医療事務資格のおすすめ4選! 独学でも合格しやすい資格を紹介
更新日:2024年07月23日


監修者沼田 絵美
国家資格キャリアコンサルタント/キャリア・ディベロップメント・アドバイザー
記事まとめ(要約)
- 一般的に医療事務の仕事に就くには、医療事務の資格があったほうが有利
- 医療事務技能審査試験、医療事務管理士、医療事務認定実務者などがおすすめ
- 医療事務資格試験の多くは、独学で合格することも可能
- テキスト持ち込みが可能な試験を選ぶのも、医療事務資格を取得する方法の一つ
人々の健康を守る各種医療機関の仕事は多岐にわたるものですが、資格がなくてもできる業務の一つに、医療事務が挙げられます。しかし、未経験から医療事務の仕事に就く場合、業務に生かせる資格を持っていたほうが就職や転職に有利といわれることもあります。医療事務の現場で役立つ資格について、取得することのメリット・デメリットから、特におすすめの資格試験を4つご紹介します。
医療事務に資格は必要?

医療事務は、事務職を希望する人にとって人気のある仕事です。では、医療事務に資格は必要なのでしょうか? ここでは、医療事務の仕事内容と、資格があれば就職・転職に有利なのかどうかを見ていきましょう。
医療事務の仕事内容は?
医療事務は大きく分けて3つの業務があります。
受付
来院された方を受付したり、診察を受けた患者の会計を行ったりする仕事です。
受付業務では、来院者の受付を行います。初めての来院者に対しては診察券を発行したり、問診票の記入をお願いしたりします。また、新たにカルテを作成し、氏名や住所、保険証番号など基本的な情報を入力します。
会計業務では、受診後に患者から患者負担分の医療費を徴収し、領収書や明細書、処方せんなどを患者に渡します。患者負担分の医療費を計算するのも、医療事務の仕事です。
レセプト
レセプトとは、診療報酬明細書のことです。保険証を医療機関に提出した患者は、医療費の一部を負担し、残りは医療機関が社会保険診療報酬支払基金などに請求します。その際、提出するのがレセプトです。
診療内容や処方した薬の種類や量などを基に診療報酬点数を正しく算出し、レセプトを作成します。カルテを正確に読み取ることが必要とされ、医療事務の専門性が発揮される業務です。
クラーク
クラーク業務は、総合病院など比較的大きな医療機関での仕事で「外来クラーク」と「病棟クラーク」に分かれます。外来クラークは外来患者の受付や案内、診療予約対応など、病棟クラークは入退院の手続きなどを行います。
資格があると就職・転職に有利なの?
一般的に、医療事務の仕事に就くには、医療事務の資格があったほうが有利です。なぜなら、医療事務には、専門的な知識が必要になるからです。
例えば、レセプトを作成するためには、診察の内容や検査の種類、薬の量などを点数化しなければなりません。専門用語や専門的な知識がないと、レセプトの作成は難しいと言えるでしょう。採用する医療機関としても、資格がある医療事務経験者であれば一から仕事内容を教える必要がないため、研修コストなどを抑えることができます。
ただし、資格なし・実務未経験でも応募できる医療事務の求人もあります。受付などの窓口業務から始め、働きながら知識を身に付けていくことが可能です。
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医療事務資格を持っていることのメリット・デメリット
医療事務資格を持つことにはメリットとデメリットの両方があります。これから資格取得を考えている場合は、メリットとデメリットの両方を知り、資格取得を検討する際の参考にしてください。
医療事務資格を取得するメリット
医療事務資格を持つことのメリットには、次の3つがあります。
実務に役立つ知識が得られる
一つ目のメリットとして挙げられるのが「実務に役立つ知識が得られる」ことです。
医療事務の仕事はほかの事務の仕事に比べて、専門知識が必要なことが多くあります。医療事務の専門知識を学ぶことで、すぐに仕事に生かせるため、医療機関に就職しやすく、就職・転職後も仕事をすぐに覚えることができるなどのメリットがあります。
資格手当が見込める
医療事務資格を持つ給料面のメリットが「資格手当が見込める」ことです。就職する医療機関によって異なりますが、医療事務に役立つ資格を保有していることで、資格手当が支給される職場もあるでしょう。
資格手当は、該当する資格を保有していることで毎月受給されるものです。医療事務資格を持っている場合と持っていない場合では、年単位や生涯の給料に差が出ます。
将来性が高く、年を重ねても働きやすい
医療業界は、一般企業と比べると景気の影響を受けにくく、病院やクリニックといった医療機関は不可欠な存在です。高齢化が進む現代において、医療機関の需要が高まることが期待されます。
医療事務は専門知識や経験が必要な仕事でもあります。基本的には力仕事ではなく事務作業がメインとなるため、年を重ねても働きやすい仕事でもあります。
医療事務資格を取得するデメリット
次に、医療事務資格を取得することのデメリットを見ていきましょう。
