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初任給とは?手取り・基本給との違い、平均額を解説

更新日:2026年05月27日

初任給とは?手取り・基本給との違い、平均額を解説
谷所 健一郎

監修者谷所 健一郎

キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)/有限会社キャリアドメイン 代表取締役

記事まとめ(要約)

  • 社会人になって初めてもらう給与のことを初任給、2回目以降は月収と呼ぶ
  • 大学卒の初任給平均は約26万円、高専・短大卒は約24万円、高校卒は約21万円
  • 初任給が支払われるタイミングは、会社によって異なる

「初任給って何?」「いつまでが初任給?」「基本給や手取りと初任給の違いは?」などと聞かれた時、あなたは正しく答えられますか?

ここでは、初任給とは何かを解説しつつ、学歴や企業規模別の初任給平均額をご紹介します。初任給についてはもちろん、それ以外にもチェックすべきことを知りたい人は参考にしてください。

目次

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    初任給とは?

    初任給とは?

    初任給とは、社会人になって初めてもらう給料を指す言葉です。最初の1回のみが該当し、2回目以降の給与は初任給とは呼びません。

    初任給(額面)は、基本給と各種手当を合算した「総支給額」のことです。会社から支給される手当があれば、それも初任給の額に含まれます。

    該当する手当の種類や受け取れる金額は人によって異なりますが、例としては以下が挙げられます。

    【手当の例】

    通勤手当 自宅から勤務先までにかかる費用を支給する手当 
    資格手当 会社が指定する資格を持っている場合にその難易度や重要度に応じて支給される手当
    住宅手当 住居費用の一部を会社が補助する制度で、家賃補助とも呼ばれている
    残業手当 時間外労働を行うと支払われる割増賃金のこと
    休日手当 法定休日に働いた場合に支給される手当

    また、初任給からは一般的に社会保険料や各種税金が控除(天引き)されます

    ※通勤手当は非課税限度額の範囲内であれば所得税の課税対象外

    ただし、前月分の社会保険料を翌月の給与から差し引く翌月徴収を採用している企業が大半であり、その場合、4月の初任給から天引きされるのは雇用保険料と所得税のみとなります。

    なお、厚生年金や健康保険料については、入社の翌月(5月給与)から差し引かれるのが一般的ですが、具体的なタイミングは企業の支払日や徴収ルールによって異なります。

    例えば「末日締め・翌月払い」で4月分の給与が5月に支払われる会社では、その5月の給与から4月分の社会保険料が引かれることになります。

    また、住民税は前年の所得に対して課税されるため、新卒入社の場合は社会人2年目から控除が始まります。

    基本給との違い

    基本給とは、雇用されている期間に毎月支払われる一定額の給与を指す言葉です。各種手当やインセンティブ(歩合)は含みません。

    基本給に各種手当を足したもののうち、初めて受け取るものを初任給、2回目以降は月収(額面、額面給与)といいます。

    ボーナス(賞与)額を算出する際は月収ではなく基本給をベースにすることが多いので、試算する時は手当を含めた初任給や月給と混同せず、基本給がいくらなのかを正しく確認しておきましょう。

    以下の記事では、基本給、月給、月収、手取りといった言葉のそれぞれの意味や違いについて解説しています。

    手取りとの違い

    初任給と手取りの違い

    手取りとは、実際に手元に入ってくるお金のことを指します。給与から社会保険料や税金が差し引かれ、最終的に銀行口座に振り込まれる金額です。

    手取りの計算方法

    手取り = 初任給 - 各種控除(天引きされるお金)

    初任給は、各種控除(天引き)前の金額(額面)を指します。所得税や住民税、社会保険料や労働組合費などを初任給または月給から引いた金額が手取りです。

    ちなみに、初任給から厚生年金や健康保険料が控除されている場合、2カ月目以降に大きく手取りが減ることはありませんが、社会人2年目の6月からは新たに住民税の徴収が始まります。

    額面の給与額が変わらない場合は、初任給の時と比べて手取り額は減ることになります。

    住民税は前年の所得(1年目の年収)をもとに算出されるため、初任給の金額を基準にして生活設計を立てないよう注意が必要です。

    手取りについては以下の記事でより詳しく解説しています。

    初任給の平均はどれくらい?

