質 | 27.1% |
対人関係(セクハラ・パワハラを含む) | 26.2% |
会社の将来性 | 23.1% |
顧客、取引先等からのクレーム | 21.9% |
役割・地位の変化等(昇進・昇格・配置転換等) | 16.2% |
雇用の安定性 | 11.8% |
事故や災害の体験 | 3.6% |
その他の事柄 | 12.5% |
また男女で比較した場合、ストレスの内容として上位を占める5つの項目の中で、女性のほうが強く感じているストレスが「対人関係(男性23.8%/女性30.7%)」である点も、興味深い点といえます。
強い不安、悩み、ストレスの内容として上位を占める5つの項目(男女比較)
男性 | 女性 | |
---|---|---|
仕事の量 | 39.6% | 34.0% |
仕事の失敗、責任の発生等 | 38.2% | 34.9% |
仕事の質 | 29.3% | 25.2% |
対人関係(セクハラ・パワハラを含む) | 23.8% | 30.7% |
会社の将来性 | 25.7% | 15.9% |
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「仕事に行きたくない」という思いは、多くの社会人が抱えているものです。だからと言って、「みんな頑張っているのだから、このくらいは我慢することが普通」などと自分に言い聞かせて、やり過ごすことはおすすめしません。
以下のような事態を避けるためにも、「自分が一番強くストレスを感じているのは何か」を認識し、向き合い、対処していくことが重要です。
こういった状況になると、「仕事がうまくいかない」「職場での評価が下がった」といったことが更なるストレスを生み、負の連鎖に陥ってしまうことも懸念されます。結果的に、「仕事に行きたくない」が「仕事に行けない」という状態にまで悪化してしまうことがないよう、自分の心ときちんと向き合い、対処しましょう。
多くの社会人が仕事や職場環境に対して感じる強いストレスの内容については、厚生労働省の調査内容を上述しました。では「仕事に行きたくない」と感じる要因として、一般的によく挙げられるものを見ていきましょう。
やはり多いのが、「仕事の量」です。
やりがいのある仕事や好きな仕事であっても、業務量が多すぎて片付かない、常に納期に追われている、残業や休日出勤が多く疲労が取れない、といった状況になれば、その疲れはストレスとなり、身体的・精神的にも蓄積していきます。
結果的に、仕事に対してネガティブな気持ちになることも大いにあり得ます。
社会人であれば誰しも、職場における対人関係や取引先、クライアントとの関係など、人間関係に悩んだことがあるのではないでしょうか。
人間関係の悩みといっても、「上司が厳しすぎて、チームの雰囲気が悪い」といったものから、より深刻なセクハラやパワハラに至るものまで、さまざまです。「あの人と一緒に仕事をするのがつらい」「不適切な対応をされるかもしれないと思うと、憂鬱で仕事が手につかない」というように、仕事に対する姿勢やパフォーマンスにまで影響が出てくるようであれば、要注意でしょう。
先述の令和4年・厚生労働省の「労働安全衛生調査(実態調査)」でも「役割・地位の変化等」をストレス要因として選択した率は16.2%と比較的高めです。なかでも特筆すべきは、20~29歳では「役割・地位の変化等」を選んだ割合は11.0%であるのに対し、30~39歳では20.7%に跳ね上がっている点です。
社会人になって一定期間キャリアを積んだ後、あるいは同じ会社における在籍年数が伸びた後に、昇進や異動、転勤といった変化がある可能性が高い、ということが読み取れます。
また、新しい業務・役割でなかなか成果が出せない、人間関係になじめないなど、「仕事の質」や「人間関係」などが結び付き複合要因となり、より強いストレスに発展することも考えられます。
仕事における失敗も、大きなストレス要因となり得ます。
もちろん人間誰しも失敗はするものなので、「失敗したけど、次は頑張ろう」とモチベーションにつなげられるようであれば、問題はありません。
