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会議の心構え

会議で“傍観者”にならないためには？　職場で使える処世術、賢いオフィス・コミュニケーションや便利な言い回しをくまなく伝授！

「その場に居る」ことを有効活用する

会議とパーティ（例えばレセプションのような）には、似たところがあるのではないでしょうか。まず、会議もパーティも、出席することが最大の意義である点。他人と同じ空間に居て、後で「あの人が出席していた」とか「あんな話がでた」と話題を共有できることが、とても重要だからです。

ところが、会議とパーティには、単にその場に居るという事実だけでは不十分だという点も共通しています。

では、どんなふうに「その場に居ること」を活用すべきなのでしょうか。パーティであれば、例えば、知らない人に積極的に話しかけ、共通の話題を探り出し、仕事のきっかけを作ってしまう……　と、ここまで行かなくても、少なくても名刺交換くらいはしたいものです。

では会議の場合は？

傍観者にならない

会議には大きく分けると、ブレストのための会議と物事を決定するための会議の2種類があります。どういう目的の会議なのかは、前もって明確にしておくべきでしょう。

会議を主催する立場なら、電子メールで会議の時間、場所、出席者、議題のリストや、資料などを全員に事前に配っておくのが、成功への第一歩です。会議の冒頭に、進行具合を説明し、○時には終わりたいと言っておくのも効果的です。

会議に出席する立場の場合は、お知らせメールをもらったら、自分はその会議でどんな役割が期待されているのか、まず想定しましょう。どうして自分が呼ばれたのかよく分からない場合は、あらかじめ主催者に聞いておいたほうがいいでしょう。

議題や資料を読んで、自分がどんなことを言いたいのか、決めておきましょう。大切なのは、自分の会社で、自分が何らかのかかわりを持っている仕事に関する会議なのですから、傍観者という立場をとらないようにすることです。よく準備された発言は、聞いているだけで必ず分かります。会議のインプットとして役に立つだけでなく、会議が終わった後にも上司や同僚から積極的に評価されます。

改善策なしの批判は妨害

会議で困る（にもかかわらず、こういう人は非常に多いのですが）のは、他人の提案や意見のあげ足を取ったり、重箱の隅をつつくような質問をする人。そして、それよりもっと嫌なのは、ケチばかりつけて、改善案をまったく出さない人の存在です。

こういう人は、うまくいく可能性のある提案もつぶしてしまうという意味で、仕事を妨害していることになります。あなたが主催側なら、上手にコントロールしてその種の発言を封じたほうがいいでしょう。あるいは「確かにそういう側面もあるかもしれないですが、でも……」と言って意識的に会議の流れを変えてしまってもいいかもしれません。

会議というのは、その人が普段からどんなふうに仕事に取り組んでいるかが見えてしまう場所でもあるのです。キラッと光る発言をする人は、現場での観察力が鋭かったり、売り上げのデータにきちんと目を通している人。そういう意味で、会議は自分の能力をアピールする場所でもあります。

決定事項を確認する

会議の終わりに、その日に決定したことを確認する作業は非常に重要です。そのために、大きな会議なら前もって書記役を決めておいたほうがいいかもしれません。

決定した事項に関しては、内容、担当者などのほかに、締め切りや期限を明確にしておいたほうがいいでしょう。簡単に読み上げて、全員でそれを確認しましょう。

会議の簡単な議事録は、終了後できるだけ早い機会に電子メールなどで全員に配布しましょう。当日会議に参加しなかったけれど、間接的に関係がある人にも配るようにしましょう。

その他の仕事に役立つコミュニケーション能力

PROFILE

朽木ゆり子（くちきゆりこ）

東京生まれ。国際基督教大学卒、同大学院修士課程修了後、ニューヨークのコロンビア大学大学院で学ぶ。帰国後、フリーランスのライター・編集者を経て雑誌エスクァイアの副編集長に。94年、家族と共にニューヨークに移住。著作にはアート関係のノンフィクション『盗まれたフェルメール』（新潮社）『パルテノン・スキャンダル』（新潮社）など。そのほか『はたらく女性のための英会話レスキューブック』（集英社）では、仕事を助ける英語コミュニケーションを解説した。

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