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女性は30歳までに転職すべき? 20代後半女性が“働きやすい”転職先を選ぶには?

30歳までに転職すべきか悩む女性の心境のイメージ

20代後半になると「私はこのままでいいのかな……?」と、ふと不安になったり、将来について思い悩む女性は少なくないようです。

特に、知人や友人が「転職した」「結婚した」など、転機を迎えた話を聞くと、「自分はどうだろう」と考えてしまうのではないでしょうか。その中で「今の職場で働き続けていけるかな?」といった仕事・キャリアに対する疑問も沸き上がってきますよね。

「ずっとこの仕事を続けるべき?」とキャリアの視点で考える女性もいれば、「もし結婚したら?」「将来、子供を生んだら?」とライフステージの変化に適応できるか考える女性、あるいは両面から見直す女性もいるでしょう。「今の仕事が好き」でも、ライフステージという視点から見直してみると、続けていくことに不安を感じる女性もいるかもしれません。

そこで30歳という節目を前に「そろそろ転職したほうが良いのかな……」と悩んでいる20代後半女性に知っておいてほしい“転職前に考えておくべきこと”についてお伝えします。

<INDEX>

20代後半女性の「女性の転職」に対するイメージとは?

20代後半の女性は「転職」についてどう思っているのでしょうか?
まずは、「女性の転職」に対するイメージへのアンケート結果から見ていきましょう。

あなたが思い浮かべる、「女性の転職」に対するイメージをすべてお選びください。

出産後の転職は難しい

53.1%

女性は不利

43.1%

ライフステージと大きくかかわる

38.5%

新しい人間関係を構築するのが面倒

25.4%

収入が減る

24.6%

若年層が中心

23.8%

正社員で勤務する、転職意向のある20代後半(25~29歳)の女性130人(うち98人が未婚・子なし)に対して、「女性の転職」に対するイメージを伺ったところ、1位は「出産後の転職は難しい」で53.1%。2位は「女性は不利」で43.1%。3位は「ライフステージと大きくかかわる」で38.5%という結果でした。

1位と3位から、多くの女性がライフイベントが転職に与える影響を気にしていることが分かります。

4位「新しい人間関係を構築するのが面倒」(25.4%)、5位「収入が減る」(24.6%)と続きますが、それらと同程度の回答数で、全体の約4分の1に当たる女性が、「転職は若年層が中心」(23.8%)と考えていることも分かりました。女性が転職を考える時、「年齢」を気にする人も多いことが伺えます。

女性の転職は、若年層が中心?

20代後半女性に行ったアンケート回答のうち、約4分の1が、転職は「若年層が中心だ」というイメージを持っていました。

たしかに一般事務や営業サポートなどのアシスタント色の強い職種であれば、若年層を募集する求人が多いかもしれません。

しかし“女性だから”というわけではなく、男性にも同じことが言えます。転職の場合、社会人としての年数を重ねるほど、専門性や経験、スキルが求められる傾向が強くなるものです。これは性別、年齢、職種などにかかわらず、どんな求人にも当てはまるでしょう。

ですから「女性の転職=若年層が中心」という訳ではないのです。

20代後半は、転職に良いタイミング?

ここで少し視点を変えて、現在の求人市場についてのお話をします。

厚生労働省が発表した2017年4月の有効求人倍率は1.48倍でした。この数字は、バブル時代のピークと言われる1990年7月の1.46倍を上回っています。つまり、現在はバブル時代以上の売り手市場(仕事を探している人の数より、求人の数が多い)なのです。

そして中途採用市場では、「第二新卒」や「若年層」を採用したいという会社が増えているといいます。
理由は会社によってさまざまですが、

  • 売り手市場により新卒採用の競争が激化。若年層不足に陥る会社が多い
  • 組織の年齢構成を考えて、20代の社員を確保したい
  • 「社会人経験がある」ため、新卒ほど教育の手間がかからない

などが挙げられます。

更に「第二新卒」や「若年層」を募集する求人の中には、未経験の業界・職種でも応募可能である傾向が強くなっています。つまり、20代は未経験の仕事にもチャレンジしやすく、キャリアチェンジしやすいと言えるでしょう。

もし現在のキャリアを見直したうえで「30歳を過ぎても、今の会社で働き続ける自分を想像できない」「これまでの経験を通して、自分の適性や本当にやりたいことが見えてきた」という女性は、転職活動を始めるチャンスかもしれません。

30歳は「転職のタイムリミット」か?

先に説明したように、もし転職を考えているのであれば、20代はチャンスかもしれません。ただし「20代のうちに転職しなければ、もう転職できない!」と言っているのではありません。特に売り手市場の今、年齢や性別にかかわらず求人を行う会社は多く、30歳を過ぎても転職を成功させている女性は多くいます。

中途採用は基本的に「即戦力」としての活躍を求めるもの。先にも述べたように、社会人としての年数を重ねれば、専門性や経験、スキルが求められる傾向が強くなります。会社は年齢だけを見ているのではなく、年齢に応じたキャリアを求めているのです。たとえ何歳であっても、どんな会社に応募する時でも「これまでの経験を、新しい職場でどう生かせるのか」が転職成功のカギを握っています。

そのため“30歳”という年齢だけにとらわれて焦って転職活動をしても、いい結果は得られません。だからこそ、あえて今は転職せず「20代のうちは経験やスキルを蓄えることに注力する」のも一つの方法です。

まずは「仕事を通じてどう成長したいか」「どんなスキルを身に付けていきたいのか」を考えましょう。必要なスキルを身に付けるために「仕事の取り組み方を変えていく」、あるいは「自分ができることを増やしていく」ようにし、普段から“いつかの転職”に備えておくことが大切です。その結果は、将来の転職成功へとつながっていくはずです。

出産後の転職活動は難しい?

