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履歴書郵送時の送付状(添え状)の書き方【テンプレートあり】

履歴書郵送時の送付状(添え状)の書き方【テンプレートあり】

送付状(添え状・送り状)は、企業に履歴書や職務経歴書などの応募書類を送る時に同封するあいさつ状です。ビジネスレターではありますが、転職活動では採用担当者が最初に目にする文書であり、たくさんの応募があった場合などに自分を印象付けるツールにもなります。この記事で、書き方・送り方の基本を確認しておきましょう。

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「送付状」そもそもの役割は?

履歴書を郵送する場合、「送付状」を同封することがマナーです。送付状は「添え状」「送り状」「カバーレター」などとも呼ばれており、主に3つの役割があります。

あいさつ状

送付状を同封する目的の一つに「あいさつ」があります。

その昔、物を届けるには、本人や遣いが相手先に出向いて手渡していました。物を送付する時に同封する送付状は、“本来対面で行うあいさつ”を書面に託したものです。現在でも商談の本題に入る前に世間話で場を和ませることがありますが、それと似たような効果を期待して送付状を同封しています。

送付状が本題に入る前のクッションの役割を果たすことで、採用担当者が気持ちよく履歴書を確認できるようになります。

中身を知らせる表書き

送付状を同封する2つ目の目的は、「中身を知らせること」です。送付状に「誰が」「誰に」「何を」「どれだけ」送ったのかを明記することで、採用担当者が差し出し人と中身を把握しやすくなります。

毎日大量の履歴書をチェックしている採用担当者の業務がスムーズに進むためにも、送付状を同封するのが礼儀です。

補足事項を伝えるため

送付状は「補足事項を伝える」という目的で同封することもあります。履歴書に書ききれない内容を追加で採用担当者に伝える際に、送付状を用意しておくと重宝するでしょう。

転職時における「送付状」の必要性

転職活動においても、企業に書類を郵送する際は必ず送付状を付けましょう。転職活動でしっかりと作成された送付状を同封することで、以下のようなメリットが生まれます。

ビジネスマナーが身に付いている証し

ビジネスではさまざまな立場の人や組織と関わることから、取引を気持ちよく進めるため、折々で相手への気配り=マナーが求められます。例えば面接の場面。相手を不快にさせないよう身だしなみを整える、笑顔で対応する、聞きとりやすいようハキハキ話す……。マナーというと堅苦しいですが、一つひとつはちょっとした努力でできるものです。

履歴書や職務経歴書などの応募書類を送る相手は、面識のない採用担当者です。採用基準は企業によって異なるため、なかには送付状の有無を気にしない企業もあるかもしれません。皆さんが臨むのは、社会人経験者を対象とした中途採用の書類選考です。企業に応募書類を郵送する時は、マナーとしてあいさつ代わりの送付状を必ず付けましょう。

「御社に入社した際、私は周りの人の立場や気持ちを考えながら働くことができます」という宣言にもなります。中途採用の選考は、仕事のスキルとともにビジネスマナーが問われることを忘れないようにしましょう。

読んでもらうためのアピールにつながる

書類選考の採否は、企業が指定する応募書類が基準となります。採用担当者は、履歴書や職務経歴書に記載されている内容から、応募者の職務能力や熱意を推し量り、自社で必要とする人材とマッチするか判断します。

同封の送付状は採否に大きく関わるものではありませんが、採用担当者の目に触れる以上、何らかのアピールになる可能性があります。送付状から人物像や志向が垣間見えることで、履歴書や職務経歴書を入念に読んでみようと思う採用担当者もいるでしょう。

「形式的なものだから」と定型文の組み合わせで作成していてはもったいないです。履歴書や職務経歴書などの応募書類を読んでもらう一つのチャンスになるため、採用担当者の目に留まる送付状を作成して、職務能力のアピールにつなげましょう。

送付状(添え状)の活用法

たくさんの書類をチェックしなくてはならない採用担当者ですが、どうしたらあなたのキャリアやスキルが書かれている履歴書・職務経歴書などの応募書類を読みたくなるでしょうか?