    実際に支給されている初任給の平均額を、学歴、企業規模、産業、都道府県別に見ていきましょう。(以下、表内の数字はすべて「令和7年賃金構造基本統計調査」より)

    学歴別

    学歴 初任給平均
    大学院卒 29万9,000円
    大学卒 26万2,300円
    高専・短大卒 23万5,500円
    専門学校卒 23万700円
    高校卒 20万7,300円

    初任給は大学院卒の29万9,000円、大学卒の26万2,300円、高専・短大卒の23万5,500円、専門学校卒の23万700円、高校卒の20万7,300円の順で段階的に差が表れる傾向にありますが、これは能力差というよりも、配属される職種や職能の幅によるものです。

    将来の幹部候補としての活躍が期待される総合職などに採用されやすい大学院卒や大学卒は、ほかの学歴と比べ、初任給も高い傾向にあります。

    また、どの学歴においてもここ数年の初任給平均額は増加傾向にあります。

    例えば大学卒の場合、令和6年の初任給の平均額は24万8,300円でしたが、令和7年は1万4,000円増の26万2,300円となり、人手不足を背景とした人材確保の競争により、これまで以上に好条件の職場が増えています。

    企業規模別

    企業規模 初任給平均
    大企業 26万1,700円
    中企業 24万500円
    小企業 22万5,600円

    企業規模別の初任給は、規模の大きい企業ほど初任給が高い傾向にあります。

    企業規模における資本力の差に加え、採用方針や人材への投資スタンスの違いなど、複数の要因が反映されていると考えられます。

    大手企業は、優秀な若手人材を早期に確保するために、初任給の引き上げや福利厚生の拡充を積極的に行う傾向があります。

    一方、中小企業では、初任給こそ大手より控えめな場合もありますが、個人の成果を早期に月給や役職手当に反映させるなど、独自の柔軟な給与体系で差別化を図るケースも少なくありません。

    産業別

    産業 初任給平均
    鉱業、採石業、砂利採取業 33万1,900円
    建設業 25万円
    製造業 23万5,200円
    電気・ガス・熱供給・水道業 24万2,000円
    情報通信業 25万8,300円
    運輸業、郵便業 23万6,200円
    卸売業、小売業 24万7,700円
    金融業、保険業 26万5,200円
    不動産業、物品賃貸業 26万4,100円
    学術研究、専門・技術サービス業 27万9,500円
    宿泊業、飲食サービス業 22万7,400円
    生活関連サービス業、娯楽業 22万9,700円
    教育、学習支援業 24万2,500円
    医療、福祉 25万3,100円
    複合サービス事業 22万2,800円
    サービス業(他に分類されないもの) 23万7,100円

    産業別に初任給を見ると、業種によって水準に大きな差があることが分かります。

    令和7年のデータ(学歴計)では、最も高いのは鉱業・採石業・砂利採取業で33万1,900円となっており、次いで学術研究、専門・技術サービス業(27万9,500円)、金融業・保険業(26万5,200円)、不動産業・物品賃貸業(26万4,100円)などが高水準となっています。

    情報通信業も25万8,300円と全体のなかで高い水準に位置しており、IT人材の需要の高さが給与水準に反映されていると考えられます。

    特に、高度なスキルを持つITエンジニアやデータサイエンティストなどのデジタル人材に対しては、平均を大きく上回る初任給を提示する個別設定も増えており、二極化が進んでいます。

    一方で、宿泊業・飲食サービス業(22万7,400円)や複合サービス事業(22万2,800円)などは比較的低い水準にとどまっており、産業によっては10万円以上の差が生じています。

