【Career Pedia】
転職実用辞典「キャリペディア」
資格がなくても転職はできる!履歴書の書き方と企業が重視するポイント
更新日:2026年03月23日
監修者谷所 健一郎
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)/有限会社キャリアドメイン 代表取締役
記事まとめ(要約)
- 応募職種で生かせる資格を持っていない場合、履歴書の資格欄は「特になし」で良い
- 必ずしも「資格は選考に有利」とは限らない。それよりも実務経験やスキルが求められる
- 実は専門分野以外は、資格が必要な職種は少ない
- 資格あり・なしを気にするより、過去の経験やスキルをどう生かせるかを考える
資格がない場合、履歴書は空欄でも大丈夫?
履歴書はすべての項目・欄に記入して提出するのが基本です。空欄があると書き忘れと判断されてしまう可能性もあり、書類選考で不利となってしまいます。資格がない場合は、以下を参考にして履歴書を埋めてから提出しましょう。
資格がない場合の履歴書の書き方
応募職種で生かせる資格を持っていない場合、資格欄には「特になし」と書きます。
資格を取得中・勉強中の場合の書き方
応募企業や応募職種で生かせる資格の取得に向けて現在勉強中の場合は、履歴書の資格欄でアピールすることも可能です。受験時期を決めている場合は「XX月に受験予定」などの予定も記入しましょう。
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「資格なし」でも転職はできるの?
資格がないと転職に不利なのではないかと不安になる人も多いと思います。実際、資格がないと転職は無理なのでしょうか?
必ずしも「資格は選考に有利」とは限らない
「履歴書の資格欄に何も書いていないと、書類選考に通らないのでは?」と心配になるかもしれません。しかし、資格はあくまでも「客観的な能力の目安」となるものであって、必ずしも選考に影響するわけではありません。
もちろん募集要項の必須項目に「普通自動車免許1種」「TOEIC650点以上」などが明記されている場合は、それらの資格が必要です。
しかし、必須項目に該当しない資格をいくら多く持っていても、企業はそれほど評価しないというのが実情です。
資格を取得しているメリット
高度な資格を取得しておけば、専門性の高い仕事に就くことができる可能性が高まります。仕事によってはキャリアアップや昇給に直結するので、資格を取得することでより条件の良い転職先を探すこともできるでしょう。
資格よりも求められるのは「実務経験」や「スキル」
実は、中途採用において企業が重視するのは、その人がこれまで何をしてきたのか、その経験を生かして、自社でどう活躍してくれるのか、ということ。
つまり、実務経験やスキルです。
資格はあくまでもその人の実務経験やスキルを裏付けるもの。そのため、安易に資格だけ取得しても、転職が有利になるとは限りません。資格にもよりますが、実務経験が伴っていなければ効力が弱いこともあります。
逆に言えば、資格なしでも「応募先の仕事に生かせる経験やスキル」をしっかりとアピールできれば、転職活動はうまくいきます。
実は専門分野以外は、資格が必要な職種は少ない
世の中には資格がなければ実務を行えない職業もあります。医師や弁護士、美容師、建築士などの「業務独占資格」と呼ばれる専門職です。
また、職種によっては資格を優遇している場合もあります。例えば、不動産営業なら「宅地建物取引士」、経理なら「日商簿記2級」など、資格があることでできる業務の幅が広がったり、専門知識を備えている証明になったりするからです。
とはいえ、上記のような場合を除けば、資格を必須とする仕事はそれほど多くありません。
マイナビ転職上でも、多くの求人において資格は必須とされていません。それよりも実務経験やスキル、未経験者募集の場合は仕事への意欲やポテンシャルが求められています。意外に思われるかもしれませんが、システムエンジニアなどのIT系技術職ですら、資格必須の募集は多くないのです。
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実際に企業は資格を重視している?
