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退職理由の好印象な伝え方とは?円満退職&面接回答の例文

更新日:2025年12月04日 退職理由の好印象な伝え方とは?円満退職&面接回答の例文

佐野 真子

監修者佐野 真子

キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング総研株式会社 代表取締役

記事まとめ(要約)

  • 本音と建前の使い分けが、退職理由を伝える際のポイント
  • ネガティブな内容は避け、ポジティブに言い換える
  • 円満退職に効果的な退職理由の例文9つ

会社を退職したいと考える理由は、人によってさまざま。

でも、退職の意思を会社に伝える際には、どこまで本音を言っていいものか、どう伝えるべきなのか、悩む方も多いのではないでしょうか?

そこでアンケートから見えてくる「退職理由」の本音と建前や、好印象を与える退職理由の伝え方、退職理由の例文などをご紹介します!

目次

    実際の退職理由で多いのは?

    実際の退職理由で多いのは?

    イラスト:しろやぎ秋吾 漫画の続きはこちら

    円満退職をするためには、どのような理由や伝え方がベターなのでしょうか。そのノウハウをひもとく前に、転職活動を始めた理由についてのアンケート結果を見てみましょう。

    転職活動を始めた理由ランキング

    1位 給与が低かった
    2位 仕事内容に不満があった
    3位 職場の人間関係が悪かった
    4位 会社の将来性、安定性に不安があった
    5位 休日や残業時間などの待遇に不満があった
    6位 会社の事業内容に不満があった
    6位 今後の昇進や昇給が見込めないと思った
    8位 働く環境に不満があった
    9位 成長できる環境が整っていなかった
    10位 業績などを正当に評価してもらえなかった

    給与への不満が理由として1位に挙げられていますが、仕事内容(2位)や人間関係(3位)など、待遇面以外の理由から転職を考える方も多いことがうかがえます。

    また、「会社の将来性」や「今後の昇給が見込めない」といった将来に対する不安も、転職の大きな動機となっています。

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    退職希望の切り出し方

    退職すると決めたら、会社に退職の意思を伝える必要があります。円満退職のためには、誠意が伝わるように退職希望を切り出したいものですよね。切り出し方のポイントを、3つの例と併せて解説します。

    おわびの気持ち+退職希望日

    自分にとってはプラスになる退職でも、職場には引き継ぎなどで迷惑を掛けてしまう可能性があります。そのため、業務への影響についておわびしてから退職の意思を伝えると角が立ちにくいでしょう。

    「大変申し訳ないのですが」
    「突然で申し訳ないのですが」

    などの枕詞で切り出すのがおすすめです。そのうえで退職希望日を伝えます。退職希望日も、引き継ぎ業務など会社側の希望に多少は沿えるようにすると円満退職しやすいでしょう。

    感謝の気持ち+退職希望日

    会社に不満があったとしても、直属の上司にはお世話になって感謝している、ということもあるでしょう。そのような場合はおわびの気持ちだけでなく、心からの感謝の気持ちを伝えることで、円満に退職希望を切り出せます。

    「大変お世話になったのに申し訳ないのですが」

    上記のように切り出すと、相手も心情を察し、応援してくれるかもしれません。

    引き継ぎを行うこと+退職希望日

    人間関係がうまくいっていない場合は、上記の例文だけでは円満退職しにくいかもしれません。その場合は、引き継ぎ業務をきちんと行い職務を果たしてから退職する旨を伝えることで納得してもらえる可能性があります。

    「大変申し訳ないのですが」
    「退職希望日までに引き継ぎを行います」

    と退職希望を切り出し、引き継ぎについて伝えましょう。可能であれば、取引先のリストを作る、引き継ぎ資料を作るなど、具体的に引き継ぎ業務の内容を伝えます。

    円満退職のためには退職を切り出すタイミングも重要です。タイミングや退職希望を伝えるためのアポの取り方は以下の記事を参考にしてください。

    好印象を与える退職理由の伝え方

    うまく退職希望の話を切り出せたとしても、難しいのは退職理由の伝え方です。円満に退職理由を伝える4つのポイントをご紹介いたします。

    まずは直属の上司に伝える

    退職の意思は同僚や部下などに安易に漏らさず、まずは直属の上司に伝えることが筋道です。直属の上司を飛び越えて、上役や別部署の上司に話すのは避けましょう。上司の仕事に支障をきたさないように、業務が落ち着いた頃合いを見計らって「お時間を頂けませんか」と申し出ると良いでしょう。

    また、軽い気持ちではなく考え抜いた末の結論であること、後任者への引き継ぎや配慮を丁寧に行うこと、退職後も良好な関係を続けたいという思いを伝えることも、円満退職につながるポイントです。