医療機関で働くのであれば、医療事務資格を取得することに大きなデメリットはありませんが、しいて挙げるならば、医療事務では、法律が改正されたり、診療報酬規定の見直しなどがあったりするため専門知識を学び続ける必要があります。
また、医療事務の資格取得は「意味がない」と言われることがあります。資格があるからといって必ず就職・転職できるとは限らないからです。
というのも、医療事務資格はすべて民間資格であり、認定基準もバラバラです。そのため、資格を必須としない医療機関も多くあります。資格よりも実務経験を重視する医療機関もあることから、資格取得の勉強をする分、かえってお金と時間がかかってしまうという意見もあります。
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独学でも合格しやすい! おすすめの医療事務資格試験4選

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)は、一般財団法人日本医療教育財団が認定を行う技能審査認定資格です。医療事務技能審査試験の合格者には「メディカルクラーク」の称号が付与されるので、資格のことをメディカルクラークと呼ぶこともあります。
医療事務技能審査試験は、医療事務技能の向上と平準化を推進し、医療事務職の社会的地位や経済的地位の向上を目的とした資格試験です。診療報酬請求事務技能や患者接遇の技能も試験科目となっているため、実務ですぐに役立ちます。
受験資格 | 特になし |
---|---|
試験日程 | 医科:年12回(毎月) 歯科:年6回(5月、7月、9月、11月、1月、3月) |
試験会場 | 原則、在宅試験 |
試験実施 方法 |
実技I 患者接遇/筆記(記述式) 学科 医療事務知識/筆記(択一式) 実技II 診療報酬請求事務/診療報酬明細書点検 |
受験料 (税込み) |
7,700円(医科・歯科共) |
合否判定 | 学科、実技I・IIのすべてで得点率が70%以上で合格 ただし、6カ月間の試験科目免除制度あり |
医療事務管理士(技能認定振興協会)
医療事務管理士は、技能認定振興協会(JSMA)が認定を行う技能審査認定資格です。医療事務管理士の資格は、特許庁から商標登録が認められた資格の一つで、受付や診療費請求などの医療事務に必要な知識とスキルを持っていることが証明されます。
多くの医療機関で医療事務管理士の有資格者が活躍しており、試験内容も学科と実技があるため、実務ですぐに役立ちます。合格率は50%程度です。
受験資格 | 特になし |
---|---|
試験日程 | 会場試験・在宅試験:年12回(毎月) インターネット試験:いつでも |
試験会場 | 会場試験・在宅試験、インターネット試験 |
試験実施 方法 |
会場試験・在宅試験:マークシート形式 インターネット試験:択一式 |
受験料 (税込み) |
7,500円 |
合否判定 | 会場試験・在宅試験 実技:点検・作成問題ごとに約60%以上の得点かつ、3問の合計で約80%以上 学科:約80%以上 インターネット試験:学科および実技の総合計が70%以上 |
診療報酬請求事務能力認定試験(日本医療保険事務協会)
診療報酬請求事務能力認定試験は、公益財団法人日本医療保険事務協会が認定を行う能力認定資格です。診療報酬請求事務能力認定試験は、診療報酬請求事務を行う人の能力や知識を向上させることを目的にしています。
過去40万人以上の人が受験し、多くの医療機関で認知されている資格のため、医療機関での就職・転職に役立ちます。合格率は30~40%程度です。
受験資格 | 特になし |
---|---|
試験日程 | 年2回(7月、12月) |
試験会場 | 会場試験:札幌市、仙台市、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟市、金沢市、静岡市、愛知県、大阪府、岡山市、広島市、高松市、福岡県、熊本市、那覇市 |
試験実施 方法 |
学科試験、実技試験 |
受験料 (税込み) |
9,000円 |
合否判定 | 100点満点中以下の点数
※点数は、第58回診療報酬請求事務能力認定試験(令和5年7月実施)の場合 |
医療事務認定実務者®(全国医療福祉教育協会)
医療事務認定実務者®は、全国医療福祉教育協会が認定を行う能力認定資格です。この資格は医療事務に関する基礎知識を持っていることや、レセプト作成ができるなど、医療事務の基本習熟度があることを証明する資格となっています。
試験範囲には、窓口業務に必要な接遇とマナーに関する知識もあるため、医療機関でも重宝されます。合格率は60〜80%程度です。
受験資格 | 特になし |
---|---|
試験日程 | 年12回(毎月) |
試験会場 | 会場受験・在宅受験 |
試験実施 方法 |
学科問題、実技問題共にマークシート |
受験料 (税込み) |
5,000円、団体受験認定機関の通信・通学受講生:4,500円 |
合否判定 | 原則、学科と実技それぞれで正答率6割以上 |
どんな問題が出るの? 難しい? 独学でも目指せる?
