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第一線で活躍するヒーローたちの「仕事」「挑戦」への思いをつづる

Vol.78女優 満島ひかり
同世代との出会いが刺激に

Heroes File Vol.78
掲載日:2012/6/29

満島ひかりさんの写真1

映画『愛のむきだし』の強烈な演技で注目を集めて以来、話題の映画やドラマに数多く出演。今、最も輝く女優の一人である満島ひかりさん。どんな役にも容赦なく、それでいて気負いなく立ち向かう。華奢な体のどこにそんなパワーが潜んでいるのだろうか。その源を探るべく、芝居の原点や、演じるうえで大切にしていることなどを語ってもらった。

Profile

みつしま・ひかり 1985年生まれ、沖縄県出身。97年デビュー。映画『愛のむきだし』『カケラ』『川の底からこんにちは』『悪人』などの演技で高く評価される。2012年8月9日(木)から舞台「鎌塚氏、すくい上げる」(東京公演:本多劇場)を予定。今後作に映画『北のカナリアたち』『ハロー!純一』など。

演技の原点は、小学校で経験した一人芝居

全身からみずみずしさと躍動感が満ちあふれている。若手屈指の実力派女優と言えばこの人、満島ひかりさん。

小学生の頃、一人芝居の大会に何度か出場した。「母親は一度やると決めたことには超スパルタで、セリフに抑揚がない、聞きづらい、手ぶりをもっとつけて、と毎日ダメ出しをしながらの猛特訓。家族の前で練習させられ、でもそれが結構楽しかったんです」

また、沖縄のアクターズスクールに通い出してすぐ、映画に出演したことがあった。スクリーンに映る自分の姿に感動し、「映画ってすごい。いつかまたあの現場に行きたいなと思っていました」。

そんな原体験が心のどこかに残っていたのだろう。12歳から始めたダンス・ボーカル・ユニットの活動が5年後に幕を閉じた時、気持ちは自然に映像作品へと向かっていた。「それで、幾つかオーディションを受けるのですが、全然受からない。これが最後と思い臨んだのが、ドラマ『ウルトラマンマックス』のオーディションでした。受かってうれしかったけれど、役はアンドロイド。今思えば貴重な経験なのに、当時は何で私だけがロボットなんだろうと、ストレスもたまっていました」

そんなある日、廊下にポツンと立っていると、そのドラマの監督の一人、実相寺昭雄さんが「君、芝居を続けるといい。役者に向いているよ」と声をかけてくれた。

「その言葉で変わりました。とにかく役者をしっかりやろうと思いました」

19歳の終わりごろだった。

若い監督の見透かしが魂に新たな火をつける

満島ひかりさんの写真2

世間に名を知らしめることになったのは、園子温監督の映画『愛のむきだし』だ。

「私自身、どの作品に対しても愛情があるし、『愛のむきだし』ばかり転機でしょ?と取り上げられるのはちょっと悔しい(笑)。でも確かに、あんなに監督に追い詰められ、殻を破られたのは初めてでしたし、安藤サクラという、すごく深いところで感性が渡り合える役者と出会えた場でもあったから、やはり大きな作品です」

そして、出演した映画『カケラ』の安藤モモ子監督と、現在の夫でもある『川の底からこんにちは』の石井裕也監督との出会いも大きかったと語る。

「同世代だからこそ見透かされるってことあるじゃないですか。『それが何? 私たちの世代ならみんな知ってるよ。あなただけの何かを見せてよ』みたいなことを2人とも容赦なく言うんです。その感覚がすごく新鮮で面白かった」。そこでまた新たな気持ちが芽生え、芝居に対して、より貪欲さが増していった。

念願の舞台に出演

映像作品のイメージが色濃い満島ひかりさんだが、2012年、3年ぶりに舞台への出演が決まった。作品は倉持裕さん作・演出の「鎌塚氏、すくい上げる」。生真面目で融通の利かない執事を中心に展開されるロマンチックコメディーに、満島さんはヒロインとして登場する。

舞台は、映像とはまた違った視点で自分自身の力量が試される場だと感じている。「体から出てくるものや見せ方など、自分の本質的なものまで含めて問われることが多いような気がするんです。だからこそまた舞台に立ちたかった。念願がかなってうれしいです」