    このような差の背景には、各産業における人材需要の強さや収益構造の違いがあり、特に専門性が高く人材不足が深刻な分野ほど、初任給が高く設定される傾向があります。

    ただし、初任給が抑えられている産業でも、その後の昇給率や、資格手当、インセンティブ制度の充実によって、年収ベースでは逆転するケースもあります。

    都道府県別

    都道府県 初任給平均 都道府県 初任給平均
    北海道 23万5,500円 青森 20万9,300円
    岩手 21万6,000円 宮城 23万4,600円
    秋田 21万2,000円 山形 20万8,200円
    福島 22万100円 茨城 23万9,000円
    栃木 23万7,500円 群馬 23万1,100円
    埼玉 23万5,300円 千葉 25万5,000円
    東京 26万9,700円 神奈川 25万7,100円
    新潟 22万900円 富山 23万3,300円
    石川 24万4,000円 福井 23万9,100円
    山梨 22万9,600円 長野 23万7,000円
    岐阜 23万5,400円 静岡 24万400円
    愛知 24万6,000円 三重 23万6,400円
    滋賀 25万1,100円 京都 25万2,200円
    大阪 25万5,100円 兵庫 24万5,100円
    奈良 24万1,100円 和歌山 21万5,000円
    鳥取 21万100円 島根 22万9,100円
    岡山 23万200円 広島 23万7,400円
    山口 23万3,300円 徳島 24万3,900円
    香川 23万4,700円 愛媛 22万1,300円
    高知 23万300円 福岡 23万9,800円
    佐賀 23万300円 長崎 22万9,600円
    熊本 22万8,500円 大分 24万700円
    宮崎 20万3,300円 鹿児島 22万3,700円
    沖縄 21万9,900円  

    都道府県別の初任給平均額を見てみましょう。

    東京の26万9,700円をはじめ、神奈川の25万7,100円、千葉の25万5,000円、大阪の25万5,100円、京都の25万2,200円、滋賀の25万1,100円と、都市圏を中心に初任給が高い傾向が見られます。

    一方で、青森(20万9,300円)や山形(20万8,200円)、宮崎(20万3,300円)などは比較的低い水準にとどまっており、地域間で6万円以上の差が生じています。

    このような差の背景には、都市部への企業集積や産業構造の違いなどがあり、特に大企業や高付加価値産業が集まる地域ほど、初任給が高くなる傾向があります。

    その反面、都市部は家賃や物価も高いため、給与額の高さがそのまま生活のゆとりにつながるとは限りません。

    対して、地方では初任給こそ控えめなものの、住宅費をはじめとする生活コストが相対的に低い傾向があり、支出を抑えやすい面があります。

    そのため、額面の給与だけでなく、実質的な生活水準にも目を向けて比較することが大切です。

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    初任給はいつ支払われる?

    初任給が支払われるタイミングは、会社によって異なります。就業規則に含まれる給与規定の項目に「締め日」と「支払日」が明記されているはずですので、必ず確認しておきましょう。

    締め日とは出勤日数や残業時間の計算を行う際の区切りとなる最終日のことで、支払日は計算された金額の給与が支給される日のことです。

    【4月に入社した場合】

    初任給が当月末締め 当月20日払いの場合の支払いスケジュール
    当月末締め
    当月20日払いの場合
    • 4月20日に初任給支給
    • 給与額のうち10日分は前払いの扱い
    初任給が当月15日締め 当月25日払いの場合の支払いスケジュール
    当月15日締め
    当月25日払いの場合
    • 4月25日に初任給支給
    • 給与額は半月分または1カ月分
    • 取り扱いは会社により異なる
    初任給が当月末締め 翌月10日払いの場合の支払いスケジュール
    当月末締め
    翌月10日払いの場合
    • 5月10日に初任給支給
    • 1カ月分の給与がまとめて入る
    • 入社~給料日まで1カ月以上収入がない期間が発生する