一方、「チームに迷惑を掛けてしまったことがショックで、立ち直れない」「上司からの厳しい叱責にこれ以上は耐えられない」といったように後々まで思い悩み、自分を追い詰めてしまうような場合は要注意。仕事に対する姿勢そのものにも悪影響を与えてしまうおそれがあります。
どんな仕事にも責任はつきもので、それがやりがいになる人も多いでしょう。
ただし、責任を強く感じすぎて精神的に余裕がなくなったり、会社や上司からのプレッシャーを必要以上の負荷と感じていたりする場合には、きちんと向き合う必要があるでしょう。
勤め先の企業に将来性を感じられない、業界自体の先行きが不安定、といったことも「仕事に行きたくない」と思うストレス要因になり得ます。
「この会社で何年仕事を続けられるのか」「同業界では転職先もないのではないか」といった不安を抱えたまま仕事をすることは、自分自身の働き方やキャリアに対する自信喪失にもつながってくるためです。
「労働時間や責任の重さと給料が見合わない」「成果に対して正当な評価がされない」といった給与や待遇への不満は、それ自体がストレスになり得ます。
更に「今後も改善が見込めない」となれば、なおさら仕事に行きたくない気持ちが募ってしまうことでしょう。
給与や待遇に特別な不満がなくても、仕事に対してやりがいや働きがいが感じられない、ということがストレスになる場合もあります。
「休み明けは仕事へのモチベーションが上がらない」という経験をしたことがある社会人は多いのではないでしょうか。
特に連休などでたっぷりリフレッシュした後は、仕事モードへの切り替えが難しく、そこにストレスを感じる人も多いようです。「少しブルーだな」くらいであれば心配する必要はありませんが、出勤前夜や当日朝に頭痛・腹痛など体調にも表れるようになったら、「会社に行きたくないほどのストレスを感じている」という身体からのサインかもしれません。
「やりたい仕事が明確にあり、それは現在の勤め先では実現できない」という場合にも、その状態を続けることはストレスを助長させてしまうでしょう。
興味が持てない仕事に対して無気力になってしまったり、日々の仕事に対してモチベーションが上がらなかったりして、結果的に「仕事に行きたくない」という思いにつながる可能性があります。
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「仕事に行きたくない」と思うこと自体、精神的にとてもつらいですよね。そういう時だからこそ、焦って行動に移したり、投げやりになったりしてしまうのは避けたいところ。あとで後悔して、ますます気が滅入ってしまう…… なんてことにならないよう、特に以下のようなNG行動には注意しましょう。
いくら仕事へ行くのがつらくても、決してやってはいけないのが無断欠勤です。上司や同僚に迷惑や心配を掛けることになりますし、「業務放棄をする人」と見なされて職場での信頼を失い、ますます仕事に行きづらくなる、なんてことにもなりかねません。
もちろん休むこと自体は労働者として当然の権利であり、必要なことです。どうしても仕事へ行くのがつらい、行きたくないという場合には、きちんと会社に一報を入れたうえで、適切に休みを取るようにしましょう。
「仕事に行きたくない」という気持ちから「仕事を辞めたい」という気持ちに発展することもあるでしょう。これ自体が問題なわけではありませんが、その感情に任せてすぐ辞職するのは、避けたほうが良いでしょう。
まずはお休みを取って気持ちを整理しましょう。ストレスの原因によっては、休職してリフレッシュをしたり、異動や担当替えなどをしたりすることで状況が改善する可能性もあります。あるいは「辞める」という選択をするにしても、しかるべきタイミングでの転職の準備、引き継ぎなど、順を追って行動を取るようにしましょう。
無断欠勤したり、すぐに辞めたりするのがNGである一方、つらい気持ちをひたすら我慢して出社を続ける、というのもメンタルヘルスの観点では得策ではありません。
特に体に不調が出ている場合などに「会社に行きたくないなんて思いは、甘えだ」などと無理やり自分を奮い立たせたりすることは、ストレス負荷をより重くしてしまい、逆効果。まずは休みを取って、気持ちを落ち着かせましょう。
