長所・短所を転職面接で回答するコツや伝え方、NGポイント【例文あり】
更新日:2024/01/15
自分の長所・短所は自分では意外と気づいていないもの。面接で自分の長所・短所を聞かれても「答え方が分からない」と感じる方も多いでしょう。
面接時に長所・短所を回答する際のコツや準備の仕方、回答時のNGポイントなどを、具体的な例文を交えながら解説します。
INDEX
長所・短所や性格を聞く面接官の意図は?
面接官はさまざまな質問を通して、応募者が自社の求める人材にふさわしいかチェックしています。
「あなたの長所・短所を教えてください」「あなたの強み・弱みは何ですか?」「自分はどのような性格だと思いますか?」などの長所・短所や性格に関する質問では、面接官はどのようなことを知りたいと思っているのでしょうか。
客観的に自己分析ができているか
自分の長所・短所や性格を理解していることは、仕事をしていくうえで大切です。
長所を理解していれば仕事の中で自分の能力を生かして活躍のフィールドを広げることができ、短所を理解していれば克服に向け努力し、場合によってはほかの人とカバーし合うなど対策を立てることができるからです。
自社の雰囲気とマッチしているか
面接官は、長所・短所や性格を聞くことで、社風に合っているかを判断します。
自社の社風と応募者がマッチしていないと、会社の雰囲気や周りの人と合わない、仕事の進め方が合わないなどの理由で早期退職につながってしまう可能性があるためです。
採用した人材に長く活躍してもらいたいと考えている企業にとっては、長所・短所や性格の質問は「経験」や「スキル」と同様に大切な選考基準の一つなのです。
応募者の人となりを知るため
企業ごとにそれぞれ企業理念や経営理念があり、仕事に対する価値観や姿勢、働き方に対する考え方が異なります。
面接では、応募者の人となりと企業が考える価値観などがマッチしているかがチェックされ、マッチしていれば採用される可能性が高くなります。
例えば、トップダウンではなく社員から改善の意見を出すボトムアップを重視する企業の場合、「指示されたことを丁寧にこなすことが得意」と回答すると、自主性に懸念を持たれてしまうこともあります。
社風や文化を事前にできる限り調べておき、自身の長所の中でそれらに合った回答を用意すると良いでしょう。
ただ、企業の価値観に合わせる形で長所ではないことを話してしまうのは、ミスマッチのリスクが大きくなるためおすすめできません。自身が今まで働いてきた中で得た長所を棚卸しして、応募企業に合ったものをチョイスすることが重要です。
入社後に活躍できるかを知るため
長所と短所を聞かれるのは「自己分析ができているか」「自社と雰囲気がマッチするか」「人となりはどうか」という点を踏まえ、応募者が自社で活躍できるかを判断するためです。
長所が会社の業務とマッチしていれば、その人の能力を最大限に発揮できる仕事を任せられます。また、短所が出やすい業務から遠ざけることでミスマッチを防ぐこともでき、社員のパフォーマンスを最大限に発揮することができるでしょう。
例えば「気づいたことをすぐに行動に移すのが長所」であれば、積極的に意見を出すことが求められる仕事を任されるでしょう。一方、決められたルールのもとで協調性を重視する部署では能力を発揮できないかもしれません。
長所と短所の答え方次第で面接の評価が変わり、任される業務に影響が出る可能性があることを知っておきましょう。
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長所とよく間違われる言葉
「強み」や「自己PR」は長所に似た言葉ですが、実際には異なる意味を持ちます。それぞれの言葉の意味や違いについて解説します。
長所と強みの違い
「長所」は、「きちょうめんで丁寧」「積極的」など、その人の人柄や性格などの良い部分を指します。
一方の「強み」は、製造部と営業部のスケジュールを管理し納期調整ができるなどといった、現在の職場で培った仕事の独自スキルを指すことが一般的です。
長所 |
|
---|---|
強み |
|
ただし、面接官によっては質問の意図が異なる場合があるので、面接の会話の流れを見ながら、面接官が求める回答は何かを考えて回答することが大切です。