    感謝の気持ちも忘れずに伝える

    会社に対し不平不満があったとしても、上司や周囲の人への感謝の気持ちを伝えるのが社会人としてのマナーです。退職理由を話す前に、まずはお世話になったことへの感謝をしっかり伝えましょう。

    不平不満はNG。退職理由は角の立たない「建前」も必要

    退職理由が「給料や待遇に不満があるから」「忙し過ぎて続けられない」「職場に嫌なメンバーがいるから」などのネガティブな内容だったとしても、そのままダイレクトにぶつけてしまってはけんか別れになる恐れもあり、円満退職は望めません。

    そのため、ネガティブな理由はポジティブに言い換えて伝えるなど、本音だけでぶつかるのではなく、本音と建前を使い分けることが、退職理由を伝える際のポイントとなります。

    例えば仕事内容に不満がある場合は、「もっと多くのことに挑戦してスキルを磨きたい」など前向きな言い方を選ぶと周りも応援したい気持ちになり、円満退職が望めます。

    退職理由は一貫性をもって伝える

    基本的に退職理由でうそはつかないほうが良いですが、退職理由や退職時の状況によっては本音ではなく建前で話すほうが適切な場合もあります。そのような場合は、話に矛盾が生じないよう、あらかじめ伝える内容を整理しておくのがおすすめです。

    また、仲の良い部下や同期にだけ本当の理由を話すのも避けたほうが無難です。誰に対しても一貫した退職理由を伝えることで、不要なうわさや誤解を防ぐことができます。

    ネガティブな理由、特に職場の人間関係が理由で退職する場合は、伝え方には十分注意しましょう。

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    円満退職に効果的な退職理由の例文

    退職を伝えると、引き止めにあう可能性があります。引き止められるのを回避するためには、相手が納得せざるを得ない事情を退職理由に盛り込むことが効果的です。

    家族の事情、結婚・出産、転居、体調の悪化など、個人的な事情であれば、「退職もやむを得ない」という判断がされやすくなります。ただし、退職理由をうそで塗り固めてしまうと、うそであることがばれた際にトラブルになる可能性があるため、避けたほうが無難です。

    【例文】ポジティブな退職理由

    では、具体的にどのような退職理由だと円満退職につながりやすいのかを見ていきましょう。

    まずは、ネガティブな内容は避け、ポジティブな退職理由に変換することです。退職後を見据えた意欲や向上心を伝えれば、上司も否定したり引き止めたりしにくくなります。ここでは、実際に使える5つの例文をご紹介します。

    【例文1】業務の中で興味を持った分野に特化して、より専門性を高めたい

    今の仕事内容に不満を感じている時に使える退職理由です。やりがいを感じる仕事に転職することや、次の仕事に意欲を感じていることが伝わりやすいでしょう。

    【例文2】これまでの経験を生かし、新しい環境で自分の力を試したい

    キャリアアップのために転職する場合などに使える退職理由です。感謝と併せて伝えることで理解してもらいやすいといったメリットがあります。

    【例文3】資格取得のための勉強に専念します

    退職後の転職先が決まっていない場合、引き止められる可能性が高くなります。退職の意思が固い時には、辞めてから挑戦することがあると言うのも伝え方の一つです。

    【例文4】学生の頃からの夢だった海外留学を実現します

    ワーキングホリデーや社会人留学など、退職後に海外に行く場合は、しっかりとその旨を伝えると良いでしょう。「夢だった」と付け加えることで意思の強さを表しましょう。

    【例文5】個人で開業する決意を固めました

    退職後に独立開業・起業する場合は、それを退職時に伝えることで開業準備がしやすくなるでしょう。退職までしっかりと業務を行い、迷惑を掛けないようにすることも重要です。

    なお、同業界で独立する際は、顧客の引き抜きや流出を招かないよう十分に配慮し、顧客対応でしこりを残さないことが円満退職につながります。

    【例文】個人的な事情を盛り込んだ退職理由

    パートナーの転勤に伴う退職や家庭の事情など、個人的な事情で退職する場合、プライベートな理由をそのまま伝えて良いのか悩むかもしれませんが、退職理由として伝えるのは問題ありません。端的に状況を説明し、退職の意思を伝えましょう。状況別に4つの例文をご紹介します。

    【例文1】パートナーの転勤に伴って転居することにしました/結婚が決まり、転居することにしました

    パートナーが転勤するため退職する場合や、結婚に伴いパートナーの居住地に引っ越す場合には、結婚する旨と、転居により退職せざるを得ない旨を併せて伝えると良いでしょう。

    【例文2】介護のため退職せざるを得ない状況になりました

    親や家族の介護が必要になった場合は、正直に事情を伝えて問題ありません。法律で定められた介護に関する制度(介護休業・休暇など)を利用しても両立が難しい場合は、退職理由として会社も理解せざるを得ないでしょう。周囲に知られたくない場合はその旨を伝えておきましょう。