仕事や職場に関する悩みや不安がある際、誰にも相談せず自分一人で抱え込んでしまうことも、良くありません。
特に「仕事に行きたくない」と思い始めてから会社を休む段階に至るまで、誰にも相談していない、という状況は避けたいところ。一人でふさぎ込んでしまうと、鬱々(うつうつ)した心境を助長してしまうおそれもあります。そうなってしまう前に、社内・社外に相談できる人の選択肢を持っておくと良いでしょう。
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「仕事に行きたくない」という思いでいっぱいになってしまい、どうして良いか分からない……。
そんな時には以下を参考に、できることから対処していきましょう。おすすめの方法10選を紹介します。
ストレス全般への対処法として、第一に重要だといわれていることは、要因・原因の自己認識です。モヤモヤして「とにかく仕事に行きたくない」と思っている原因は、何なのか? 書き出して認識するだけでも不安の形が見えてきて、少し心が落ち着いた、という人も少なくありません。
おすすめの方法は、細めの形の付箋にストレスに感じていることを書き出してノートなどに貼り、並び替えて優先順位を明確にしていくこと。数が多くて順位を決めるのは難しいような場合には、まずは1と2を比べて順位をつけ、次に1と3を比べ、また次に1と4、1と5…… というように2個ずつ並べ替えていくと、効率よく順位づけができるでしょう。
また、仕事に行きたくないストレス要因が「職場の人間関係」「仕事の量」「給与などの待遇」など多岐にわたる場合には、いったんカテゴリー分けして順位をつけましょう。それぞれストレス順位の一番上にきたものを更に比較すると、より整理されて認識しやすくなります。
「仕事に行きたくない」と思い悩む気持ちから脱せず、精神的に疲弊している場合には、当たり前のようですが「休む」という選択肢は効果的です。いきなり休職しなくても良いので、まずは何日か休んでみて、様子を見ましょう。
「何か気分転換をしたほうが良いのではないか?」と思うかもしれませんが、気分転換の前に、まずは休養を取るようにしましょう。心身が休養を求めている時に、無理に気分転換することによって心に負荷をかけてしまい、逆効果になってしまう、ということも少なくありません。
まずは休みを取って自分の気持ちと向き合い、少し気持ちが落ち着いた頃に対処法①に記載しているストレス要因の「自己認識」をしてみると良いでしょう。
「仕事に行きたくない」と思うことは決して珍しいことではありませんし、ましてや「甘え」でもありません。自分一人で抱え込んだり我慢したりせず、誰かに相談してみることが大切です。
人に頼る、相談する、ということもまた「甘え」だと捉える人もいるかもしれませんが、実はこれも逆であるといえるでしょう。心理学の世界では「頼れる存在」を持っていることが心の強さの要因の一つであるともいわれているほど。
“ソーシャルサポート”という言葉がありますが、これは「社会的関係の中でやりとりされる支援」のことを指します。
ストレスとなることがあっても、周囲の人から支援・サポートを受けることによって、その出来事・物事を前向きに捉えられるようになったり、うまく対処することができるようになったりするというものです。「頼れる存在」があることは、それだけでも自身のメンタル面の強化には重要な要素となるのです。
上司や先輩・同僚など社内の人をはじめ、家族や友人など、話せる相手を見つけてみましょう。人に話すだけでも気持ちや考えが整理され、次の対処法が見つかるかもしれません。
気持ちを落ち着ける別のアプローチとして、「環境を変える」という方法もあります。
例えば家の中の模様替えをしてみる、リモートワークの場合は自分が動いて働く場所を変えてみる、といった少しの変化でOK。自分自身が「そこにいると落ち着く」という場所を作ることが、メンタルケアとしては重要だといわれています。
精神的な疲れが身体に現れ、「首・肩が凝っている」「身体がだるい」という場合には、睡眠の見直しを行い、質の良い睡眠を取ることも有効でしょう。
