シゴトサプリトピックス
転職市場に「即戦力」なんて実はいない! 即戦力の本当の意味とは?
掲載日:2015.7.6

"即"戦力として活躍するのは、誰でもムリな話だった
即戦力、求む!
中途採用の求人広告などで誰もが一度は目にしたことのあるこの言葉。自分は即戦力にはなれないな…… と転職をあきらめたり、逆に「どこに行っても即戦力になれる」という自信から転職を決意する人もいるのでは?
「ハッキリ言いますと、どんな人でも転職して“即”戦力として活躍するのは無理ですよ」
と、バッサリ言い放ったのは、採用学などさまざまな調査研究にまつわる事業を展開するビジネスリサーチラボ代表の伊達洋駆さん。でも、採用企業は即戦力の人材を求めていますよね……?
「確かに、企業が人を募集する理由は人員不足だからであり、中途入社にはお願いしたい仕事を一人で行えるスキルが求められます。でも、企業にはそれぞれ風土やルールがあり、どのタイミングで書類を確認するのか、納品の形式はどうしているのかなど、その業務フローは異なります。つまり、同じ仕事を前の会社では一人でこなしていた人でも、新しい会社で、一人で仕事を回せるようになるのは、ある程度の時間がかかるのです」(伊達さん 以下同)
転職に限らず、同じ会社内の異動であっても新しい環境になじむのには時間がかかり、すぐには戦力にならないというデータもあるとのこと。更に、本当に今すぐにスキルのある人が必要なら、「採用よりも外注するのが合理的な行動」だと伊達さんは言います。
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企業が転職者に対して本当に求める能力は?
では、企業が採用時に求める「即戦力」の本当の意味はどこにあるのでしょう?

「それは『適応力』があるかないかです。同じようなスキルを持った人が転職してきても、すぐに活躍できる人とそうでない人がいますよね。これは、転職先の企業のことを知ろうという興味関心があり、以前の職場との違いや現状の文化を受け入れようとする『適応力』に左右されます。いくらスキルがあっても、その環境にマッチしないと『できない人』となってしまうんです」
ところで、「即戦力」というと、経歴の長い人をイメージしませんか? ここには落とし穴があり、その人が長く同じ場所にいた場合、新しい環境への適応が遅く、即戦力になりづらいという矛盾が生じることもあるようです。
「よく、自分は即戦力だという自負があって入社したのに、分からないことばかりで自信をなくしたという声を聞きます。そもそも“即”戦力になること自体が難しいと理解しましょう。そして、早く慣れようと思うくらいのほうが、転職者も受け入れ企業側も苦しまないで済むと思いますよ」
もちろん、転職には最低ラインのスキルは必要です。いきなりハイパフォーマーとして活躍する自分をイメージするのではなく、果たして転職希望企業の風土を知りたいと思う気持ちがあるかどうか。まずはそこから確かめてみませんか?
(南澤悠佳/ノオト)

取材協力/伊達洋駆
株式会社ビジネスリサーチラボ代表取締役。神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程修了、修士(経営学)。同研究科在籍中に同社を創業。「日本社会に研究を位置づける」をミッションに、社会科学系の調査研究に関する産学の距離を近づける事業を展開。
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