日本の温泉トップ3は、B・A・G!
火山列島ニッポンが世界に誇る地域資源といえば、オンセン。
温泉はもともとは疾病やケガなどの湯治が目的でしたが、今では旅行などの行楽目的が多くなりましたね。アニメでも仲間や恋人との温泉シーンはお決まりのパターン。
では、魅力的な温泉がある市町村のランキングを作成してみました。すると、別府、熱海、下呂の3市がベスト3になりました。頭文字を並べると、「BAG」。なんとも、温泉旅行鞄に入れたくなるような結果ですね。
ランキングの基データは「地域ブランド調査2016」(ブランド総合研究所)の市町村版において、「魅力的な温泉やレジャー施設・公園などがある」との回答率(%)のランキングから、有力温泉地がある市町村を抽出しました(例:有名テーマパークのある市などは除外しました)
魅力的な温泉がある市町村ランキング
温泉王国1位は別府市
おんせん県大分を代表するのが別府温泉。日本随一のお湯の量と、源泉数を誇り、日本の源泉数の約10%を占めるという、まさに日本トップクラスの温泉。魅力度も全国10位と高評価です。
地獄巡りや温泊などで人気上昇。地獄巡りはすごいですよ。真っ赤な血の池地獄や、間欠泉の龍巻地獄、緑白色の湯とワニが飼育されている鬼山地獄などがあります。今はやりの癒しではなく、地獄ですよ。それなのに大人気。ほかにはないコンセプトはやはりインパクトがありますね。
ちなみに地獄巡りには含まれない、90度のお湯が噴き出る坊主地獄などの「隠れ地獄」もあります。まさに、地獄だらけ?
2位の熱海は徳川家康も来湯
2位は熱海。東京駅から新幹線で1時間以内で行ける事から関東に住んでいる人にはなじみの温泉地です。古くは「阿多美」という地名でしたが、海から熱い湯がわき出ていたことから「熱海」となったんだそうです。徳川家康も来湯している名湯なんですね。
東京から近いこともあり、職場旅行などでにぎわい、海岸沿いに大型ホテルが林立するなど大きく成長したのですが、団体客が減少するとともに低迷。ところが最近はリゾート型に変貌しつつあり、人気も復活をとげています。温泉をめぐる時代の変遷、そのものですね。
ところで熱海市には熱海温泉のほかにも、洞窟の中から源泉が湧出する「走り湯」が名物の伊豆山温泉もあります。
花火の下呂、湯もみの草津
3位は下呂温泉。飛騨高山と併せてたくさんの観光客が足を運ぶ温泉です。下呂温泉では冬の花火というのをやっていて、音楽に合わせて花火が打ち上げられます。なにせ、冬ですから、10分も見ていると体の芯から凍えてきます。「寒くなったね、そろそろお湯につかろうか」とカップルは、そのあと温泉を満喫することでしょう。冬の宿泊客急増に多大な貢献をしているのは間違いありません。毎週土曜日に打ち上げているとか。
4位の草津温泉は町の真ん中に湯畑があり、その周りをぐるりと囲むように土産物屋や温泉宿が並んでいます。浴衣で湯気が舞う湯畑を前に記念撮影、というのがなんとも風情がありますね。
草津温泉といえば、「湯もみ」抜きでは語れません。湯もみ歌に合わせて、長い木の板で熱いお湯をかき混ぜます。最近は、湯もみボーイズとか、湯もみガールズ、そしてご当地キャラのゆもみちゃんも登場するなど、ますます盛り上がってます。
10年間の人気温泉ランキング推移
博士のトリビア
―日本の温泉水の10%以上がわき出るのは、やっぱりあの県! ―
日本にある温泉地はおよそ3,000カ所で、北海道245カ所と最も多く、続いて長野県、新潟県、青森県、福島県、と続きます。
ちなみに大分県は温泉地は63カ所しかないのですが、源泉の数は4,385カ所と日本で最も多く、北海道2,230カ所の約2倍です。また、大分県だけで毎分約28万リットルの温泉がわき出ており、日本中の温泉水の10%を超えています。大分恐るべし。
その大分県の別府市のランキングは4年連続で1位。2位の熱海も4年連続。しかし、3位以下は観光キャンペーンなどによって、毎年順位が大きく上下するようですね。
※温泉地、源泉の数、湧出量については、環境省自然環境局発表の「平成28年度温泉利用状況」による
20代に人気なのは登別温泉
ところで、20代の回答者だけの結果でランキングにしてみると、熱海や別府を抑えて登別温泉のある登別市が堂々の1位となりました。
登別温泉は北海道最大級の温泉地で、荒々しい姿の地獄谷と豊富な湯量、そして効用が特徴です。しかし20代の若者には治癒効果が魅力的というより、北海道の食や自然などの評価や興味のほうが高いようですね。
箱根温泉のある箱根町も20代からは堂々の3位。正月には箱根駅伝で全国的に注目を集めますが、これも人気の要素の一つなのかもしれませんね。
ジモーちゃんのつぶやき(・o・)
地獄巡りの別府、リゾートの熱海、湯もみの草津など、日本の温泉って、ほんとに変化に富んでいるよね。
ちなみに最寄りのバス停から歩いて13時間かかる温泉や、満潮時には海に沈む温泉、湯船にケーブルカーでしか行けない温泉など「秘湯」もブームなんだって! どこの温泉だろう?
温泉には旅館がつきものだけど、その旅館も風情のある温泉宿から超豪華なホテルまでさまざま。日本列島は温泉列島! って言われるのも分かるなぁ。ぼくもどこかに行きたいなぁ~
市区町村ランキングの説明
「地域ブランド調査2016」は、1,047の地域(1,000市町村及び47都道府県)を調査対象とし、全国3万人が各地域のブランド力を徹底評価する日本最大規模の消費者調査です。2006年に調査を開始、毎年実施し今回で11回目の実施となります。
調査はそれぞれの地域に対して魅力度、認知度、情報接触度、各地域のイメージ(「歴史・文化のまち」など14項目)、情報接触経路・コンテンツ(「旅番組」など経路14項目、「ご当地キャラクター」などコンテンツ9項目)、観光意欲度、居住意欲度、産品の購入意欲度、地域資源の評価(「街並みや魅力的な建造物がある」など16項目)などを質問。また、出身都道府県に対する愛着度、自慢度、自慢できる地域資源など出身者からの評価などを調査しています。
市区町村の調査対象は全ての市(790)、東京特別区(23)、それに認知度がある程度高く、地域ブランドへの取り組みが積極的な町村(187)の計1,000市区町村です。
マイナビ転職 編集部
執筆:ブランド総合研究所
(http://tiiki.jp/news/survey2016)