面接を得意にする即効の秘訣(ひけつ)
「知ったかぶり返答」「ごまかし返答」は極めて危険
「採用されたい思い」の空回りが面接で落ちる原因になる
面接で落ちる意外な原因の一つに、「採用されたい思い」の空回りがあります。志望順位が高い企業を受ける場合や何社も落ち続けている場合は、受かりたいという思いが特に強くなるので、空回りの危険も高まります。その結果やってしまいがちなのが、採用担当者の質問に、自分をより良く見せようとして背伸びをして答えてしまうこと。
数社の面接に落ちたKさんに、自分が知らないことを質問された場合の対処法を聞いてみると、「知らないことがバレないように頑張ります。知らないと返答して評価が下がったら困るので」と言います。このように「採用されたい」という思いが強過ぎると、あやふやな知識で答える「知ったかぶり返答」や、別の話にすり替える「ごまかし返答」を無意識にしてしまいがちです。
採用担当者は、そんな返答をされるとガッカリした気持ちになり、その応募者の人間としての信頼は大きく揺らいでしまいます。履歴書の記載内容、面接の発言内容すら疑わしく感じられ、一緒に働きたいとは思えなくなります。高評価を得るつもりが逆効果の努力をしてしまっているのです。
チェックポイントは「貢献できること」と「正直さ」
「採用されたい思い」を空回りさせずにプラスにつなげるには、行うべきことが2点あります。1つ は「自分が貢献できる仕事をしっかり分析すること」。もう1つは「正直に徹すること」です。
志望するからには、その企業でしかできないこと、やってみたいことが必ずあるはず。それを具体的に説明できるようにしておくのがポイントです。その際、自分のスキルや経験が応募先の企業にどう貢献できるかを細かく分析し、面接官にイメージしやすいよう説明できることが大切です。面接官は、あなたが企業に貢献しながら職場で働く姿をイメージしやすくなり、採用するメリットを感じ取ります。
ここで重要なのは、自分の能力と、企業が求めているスキルを冷静に読み解き、必要以上に自分を優秀に見せようとしないことです。知らないことを質問されても正直に答えればいいのです。例えば「そのことに関しては詳しく分かりかねますが」と断った上で、自分なりの考えを伝える。応募者はそもそも他企業で働いているのですから、知らないことやできないことはあって当たり前です。大切なのは知らないことを正直に認めることです。すると、それだけにとどまらず失地からの回復ができる冷静さや前向きさも伝えられます。経験がない業界や業種であればなおさら、入社してから積極的に学ぶ意欲があるかどうかというアピールにもつなげられる大事なポイントとなります。
このように、社会人が陥りがちな面接時の意外な落とし穴は、実は自分ではなかなか気づきにくいものです。ちょっとした冷静な心がけと対策で、面接に対する苦手意識が軽減されることを知っておきましょう。
case study 05応募者は意外と気づかない「面接官の注目ポイント」
企業研究や自己PRの準備が万全でも、意外なポイントで評価を下げてしまっている応募者は多いもの。せっかくつかんだ面接のチャンスを台無しにしないためにも、以下のポイントをチェックしてみてください!
面接で落ちる意外な原因
「知ったかぶり返答」や「ごまかし返答」をしなくても済むように、話す内容をしっかり練ることは大変重要です。しかし、それだけでは高評価が得られるとは限りません。
なぜなら、「話し方」やちょっとした「しぐさ」によって意図したようには伝わらないことがあるからです。私は企業の採用担当として、またキャリアコンサルタントとして、さまざまな方と面接してきましたが、話し方やしぐさへの気配りが不十分な方が実に多いのです。
自分の話し方やしぐさは自分ではなかなか分からないものです。そして、それが面接で落ちる意外な原因となってしまうことがあります。そこで、面接時の話し方やしぐさでチェックしておくべき5つのポイントを以下にまとめました。友人や家族などと面接をイメージした簡単な質疑応答をして、以下の項目をチェックしてもらってみてください。
面接時の「話し方」「しぐさ」チェックポイント
1.視線
質問に答える時に、面接官の目を見て話しているか。
2.表情
笑顔がなく、無表情で淡々と答えていないか。
3.落ち着き
目線、手、指が不自然に動いていないか。
4.声の大きさ
聞き取りにくくないか、声が小さくないか。
5.論理の組み立て方
結論から話さず、前置きや言い訳から話し始めていないか。
自分では気づかぬうちに評価を下げないために
視線は自信の表れと捉えられるので、目で気持ちを伝えることを意識しましょう。そのためには、採用担当者を信頼して心を開き、気持ちを楽にしましょう。また、場に適した表情をたたえられないと、コミュニケーション能力の低さを懸念される場合もあります。面接は試験と思わずにコミュニケーションの場だと心得、リラックスし笑顔を心掛けることが基本です。会話の流れに合わせて、真剣さや親しみを感じさせるようになれるとよいでしょう。
ただし、落ち着きのない目線や手を使ったおおげさなジェスチャーは、挙動不審と捉えられることがあります。動作は最小限に留めるべきです。言葉に詰まった時などもけっして慌てず、基本的には、手は膝の上に置いておきましょう。声が小さかったり不明瞭だったりすると、発言の信ぴょう性、さらには健康・体調不良の可能性を疑われることがあります。数メートルほど離れている人に話しかけるつもりで、大きめの声を出すとよいです。非常識なほど大きな声でなければ、プラス評価されることはあっても、マイナス評価されることはありません。
話している内容はよくても、話の組み立て方に問題があると、論理的な思考能力の低さを懸念される場合があります。発言は常に「結論ファースト」で答えましょう。「1質問1アピール」を心掛け、あれこれ盛り込まず15秒程度(長くても30秒以内)で話しましょう。
話し方やしぐさの癖は自分では気づきにくいので、面接のたびに同じミスを繰り返す傾向が強いのです。何社も連続して落ちている場合は、上記のポイントをぜひチェックしてみてください。
プロフィール
就転職・キャリアコンサルタント
坂本直文(さかもと・なおふみ)
キャリアデザイン研究所代表。劇的就職塾主宰。大学講師。全国各地の大学にて年間200回以上講義。著書多数。近著に『就活ノート術』(日本実業出版社)、『人生のエントリーシート』(PHP研究所)。
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