どんな役も「そう思わないとできない」というタイプ。そのため、事前に役柄や作品について勉強することも多いそうだ。

「特に『手に職系』の役だと調べていくうちにどんどん面白くなって、ちゃんと勉強したくなります。産婆さん役の時なんて、かなり本気で産婆さんを目指そうと思いました」(笑)

また、台本を深く読み解くために、自分の知らないことは全て書き出すという。

「この役の人が見ているのはどういう世界なのか、この人はこの道を私とはどう違う気持ちで歩くんだろうか、とかいろいろ想像もします。そうやって台本に書かれていないその人の背景や感性を考え、メモしておくこともあります」

かと思えば、何も考えずに見ていたものや全然関係ない人との会話から、ふと役柄へのヒントをもらうことも。

「そんな具合に役を通して視野が広がり、いつもと違う景色が見えるのもまたこの仕事の楽しいところなんでしょうね」

書くことで、たまった感情を捨てられる

満島ひかりさんの写真3

何でもノートに書きつづることも長く習慣になっている。

「書くことって、心にたまっていたものをポイッと捨てられる感じがして好きなんです」

基本的に感性や本能の部分を大事にしているので、何かを決断する際はあまり道に迷わない。しかし、物事を深く考えることは嫌いではない。今でも時折「役者とは何ぞや」と考えることがあるという。

「そういう時はとことん考え、まあどうでもいいやと思って、またしばらくして役者って何だ?と考え始める。そんなふうに、問いかけがリピートできている間は役者を続けているんだろうなと思います」

最後に、満島さんを役者へと突き動かしているものは何かと尋ねた。少し考え「たぶん、芝居をしている時に、ああ生きているなあって思えるからかな。あ、でも、言葉にできないことの方が多くて、実はそちらに本当の理由がいっぱいあったりするから、言葉にするのはやめておきます」(笑)。

底知れない可能性を秘めた瞳が、いたずらっぽくほほ笑んだ。

ヒーローへの3つの質問

満島ひかりさんの写真4

現在の仕事についていなければ、どんな仕事についていたでしょうか?

幼い頃は小説家になりたかった。でも現実的に考えると、たぶん新聞記者か幼稚園の先生かな。

人生に影響を与えた本は何ですか?

谷川俊太郎さんの『ままです すきです すてきです』(福音館書店)という、しりとり遊びの絵本。小さい頃によく読んで、私はタイガー立石さんの挿絵が怖くてしかたなかったのですが、次の日にはなぜかまた読みたいって思ってしまう。怖いという感情の一方で、実はとてもそれを求めているという、不思議な感覚。その体験があったからこそ、今、人間の気持ちには表と裏があるとか、わりと何でもニュートラルに考えられるんだと思います。

あなたの「勝負●●」は何ですか?

ご先祖様。お墓参りはよく行きます。鹿児島と奄美大島と沖縄にあって行くのもかなり大変なのですが(笑)、亡くなる人の役を演じる前などは必ず行きます。そして勝負した後は家。家庭が充電の場所、家族の存在そのものが私のパワースポットです。

Infomation

満島ひかりさん出演!
舞台「鎌塚氏、すくい上げる」

昨年、舞台版スクリューボール・コメディとして好評を博した倉持裕作・演出「鎌塚氏、放り投げる」。その第2弾の上演が決定。「お客さんが童心に戻れる作品に出会いたいと思っていたのですが、これがまさにそう。ルンルン♪みたいな余韻が残る温かな作品です。特にキャストがみんな、いい意味で『アレ』な感じがいいんです(笑)。来ないより観に来た方が絶対にいいですよ」(満島ひかりさん)

「鎌塚氏、すくい上げる」
東京公演/2012年8月9日(木)~26日(日)
会場/本多劇場
作・演出/倉持裕
出演/三宅弘城、満島ひかり、田中圭、市川実和子、広岡由里子、玉置孝匡、今野浩喜(キングオブコメディ)、六角精児
問い合わせ/森崎事務所 03-5475-3436
公式サイト/ http://www.morisk.com/plays/kama2/

※8月29日(水)~9月4日(火)に、名古屋、大阪、島根公演あり

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