睡眠の質が向上する簡単な方法を一つ挙げるとすれば、入浴時間を設けることです。
深い眠りにつくためには、身体の深部体温が下がってくるタイミングに就寝すると良い、といわれています。就寝の1.5時間くらい前に湯船に漬かり体温を上げ、ちょうど体温が下がってくるころに眠りにつくことで睡眠の質が上がる、という仕組みです。
適切な湯温や捻出できる時間は、人によって異なります。熱すぎないと感じる程度の温度に調節し、10分でも入浴することから始め、習慣化してみましょう。
少しでも「仕事に行きたくない」気持ちをやわらげるために、「自分自身の成長目標」を設定してみるのも良いでしょう。
成長目標と聞くと、業務目標や予算達成目標など、ビジネスや会社に対する貢献や目標を指すものと思いがちかもしれません。セルフケアのために持ちたい「自分自身の成長目標」の場合には、その主軸にもゴールにも自分の満足度を置きます。
ちょっとした事務作業の効率化、などなど人には気づかれない程度の小さなものでも構いません。また、人と比較して秀でている必要もありません。「実現することで自分が喜べる」成長目標を考えてみましょう。
自分のために小さな目標を立てて、一つずつ達成する。こういった積み重ねが、仕事に行きたくない時のモチベーションの上げ方としておすすめです。
「仕事に行きたくない」という理由の一つに、自分自身のスキルや将来への不安がある場合には、自分の強みや長所を振り返ってみることも有効です。
「メール・チャットの返信が早い」「議事録のとりまとめが得意」など、日常的に行っている小さなものから、「業績を上げて表彰された」「新規クライアントを何社開拓した」など実績として挙げられるものまで、思いつく限り書き出してみましょう。
自分自身のポジティブな部分を“見える化”することにより、ネガティブな方向に行きがちな思考と、少し距離を置くことができます。
自分の仕事や頑張りを認識し、気持ちをポジティブな方向に持っていくために、自分に対するご褒美を準備しておくのもおすすめです。
「今日のプレゼンを終えたら、大好きなスイーツを買って帰ろう」といったささやかなご褒美から、「営業成績を達成したら、有給休暇を取ってバケーションに行こう」など少し気合の入った企画など、気分転換になりそうなものを考えてみましょう。
前述の④の内容にもつながりますが、仕事以外の生活環境を変えて心機一転するためには、引っ越しも一つの選択肢です。
例えば通勤電車が毎日混んでいることがストレスの場合には、楽な通勤経路になる場所や比較的通勤電車が混みにくい路線沿線に住む、というだけでも毎日のストレスは激減します。ほかにも、通勤手段が変わったり、通勤時間が短くなったりするだけでも、出勤することへの精神的なハードルは下がるでしょう。
やや思い切りが必要ですが、今の仕事自体は続けたい、でも出勤のつらさを軽減したい、という場合には、引っ越しを検討してみましょう。
自分のストレス要因を整理したり、休みを取ったり、できる範囲でリフレッシュをしてみても、「仕事に行きたくない」思いが改善されない…… という場合には、転職を検討してみましょう。
勤め先の企業、業種や職種を変えることで、気持ちを切り替えて働き始めることができます。自分の新たなスキル開拓ができたり、人間関係がリセットされたりといったこと以外にも、例えばリモートワークを増やすことで、自分に合った働き方を見つけられる可能性もあります。
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どれだけセルフケアやリフレッシュをしても、仕事をする限り無縁でいられないのがストレスです。程度に違いこそあれ、誰しもある程度のストレスを日々感じることはあるため、適切に対処していく必要があります。
「仕事に行きたくない」と思い詰める前に、日ごろからできる「仕事のストレスに負けないメンタル作り」の方法を4つ紹介します。
ストレスに負けないメンタルを作っていくためには、意識的に心身を整えていくことが重要です。そこでまずおすすめなのが、マインドフルネス、つまり瞑想を取り入れることです。