以下の記事では、面接で強みや弱みを聞かれた場合の回答例を解説しています。
≫ 「あなたの強みは? 弱みは?」と聞かれた時の答え方と回答例
長所と自己PRの違い
自己PRとは、仕事で生かせる自分自身の強みや経験を採用担当者にアピールすることです。一方、長所とは、本人が持っている人柄や性格などの良い部分を意味しています。
面接や履歴書では長所と自己PRの両方を聞かれることがあるため、質問内容に応じて回答を用意しましょう。
自己PRのアピールポイントについては以下の記事でも紹介しています。
≫ 自己PRとは? 何を書く? 応募先ごとに書き換えるべきアピールポイント
長所・短所を回答するための準備
自分の長所・短所を回答するための準備には、自分の性格や人となりを見直してみる「棚卸し」が必須です。まずは自身で思いつく限りの長所・短所を書き出してみましょう。
ただ、自分のイメージだけでは、書き出した内容が客観的に見ても長所・短所であるのか分かりません。面接の回答に説得力を持たせるためにも、以下にご紹介する「長所・短所を見つける準備」に取り組んでみてください。
周りの人に自分の長所・短所を聞いてみる
客観的に長所・短所を把握するなら、身近な人に聞いてみるのが有効です。
自分をよく知る家族・友人・恋人に聞けば、率直な答えが返ってくるでしょう。その中から長所・短所が見つかり、面接に活用できるかもしれません。
しかし、身近な人に長所や短所を聞くのは気恥ずかしいと感じる方もいらっしゃるでしょう。Webの診断ツールを利用すれば、自分だけで客観的な長所・短所を把握できます。
「社会人力診断」で、自分の強みを明らかにして、長所・短所の把握に役立てましょう。
過去の成功・失敗エピソードを整理する
長所と短所がどうしても思い浮かばない場合、過去のエピソードを思い返してみるのも一つの方法です。
「これまでの成功体験」「これまでの失敗体験」を思い出し整理してみると、そこから長所・短所が見つかる場合があります。
整理した成功・失敗体験はそのまま面接で長所・短所の理由を話すエピソードに使えるため、具体性のある回答ができるでしょう。
自分の棚卸しがうまくできない場合は、「マインドマップ」「モチベーショングラフ」を利用することも良い方法です。
マインドマップは
一つのキーワードで思いつく関連ワードをひたすら記載していく自己分析の手法です。思いつく限りの関連ワードをつなげていくことで、頭の中にある自分の考えをスッキリ書き出すことができます。
モチベーショングラフは
過去の自身の出来事・体験を振り返り、時系列でモチベーションの揺れ動きをグラフで表した手法です。自分の過去の出来事とモチベーションを書き出すことで、自身を形成している人間性や特性を理解することができます。
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【一覧あり】長所・短所の選び方は?
面接官の意図が分かったところで、実際に長所・短所の回答を用意してみましょう。
しかし、いざ回答を考えようとしても、自分のどんな性格を長所・短所として伝えればいいか分からない、あるいは、そもそも自分の長所が見つからない人もいるのではないでしょうか。そこで、「短所から長所を導き出す」方法を解説していきます。
例えば、「相手に合わせてしまう」(流されやすい)という短所は見方を変えると「協調性がある」と、捉えることもできます。立場が違う相手とも協力し合って仕事を進めることができるなど、長所としてアピールできる材料になります。
このように長所・短所は、良く言えば「協調性がある」悪く言えば「相手に合わせてしまう」(流されやすい)と言い換えができ、表裏一体の関係にあるので、まずは思いつきやすい短所を挙げ、そこから視点を変えて長所を導き出していくのです。
この方法だと、長所・短所を矛盾なく伝えることができるメリットもあるでしょう。では、実際に短所から長所を導き出す例を紹介します。以下の表も参考にしながら自分の長所を見つけてください。
短所 | 長所 |
---|---|
我が強い | リーダーシップがある |
世話焼き | コミュニケーション力がある |
相手に合わせてしまう (流されやすい) |
協調性がある |
決断に時間がかかる (優柔不断) |
