試用期間とは? 期間中の退職方法やトラブルの対処法、注意すべきポイントについて
更新日:2024年06月12日


記事まとめ(要約)
- 試用期間とは、企業が社員としての適性を判断するための期間
- 長さは1~6カ月が一般的で、最長でも1年程度
- 試用期間中でも企業は正当な理由がない限り、簡単に解雇できない
- 試用期間中と本採用の待遇は基本的に同じ。異なる場合はそれぞれの労働条件が明示される
- 試用期間中に退職はできる。通常の退職手続きと流れは同じ
「試用期間中だったら自由に退職していい」「試用期間中は社会保険や残業代がない」「試用期間中の退職は隠してもバレない」など、これらはすべて誤解です。自分の身を守るためにも、正しい知識を身に付ける必要があります。
この記事では、試用期間中の雇用条件や円満退職の方法、トラブルの対処法、よくあるQ&Aなどを解説します。
試用期間とはどんな期間?
試用期間は、企業が人材を採用する際に「社員としての適性(勤務態度・能力・スキル)があるか、評価および判断するため」に導入されています。
試用期間終了後は、企業側・労働者側の双方合意のうえ本採用されるのが一般的です。
企業が試用期間を導入する場合、就業規則や労働契約書(雇用契約書)に、試用期間についての内容を明記することが定められています。
入社前には企業側から提示された内容を必ず確認し、試用期間に関する疑問や不安を解消しておきましょう。
試用期間の長さはどれくらい?
試用期間が設けられる際は、長期的な雇用契約が前提となります。期間の長さについては労働基準法などで明確な定めはありませんが、1〜6カ月が一般的で、最長でも1年程度のケースが多くなっています。
ただし、あくまでこれは目安であり、企業やポジションによって異なるため、応募時に必ず確認を行いましょう。
試用期間の目的
昨今では、早ければ面接1回で内定が決まることもあります。
しかしながら、短過ぎる選考期間で適性を見極めることは難しいというのが企業の本音です。そのため試用期間を設けて、どの程度の適性があるのかを見極めようとする企業も多くあります。
研修期間との違い
試用期間は、企業として対象者との労働契約を締結するか否かを判断する期間を指します。
一方、研修期間とは、実務に関する具体的な指導を受けたり、訓練したりする期間です。必要な知識を覚えたり技術を学んだりすることで、一人前の仕事をこなせるようになることを目的としています。
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試用期間中に解雇されることはある?
企業側と採用された人の間で長期雇用を前提とした労働契約が締結している状態なので、企業側は正当な理由がない限り簡単に解雇はできません。
正当な理由として挙げられるのは、経歴詐称、勤務態度の悪さ、出勤不良などです。「何となく合わない」「期待していた能力ではない」などはもちろん不当な理由となるため、解雇することはできません。
企業は、試用期間の解雇においても通常の解雇と同じく30日前に予告する、もしくはその代わりに、解雇予告手当として30日分以上の平均賃金(直前3カ月間を平均した1日分の賃金)を支払うことが義務付けられています。
ただし、試用期間が始まってから14日以内であれば、企業はいずれの義務も果たさなくて良いという例外があります(労基法第21条)。
試用期間が延びることはある?
試用期間は、当初取り決めた日程よりも延びるケースがあります。
ただし、いかなる事情があっても企業側が一方的に判断することは認められず、本人との合意が取れていることが大前提です。
詳細については、後述する「試用期間に関するありがちなトラブルをケース別に紹介」の項目にてご紹介します。
試用期間中の待遇はどうなる?
試用期間中と本採用の待遇は基本的に同じです。仮に試用期間中の労働条件が本採用後の労働条件と異なる場合は、企業は試用期間中と本採用後それぞれの労働条件を明示することと定められています。
もし試用期間中の待遇に差がある場合には、企業に確認したり、行政機関に相談しましょう。
試用期間中に「社会保険がない」「残業代がない」は仕方がない?
社会保険がなかったり残業代が支払われなかったりすることは、試用期間中であっても違法です。
試用期間中も労働契約は締結されている状態ですから、企業側は一部の短時間労働者を除いた従業員を各種社会保険(雇用、健康、労災、厚生年金)に加入させる義務があります。
これらの保険に加入させてもらえないと、被保険者期間が足りず失業保険が受給できなかったり、将来的に受給できる厚生年金が少なくなるなど、不利益を生み出す恐れがあります。
社会保険の加入があるか必ず確認し、もし企業に適切な対応をしてもらえない場合は、雇用保険については事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)、厚生年金や健康保険については管轄している年金事務所に相談しましょう。
また、給与額に関しては、試用期間中と本採用とで異なる金額を提示される場合があります。その時は、各都道府県の最低賃金を下回っていないかを確認してください。残業代ももちろん支払われます(研修期間中も同様です)。もし残業代が適切に支払われない場合は、労働基準監督署に相談をしましょう。
試用期間に退職するのはアリ?