中途採用活動を行う企業は実際に資格を重視しているのか、調査結果をまとめてみました。企業が何を重視しているのか、転職活動の参考にしてみてください。
中途採用では「仕事に対する考え方」や「コミュニケーション力」が重視されている
2024年に中途採用活動を行った企業の人事担当者1,500人を対象に「選考基準を厳しくした項目は?」と聞いてみたところ(※1)、「経験者採用」の場合は「仕事に対する考え方」が40.5%で最も高く、次いで「コミュニケーション力」が36.7%、「職務経験」が33.5%と多く挙げられたのに対し、「資格」は28.5%でした。
また「未経験者採用」の場合も「仕事に対する考え方」が37.5%で最も高く、「コミュニケーション力」が36.6%、「ポテンシャル」が32.2%と続き、「資格」は22.5%という結果でした。
中途採用では経験者・未経験者を問わず、資格の有無よりも「仕事に対する姿勢」や「コミュニケーション力」といった実務で発揮される総合的な能力が、より重要視されていると言えます。
中途採用状況調査 2025年版(2024年実績)|株式会社マイナビ
従業員数3名以上の企業において2024年1月~12月に中途採用業務を担当しており、「採用費用の管理・運用」に携わっている人事担当者を対象にインターネット調査を実施。調査期間2024年12月16日(月)~12月25日(水)
資格を重視する傾向は、業種間の差が大きい場合もある
更に、労働政策研究・研修機構が過去に行った調査(※2)によると、中途採用にあたって「資格・検定を重視する」と答えた企業の業種では「医療・福祉」や「建設業」で70%〜80%台と高い割合を示す一方、「製造業」や「飲食・宿泊業」では10%〜20%前後となっており、業種間で意識の差が大きいと推測されます。
やはり、「業務独占資格」が必要な専門分野以外では、そこまで資格の有無を重視していないと考えられます。
企業における資格・検定等の活用、大学院・大学等の受講支援に関する調査|独立行政法人労働政策研究・研修機構
資格より「姿勢」。採用現場が本当に重視するポイントとは
キャリアアドバイザー 谷所健一郎
中途採用の現場では、職種によって多少の差はあるものの、資格の有無よりも実務における再現性と変化への適応力を重視する傾向があります。
資格試験は用意された正解を導き出す力を測るものですが、実際のビジネスの現場で起こるトラブルや課題には、明確な答えがありません。どれほど高度な知識を持っていても、それを現場の状況に合わせて使いこなし、自ら動いて成果に結びつける力がなければ、組織の中では機能しないからです。
企業が懸念するのは、知識の習得だけで満足してしまう受動的な社員です。それよりも、たとえ今は知識が不足していても、不足分を自ら補い、周囲と連携しながら試行錯誤できる人材のほうが、長期的な成長への貢献度は高いと判断されます。
変化の激しい現代のビジネス環境において、客観的な知識の証明である資格は、あくまで入り口の指標に過ぎません。採用側が最終的に合否を判断するのは、未知の課題に立ち向かう自走力や組織に貢献しようとする仕事への向き合い方、つまりその人の持つ「姿勢」なのです。
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資格なしで転職を有利に進めるコツ
資格がなくても転職で不利にならないことが調査結果からも分かりました。では、資格を持たない人はどのように転職活動を進めると有利なのでしょうか? 3つのポイントを解説します。
実務経験や能力・意欲をアピールすることが重要
企業が求めているのは、資格よりも職務経験やコミュニケーションスキルなどのポテンシャルです。つまり、過去の経歴のなかから応募したい仕事に関連する強みをうまくアピールできれば、転職活動を有利に進めることができるでしょう。
そのためには、まず求人情報をよく読んで、応募先の企業がどのような能力・スキルを持つ人材を求めているのかを理解することが大切です。
そのうえで、自身の経歴のなかからマッチする経験や生かせるスキルを履歴書や職務経歴書で強調しましょう。これまでの経歴が応募先の仕事と関連性がない場合でも、ビジネスマナーやコミュニケーション能力など、生かせるスキルは必ずあるはずです。
特に未経験の仕事への転職を目指す場合、「自ら学び、適応しようとするポテンシャル」も大きなアピールポイントになります。意欲の高さや前向きな姿勢も、具体的なエピソードを交えて積極的に打ち出していきましょう。
自分の強みやスキルは洗い出しておく
前職で得た経験やスキルなど、応募先の会社にアピールできる自分の長所をあらかじめ洗い出し、整理しておきましょう。
ロジカルシンキングや問題解決能力、スケジュール管理能力など、いわゆる「ポータブルスキル」といわれる能力が高い場合は、スキルを裏付けできる具体的な内容をまとめておき面接時に伝えることで、採用担当者にアピールすることが可能です。
資格は企業が求めているものを書くことが大事
もちろん資格は持っていて損になるものではありませんし、転職するうえで強みの一つにもなります。
しかし、持っている資格は何でも履歴書に書けば良いというものでもありません。応募先の仕事に直接関係のない資格を履歴書に羅列しても、採用担当者には響きません。むしろ本当にアピールしたい資格が目立ちにくくなってしまう可能性もあります。
資格をアピールする場合は、応募先の仕事に関連するもの、生かせそうなものだけで十分です。
【職種別】転職におすすめの資格の一例を紹介
専門職以外の仕事でも、職務内容にマッチした資格を持っていると転職活動を進めやすくなります。職種別におすすめの資格の一例をご紹介します。
【一般事務・営業事務などの事務系の仕事】
MOS(Microsoft Office Specialist)