柔軟性がある |
仕切りたがり | 調整力がある |
すぐに行動に移してしまう (計画性がない) |
行動力がある |
自己主張が強い | 積極性がある |
自分自身の判断で決めてしまう (独断的) |
主体性がある |
諦めが悪い | 忍耐力がある |
没頭しやすい | 努力家 |
抱え込みやすい | 責任感が強い |
楽観的/のんき | ポジティブ |
慎重 (心配性) |
計画性がある |
几帳面すぎる (神経質) |
きちょうめん |
深く掘り下げて考えてしまう (理屈っぽい) |
論理的 |
飽き性 | 好奇心旺盛 |
感情が高ぶりやすい | 感受性が豊か |
口数が少ない | 傾聴力がある |
控えめ/内向的 | 謙虚 |
気を使いすぎる (八方美人) |
誰に対してもうまく立ち回れる |
- ( )の中の表現はイメージしやすいように補足表現として記載しております。面接時はマイナス印象を抑える( )外の表現をご使用ください
長所・短所を答える時のコツ
では実際に面接で長所・短所を聞かれたら、どのように答えれば良いのでしょうか。面接官に好印象を与えるためにも、これからご紹介する長所・短所の答え方のポイントを押さえておきましょう。
結論から話す
長所・短所の話をする際、結論から話すことを徹底してください。
「私の長所(短所)は○○です」のように最初に結論を話しておくことで、自分が話したい内容が面接官に伝わりやすくなります。
結論に続いて「そう感じる根拠」「具体的なエピソード」の順で話すと説得力のある回答になります。「結論 → 根拠・理由」の流れは、長所・短所の部分だけでなくあらゆるプレゼンの基本になるので覚えておきましょう。
アピールする長所・短所は1つに絞り込む
人によってはいくつもの長所・短所が思い浮かぶかもしれません。自分の棚卸しがしっかりできている結果であるとも言えますが、面接で話す際は長所・短所を一つずつに厳選して回答しましょう。
あれもこれもと答えてしまうと要点が伝わらず、「結局何を言いたいのか分からない」という印象になってしまう可能性があります。
長所と自己PRの内容にズレが起きないようにする
面接で長所と自己PRの両方を聞かれた時は、それぞれの回答内容にズレが起きないように注意しましょう。
長所で自分の良い部分を伝え、自己PRで長所に関連した実績を伝えます。例えば、愛嬌があることを長所として伝えたとしたら、自己PRでは「どんなお客さまにも笑顔で接することができます」などと回答します。
もし長所と自己PRにズレがあった場合、面接担当者から自己理解が不十分と思われるケースがあります。
短所はポジティブ変換できる内容を選ぶ
完璧な人など誰もいませんから、短所があることによって減点されることはありません。ただし、面接で話す短所はネガティブで終わってしまわないように変換できるものを選びましょう。
例えば、「とてもせっかちな性格をしている」という短所をそのまま伝えてしまうと、面接官に悪い印象を与えてしまいます。一方、以下のような言い換えをすることで短所もポジティブな印象に変換できます。
短所の内容 | ポジティブに言い換えた内容 |
---|---|
せっかち | 仕事にスピード感がある |
判断が遅い | 物事を慎重に進められる |
始めるとなかなか止められない | 一つの作業を集中して続けられる |
短所を改善する姿勢があることを伝える
面接で短所について聞かれた場合は、短所を回答すると共に、その短所を改善する意思があることも伝えましょう。
例えば、自分の意見をなかなか言い出せないという短所を伝える場合、「打ち合わせの場などでは、意識して意見やアイデアを出すようにしています」のように、どのように改善するようにしているかを伝えるようにします。
ただ短所だけを答えてしまうと、面接担当者に「向上心が足りない」と思われるなど、印象が良くないケースがあります。必ず、短所の改善方法も併せて伝えましょう。
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長所の伝え方は「結論 → エピソード → どう生かすか」
ここからは面接での長所の伝え方を解説していきます。中途採用面接は新卒採用と異なり、即戦力として活躍することが求められています。