出産し、子育てしながら働く女性の写真

冒頭のアンケートで1位だった「出産後の転職は難しい」というイメージについても、少し触れておきましょう。

出産後は「転職先がない」のではありません。では、どうして難しいイメージがあるのでしょうか?

「出産後の転職は難しい」とされる理由には、転職活動のスケジュール調整の難しさや、思うような条件下で働けない可能性があることが挙げられます。

例えば子育て中の場合、特に子供がまだ小さい時は、転職活動の時間の確保が難しいと感じる女性が多いようです。また、子供の都合で「急に面接に行けなくなる」「すでに有給休暇の残りが少なく、転職活動のために会社を休みづらい」など、スムーズに転職活動が進まないケースも見られます。

「時短勤務」を前提とする転職も、難しいという現実があります。限られた採用枠の中で即戦力を求める中途採用において、もし「時短勤務したい」女性と「仕事に邁進(まいしん)したい」女性が同時に応募している場合、会社が採用するのは後者になりがちです。時短勤務で転職できた場合でも、一般的にフルタイム勤務より給与は下がります(会社の規定により異なります)。

出産後であっても転職活動はできますが、「スケジュール調整ができるか」や、「そのタイミングで転職することのメリット・デメリット」を考えたうえで転職活動を始めることが必要です。

出産前に転職しておくべき?

「出産や育児を見越して、先に転職しておこう」と考える女性もいるでしょう。その場合、注意してほしいのが「転職してすぐは産休や育休、時短などの制度を利用しづらい可能性がある」ということです。

法令に基づけば、在籍期間にかかわらず産休の取得は可能ですが、会社によっては例外的に規定があったり、「産休は取得できるが、育休は取得できない」こともあります。

また会社は、「採用したからには早く仕事を覚え、長く働いてほしい」と思っています。先輩や同僚も、あなたの教育や指導に時間をかけてくれるでしょう。その途中で休業となると、再び業務の引き継ぎを行わなければならず、「迷惑をかけてしまう」「休みに入りづらい……」と悩んでしまったり、中には「周囲が快く思わない」こともあるようです。

復職後も長く働いていくことを考えると、仕事を一通り覚えて実績を積んでおき、周囲との信頼関係が築けてから産休・育休などの制度を利用できると良いのかもしれません。

本当に「女性が働きやすい会社」とは?

キャリアプランやライフイベントを考慮したうえで転職活動を始めても「どんな会社を選べばいいの?」と迷ってしまうこともあります。職種や業種だけでなく、会社によってさまざまな特徴があり、求人情報から自分に合うかを読み解いていかなければなりません。

求人情報では「女性が働きやすい会社」「女性が活躍している職場」というフレーズを見かけることがあります。一見すると、女性にとって最適な求人のように見えますが、これにも落とし穴があります。

なぜなら「働きやすい」と一口に言っても、その意味合いは会社の考え方や、働いている人の価値観によって大きく異なるからです。

例えば

  • 育児支援の制度が整っていること
  • ワーク・ライフのバランスがとれること
  • 男女関係なく、等しく評価されること
  • 社員の女性比率が高く、居心地が良いこと

など、どれも女性の働きやすさや、女性が活躍していることを表していると言えますが、自分自身が求める「働きやすさ」と必ずしも一致するとは限りません。

さまざまな「働きやすさ」がある中で、「自分にとって働きやすい、続けやすい会社とは」「自分の理想とする職場とは」という条件を考え、それに合った転職先を選ぶことが重要です。

転職を考えたのをきっかけに、現職の良さに気づくこともある

転職だけが解決策とは限りません。キャリアを見直し、「自分にとって長く働ける環境」を考えてみると、意外と「現職でも実現できるかも」と気づくこともあります。

現職で可能性を切り開くことができないか、詳しく調べてみましょう。今の会社にはどんな制度があり、先輩や同僚たちがどのように利用しているのか、またどんな働き方をしているのかリサーチを。今まで見えていなかった会社の良さや、自分にフィットする環境が見えてくるかもしれません。

もし会社の制度に不安がある場合は、信頼できる上司や、人事部などに相談してみるのもいいでしょう。会社側も「そろそろ、女性が長く働き続けるためのサポート体制を強化しなければ」と考えているかもしれません。あきらめずに、まずはアクションを起こしてみてはいかがでしょうか。

20代後半は、次の飛躍のための「準備期間」

30歳という年齢や、さまざまなライフイベントを前に、自分のキャリアについて漠然とした不安を持ってしまいがちな20代後半の女性。

しかし、年齢だけにとらわれて、やみくもに転職活動を始めてしまうのは良くありません。

まずは自分のキャリアを見直してみましょう。たとえ今は具体的なプランがなくても「仕事を通じてどう成長したいか」や「自分の理想とする働き方」について、イメージすることからスタートを。30歳になった時、あるいは1年後、3年後、5年後と、近い将来を想像することから考えてみてはいかがでしょうか。

転職する、しないにかかわらず、20代後半の時期を「大きく飛躍するための準備期間」ととらえることで、今後の行動も、自分の未来も変わってくるはず。30歳になってキャリアを振り返った時に後悔しないためにも、自分が理想とする働き方が実現できるよう、早めに行動し始めることが大切です。

正社員で勤務する、全国の20代後半(25~29歳)の女性で転職意向のある方130人
2015年3月13日(金)~3月16日(月)/インターネット調査

マイナビ転職 編集部

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