企業が自己PRで確認しているのは、入社後に発揮できる再現性のある強みと、募集ポジションや社風に合った人材であるかどうかです。そのため、まず募集要項や求める人物像、事業内容から、企業がどんな能力・姿勢を持つ人材を求めているのかを把握します。
次に、これまでの経験のなかから、その企業にどのような形で貢献できるのかを整理します。成果や数字だけでなく、目標達成までのプロセスや具体的なエピソードを交えて伝えることで、強みの再現性と組織へのフィット感を明確に示すことができます。
掲載日:2025年12月25日
記事まとめ(要約)
「自己PRを書く欄があるけれど、何も思いつかない……」
「自分にはアピールできる強みがない」
「自己PRに使える具体的なエピソードがない」
転職活動で、こう悩む人は少なくありません。しかし、結論から言えば自己PRが本当に「ない」人はいません。
キャリアが浅くても、未経験の仕事への転職でも、必ず企業に伝えられるアピールポイントがあります。自己PRが書けるようになるための具体的な方法、例文を紹介します。
自己PRが思いつかない背景には、次のような理由があります。
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自己PRとは、応募先の企業に自分の強みや得意分野、実績、経験などをアピールすること。
「私のアピールポイントは……」ではなく、「貴社に私が貢献できる点は……」という文脈で話を組み立てると、企業側も自社との接点をイメージしやすく、好意的に受け止めてもらいやすいでしょう。
また、以下の視点で自分のキャリアを棚卸しすると、必ず書けるネタが見つかります。
キャリアアドバイザー:谷所 健一郎
企業が自己PRで確認しているのは、入社後に発揮できる再現性のある強みと、募集ポジションや社風に合った人材であるかどうかです。そのため、まず募集要項や求める人物像、事業内容から、企業がどんな能力・姿勢を持つ人材を求めているのかを把握します。
次に、これまでの経験のなかから、その企業にどのような形で貢献できるのかを整理します。成果や数字だけでなく、目標達成までのプロセスや具体的なエピソードを交えて伝えることで、強みの再現性と組織へのフィット感を明確に示すことができます。
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自己PRが思いつかない時は、まず自己分析をすることが大切です。ケース別の自己分析のポイントと共に、例文を紹介します。
自己分析のポイント
職務経験が浅い場合は、「経験が少ない=アピールできない」と思いがちですが、そうではありません。
短い期間でも、学びや努力の過程を示すことで、成長意欲や前向きな姿勢を伝えることができます。
自己PRでは、それらを応募先企業でどのように生かし、将来的に戦力となりたいという貢献への意欲も併せて伝えることが重要です。特に自己研鑽や継続的な学習は、企業から評価されやすいポイントです。
私の強みは、貴社が求められている「業務の改革・改善」に貢献できる「課題発見力」と「解決に向けた実行力」です。
経理としての経験は1年と浅いものの、この期間は知識の定着と実務への応用を最優先に取り組みました。毎朝1時間の自己学習で簿記知識を定着させ、仕訳処理でミスが発生しやすい項目の分析とチェックリストを導入しました。その結果、エラー率を10%削減する改善に貢献いたしました。
現在は、経理の専門性を高めるために税務スクールにも通っています。貴社の一員として、業務の効率化や精度向上に貢献したいと考えております。
自己分析のポイント
未経験転職では、直接的な経験がない分、「前職で培ったスキルの転用」と「学習意欲」を示すことが重要です。
企業は、即戦力だけでなく、柔軟性や成長意欲を評価します。過去の業務で身に付けた能力を、新しい職種でどう生かせるか具体的に伝えることで、未経験のハードルを下げられます。
営業職で培った傾聴力と提案力を生かし、顧客の課題を正しく捉え、満足度向上に貢献できます。
前職の営業活動においては、商品を売るのではなく、顧客の潜在的な声を丁寧に拾い上げ、その声に基づいた具体的な改善提案を社内で行うことを重視していました。その結果、顧客のニーズに合わせたフォロー体制が構築でき、担当した契約の更新率を15%向上させることができました。
この経験を通じて身に付けた「お客様に寄り添い、課題解決に導く力」を、貴社のカスタマーサポートの現場で発揮し、顧客ロイヤリティの向上に貢献したいと考えております。
自己分析のポイント
長所を書き出して、自分の個性を発掘しましょう。
例えば、人づきあいでの役割はどうだったか。なぜか会社の打ち上げや社内旅行では必ず幹事を任されていた―― そんな経験は、段取りや気配りが上手と周囲に評価されていた証拠。自分の性格が、その仕事でどのように貢献できるのかを導き出すのがポイントです。
私の強みは、誠意を持ってお客様との信頼関係を築き、成果へつなげる実行力です。
前職の販売業務では、もともと人見知りで口下手という課題がありましたが、一人ひとりに誠意を持ってアフターフォローまで丁寧に向き合うことで、この苦手意識を克服しました。