そのため、長所の伝え方は面接官に「入社したらどんな活躍をするのか、長所が仕事の中でどのように発揮されていくのか」が伝わるような構成にします。
「結論」「エピソード」「どう生かすか」の順で伝えるのがベターです。全体の長さは2分前後で話し終わるようにまとめましょう。
話の構成
【1】結論
「私の長所は○○です」
↓
【2】エピソード
「○○を生かして××に取り組み、△△の成果を上げました」
↓
【3】どう生かすか
「長所(性格)をこのように生かして御社に貢献します」
【例文】「協調性」を長所としてアピールする場合
私の長所は協調性があることで、周りと協力して仕事を進めることが得意です。
前職では、工場の製造ラインのメンテナンスを担当していました。朝昼晩の交代勤務のため、業務上の情報共有を引き継ぎ書で行っていましたが、書く人によって内容にばらつきがあり、機器の不備を見逃してしまうことがありました。
そこで上長に相談し、周りの人に見逃しやすいポイントをヒアリングして引き継ぎ書の項目追加と書き方の統一をしたところ、メンテナンス不備が激減し、生産性が10%向上しました。
また、上長からも「○○さんだからスムーズに意見をまとめることができた」と言われ、ほかの人と連携が必要な仕事を任されるようになりました。
このように、周りの人と協力して業務効率化や目標達成に努め、御社に貢献していきたいと考えております。
【例文あり】長所(性格)を裏付けるエピソードとは?
このように長所の回答を作るにあたり、核となるのは長所を裏付けるエピソードです。
先に紹介した長所を伝える場合、エピソード例としては以下のような内容が挙げられるでしょう。参考にして、自身の経験から回答を作ってみてくださいね。履歴書、エントリーシートの場合も同様です。
リーダーシップがある
自分ができることは率先して取り組み、新人にもこまめな指導やフォローするなど協力し合う雰囲気を作り出し、チーム目標を達成してきました。(例文)
コミュニケーション力がある
相手の立場で考え、専門用語を避け分かりやすい言葉で伝えたり、疑問や不明点を残さないよう的確な質問をしたりすることで、信頼を得て顧客の紹介につなげました。(例文)
協調性がある
立場が違うメンバーともコミュニケーションを重ね、協力し合って同じ目標に向かうことができました。(例文)
柔軟性がある
お客さまの要望に合わせ、マニュアルに載っていないことでも過去の類似事例などを参考に臨機応変に対応できました。(例文)
調整力がある
会議で異なる意見が出た際に、問題点やゴールを整理し、双方の要望を取り入れた折衷案を示すことで議論を前に進めました。(例文)
行動力がある
改善案をスピーディに実行していくことで、想定より早く成果を出すことができました。(例文)
積極性がある
指示された仕事以外にも自分にできることを見つけ、担当させてもらえるよう上司に相談しました。(例文)
主体性がある
与えられたルーティン業務でも、より効率的なやり方を考え提案し、業務改善を実現しました。(例文)
忍耐力がある
商談で一度断られたが、粘り強くヒアリングと提案を重ね、最終的に成約できました。(例文)
努力家
担当外の業務でも必要な知識を自ら学び、資格を取得しました。
責任感が強い
自分の目標だけでなく、部署全体の目標達成のために苦労を惜しまず行動しています。(例文)
ポジティブ
仕事内容や環境の変化をチャンスと捉え、新たなスキルを身に付けました。
計画性がある
トラブルにも対応できるスケジュールを逆算して立てていたので、締め切りに余裕をもって対応できました。(例文)
きちょうめん
ケアレスミスが少ないので、細かい作業やダブルチェックを頼まれることが多いです。
論理的
客観的なデータなどに基づき、筋道を立てて説明することで説得力が増し、商談がスムーズに進みました。
好奇心旺盛
新しく任された仕事を早く覚えたいと思い、独自に情報収集をしたり、分からない部分を上司や同僚に聞き疑問点を解消したりしていました。
感受性が豊か
お客さまの言葉や行動に深く興味や関心を持ち、その背景や真意を想像しながら、ご要望に最も適した提案ができるよう努力してきました。
傾聴力がある
クライアントが話しやすい雰囲気をつくるとともに、相手の伝えたいことを理解して対応することで、信頼関係を構築することができました。
