上場企業とは?非上場企業との違いは?働くメリット・デメリット
更新日:2025年07月14日
記事まとめ(要約)
- 上場企業とは証券取引所で株式を公開している企業のこと
- 上場企業で働くメリットは、社会的信用が高まる、福利厚生が充実しているなど
- 一方、社会的責任が発生する、社内規定が厳しい、買収される可能性があるなどのデメリットも
- 上場企業は上場している株式市場の種類によって分類できる
- 非上場企業であっても、安定した経営を続けていて、待遇が良い企業も多くある
転職活動をする際に、「上場企業」という条件で求人を探す方もいるのではないでしょうか。
上場企業の定義や働くメリット・デメリットを正しく把握して、自分に合った企業を探すことが大切です。
この記事では、上場企業とは何かや、働くメリット・デメリットを解説します。転職活動での企業選びの参考にしてください。
上場企業とは?
上場企業とは、証券取引所(株式市場)で株式を公開している企業のことです。上場企業の株式は、投資家が売買することができます。
上場企業について知るために、株式会社の仕組みや非上場企業との違いなども見ていきましょう。
そもそも上場とは
上場とは、企業が発行する株式を証券取引所で売買できるようにすることです。株主数や流通株式数、事業継続年数、利益額など、一定の基準をクリアしたうえで、証券取引所による審査を通過することで、資格が与えられます。
株式会社の仕組み
上場企業を知るうえで知っておきたいのが、株式会社の仕組みです。
企業が新しい事業を始めたり、既存の事業を拡大したりする際には当然お金が必要になります。企業が資金を調達する手段はさまざまありますが、そのうちの一つに「株式を発行して外部から資金を募る」という方法があります。
株式を発行している企業のことを「株式会社」と呼びます。上場企業の株式は、証券取引所で企業・個人問わず多くの投資家に公開されます。そのため、より多くの資金を調達できるというわけです。
非上場企業との違い
上場企業と非上場企業の違いを表にまとめました。
| 上場企業 | 非上場企業 | |
|---|---|---|
| 株式公開 | あり | なし |
| 主な株式の保有者 | 投資家 | 役員や関連会社、従業員 |
| 資金調達のしやすさ | 集めやすい | 集めにくい |
| 情報公開 | 公開義務がある | 原則として公開義務はない |
上場企業と非上場企業の大きな違いは、証券取引所で株式を公開しているかどうかです。非上場企業の場合、株式を公開していないため資金調達ルートが限られます。
また、上場企業は、金融商品取引法に基づき、有価証券報告書、四半期報告書、決算短信など、情報公開義務がありますが、非上場企業は、原則として情報公開義務はありません。
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上場企業にはどんな種類がある?
上場企業は、上場している株式市場の種類によって分けることができます。
株式市場は証券取引所によって異なるため、証券取引所の種類と株式市場の違いについて正しく理解しておきましょう。
日本の証券取引所は4つ
日本の証券取引所は、東京、名古屋、福岡、札幌の4カ所にあります。証券取引所ごとに2~3つの市場があり、それぞれ株式を公開するための基準が異なります。
| 証券取引所 | 株式市場 (市場区分) |
上場会社数 |
|---|---|---|
| 東京 証券取引所 |
プライム市場 | 1,624社 |
| スタンダード市場 | 1,571社 | |
| グロース市場 | 610社 | |
| 名古屋 証券取引所 |
プレミア市場 | 170社 |
| メイン市場 | 110社 | |
| ネクスト市場 | 20社 | |
| 福岡 証券取引所 |
本則市場 | 91社 |
| 新興市場 | 21社 | |
| 札幌 証券取引所 |
本則市場 | 51社 |
| アンビシャス市場 | 11社 |
出典:
上場会社数・上場株式数|日本取引所グループ(2025年6月17日時点)
上場会社数|名古屋証券取引所(2025年6月17日時点)
上場会社数|福岡証券取引所(2025年5月分)
市況・統計データ 上場会社数の推移 | 札幌証券取引所|札幌証券取引所(2024年)
株式市場(市場区分)の種類
上記の表のとおり、上場企業の多くは東京証券取引所(東証)に上場しています。ここでは東証の3つの株式市場について詳しく解説します。
東証は元々「東証一部」「東証二部」「マザーズ」「JASDAQ」の4市場から構成されていました。「一部上場」とは「東証一部に上場すること」を意味し、当時はよく使われていた言葉でした。