こうした対応が評価され、お客様に心から喜んでいただけた結果、新規のお客様の約3分の1が既存のお客様からのご紹介となりました。
これまで培ってきた信頼関係構築力と実行力を生かし、貴社の顧客基盤の強化に貢献したいと考えております。
自己分析のポイント
資格や学習意欲は、未経験分野への挑戦や専門性の強化を示す強力なアピール材料です。企業は「知識やスキルを磨き続ける姿勢」を高く評価します。
単に資格を列挙するだけでなく、取得の背景や努力の過程を伝えることで、前向きな成長意欲を印象付けられます。
また、資格取得によって業務効率や成果にどんなプラス効果があったかを具体的に示すと、説得力が増します。
Webクリエイターとして培った高いクリエイティビティと、段取り良くプロジェクトを進める実行力があります。
昨年、スキル強化の一環として「カラーコーディネーター」の資格を取得するため、不規則な就業時間でも学習時間を確保できるように、効率的な時間管理を徹底しました。この経験を通じて、制作工程全体を俯瞰して優先順位を付け、スムーズに進行させる能力が磨かれました。
その結果、社内で「誰よりも段取りが早く的確」と評価されるようになり、案件の進行役を任される機会も増えました。
また、関係者との調整や情報整理が得意で、チームを巻き込みながら成果を出すことを強みとしています。
これまでのクリエイティブ経験と推進力、色彩に関する専門知識も制作指示に生かしながら、貴社のWebディレクターとしてプロジェクト成功に貢献したいと考えております。
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自己PRをより良くするために、以下の視点でチェックしてみてください。
自己PRで売り込みたいことは、企業の求めるスキルや経験にマッチする部分を中心として、具体的かつ簡潔にまとめると採用担当者に好印象を与えられます。
自己PRは、結論から書き出すことで読み手にアピールしたい強みを明確に伝えられます。
例えば「営業経験で培った提案力を生かし、貴社の顧客満足度向上に貢献します」と最初に示すと、印象が強まります。
抽象的な表現ではなく、具体的な行動や成果で裏付けることがポイント。
「新規顧客開拓を積極的に進め、売上を前年比10%伸ばした」「業務効率化で作業時間を1時間削減した」など、数字や事例を交えると説得力が増します。
年代によって、自己PRで重視すべきポイントは異なります。
20代・30代・40代それぞれの特徴に合わせた注意点とアピール方法を解説します。
20代が陥りやすいのが、アルバイトでの経験や自分の長所・短所といった、新卒採用と同じような自己PRに終始してしまうことです。
中途採用の選考基準は新卒採用とはまったく別モノ。これまでのキャリアと関連付けた自己PRが求められることを再認識しましょう。
この際、経験年数や職歴の「量」よりも、与えられた役割に対して「どれだけ深く関わり、成長したか」という「質」の部分を強調することが大切です。
未経験職種へ応募する場合は、過去の経験から得たコミュニケーション能力や実行力といったポータブルスキルや、入社意欲を示す自己研鑽の内容を具体的に盛り込みましょう。
経験豊富な30代が過去の成果や実績をアピールするには、ただ事実を羅列するだけではなく、「なぜその成果をあげることができたのか」という理由を自分のなかで整理しておくと、自分の強みがより明確になります。
その「なぜ」を、入社後も成果を出せる「再現性のある強み」として伝えましょう。
また、プレイヤーとしての実績に加え、チームへの貢献やマネジメント経験など、組織全体への影響力を示すことが重要です。
40代は十分なキャリアはあるけれど、仕事に対するスタンスが固まっていて、新たなチャレンジに踏み出しづらいと考えられがち。自己PR欄で順応性があることをアピールするのも、採用の可能性を広げるためのカギの一つです。
過去の成功体験に固執せず、新しい知識・技術の学習経験や未経験分野への適応例を具体的に示し、変化に対応できることを証明しましょう。
また、培ってきた知見を組織や若手に還元していくといったアピールも重要です。
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向いている仕事が分かる、応募書類作成に役立つ!
自己PRが「ない」と感じても、必ずアピールできるポイントはあります。重要なのは、過去の経験や努力を棚卸しし、応募先でどう生かせるかを具体的に示すことです。
キャリアが浅い場合は学習意欲や工夫を、未経験転職では前職スキルの転用を、資格や特性は背景と成果を添えて伝えましょう。
更に、結論から書き出し、数字やエピソードで裏付けることで、採用担当者に響く自己PRになります。自分らしい強みの言語化にトライしてみてください。
監修者
谷所 健一郎(ヤドケン)
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例」(マイナビ出版)、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。
マイナビ転職 編集部
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