謙虚
リーダーとして取り組んだプロジェクトが成功した時などに自分一人の成果にするのではなく、周囲のサポートがあったからこそと理解し、言葉で感謝を伝えるように努めて、更なる向上を目指してきました。
誰に対してもうまく立ち回れる
お互いに気持ちよく仕事に取り組めるよう、常に笑顔や声掛けを欠かさず、明るい雰囲気をつくることを心掛けてきました。
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短所の伝え方は「結論 → どのように向き合っているか」
短所はネガティブな情報ですから、面接官から質問されない限り、自ら伝える必要はありません。「あなたはどんな性格ですか?」などの質問についても、まずは長所だけを回答すれば良いでしょう。
しかし、「自分の短所はどんなところだと思いますか?」と追加で質問されたり、「長所・短所を教えてください」など、明確に聞かれたりした時は答える必要があります。
短所の回答で大切なのは「短所を言いっぱなしにしない」ことです。
例えば「私の短所は、無口で無愛想に見られがちなところです」とだけ伝えて終わりにしてしまうと、面接官は「職場になじめないのではないか?」「取引先とトラブルになったりしないだろうか」と心配になります。
しかし、「人と話す時は笑顔やうなずきを意識し、必要な時は積極的に発言するよう心掛けています」など、自分なりに改善しようとしたり、仕事に影響が出ないように気を付けたりしていることなどを伝えれば、印象は変わるでしょう。
応募者にとっても、短所を自覚する自己分析力があり、課題に対し逃げずにポジティブに取り組んでいく姿勢をアピールするチャンスでもあります。
短所を回答する時は、短所をカバーするために心掛けていることまでセットで伝えましょう。この内容を踏まえ例文を作ってみると、以下のようになります。
【例文】「頑固」を短所として回答する場合
私の短所は、頑固なところです。自分の中で「こうあるべき」という基準に固執しがちです。
しかし、仕事でこだわるべきは自分の基準でないと気づき、さまざまな視点から物事を見る、同僚や先輩にこまめに意見を聞くなど優先すべき基準を見極め、目標達成のために最良の方法を取れるように注意しています。
【例文あり】短所はカバーするための心掛けもあわせて伝えるべき?
面接では、「あなたの長所と短所をそれぞれ教えてください」のように、長所と短所を一緒に質問されることも少なくありません。
その場合、短所を「長所の裏返し」になる内容にしたうえで、長所→短所という順番で話すと面接官に伝わりやすくなります。
また、短所には改善のためのエピソードも付け加えておくのが大切です。「欠点をそのまま放置せず、改善のために努力している」として高評価につながることも期待できます。
「長所は○○です。理由は○○です。ただ、長所の裏返しで○○が短所でもあります。現在は短所を克服すべく、~のような工夫をして改善を目指しています」
といった流れで説明できると良いでしょう。
短所をカバーするために心掛けている内容について、以下に例文を紹介するので参考にしてみてください。
- 下記で紹介する( )の中の表現はイメージしやすいように補足表現として記載しております。面接時はマイナス印象をおさえる( )外の表現をご使用ください
我が強い
自分の意見を主張することに終始してしまう癖があるので、相手の意見をしっかり引き出せるように心掛けています。また、自分の主張が目的や状況にマッチしているかよく考えるように注意しています。
世話焼き
良かれと思った行動が単なる押し付けにならないよう、相手の反応に注意し、話をよく聞いてから取り組むように心掛けています。
相手に合わせてしまう(流されやすい)
会議の際に気を使って何でも同意するのではなく、自分の立場や譲れないポイントを考え、きちんと発言するようにしています。
決断に時間がかかる(優柔不断)
仕事を進める際は目的やルールなど優先すべき基準を見極め、対応に一貫性がなくなったり決断まで時間を掛け過ぎたりしないように気を付けています。
仕切りたがり
自分がリーダーとなった際は、一方的な意見の押し付けにならないよう、相手の話をしっかり聞き、より納得しやすい言い方で伝えるように心掛けています。