しかし、この市場区分は2022年4月に再編され、「プライム」「スタンダード」「グロース」の3つの新しい株式市場となりました。
■各株式市場への上場基準
| プライム市場 | スタンダード市場 | グロース市場 | |
|---|---|---|---|
| 株主数 | 800人以上 | 400人以上 | 150人以上 |
| 流通株式数 | 2万単位以上 | 2,000単位以上 | 1,000単位以上 |
| 流通株式 時価総額 |
100億円以上 | 10億円以上 | 5億円以上 |
| 連結純資産 | 50億円以上(かつ、単体純資産の額が負でないこと) | 連結純資産の額が正であること | - |
出典:上場審査基準|日本取引所グループ
プライム市場
東証のなかでも上位の株式を取り扱う市場がプライム市場です。より高いガバナンス水準があり、長期的な成長を見込める企業向けの市場となります。
プライム市場に新規上場するためには厳しい基準が設けられていますが、かつての東証一部の上場基準と比べると大幅に緩和されています。
スタンダード市場
スタンダード市場は、上場企業としての基本的な水準を満たした企業向けの市場です。上場の基準はプライム市場と比較すると低いですが、持続的な成長が見込める企業を対象としています。
グロース市場
グロース市場は、高い成長の可能性がある企業向けの市場です。いわゆるベンチャー企業やスタートアップ向けの市場となります。
ただ、近年のITベンチャーのなかには、上場する実力がありながら、自由度の高い経営を行うためにあえて上場しない企業も存在します。
上場することで企業にはどんなメリットがある?
上場企業には以下のようなメリットがあります。
- 社会的信用が高まる
- 優秀な人材が集まりやすくなる
- 資金調達がしやすくなる
- 経営管理体制が強化される
上場審査では、「企業の継続性および収益性」や「企業経営の健全性」、「内部管理体制の有効性」など、書類審査だけでは判断できない項目でも審査が行われます。
そのため、企業は上場することで、社会的信用が高まる傾向にあります。
2025年6月17日時点において上場企業は4,429社(※1)あります。2021年(2023年公表)の調査ですが、日本国内には企業が約368万社(※2)あるとされているため、上場企業の割合は0.1%程であることが分かります。
証券取引所の審査を通過したということは、健全な経営体制にあることが証明されたとも言えるでしょう。
社会的信用が高くなることで、資金だけではなく人材の確保が容易になるメリットもあります。ネームバリューが上がり、待遇も厚くなるため、入社希望者が増え、優秀な人材が集まりやすくなる傾向にあります。
2025年6月17日時点において各証券取引所で発表されている上場会社数の合計
上場会社数・上場株式数|日本取引所グループ(2025年6月17日時点)
上場会社数|名古屋証券取引所(2025年6月17日時点)
上場会社数|福岡証券取引所(2025年5月分)
市況・統計データ 上場会社数の推移 | 札幌証券取引所|札幌証券取引所(2024年)我が国の事業所・企業の経済活動の状況|総務省統計局(令和5年6月27日)
あえて非上場を選ぶ企業も。その理由とは?
企業のなかには、上場することを選ばなかったり、あえて上場廃止したりする企業もあります。誰もが知るような大手・有名企業であっても、上場していないことも多いです。
実際、非上場企業であっても、安定した経営を続け、社員の待遇が良い企業もたくさんあります。転職活動では、上場・非上場にとらわれず企業選びを進めましょう。
財務状況を公開しなくて済む
上場企業は、四半期(3カ月)ごとに決算を行い、株主に対し財務状況を報告する義務があります。決算業務には多くの時間や労力がかかるほか、利益が出た場合は株主に還元しなければなりません。
株主の意見に左右されない
上場企業であれば、株主の意見によって経営方針を調整する必要性もあります。経営に対する自由度を維持するために、非上場であることを選ぶ企業もあるようです。
短期的な利益追求に縛られず、長期的な戦略を立て、実行しやすいというメリットがあります。
買収されにくい
上場すると、基本的に誰でも自由に株式を売買できるようになります。そのため、第三者に株式を買い占められ、買収されるリスクもあります。
上場のためのコスト削減
上場するまでの手続きには手間やコストがかかります。更に、上場審査料や上場を維持するための費用も掛かります。
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上場企業で働くメリットとは?