MOS(Microsoft Office Specialist)は、WordやExcelなどの操作スキルを証明する資格です。事務職はデータ入力や資料作成などパソコンを使う業務が中心なので、事務未経験という人は取得しておいて損はありません。また、MOSを取得することで実践的なソフトの操作方法が身に付き、スキルアップにもつながります。
【経理・財務などのバックオフィス系の仕事】
日商簿記
日商簿記は、経理業務の基礎となる会計知識を証明できる資格です。特に日商簿記3級は経理未経験からの第一歩として定番で、2級以上を取得すればより専門性の高い実務にも対応できることを示せます。経理や財務を目指す人にとって、業務理解を深めるうえでも転職活動での評価という点でも役立つ資格です。
【ファッション関連、デザイナーなどのクリエイティブ系の仕事】
色彩検定・カラーコーディネーター検定
色に関する幅広い知識や技能を問う検定です。効果的な配色やデザインについて論理的に理解を深めることができ、ファッションや美容、インテリア、広告などさまざまな業界の仕事で生かせます。
【SE、プログラマなどのIT系の仕事】
ITパスポート
ITパスポートは、IT業界の入門編ともいえる国家資格です。エンジニアを目指す人はもちろん、社会人としてITを効果的に活用するうえでも大いに役立つ資格です。自治体や大手企業でITパスポートの取得を奨励しているところもあるので、取得しておいて損をすることはありません。
【介護職・福祉関連の仕事】
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護・福祉の仕事を目指すうえで、最初のステップとなる基礎資格です。高齢者や障がいのある方への基本的な介助技術や、福祉に関する基礎知識を身に付けることができます。未経験から介護業界に挑戦しやすくなるため、転職活動でも実務への理解度を示すアピール材料になります。
【外資系・貿易関係をはじめとする、グローバル企業】
TOEIC
グローバル化が進む昨今、外資系や貿易関係に限らず、ビジネスシーンで語学力を必要とする企業は増えています。そのため、海外関連の仕事はもちろん、それ以外の仕事でも、英語力を証明できるTOEICで高得点を取っていると選考上で有利に働くことがあります。
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転職に役立つ資格を取るためのポイントや注意点
前述したとおり、資格がなくても、実務経験やスキル、ポテンシャルをアピールすることで転職は可能です。
とはいえ、資格を取ること自体は決してムダではありません。むしろ、応募したい仕事に役立ちそうな資格なら積極的に取得しておいて損はありません。
未経験の職種の場合、関連する資格を所持していることを履歴書や面接でアピールすれば、基礎知識を習得していると示せます。実務未経験というハンデを補い、入社後の成長スピードへの期待感を高めることができるでしょう。
資格を取るためのポイントや注意点について解説します。
「資格を取ること」を目的にしない
転職するために資格を取ろうと考えている場合、目的を忘れないように注意をしましょう。資格を取ったからといって転職先が希望どおりスムーズに決まるとは限りません。
特に、これまでとまったく異なる分野への転職を検討する場合、スクールに通って資格を取得してから転職活動をしようと考えることもあるでしょう。しかし、企業が最も重視するのは資格の有無よりも実務での適応力です。資格を取ったからといってすぐに希望する仕事に就けるとは限りません。
資格は将来のキャリアをかなえるための手段の一つであり、目的ではありません。まずは自分が本当にやりたいこと、興味のあることを見つけて、そのために資格が必要であれば取得するようにしましょう。
資格取得までのスケジュールを立てる
転職活動をしながら資格取得の勉強をするのは大変なことです。とはいえ、勉強がおろそかになってしまい、せっかく受験したのに受からなかったり、良いスコアを残せなかったりしたら意味がありません。
転職に向けて資格を取得すると決めたら、しっかりとスケジュールを立てて勉強を進めましょう。
入社後に「資格取得のサポート制度」を活用するのも手
資格なしで転職したとしても、仕事によっては入社後に働きながら資格を取ることができます。
例えば、製造業や商品管理など物流系の仕事なら「フォークリフト免許(運転技能講習修了証)」、介護スタッフなど福祉系の仕事なら「介護職員初任者研修」、賃貸営業など不動産系の仕事なら「宅地建物取引士」といった資格です。
業務をするうえで必要な資格がある場合、企業側が受験費用を負担して資格取得をバックアップする「資格取得支援制度」を設けていることがあります。
受験費用のサポートだけでなく、試験対策の勉強会を開いてくれる企業もあるため、転職後に資格を取得することを視野に入れて勉強しておくのも良いでしょう。
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まとめ
転職する時に必ずしも資格が必要というわけではありません。履歴書の資格欄を埋めないと不安だという人もいるかもしれませんが、応募条件で資格が必須とされていなければ「特になし」と記載しても選考に影響はありません。
資格の有無を気にするよりも、希望する仕事に対して、過去の経験やスキルがどのように生かせるか、どうアピールすれば効果的かを考え、前向きに転職活動を行いましょう!
谷所 健一郎(ヤドケン)
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例」(マイナビ出版)、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。
マイナビ転職 編集部
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