パーパスとは? その意味や注目される背景について解説
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【パーパス】を要約すると……
- パーパスとは、企業の存在意義、社会における役割を宣言するもの
- 変化する社会でこそ、経営者と社員が一丸となれるパーパス策定が重要。企業発展の要!
- パーパス重視の企業選びが、仕事のやりがい・自己実現に結び付く
昨今、ぐっと使われることが増えてきた「パーパス」というカタカナ用語。ビジネスシーンや経済ニュースなどで、見聞きしたことがある人も多いのではないでしょうか。
似たような意味のビジネス用語も多く、「なんとなく企業の経営意図や目的を伝える文脈で聞くことが多いことは分かっていても、実は定義まで分かっていない」なんて人もいるかもしません。ますます注目度が上がり、使われる場面も増してきているパーパスについて、ビジネスシーンごとの使い方や意味の違いについて、解説します。
INDEX
パーパスの正しい意味とは? ビジネスシーンではどう使われる?
「パーパス」はもともと英語の「Purpose(目的、意図、狙い、といった意味)」を由来とするカタカナ用語です。ここから派生して、最近ではビジネスの場でも広く使われるようになってきました。
パーパスは、ビジネスシーンにおいては特に、経営戦略や企業方針に言及する文脈で使われることが多いと言えます。そういった場合のパーパスは、「企業や組織が、社会においてどのような役割を担い、どう存在するべきか」といったことを宣言する言葉として使われます。すなわちパーパスは、「企業の存在意義を意味するもの」であるとも言えるでしょう。
今更聞きづらい!
「タスク」はビジネスと
日常使いで意味が違う?
「コンプライアンス」、「CSR」…
混同されがちな
意味の違い分かる?
「エビデンス」とは?
ファクト、ソースの
違い分かる?
ビジネスシーンにおけるパーパスの使い方、例文3選
では、実際にビジネスの現場でパーパスはどのように使われるのでしょうか。経営に関わる文脈でなくても用いられることもあるため、いくつか例文を挙げて説明します。
企業の発展には不可欠? パーパス経営とは
「パーパス経営」という言葉は、近年さまざまなシーンで見聞きするようになりました。パーパスには、社会における企業の存在意義を明確にするという意味があります。したがって「パーパス経営」とは、経営側と従業員が共に、同じパーパスに向かって経営をしていくことを意味します。
使い方は、以下のとおりです。
- 例文:「企業が変わり続け、発展するためにはパーパス経営が重要だ」
- 日本語で言い換えると:「企業が変わり続け発展するためには、明確に定義された企業の存在意義を軸に、経営をしていくことが重要だ」
企業経営においてパーパスは、企業自身の利益的な成長を一つの目的としつつも、社会の中でどう貢献できる存在であるべきなのか、という視点も必要です。社会から末永く必要とされる企業であるためにも、重要なキーワードであると言えるでしょう。
パーパスは、描く? 設定する? 策定する?
経営方針などにパーパスを新たに作って導入することを、「パーパスを策定する」と表現します。使用例は、以下を参考にしてください。
- 例文:「経営方針の変更とともに、A社ではあらためてパーパスが策定された」
- 日本語で言い換えると:「経営方針の変更とともに、A社では企業の存在意義や社会的に果たすべき役割が再定義された」
大きく変化する社会の中で、企業がしっかりとパーパスを持ち、企業の方針・指針を定めることは大切です。
パーパスは、ビジネスパーソン一人ひとりも重視すべきもの?
企業にとってはもちろん、パーパスは社会で働く一人ひとりにとっても重要視されるべき概念でしょう。企業、ひいては社会で働く中で、自分たちの存在価値や社会的役割にも関係してくるからです。
このような考え方を例文にするならば、以下のようになります。
- 例文:「昨今は、就職・転職活動でもパーパスを重視する人材が増えている」
- 日本語で言い換えると:「昨今は、就職・転職活動でも企業の社会的な役割や存在意義自体を重視する人材が増えている」
時代の変化や働くことへの意識の変化を受けて、パーパスへの意識は今、ますます高まっていると言えるでしょう。
パーパスがより注目されるようになった背景とは?
近年、パーパスへの注目が高まっている背景には、さまざまな要因があるといわれています。
「時代の変化」や「働く環境やメンタリティの変化」という言葉がニュースやインターネットでも飛び交う昨今。では一体、こういった変化とは何ものなのか? なぜこういった変化が、パーパスに注目が集まる要因となっているのか? 主な要因として取り上げられることが多いものを紹介しながら、解説します。
ビジネス環境の変化が著しい「VUCAの時代」の到来
「VUCAの時代」という言葉を聞いたことはありませんか?