上場企業で働くメリットとして、代表的なものを3つ紹介します。
社会的信用が高くなる
上場企業の社員として働くことにより、社員個人の社会的信用も高まります。住宅ローンやマイカーローン、クレジットカードなどの審査に通りやすくなります。
労働環境や福利厚生が充実している企業が多い
上場企業になるには収益性だけでなく、企業の健全性など非常に多くの審査基準をクリアする必要があります。
なかでも労務管理体制については厳しく審査されるといわれています。賃金をはじめ、労働時間などの規則、福利厚生などさまざまなことが整備されていなければなりません。
そのため、上場企業は労働環境が良く、待遇面や福利厚生が充実していることが多いといわれています。
キャリアアップがしやすい企業が多い
証券取引所の厳しい審査に通過した上場企業は、透明性が高い経営体制であることが認められた企業です。
こうした企業では人事制度も整備されているため、社員の評価制度や昇給・賞与の基準が明確です。
このような環境だと、人事制度への不満や不公平感が生まれにくく、社員同士で切磋琢磨し業務に取り組むことができます。キャリアアップを目指している人にとってはメリットになるでしょう。
また企業規模が大きいため、部署異動や職種転換の機会が多く、多様なキャリアパスを選択できる可能性があることもメリットです。
上場企業で働くデメリットもある
上場企業ならではの大変さもあります。主なデメリットを4つご紹介します。
社会的責任とプレッシャーが発生する
上場企業は株主に対して、企業を成長させる責任があるため、常に高い業績が求められます。上場基準を満たさなくなれば、上場が廃止になる可能性があります。
すなわち、企業を成長させるためには、社員一人ひとりが成果を上げ続けなければなりません。
会社の名前を背負いながら働くことにやりがいを感じる人にとってはモチベーションになりますが、重圧を感じてしまう人にはデメリットになるでしょう。
社内規定やコンプライアンスが厳しい
上場企業は、社内規定やコンプライアンスが厳しく働き方に制限がかかることも少なくありません。
上場企業は、株主に対して経営方針や将来の展望などを開示しなければいけません。売り上げや経費だけではなく、コンプライアンスが守られていることや適切な内部統制が機能していることも求められます。
その結果、社内の規則が厳しくなり、窮屈さを感じてしまうこともあるでしょう。
企業が買収される可能性がある
上場企業の株式は一般公開されているため、買収される可能性があります。
買収された結果、経営方針が変わるだけでなく、会社の名称変更や社員の待遇などが悪化してしまう恐れもあります。
意思決定に時間がかかることがある
組織が大きいため、稟議や承認プロセスが複雑で時間がかかるケースがあります。
アイデアや施策を実行するために、多くの部署や役員の承認が必要となり、チャンスを逃してしまうことがあります。
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まとめ
上場企業で働くことは、社会的信用や充実した福利厚生が得られるなどのメリットがあります。
一方、株主に対しては企業を成長させる責任があるため、社員一人ひとりも高い業績を求められるとともに、社内規定が厳しいなどのデメリットもあります。
上場企業は情報が開示されています。有価証券報告書から事業内容や前期、今期、来期の業績を比較することで企業の状況が把握でき、平均給与、平均勤続年数、平均年齢などの人事情報も役立ちます。
これらの情報から企業研究を行い、自分に合っているかどうか見極めることが大切です。
また、非上場企業であっても、安定した経営を続けていて、待遇が良い企業も多くあります。
上場・非上場にとらわれず、自分に合った企業を見つけてくださいね。
監修者
谷所 健一郎(ヤドケン)
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例」(マイナビ出版)、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。
マイナビ転職 編集部
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