試用期間は、従業員と企業がお互いにマッチしているかを確かめる重要な時期です。試用期間中に退職を考えることをネガティブに感じてしまうこともあるかもしれませんが、適性を見極めるという意味合いでは妥当な選択肢とも言えます。
企業文化や仕事内容、チームとの相性など、仕事には実際に働いてみなければ分からないことが多く、働いてみた結果「イメージと違った」と感じることもあるでしょう。
もし職場環境や仕事内容が自分に合わないと感じたら、正規に雇用された後よりも退職交渉が容易に進められるこの期間に判断を下すことも、賢明な選択となります。
一方、試用期間中の退職であっても、在籍期間として履歴書や職務経歴書に明記する必要があるため、転職活動で補足の説明が求められる場合もあります。また、短期離職を繰り返してしまった場合はスキルや経験の習熟が進まないというデメリットもあります。
退職を検討する際は、冷静に状況を分析し、長期的な視点で考えることを意識しましょう。
試用期間中に退職を願い出るには?
「働いてみたらイメージと違った」など、試用期間中にギャップを感じた場合、違和感を持ちつつ働き続けるのか、退職するのかを検討する必要があります。
退職を決断する場合は、企業側に退職を願い出ることになります。その際は退職予定日の2週間前までに申し出を行うことが民法(第627条第1項)により定められています。
ただし、会社によっては別途決まりが設けられていることもあるので、就業規則を必ず確認しておきましょう。
もしあなたが退職すると決まった場合、企業側は一日も早く後任者を見つけなければなりません。後任者に業務内容を引き継ぐ期間も必要となります。今日明日で辞められるわけではないので、退職を決めたら早めに上司に申し出ることが重要です。
また、試用期間中の退職には、合意退職と自主退職の2種類が存在します。それぞれで手続きや流れが異なるため、確認しておきましょう。
合意退職の場合
合意退職とは、従業員から企業に対して退職を申し出て、それを企業も承諾する形で退職することです。
退職を申し出たら引き止められそうでちゅうちょしてしまうかもしれません。しかし、職場に与える影響を考慮し迅速に申し出るのが、社会人としてのマナーや責任であると認識しましょう。
なお、合意退職の場合、企業側の合意が承認されるまでの間であれば退職願の撤回もできます。万が一、退職を申し出た後に気持ちが変わったら、すぐに相談しましょう。
試用期間中に退職を決断したら、以下の手順で対応していきます。基本的には通常の退職手続きと同様の流れです。

手順1. 直属の上司にアポイントを取る
上司に退職を切り出す時は、話す内容は普段の業務内容とは違うわけですから、予想以上に話し合いが長くなることも想定されます。話し合いの時間に余裕を持たせられるように「ご相談があるのですが、少しお時間をいただけないでしょうか」のように打診すると良いでしょう。
アポイントを取る際は、メールやチャットでも構いませんし、直接声を掛けても構いません。相手の状況や、普段のコミュニケーションの仕方に合わせて決めてください。
話す場所は、会議室など落ち着いて話ができる場所を選びます。オープンスペースなど周りにたくさん人がいる所は避けましょう。
手順2. 上司に口頭で伝える
メールやLINEで簡単にコミュニケーションを取れる時代だからこそ、退職を告げるという大切な場面は必ず対面・口頭で行いましょう。
あなたの誠意や真意をしっかり伝えること、また何より短い期間でもお世話になった上司に対して礼儀を尽くすためにも、面と向かって話をするのが一番の方法です。
上司にスマートに退職を伝えるコツは下記で紹介しています。
手順3. 退職届を提出する
退職について上司から承諾を受けたら、退職届を作成し提出しましょう。退職届には、退職理由と退職日、所属部署、名前などを記載します。会社によっては社内で退職届のフォーマットが定められているケースもあるので、あらかじめ上司に確認しておきましょう。
なお、退職届の書き方や渡し方については以下の記事でご紹介しています。
自主退職の場合
自主退職とは、労働者の一方的な意思表示によって退職することです。
法的には、企業の同意がなくても退職届を提出してから最短14日後には退職が受理される取り決めになっています。ただし、自主退職の場合は退職の意思を会社が受理した後での撤回はできません。事前に後悔のないよう、じっくり検討してから退職を申し出るようにしましょう。
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試用期間でも、納得してもらいやすい退職理由とは?