すぐに行動に移してしまう(計画性がない)
仕事を始める際に綿密な計画や段取りを整えてから始めるように気を付けています。計画を立てる際は優先順位や現状、周囲への影響を考え、場当たり的な行動にならないよう心掛けています。
自己主張が強い
自分のやりたいことにとらわれて協調性を欠かないよう、自分の主張がチームのためになるかを考えてから発言・行動するように気を付けています。
自分自身の判断で決めてしまう(独断的)
すぐに判断を下すことは避け、周りの人の意見やこれまでの経緯などを確認してから提案するように気を付けています。
諦めが悪い
一つの仕事をいつまでも続けるのではなく、あらかじめ納期・期限、妥協条件を設けて取り組んでいます。決めた時間内で完了しないことが分かった時点で上司や先輩に助言を求めるようにもしています。
没頭しやすい
周りを見ずに仕事に没頭して自己満足にならないよう、広い視野や目的意識を持って取り組みます。その際、取り組む内容が集中して取り組むに値する内容かも吟味します。
抱え込みやすい
全部自分でやらなければと仕事を一人で抱え込まず、こまめに報告・相談しています。常に業務分掌を考えて仕事を組み立てています。
楽観的/のんき
新しい業務に取りかかる際、さまざまな事態に対応できるよう、起こり得るトラブルを仕事を始める時点で想定し、行動するようにしています。
慎重(心配性)
仕事に取り組む際は事前準備に時間を掛け過ぎないよう、優先順位や効率を考え、必要なことを絞り込んで行動します。準備で時間を使い過ぎないよう、時間配分を最初に考えておくことも工夫しています。
几帳面すぎる(神経質)
仕事の計画を立てる際などは細部にばかり気を取られず、スケジュールの全体像を考えて行動しています。
深く掘り下げて考えてしまう(理屈っぽい)
筋道が通っているかを確認することは忘れませんが、一方で相手の立場や思いに配慮して対応することを心掛けています。
飽き性
いろいろなことに興味を持ち目移りしてしまう性格を自覚したうえで、目の前の仕事に集中して結果を出せるように意識をして取り組んでいます。
感情が高ぶりやすい
会議の議題に対するディスカッションで意見がぶつかり合った時は、一度深呼吸をして思考を整理するようにしています。
口数が少ない
普段は物静かですが、会議やプレゼンなどでは積極的に意見やアイデアを伝えるようにしています。
控えめ/内向的
人前で話すことに慣れるため、就業前の時間に同僚に向けて1分間スピーチをしています。
気を使いすぎる(八方美人)
人の意見に合わせてしまう癖があるので、会議では人の意見を聞くだけで終わるのではなく、自分自身の意見を言うことを心掛けています。
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面接での長所・短所や性格の伝え方NG例
応募企業にマッチした長所・短所を選んでいても、伝え方がNGだと好印象にはなりません。以下に長所・短所を伝える際の注意点をご紹介します。
NG例1:結論(長所)を最後に伝える
面接では、話す順番がとても重要です。
長所を明言しないままエピソードを話し始め、最後に「~なので、これが私の長所です」と結論を持ってくると、面接官が話の途中で要点を見失いやすく、アピールが弱くなってしまいます。
また、長所のアピール内容だけでなく「話が分かりづらい」とコミュニケーション力を不安視されてしまうかもしれません。「私の長所は◯◯です」とまず始めに結論を伝えましょう。
NG例2:成果につながるエピソードがない
成果につながったエピソードがなく、「私の長所は○○です。××を心掛けています」と伝えるだけでは信ぴょう性に欠けてしまいます。
しかし、売り上げ伸び率、前年対比どのくらいのコストカットに成功したかなどのデータ、あるいはどのような変化が起きたかなどを交えることで説得力が増し、面接官は「自社に貢献してくれる人材だ」と明確にイメージできるでしょう。
【参考】成果の効果的な伝え方
成果の効果的な伝え方としては、例えば下記のような例があります。
- 目標数値に対して○%を達成
- 対前年比売り上げ○%を達成
- 顧客満足度が○%に上がった
- 作業にかかる時間が1/3になった