静かに落ち着いて座っていられる場所で、1日5分だけでも、目をつむり瞑想してみましょう。何も考えず意識を一つのところに集中させる、というのが瞑想ですが、最初は誰しも雑念がすぐに湧いてきてしまうでしょう。難しく考えすぎず、自分のペースで以下の3ステップを行ってみましょう。
ポイントは、雑念が浮かんだ時に無理やり押し出そうとしないことと、「受け入れよう」と言葉で考えないことです。少しずつ練習して、マインドフルネスを生活に取り入れていきましょう。
心身をリラックスさせるためにもう一つ重要なのが、自律神経を整えること。
「自律訓練法」では、主に自分の身体の部位の重さや温度を意識的に感じ取るなど、自分の意思で自律神経をコントロールしていく練習をします。これにより、筋肉の緊張がほぐれて神経が鎮まり、ストレス緩和の効果が期待できます。
「自律訓練法」は決められた公式に従って行っていく必要があるため、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
メンタルヘルスを向上させるためには、リラクゼーションやストレス緩和だけでなく、ストレス耐性のあるメンタル作りも重要です。
そこで注目されている要素の一つに「SOC(Sense of Coherence)=首尾一貫感覚」と呼ばれるものがあります。
「首尾一貫感覚」は以下3つの要素から構成されています。それぞれの感覚を高めていくことで、ストレスと対面した時にもそれを乗り越えて、自分の能力を発揮できるメンタルの強さが養われるといわれています。
何に対しても、意味づけやポジティブな側面を見つけることができる能力。
相場先生
何かが起きた時、自分に対して「何を学べたか」「何を教えてくれたか」と聞き、意識することを習慣化しましょう。
自分の今の状況や先の状況を把握し、見通すことができる力。
相場先生
今起きていることだけを見ずに、ある程度先のことまで考え、「予測できる」と思えるように意識しましょう。
何かあっても乗り越えられる、と思える感覚。
相場先生
日々の目標を細かく区切り、細分化された小さな目的を「達成できた」と認識し、成功体験を積み上げましょう。
こうした習慣を地道に積み重ね、ストレス耐性のあるメンタルを作っていきましょう。
昨今ビジネスシーンでも定着しつつある「レジリエンス」という言葉は、心理学的には「心の回復力」を意味しますが、この強さの要因の一つとして挙げられるのが、「頼れる存在がいること」です。つまり、日ごろから相談できる相手を持っておくことが、「レジリエンス」にもつながるのです。
社内であれば上司・先輩・同僚・後輩、社外であれば家族や恋人・友人、街中にあるカウンセリングのサービスなど、相談相手は必ず見つかるはずです。
では実際、自分は今どのくらいストレスを感じているのか? 対処する必要があるのか? 自分自身を知るための、簡単なセルフチェック項目を紹介します。多く当てはまるようなら要注意。本記事を参考に、対処するようにしましょう。
【チェック項目A - 仕事に関して】
【チェック項目B - 心と身体の状態に関して】
いかがでしたか? 「自分に当てはまる」ストレス要因や、「試したことがある」という対処法を見つけた人もいるのではないでしょうか。
社会人として働く限り、誰しも多少のストレスは感じるものです。「仕事に行きたくない」と思い悩んでしまった場合には、自分自身の体調や心と向き合い、できることから対処するようにしてください。
相場 聖
心理の専門家
組織活性化コンサルタント
株式会社メンタルグロウ、株式会社ヒューマンエナジー 代表取締役
さまざまな企業や自治体・官公庁・医療法人などに対して、メンタルヘルス対策やハラスメント対策などのコンサルティングや教育研修を手掛けています。
主な著書に、『ビジネスパーソンのための折れないメンタルのつくり方』『[図解] 結果を出す人がやっている ストレスを味方につける方法!』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがあります。
マイナビ転職 編集部
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