では試用期間中に上司に退職理由を伝えるとしたら、どのような理由が納得してもらいやすいのでしょうか。
ここで大事なのは、会社の社風や人間関係が苦手だったとしても、本当の自分の感情や気持ちをぶつけることで会社批判につながってしまう可能性があるということです。その危険性がある理由は極力避けるようにしましょう。
あくまで「自分には合いませんでした」というように、主語を「私」にして理由を述べるほうが上司に受け入れてもらいやすいでしょう。
次に、退職理由の本音と言い換え例を見ていきましょう。
理由その1.「社風、雰囲気が合わない」
<本音の退職理由>
- 何事も勢いで乗り切ろうとするノリについていけない
- 頑張ることが正義だという価値観が根付いている
- 残業する人=頑張っている人という環境が合わない
- 飲み会などの社内行事が多い
▼言い換えの例
例1)
「自分が入社前に想像していた社風と異なっており、自分には合っていないと思いました。まだ試用期間中という立場で大変申し訳ありませんが、退職するならば早い判断のほうが良いと思い、この場をお借りしてお伝えさせていただきました」
例2)
「試用期間を過ごしてみて、全社的に個人主義的な労働環境であることを実感しました。私は長年対照的な環境に身を置いていたため、自分なりに努力を試みたものの、なかなかなじむことができなかったように感じています。試用期間のなか大変恐縮ですが、退職の意思を伝えさせていただきます」
例3)
「仕事とプライベートのメリハリをつけて働ける環境に移りたく、退職させていただきます。家庭の事情で終業後や土日の時間を社内行事に割くことがどうしても難しく、一体感を大切にされている皆さんの雰囲気を考え、長期的に就業していくことが難しいと考えました」
▼伝え方のポイント
社風や職場の雰囲気は、実際に入社し社内の人間として過ごしてみないと判断しにくいものです。時間がたてばなじめる部分もあるはずですが、どうしても許容できない部分も出てくる可能性があります。
しかし、合う・合わないは個人によって異なり、千差万別です。自分の思想に偏って会社を否定したり、意見したりすることがないようにしましょう。
あまり深く掘り下げず、端的に伝えることを心掛けてください。
理由その2.「求めていた環境・仕事と違う」
<本音の退職理由>
- 業務の幅が広過ぎて、何でも屋さん状態が嫌だ
- スキルアップの転職のはずが、単純作業がメイン業務で面白くない
- どんな手段を使っても、ノルマを達成しなければならない
- 緊急対応事項が多く、もっと落ち着いて仕事がしたい
- 仕事がなくて暇過ぎる
▼言い換えの例
例1)
「私には業務の幅が広過ぎました。自分には狭く・深くやっていく業務のほうが合っていると感じるため、まだ試用期間中という立場で大変申し訳ありませんが、退職させていただきたいと思います」
例2)
「大規模な新規ソフトウエア開発に携われることを魅力に感じ入社させていただきましたが、実際は日々のメンテナンス業務が中心となり、大きなギャップを抱いております。先日お伺いした状況ですと、あと数年間は現状が続くとのことでしたので、試用期間中で大変心苦しくはありますが退職を決断いたしました」
例3)
「やりとりする関係者が多く、急を要する対応なども頻繁に発生する環境のため、ミスを起こさないように対処することで精一杯でした。今後のキャリアを考え、もう少し落ち着いて働くことができる環境に移って長期就業していきたいと考えています」
▼伝え方のポイント
選考段階で担当者に確認していたとしても、いざ入社してみたら仕事内容・環境に対して違和感やギャップを抱く可能性はあります。
もし何らかのギャップを感じたら、慣れや改善の余地が期待できるものであるか、状況を整理して判断することが大切です。できれば退職を決断してしまう前に、先輩や上司に相談したり、体験談を聞いたりするのもおすすめです。
また、退職の理由が会社や社員への批判と受け取られてしまう可能性があるため、本音をそのまま伝えるのは避け「自分にとって合わなかった」というニュアンスにすることを注意しましょう。
理由その3.「体調不良や病気などで働き続けるのが難しい」
<本音の退職理由>
- 職場や仕事になじむことができずに体調を崩してしまった
- 入社後に体調を崩してしまい、働き方を変えざるを得なくなった
▼言い換えの例
「仕事の内容はとても好きなのですが、想像以上に自分に負荷をかけてしまっていたのか、体調を崩してしまいました。恐縮ながら、いったん体調を整えたく、退職させていただきます」
▼伝え方のポイント
仕事内容がどれだけ好きであっても、体調を崩してまで働いたのでは本末転倒ですし、家庭環境をないがしろにすることも同様です。
会社によっては異動をすることで退職せずに仕事を続けられる可能性もあるので、上司に相談してみることも選択肢の一つでしょう。それでも続けることが難しい場合は、できるだけストレートかつシンプルに退職を申し出ましょう。