    初任給以外にチェックすべき求人項目

    給与面について確認する際、初任給以外にもチェックしておきたい求人項目が4つあります。それぞれ解説していきますので参考にしてください。

    昇給制度があるか

    昇給制度の有無や内容は会社により異なります。可能な限り入社前にチェックしておきましょう。入社後の場合、就業規則で確認が可能です。

    昇給にはいくつか種類があり、毎年決まった時期に行われる定期昇給を導入している場合は、基本的に年に1~2回のペースで行われることが多いでしょう。

    そのほかにも、会社の業績が好調だった時に臨時で行われる臨時昇給や、年齢や勤続年数など自動的に生じる変化を基準とする自動昇給、そして個人のスキルアップや成果を評価して反映させる査定昇給などがあります。

    特に最近は、一律の昇給よりも役割や成果を重視する企業が増えているため、どのような基準で評価されるのかを確認しておきましょう。

    昇給制度についての詳しい内容は、以下の記事も参考にしてみてください。

    ボーナス(賞与)があるか

    ボーナス(賞与)がもらえるかどうかも確認しましょう。

    給与とは異なり、ボーナス(賞与)の支給に関する法的な定めはありません。

    そのため、会社それぞれの規定によってボーナスの有無や頻度、金額は異なりますが、一般的には夏(6月・7月)や冬(12月)の年2回、基本給をベースとした数カ月分の金額を支給する形式が多くなっています。

    ただし、個人の成果や会社の業績に連動して金額が大きく変動する業績連動賞与を採用する企業もあります。

    ボーナスに関する詳細は、応募前なら募集要項や会社の採用ページ、入社後は就業規則で確認できます。

    みなし残業が含まれていないか

    残業はどの程度あるのか、残業がある場合は残業代が別途支払われるのかを確認しましょう。

    みなし残業の場合は、毎月一定の時間外労働に対して定額が支払われる仕組みです。固定残業代とも呼ばれています。

    固定残業代制度を利用する場合、会社はその旨や「何時間分の残業代としていくら支払われるのか」といった詳細を明示しなければならないと職業安定法で定められています。残業代がつかないと思われていることもある年俸制でも同様です。

    また、みなし残業の範囲を超えた残業がある場合は、その超過分に対して別途残業代が支給されます。

    【みなし残業(固定残業代)を含む求人情報の例】

    月給制 月給 270,000円
    • 固定残業代 (30時間分/51,266円)を含む
    年俸制 年収 3,240,000円
    • 固定残業代 (月30時間分/51,266円)を含む

    残業時間が長いとその分初任給は高くなります。

    しかし、慢性的に長時間の残業が続く環境では、心身の健康を損なったり、ワーク・ライフバランスを保てなくなったりして、結果的に長く働き続けることが難しくなる可能性も考えられます。

    初任給の高さだけに注目せず、その金額のなかにどの程度の残業が含まれているのか、実態を精査すべきです。

    手当はあるか

    給与面の条件を精査する場合、どのような手当が設けられており、いくら支給されるのかも加味しましょう。お金に関する手当には、「初任給とは?」でご紹介したように通勤手当、資格手当、住宅手当、残業手当などがあります。

    支給される手当の額は住居の形態や保有資格、家族構成などによって一人ひとり異なるので、自分に当てはまる条件を正しく把握しておくことが大切です。応募前であれば募集要項や会社のホームページ、入社後であれば就業規則や賃金規定で確認しましょう。

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    まとめ

    初任給とは社会人になって初めて受け取る給与のことで、金額には基本給に各種手当が含まれています。そこから税金や社会保険料を引かれたものが手取りとなります。

    仕事を探す際は、初任給を含め、さまざまな視点から応募先を決めていきましょう。自分にあった長く働ける会社を見つけるためには、初任給だけでなく、社風や仕事内容、残業時間、昇給制度、そして福利厚生や退職金制度などにも着目することをおすすめします。

    監修者

    谷所 健一郎

    谷所 健一郎(ヤドケン)

    キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
    有限会社キャリアドメイン 代表取締役

    有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例」(マイナビ出版)、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。

    マイナビ転職 編集部

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