医療事務資格にはさまざまなものがありますが、試験内容などが共通している資格も多い傾向です。ここでは、医療事務資格の試験内容や、独学での勉強方法について見ていきましょう。
テキスト持ち込みが可能な試験も
資格試験といえば、難しい法律などを暗記しなければならないと考えている人も多いでしょう。しかし、医療事務資格では、医療機関に就職・転職してすぐに戦力になることを目的としているものが多いため、テキストの持ち込みが可能な試験も多くなっています。
例えば、上でご紹介した診療報酬請求事務能力認定試験では、診療報酬点数表やそのほかの資料の持ち込みができます。また、医療事務認定実務者®も、参考書やノートなどの資料、電卓の持ち込みができます。
テキスト持ち込みが可能な試験を選ぶのも、医療事務資格を取得する方法の一つです。
医療事務資格試験の試験内容
医療事務資格試験の試験内容は、大きく分けて学科と実技の試験になります。試験内容は医療事務資格の種類によっても異なりますが、学科試験の多くは医療事務の知識を問うものです。受付・窓口業務や診療報酬請求に関する知識など、医療事務に必要な知識を問われます。
実技試験の多くは、レセプト作成についてのものが多い傾向です。問題にある情報から、実際にレセプトを作成します。
なお、試験方式は選択式やマークシート形式のものが多くなっています。
独学での合格に向けた勉強方法
医療事務資格試験の多くは、独学で合格することも可能です。多くの試験では、専用の参考書や問題集、過去問題集が用意されています。
基本的には、参考書の内容を理解し、問題集や過去問題集を解くことで、合格基準に達する力を身に付けることができます。医療事務資格試験の参考書や問題集などは、各試験の公式サイトから購入することができます。
医療事務資格の取得までの流れ
次に、医療事務資格の取得までの流れを見ていきましょう。医療事務資格の取得までの一般的な流れは、以下のとおりです。
1. 資料や申込書の取り寄せ
医療事務資格試験を受けるためには、まず、資料や申込書を取り寄せる必要があります。
資料や申込書は、各試験の公式サイトからダウンロードできるものや、郵送で取り寄せるものなど、試験ごとで異なります。
2. 受験料の支払いと申し込み
試験の受験料を口座振り込みなどの方法で支払います。その後、受験申込書に必要事項を記載して、郵送などで受験を申し込みます。申し込みが受理されると、後日、受験票が送られてきます。
3. 資格試験の受験
試験当日になったら、資格試験を受験します。会場での試験の場合は、会場で試験を受けましょう。
在宅での試験の場合は、試験問題が郵送されてくるので、問題を解いて解答用紙を送り返します。インターネット試験の場合は、パソコンなどで受験します。
4. 合否の通知
試験終了の一定期間後に、合否が通知されます。インターネット試験の場合は、すぐに合否が発表されるものもあります。
合格の場合、合格証書の交付がされます。合格証書は医療機関への就職・転職の際に必要となることもあるので、なくさないように保管しておきましょう。
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まとめ
医療事務には専門的な知識が必要です。そのため、一般的に医療事務の仕事に就くには、医療事務の資格があったほうが有利です。
医療事務の資格には、独学で合格しやすいものも多い傾向です。在宅で受験できるものもあるので、医療事務の仕事に就くことを考えている場合は、医療事務資格の取得を検討しましょう。
監修者

沼田 絵美
国家資格キャリアコンサルタント/キャリア・ディベロップメント・アドバイザー
超氷河期時代の就活を経て人材広告会社の営業を10年経験。退職後は大学キャリアセンター相談員や講師、採用支援のお手伝いに企業の取材など、20年間以上「就職・採用」に関わる個人事業主。
マイナビ転職 編集部
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