ネガティブな印象を良くしたい場合

転職する理由は人それぞれであり、なかにはネガティブな評価につながりそうな転職の仕方をしている方もいるでしょう。何も説明がないままでは書類選考で不利になってしまうところですが、送付状でうまく説明できれば採用担当者が抱く印象を変えることも可能です。

分からないままだと人は不安

「転職回数が多い」「失業期間が長い」「アルバイト経験しかない」…… といった転職に不利な経歴はできれば伏せたいところですが、遅かれ早かれ知られます。実務能力が問われる中途採用では、職務経歴書が採否のカギとなり、採用担当者は職務経歴書に書かれている経験・スキルが求める人材と重なるかを入念にチェックしているためです。

応募者の来歴にほころびが見受けられると、採用担当者は「この人に仕事を任せられないのでは」と不安になります。

送付状をクッションにして予告する

応募書類(履歴書や職務経歴書)を読む前の段階で、「なぜそうなったのか」「今後仕事でどう貢献するのか」などを送付状で簡潔に説明しておきます。自ら問題点に触れて前向きな言葉で説明すれば、採用側の不安が払しょくされる可能性もあります。

応募書類で伝えきれなかったアピールをする場合

送付する応募書類としては「履歴書」「職務経歴書」がありますが、送付状を第3のアピールツールとして利用することもできます。

主戦場は「応募書類」

仕事のスキルや応募企業への熱意など、あなたが採用担当者に知ってほしいことは、履歴書と職務経歴書にまとめるのが大前提です。書類選考では、実際の職務能力とは別に、与えられた紙幅で、言いたいことを「正しく」「分かりやすく」伝える技量もまた問われます。

送付状は、もう一つの“ささやかな自己PR”

応募書類(履歴書や職務経歴書)で書ききれなかったアピールポイントがあれば、送付状に書いて問題ありません。職務能力や人間性、応募先企業への思いなどがうかがえる短いサイドストーリーを書いて、応募書類とはまた違った角度からの自己PRにしましょう。

送付状の書き方や作成のポイント

送付状を作成する時のポイントや注意点をご紹介します。文面の内容は、ご自身の状況に合わせて書き換えてください。

添え状(送付状)
テンプレートの
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基本の作成方法

送付状は好きに作っていいわけではなく、ビジネス文書として基本の「型」があります。ここでは送付状の基本的な作成方法をご紹介します。

用紙は職務経歴書のサイズで1枚に

職務経歴書と同じ大きさにそろえると採用担当者が扱いやすいのでおすすめです。送付状は本編(履歴書・職務経歴書などの応募書類)に添えるもののため、文章は一枚に収めましょう。贈り物などの送付状に使われる「一筆箋」はカジュアル過ぎるため、使用はNGです。

横書きでパソコン作成するのが一般的

ビジネス文書なので横書きで、パソコンで作成するのが一般的です。横書きが主流の履歴書・職務経歴書と合わせた時に統一感が出て読みやすくなります。

ただし、パソコンではなく手書きで送付状を作成する際には縦書きになるため注意が必要です。

文体は「です」「ます」で統一

送付状は、面識のない採用担当者に送るあいさつ代わりのビジネス文書です。相手への礼儀として「です」「ます」調の文章にするよう気を付けましょう。

言わんとすることが優れていても、不適切な言葉遣いや誤字脱字があると台無しになります。提出前に必ず読み直し、不適切な文章があった場合は最初から作り直します。

基本の構成

送付状は基本的な構成が決まっており、「誰から誰に」「何の書類をどのくらい」「何のために」送ったのかを余すところなく書きます。

基本の構成

(1)送付年月日

書類を投函(とうかん)する日付を記載します。西暦・和暦どちらでも構いませんが、履歴書・職務経歴書など応募書類の記載と統一するようにします。

(2)宛先

応募する企業名と採用担当者の所属部署と名前を記載します。部署宛の場合は「御中」、採用担当者宛の場合は「様」を付けるのがマナーです。
≫今更聞けない? 御中・様など、敬称の正しい使い分け方

(3)署名

応募者の「郵便番号」「住所」「名前」「電話・FAX番号」「メールアドレス」を記載する箇所です。電話番号とメールアドレスは最も連絡がつきやすいものにしましょう。

【前文】(4)頭語と時候のあいさつ

あいさつ状でもある送付状では、頭語と結語をペアにして必ず記載します。「拝啓」を使うのが一般的かつ無難です。あいさつを省略する意味の「前略」は絶対に使わないでください。