VUCAとは、以下4つの単語の頭文字を取り、変化の激しい現代ビジネス環境を表すための言葉です。
- 変動性(Volatility)
- 不確実性(Uncertainty)
- 複雑性(Complexity)
- 曖昧性(Ambiguity)
近代まで引き継がれてきた一定の成功フォーマットが通用しなくなる、価値観自体が変化して同じやり方や理論が通用しない、という状況を表しています。こういった「VUCAの時代」においては、以前にも増して経営方針や戦略を社会の変容や多様性に合わせていく必要性が出てきます。
同時に、社会とのつながりの中での動機付けや重要性を明確にするパーパスが重要となってきているのです。
Z世代、ミレニアル世代に見られる価値観の変化
「ミレニアル」(2000年代に成人あるいは社会人になる世代)と呼ばれる世代と、その後に続く「Z世代」について、それ以前の世代とは異なる仕事観や価値観を持っている、というのも、パーパスが注目される理由の一つとして挙げられます。
Z世代、ミレニアル世代は、自分自身が社会の中でどう貢献でき、存在意義はどうあるべきなのか、を大切にするといわれています。だからこそ、自分が勤める会社についてもパーパスを重視し、自分と価値観の合う企業を選択する傾向が強くなってきているのです。
DXの推進により求められるスピード感のある意思決定
2020年からの世界的なパンデミックの影響もあり、DX(デジタルトランスフォーメーション)は未だかつてないスピード感で推進されています。
リモートワークをはじめとしたあらゆる場面で、今までとは異なる方法やスピード感で、意思決定や合意形成を行う必要が出てきているためです。そこで重要になってくるのが、パーパスです。
スピーディーに意思決定が行われるためにも、パーパスを組織に浸透させることが求められています。経営者や社員が一丸となって「自分たちの仕事にはどういった意義があり、何に貢献すべきなのか」について、ブレない決定・合意形成を行うことが求められるからです。
今更聞きづらい!
「タスク」はビジネスと
日常使いで意味が違う?
「コンプライアンス」、「CSR」…
混同されがちな
意味の違い分かる?
「エビデンス」とは?
ファクト、ソースの
違い分かる?
パーパスの類語、ミッション、バリュー、ビジョンとの意味の違い
パーパスと似たカタカナ用語として、ミッション、バリュー、ビジョンの3つが挙げられます。それぞれ似通った意味があり、似たような文脈で使われることがあるため、きちんと意味の違いを理解しておきたいところ。一つずつ、パーパスとの意味の違いを比較します。
ミッションの意味は、使命・責務・目標
ミッションは、英語の「Mission(使命・責務・目標)」からきているカタカナ用語。パーパスにもミッションにも「目標」の意味があってややこしいかもしれませんが、この2つには明確な違いがあります。
パーパスが企業の存在意義を「定義し、明確にする」ためのものであるのに対し、ミッションは企業がパーパスの実現のためにすべき「使命」を意味します。パーパス実現のための具体的な行動や目標を表すのがミッション、であると覚えておきましょう。
ビジョンの意味は、未来像・視界・視野
この3つの中で、パーパスと一番混同されやすいのがビジョンかもしれません。英語の「Vision」には「未来像・視界・視野」といった複数の意味がありますが、ビジネスシーンでは「企業や組織のあるべき未来像」の意味で使われます。
パーパスにもビジョンにも「企業のあるべき姿」といった意味がありますが、この2つの違いは以下のとおりです。パーパスにもビジョンにも「企業のあるべき姿」といった意味があります。この2つの違いは、パーパスが「今、企業がどうあるべきか」という現状の姿を定義するのに対し、ビジョンは「将来的に、どうなっていくべきか」という未来像を示しています。
バリューの意味は、価値・重要性
バリューの元となっている英語「Value」には、「価値」や「価格」、「重要性」といった意味があります。ビジネスの場において、企業のパーパスや「パーパス経営」と同様の文脈で使われる場合には、「企業の価値」を意味します。
パーパスをきちんと実現できるか否かによって、企業そのもののバリューが決まってくる、とも言えるでしょう。
【まとめ】パーパスに共感できる企業選びで、自己実現できる仕事に出合おう!
働く環境や社会情勢、IT技術が目まぐるしく変化する現代。だからこそ今、企業が掲げるパーパスにますます注目が集まっています。変わる環境の中で自分自身を見失わないために、あなた自身も、社会の中で「自分の存在意義」という軸をしっかりと持っておきたいですよね。そして、やりがいや意義を持って働くために、働く企業のパーパスに対し、あなた自身が共感できることも重要です。
いま一度、自分自身のやりがいとは何か、どういった形で社会に貢献したいと思っているかを見つめ直してみるのも良いかもしれませんね。
マイナビ転職 編集部
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