- 同じ作業時間で2倍の作業量をこなすことができるようになった
- 問い合わせやトラブルが○%減った
- 〇カ月連続ミスゼロを達成した
- 顧客の紹介につながった
- リピーターが増えた
- 指名してもらえるようになった
NG例3:面接で「短所はありません」は避ける
「短所がある」と伝えると評価を落とすのでは? という心配からか、「特に短所や弱みはありません」と回答する人がいます。
しかし、これは得策とは言えないでしょう。なぜならこれまで見てきたとおり、長所・短所は表裏一体の関係にあり、長所は視点を変えれば短所になり得るからです。
また、「短所がまったくない」完璧な人はそうそうおらず、「自己分析が甘いのでは?」「客観的に物事を見られないのでは?」などと受け取られてしまいかねません。
短所と改善策を伝えることで、仕事で自身が不利な状況に陥った時でも対処する力や、向き合う姿勢があると示すことができます。
伝え方次第で短所はアピールにもなると考え、答えを準備しておきましょう。
≫ 面接で使える長所・短所のお手本回答&NG回答をもっと見る
面接の回答でNGな長所・短所とは?
次に、面接官に「自社の求める人材ではない」と見なされてしまう、「NGな長所・短所」を紹介します。履歴書、エントリーシートでも同様です。あわせてチェックしてみてくださいね。
仕事で生かせない長所・短所
面接で伝える長所・短所は仕事に関わるものを選びましょう。
「両親や祖父母への思いは誰よりもあります」「早食いが得意です」というような長所、「走るのが苦手です」のような短所などは仕事に関わらない内容です。
このような回答は、質問の意図を分かっていない、理解力やコミュニケーション力に問題があると見なされる可能性があります。
企業の求める人材とミスマッチな長所・短所
企業が求めている人材とミスマッチな長所・短所を伝えるのは避けるのが無難です。
企業は募集職種で活躍できる人材を求めており、求人情報に求める人物像を掲載していることもあります。
例えば「あらゆるリスクを論理的に検討できる人を求めています」と書かれているのに、面接で「長所は何でも楽観的に捉えられる大らかさです」と答えてしまうと、業務遂行に支障が出そうだと懸念される可能性があります。
また、大勢で協力して一つの商品を作る製造業に応募しているのに、「短所は我が強い点で、他人と協力するのが苦手です」と答えてしまうと、企業そのものとミスマッチしていると判断されてしまうでしょう。数字やデータを多用する仕事で「細かな計算が苦手です」と答えてしまうのも同様です。
せっかく考え抜いた長所・短所も、企業が求める人材とマッチしていないとアピールにならず、逆に評価を落とす結果につながります。応募企業がどのような人材を求めているのか確認し、それに合った長所・短所を選ぶようにしましょう。
「採用リスクあり」と見なされる短所
面接では聞かれたことに対し誠実に回答する必要がありますが、言わなくてもいいネガティブな情報をわざわざ話す必要はありません。短所を質問された時もその原則は変わりません。
企業の信用を落とす、損害やトラブルにつながりそうな「時間にルーズ」「ルールを守らない」「うそをつく」などの短所は採用することにリスクがあると見なされる可能性があるので、避けるのがベターでしょう。
まとめ
面接担当者が面接で長所や短所を聞く背景には、自己分析の深度を計るため、また社風に合う人物かを見極めるためなどの理由があります。
どんなに魅力的な長所があっても、それに甘えていては成長できません。また、短所は応募企業の業務に支障を与えないことが前提ですが、直していこうとする意思を伝えられれば、採用に近づく可能性が高まります。
自分の個性をしっかり伝えられるよう、長所や短所の回答は事前に準備しておきましょう。
監修者
有限会社キャリアドメイン代表取締役
谷所 健一郎(ヤドケン)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例(マイナビ出版)」、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。
≪面接準備に役立つ!≫
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