頭語の後に時候のあいさつを挿入する場合は、慣用的な季節感を表す言葉や相手の安否を尋ねる表現にします。頭語の後で改行するか、一字空けて続けるのが基本マナーです。

書き始めの例文

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

拝啓 貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

季語を使わない書き始めであれば季節を問わずに使用できるメリットがあります。ただし、「どこの会社でも使える定型文」と捉えられる場合もあります。採用担当者に熱意や誠意をアピールするなら、季語を用いて作成するほうが丁寧です。

季語を使った書き始め

季語を用いたあいさつ文にすることで、より丁寧な印象を採用担当者に与えることができます。月によって言葉が変わるため、以下の例を参考に、履歴書を郵送する時期に合った言葉を選択しましょう。

記載例)【1月の場合】

拝啓 厳冬の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

拝啓 新春の候、貴社にはいよいよご清栄の段、お慶び申し上げます。

拝啓 初春の候ではございますが、貴社ご清栄のこととお喜び申し上げます。

「〇〇の候」の部分が季語にあたり、月ごとに使う季語は異なります。以下の例から季節に合った季語を使うことであいさつ文に丁寧さが生まれるでしょう。

ただし、季語にはそれぞれに適した時期がある点には注意が必要です。例えば「立春の候」は2月の立春から2週間ほど、「春寒の候」は一般的に立春から3月の啓蟄(けいちつ)の前日までに使われます。送付状を出すタイミングにふさわしい、季節に適した季語を調べてから送付状を作成しましょう。

▼送付月別の季語例

1月新春の候 / 初春の候 / 小寒の候
2月晩冬の候 / 余寒の候 / 立春の候
3月弥生の候 / 早春の候 / 浅春の候
4月春暖の候 / 春日の候 / 惜春の候
5月青葉の候 / 薫風の候 / 万葉の候
6月入梅の候 / 薄暑の候 / 麦秋の候
7月盛夏の候 / 極暑の候 / 大暑の候
8月避暑の候 / 新涼の候 / 納涼の候
9月初秋の候 / 新秋の候 / 新涼の候
10月仲秋の候 / 秋涼の候 / 清秋の候
11月霜秋の候 / 向寒の候 / 初冬の候
12月師走の候 / 初冬の候 / 季冬の候

【主文】(5)応募に至った経緯・用件

求人に応募する旨を書きます。

【主文】(6)簡潔な自己PR

募集要項に対する自分の適性やスキルを簡潔に書きます。自分の熱意を伝えられ、ほかの応募者との差別化を狙える重要な部分です。応募先の業務内容とつながる経験やスキル、熱意などを端的にまとめるようにします。

記載例)自己PRの例 営業職への転職希望の場合

私は前職で営業として5年間、建築資材・部品の販売や納期管理を担当してまいりました。そのノウハウを貴社の営業部門で生かしていきたいと考えて応募させていただきました。

【末文】(7)面接のお願い

書類選考を通過した際には、面接を希望していることを末文に明記します。例えば、「面接の機会をいただきたく存じます」のように記載しましょう。

ビジネスマナーとしては、締めの言葉として「何卒よろしくお願い申し上げます」などと書くのがマナーです。

【末文】(8)結語

頭語に呼応する結語で締めくくりましょう。頭語が「拝啓」なら、結語は「敬具」を使います。

【記】(9)同封書類

同封する書類の内容と枚数を書きます。送付状の最後は「以上」と記載して締めましょう。

送付状テンプレートのダウンロード

先ほど例としてご紹介した内容の送付状テンプレートのダウンロード(Word形式)が可能です。

募集職種や企業が求めている経験・人物像、自身の経歴・アピールポイントに合わせて文面を変更してご使用ください。

添え状(送付状)
テンプレートの
ダウンロードはこちら

送付状・履歴書の封筒への入れ方

必要な書類がそろったら郵送用の封筒に入れます。封筒に入れる際は、「送付状に記載した順番で同封する」ようにします。送付状の記載どおり入れておくことで、採用担当者が封筒の中身の確認をする際にスムーズです。

お客さま(=採用担当者)の手を煩わせないという基本ができていることをアピールする良い機会になるでしょう。

一般的な、書類を入れる順番は次のとおりです。

履歴書の封筒への入れ方

(1)送付状
(2)履歴書
(3)職務経歴書
(4)その他必要書類

この順に重ね、郵送中に折り曲がったり、ぬれたりするのを防ぐためにクリアファイルに入れてから封筒へ入れます。

三つ折り履歴書と一緒に送ってもいい?

