REPORT.3売り買いのつなぎ役だけでなく、「付加価値の創造」で存在感を発揮！

専門商社業界の現在の市況は？

景気回復と共に、専門商社を取り巻く市況は好調です。専門商社は機械、鉄鋼、繊維、食品などの専門分野に特化した事業展開をしていますので、業績が各分野の景況と深くかかわり合っている特色があります。中でも好調なのは、日本の基幹産業である鉄鋼と機械。復興需要や2020年に開催される世界的なスポーツイベントを受け、建設業界を支える建設資材の専門商社も好況です。

専門商社業界の特徴は？

専門商社の事業は、輸出入や流通の間を取り持つだけではありません。メーカー・小売店と協業したプライベートブランドの商品開発、小売店の販売支援など、川上（ものづくり）から川下（小売）まで、プロセス全体で独自の価値創造に挑む企業が増えています。総合商社と同様に事業投資に乗り出し、自らで事業を創造・推進する動きも見られます。メーカー各社の海外進出に伴って、海外展開が活発化していることも特徴です。

専門商社業界の2016年以降の見通しは？

近年は大手を中心に経営統合・業界再編の動きも活発。今後、スケールメリットを生かした流通効率化やコスト削減が進むことが予測されます。その一方で、専門商社が介在する価値は、専門性を生かした「付加価値の創造」にあります。きめ細かな品ぞろえ、商品開発、販売支援など、企業規模にかかわらず独自の価値を生み出す企業が存在感を高めるのではないでしょうか。

REPORT.4中途採用が積極化！　グローバル志向の方にもチャンス

専門商社は、メーカー系、総合商社系、独立系に大別されます。いずれも好況を受けて求人数は増加傾向です。商社には伝統的に新卒採用を重視する風土がありましたが、近年では中途採用も活発。業界に入る間口が広がっています。募集職種では営業職が多いですが、バイヤーや貿易業務、物流管理などの募集もあります。

営業職の求人傾向を見ると、メーカー系・総合商社系は経験を重視する傾向にあります。一方、独立系は未経験者や第二新卒などポテンシャル重視の採用にも積極的です。語学力の有無が問われるかは募集企業にもよりますが、英語や中国語などのスキルがあれば、海外営業部門で活躍するチャンスも広がります。

バイヤーや貿易業務は経験者採用が多いですが、貿易業務については語学力が重視され、実務経験がなくても採用に至るケースがあります。流通の要を担う物流管理は、経験者・未経験者どちらにも門戸が開かれています。

分野を見ると、鉄鋼、機械、医療、食品などに求職者からの人気が集まっています。しかし、そのほかの分野にも市場での競争力の高い企業は多く存在するため、視野を広げることで転職の可能性を広げることができます。専門商社で働く魅力は、専門分野のプロフェッショナルを目指せること。そのためには、専門分野を突き詰める意欲と探究心が必要です。