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試用期間に関するありがちなトラブルをケース別に紹介
試用期間に関してありがちなトラブルとその対処法を簡単におさらいしていきましょう。
トラブルケース1.「想像していた活躍じゃないという理由で、突然の解雇通告」
企業側は正当な理由がない限り簡単に解雇はできません。上記の理由はもちろん不当な理由です。正当な理由として、過去に裁判で認められた解雇の具体例をいくつか挙げます。
- 出勤率が90%に満たない
- 3回以上の無断欠勤
- 勤務態度が悪く、何度指摘しても改善されない
- 協調性を欠く言動・行動があり、社員として不適格
- 経歴詐称があった
経歴詐称以外の理由は、雇った企業側にも、教育・指導する義務があります。上記の理由があったとしても、いきなり解雇することはできません。企業が十分に教育・指導を行ったかも重要なポイントとなります。
解雇通知に関しても、通常の解雇と同じく30日前に予告する、もしくはその代わりに、30日分以上の平均賃金を支払うことが義務付けられています。
ただし、試用期間が始まって14日以内の解雇であれば、いずれの義務も果たさなくて良いという特例が存在します。
トラブルケース2.「試用期間終了後に、本採用を拒否された」
本採用拒否は、法的には労働契約の解約にあたり、解雇に該当するものとなるので、正当な理由が必要です。
あなたが誠実に勤務しているにもかかわらず、試用期間満了時に「今回の本採用は見送ります」と会社側に選択権があるような言い方をされていても、法的には認められないということを覚えておきましょう。
トラブルケース3.「勝手に試用期間を延長された」
以下の3つの条件をすべてクリアしていれば試用期間の延長は認められます。
- 延長する場合があることについて就業規則や雇用契約書に定められている
- 延長理由に合理性がある
- 延長期間は当初の期間を含め、おおむね1年以内である
この条件をクリアせずに、企業側の都合や気分で延長すること、合意があったとしてもあいまいな理由で延長することは許されません。
また試用期間の長さに関しては、労働基準法などで明確な決まりはありませんが、民法90条「公序良俗」の観点から最長1年以内が限度と解釈されています。
トラブルケース4.「給与は最低賃金より低く、残業代も支払われない」
給与額に関しては、試用期間内の額を提示される場合があります。その時は、各都道府県の最低賃金を下回っていないかを必ず確認してください。
残業代ももちろん支払われます。研修期間中だから、給与が支払われないというのも違法です。
トラブルケース5.「雇用保険および社会保険に加入させてもらえない」
試用期間であっても雇用契約が締結されている状態ですから、一部の短時間労働者を除き、雇用主である企業は、各種社会保険に加入させる義務があります。
これらの社会保険に加入させてもらえなかったために、失業保険がもらえなくなったり、将来受給できる年金が少なくなってしまうといった、労働者側にとって不利益を被ることがあります。
試用期間中のトラブルの対処法
上記でご紹介したようなトラブルにもし遭遇してしまったら、どうすれば良いのでしょうか。その解決策をご提案します。
まずは会社に相談する
変にケンカ腰になったりせず、冷静に相談する姿勢が重要です。まずは直属の上司に改善できないか相談し、進展がなければ直接人事や総務など担当管掌部署に申し出ます。切り出し方の例としては、「労働条件について確認させていただきたいことがあるのですが」などと伝えます。
行政庁に相談する
誠意をもって労働条件の相談をしても、会社側が聞く耳を持ってくれない場合は、しかるべき機関に相談しましょう。
解雇・賃金に関するトラブルは労働基準監督署、雇用保険の未加入はハローワーク、社会保険の未加入は年金事務所が窓口となります。
弁護士に相談する
行政庁に相談しても解決しない場合は弁護士などに相談し、労働審判や訴訟により権利の実現を目指していきます。
弁護士への相談は費用が発生します。初回相談無料などのサービスを提供する法律相談所もありますが、最終的にどの程度の費用がかかるのか確認をしてから相談しましょう。
新しい就職先を探す
現実問題としては、弁護士に相談する段階までこじれてしまうと、訴訟から未払い賃金の支払いに至るまで相当な時間とコスト、精神的負担がかかります。そうした労力を考えれば、早めに切り替えて新しい勤務先を探すといった選択も良いかもしれません。
新しい仕事を探す際は、給与や待遇、試用期間があるかなどの確認を怠らないようにしましょう。また、条件だけで判断せず、自分が本当にやりたい仕事なのか、腰を据えて働ける環境なのかも確認が必要です。
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試用期間でよくあるQ&A
最後に、試用期間に関してよく聞かれる質問と回答をご紹介します。
再び転職活動を行う時、失業手当も再度受給することができますか?