履歴書を封筒に同封する際、折り方は「二つ折り」がベストです。履歴書の用紙サイズは「A3」または「B4」であり、二つ折りにすることでA4またはB5で管理できるようになります。

履歴書を受け取って管理する採用担当者の利便性を考えても、履歴書は二つ折りで送付すべきです。特に正社員志望であれば、このような細かな気配りもチェックされていると思ったほうが良いでしょう。

封筒のサイズはどう選ぶべき?

二つ折りの履歴書・職務経歴書とA4サイズの送付状を同封して郵送する場合、適した封筒サイズは「角形A4号(228mm×312mm)」「角形2号(240mm×332mm)」です。A4号より小さいと履歴書などを更に折らなければならず、採用担当者が保管する際に不便です。

封筒には何を書けばいい?

封筒には、表面に郵便番号、企業の住所、企業名、採用担当者が所属する部署名+御中を書くのが基本ですが、表面の左下に「履歴書在中」と記載することも忘れないでください。赤の油性ペンを使って履歴書在中と書き、更に赤枠で囲みます。

送付状作成でやってしまいがちNG文面

言いたいことを補足できる送付状。とても便利ですが、アピールのさじ加減や方向性を誤ると印象ダウンにつながってしまいます。応募者が陥りがちな傾向をチェックして反面教師にしましょう。

自己PRをくどくど書く

送付状は、あくまで応募書類への布石。応募先企業に対する熱意や思いを長々と書いては本末転倒です。簡潔、謙虚を心掛けましょう。自己PRを強く打ち出したい場合は別紙に書くか、履歴書・職務経歴書にまとめ直します。

ネガティブな経歴の言い訳をする

転職に不利になりそうな事柄を申告する時は、サラッと説明します。ネガティブな印象を払しょくしようと、送付状いっぱいに理由を展開すると、採用担当者は「言い訳をしている」と受け取ることもあります。

過去の実績を自慢話のように書く

書類選考を勝ち抜くには、自分がいかに応募先企業にマッチした人材であるか訴えることが重要ですが、「強み」の説明は、ともすると「自慢モード」に傾きがちです。

過去の実績は、取り上げる対象を厳選して具体的な数字や外部評価などを挙げて短めに仕上げるといいでしょう。

希望条件を書く

年収や休暇、勤務時間などの待遇、勤務条件は、会社選びの一つの基準です。転職活動を進めるうえでも希望条件を自覚し、伝える必要がありますが、あいさつ状である送付状には不適切です。譲れないこだわりがある場合は、履歴書の「本人希望欄」に書きましょう。

定型文オンリーで作成する

送付状を単なる形式的なビジネス文書と捉え、どこの会社にも通用するような定型文をつなげて作成する方がいます。

送付状はこれまで説明してきたとおり、採用担当者の気持ちに働きかけるアピールツールです。“応募先企業でなければならない理由”を自分の言葉で表現しましょう。

面接で履歴書を持参する場合、送付状は必要?

履歴書を面接当日などに持参し、手渡しする場合、送付状は不要です。先に説明したように送付状は「応募書類を送付する時に同封する書面」であり、対面で行うあいさつの代わりとして用いられます。

そのため、直接採用担当者や面接官に手渡す場合は不要です。「応募書類(履歴書・職務経歴書)を提出させていただきます」と一言添えて渡しましょう。

ただし、クリアファイル・封筒に入れて持参すること。郵送しないため封筒に住所を書く必要はありませんが、封筒ごと手渡す可能性も考え、氏名と「応募書類在中(履歴書のみの場合は『履歴書在中』でOK)」は記載しておくと良いでしょう。

≫面接官に履歴書を手渡しする時のマナー

まとめ

送付状は「添え状」「カバーレター」などと呼ばれており、履歴書や職務経歴書を郵送する際に同封する書類です。大きく分けて「あいさつ状」「表書き」「補足」の3つの目的があり、応募書類を読んでもらうための補助的なアピールツールとして活用できます。

送付状は基本的なスタイルと構成があり、作成は難しくありません。ただし、定型文オンリーだったり自己PRをくどくどと書いてしまったりすると、かえって悪印象につながることもあります。今回紹介したテンプレートを参考に、季語のあいさつなどを取り入れながら採用担当者に熱意が伝わる送り状を作成しましょう。

マイナビ転職 編集部

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