    【例文3】家業を継ぐことを決意しました

    退職後に家業を継がなくてはいけない場合、「決意しました」と前向きに伝えることで、引き止められる可能性も低くなります。

    【例文4】健康状態が悪化してしまい、静養することにしました

    健康上の理由で退職する場合も正直に伝えて問題ありません。周りに言わないでほしい場合はその旨も伝えましょう。

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    円満退職に向けてすべき事と注意点

    伝え方や退職理由以外にも、気を付けたいことがあります。それは、会社に迷惑が掛からないように、早めの準備や職場への配慮・引き継ぎを怠らないこと。これが円満退職には欠かせません。

    上司に退職を伝える前に周囲に漏らさない

    前述のとおり、退職希望は直属の上司に最初に伝えます。上司が周囲からのうわさであなたが退職することを知るのでは、円満退職につながらない可能性が高くなってしまいます。

    在職中の転職活動は会社に知られないようにする

    在職中に転職活動を行うこともあると思いますが、表立った行動は避けるべきです。「退職するらしい」といううわさばかりが一人歩きしてしまうと、職場が混乱してしまいかねません。「忙しいのに、転職活動の時間はあるんだ……」という周囲からあなたへの不平にもつながってしまいます。

    1カ月前、できれば2カ月前には退職の意思を伝える

    退職者が出れば、会社は退職手続きや後任者選びなどの対応も必要になるため、「すぐに辞めたい」と突然切り出されても困ってしまいます。業務の引き継ぎなどの期間も考えると、最低でも退職希望日の1カ月前、できれば余裕をもって2カ月前には退職の意思を伝えましょう。

    なお、法律上(民法上)は2週間前の申し出でも退職は可能ですが、会社の就業規則で「1カ月前までに申し出ること」と定められている場合は、その期間を守るのが望ましい対応です。退職希望日はできるだけ繁忙期を避けるといった配慮も必要です。

    業務の引き継ぎは計画立てて、丁寧に行う

    責任をもって業務の引き継ぎや残務処理を行うことも、円満退職には欠かせません。後任者が業務の進捗状況や内容、踏まえるべき留意点などをいつでも参照できるように、引き継ぎのポイントを文書・マニュアルでまとめておくと良いでしょう。

    また、顧客や取引先に関するデータも分かりやすく整理し、退職までに顧客や取引先を回って退職のあいさつや後任者の紹介をすることも忘れずに行いましょう。

    できれば対面で伝える場を設ける

    リモートワークが中心となり、直接上司とやりとりする機会が減っている職場もあるかもしれません。しかし、退職の意思はメールやチャットではなく対面で直接伝えることで誠実な印象を残せます。会社の環境にもよりますが、できる限り対面で伝えられる場を設けてもらうようにしましょう。

    面接でマイナスの印象を与えない退職理由の伝え方

    転職時の面接でも転職理由または退職理由を聞かれることがあります。この場合も、上司に退職理由を伝えるのと同様、少しでも今後につながるようにポジティブに伝える努力をすると良いでしょう。

    現職にやりがいを感じられない場合や実力に見合った評価をしてほしい場合は「現職で得た経験を生かし、実力主義の御社でキャリアアップしたいと考えました」のように答えると、現職への不満より未来への期待や熱意、向上心を伝えることができます。

    人間関係や職場環境に不満がある場合は「周囲と協力して働きたい」「チームワークを意識した働き方をしたい」のように言い換えることができるでしょう。

    まとめ

    今の職場を去ることに未練がないとしても、円満に退職できるのがベストです。ネガティブな退職理由をポジティブに捉え直すことは、次の転職活動にもつながりますので、ぜひこの記事を参考にしてみてください。誠意が伝わるように退職を切り出して、気持ち良く新しい環境へと踏み出しましょう。

    監修者

    佐野 真子

    佐野 真子

    キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング総研株式会社 代表取締役

    キャリアコンサルタントとして、セルフキャリアドック導入を支援し、国のキャリア形成・リスキリング支援事業等でキャリアデザイン講義や面談を実施。公共機関では、就職支援セミナーや職業指導に従事し、延べ6,000名以上の就職活動支援に携わる。

    各種講演会(労働局、ハローワーク、職業訓練校、業界団体等)講師および東京都施策の適職診断AIチャットボットのシナリオ監修、各種WEB記事監修/執筆を行う(厚生労働省「治療と仕事の両立支援ナビ」専門家コラム、朝日新聞Reライフネット記事ほか)。

    キャリコンバンク®事業では、企業顧問および社外相談窓口を通じて、AI時代の働き方について企業の事業創造とキャリア形成を支援している。

    マイナビ転職 編集部

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