例えば、A社退職後に90日分の失業手当を受給する権利を得ていたとして、50日間受給しB社に転職をしたもののB社を早期退職した場合、A社退職後の翌日から1年以内であれば、残りの40日分の失業手当を受給することが可能です(新たな受給資格を得られなかった場合)。
一度就職が決まっても、期間内であれば残っていた失業手当を受給することができると覚えておいてください。
失業保険の手続き方法などは以下の記事でご紹介しています。
試用期間中に退職した場合、職歴に記載する必要はありますか?
履歴書に勤務した企業を記載するか否かは、応募者の意思で決められます。ただし、雇用保険に加入していれば、加入履歴からこれまでの職歴が新しい職場に知られてしまう可能性はあります。
履歴書に書かれていなかった職歴が入社後に発覚すると「事前に説明してほしかった」と感じる企業が多いため、試用期間のみの職歴であっても履歴書に記載することをおすすめします。
記載する場合は、「退職」について記載した直後に「業務内容が事前説明と大きく乖離していたためやむなく退職」などといった形で理由を記載しておきましょう。
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
20XX | 4 | ■■■株式会社 入社 |
人材派遣事業 従業員〇〇名 | ||
20XX | 5 | 一身上の都合により退職 |
※業務内容が事前説明と大きく乖離していたためやむなく退職 | ||
以上 |
短過ぎる職歴で記載したくない場合は、面接で空白の期間について確認されることや内定後に発覚することも考慮して、確認される前に「実は1カ月だけ勤務した会社がありますが、入社面接時の話と実際の業務内容がまったく異なっていたため短期間で退職しました。短過ぎる職歴のため、ここには記載しておりません」などと伝えておくほうが良いでしょう。
試用期間は有給休暇の取得要件である6カ月に含まれますか?
試用期間は、有給休暇の取得要件である6カ月の勤務期間に含まれます。労働基準法では6カ月の勤務期間において、全労働日の8割以上出勤した場合に有給休暇が付与されることとされています。そのため、試用期間中でもこの基準を満たしていれば有給休暇を取得することが可能となります。
試用期間中に注意すべきことはありますか?
良い印象を持ってもらい、気持ちよく働くことができるような関係性をつくることを意識しましょう。特に、社会人としての基本的なマナーを守ることは不可欠です。
遅刻や無断欠勤をしないことはもちろん、丁寧な言葉遣いや前向きなコミュニケーション、チームと協力する姿勢を見せることも重要でしょう。与えられた仕事に対して真摯に取り組み、積極的に質問をするなど、仕事に臨むスタンスもよく見られるポイントです。
まとめ
試用期間とは、企業側と労働者側、双方が相性を見極める重要な期間です。試用期間終了後、双方の合意があれば本採用となるのが一般的です。
通常は正当な理由がない限り試用期間に解雇されることはありません。もし、試用期間中に退職することを決めた場合は速やかに申し出る必要があります。試用期間であっても会社の一員であることに変わりありませんので、その立場にふさわしい言動を意識し、行動しましょう。
監修者

塚本 泰久
社会保険労務士
ツカモト労務管理事務所 代表
関西地区を中心に、地域に密着した親切丁寧な事務所を目指しています。会計事務所での経験から、企業の労務管理と財務状況とのバランスを重視した適切なアドバイスを行うことで、より良い企業の体制作りをサポートしています。
マイナビ転職 編集部
≪試用期間に関するQ&A≫
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