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ボーナスをもらってすぐ辞めてもいいの?退職する時の注意点を解説

更新日:2025年12月04日 ボーナスをもらってすぐ辞めてもいいの?退職する時の注意点を解説

伊藤 ゆかこ

監修者伊藤 ゆかこ

キャリアコンサルタント/oriiro career代表

記事まとめ(要約)

  • ボーナスは過去の労働に対する正当な対価なので「もらう」で良い
  • ただ、支給日直後に退職が決定していれば、支給額を減額する企業も
  • 支給後に退職の意思を表明するのがおすすめ

ボーナス(賞与)は、一般的に年に2回しかない大きな収入のチャンスです。しかし、転職の決意を胸に秘めている場合は、「ボーナス直後に退職というのも、なんだか申し訳ないような気がして……」と後ろめたい気持ちを感じる人もいるでしょう。

そこで今回は、ボーナスをもらってすぐ辞めることについての考え方や、円満退職を実現するためのポイント、ボーナス直後に転職する際の注意点などを解説します。

目次

    ボーナスをもらった直後に退職してもいい?

    ボーナスは、会社の就業規則にのっとって働く従業員に支給されるものです。したがって、たとえボーナスをもらった直後に退職したとしても罪悪感を抱く必要はありません。実際、ボーナス支給の時期を区切りに転職する人も一定数います。

    なお、ボーナス時期に退職する場合は、支給後に退職の意思を表明するのがおすすめのタイミングです。後述しますが、ボーナス支給日前だと、支給額が減額される恐れがあるためです。

    ボーナス支給で損をせず退職する方法は、以下の記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

    後ろめたさは不要。「もらう」で良い

    ボーナスに対して、「無条件にありがたいもの」「会社から恩情で支給されている」という認識を持っていると、退職するにもかかわらずもらうことに「後ろめたさ」を感じる人もいるかもしれません。

    しかし、ボーナスは過去の労働に対する正当な対価であり、経営者都合の側面も含んだものです。そう考えると、だいぶ見方と感じ方が変わるのではないでしょうか。

    したがって、たとえ支給されてすぐ退職するとしても、後ろめたい思いを感じる必要はなく、「もらえるならもらっておく」というスタンスで良いでしょう。

    とはいえ、ボーナス支給直後に退職することが公になっている場合、「辞めるけどもらって当たり前」「ボーナスをもらってから辞めることを第一に考えて退職時期を決めた」という姿勢や態度が周りの人に伝わってしまうと、悪印象を与え、円満退職の妨げになりかねません。

    退職するとはいえ、人と人はどこでつながっているか分からないものです。これまでお世話になった会社と周囲の人に対して恩を返す意味でも、ボーナス支給日だけを気にして退職タイミングを決めるのではなく、十分な引き継ぎ期間を設けて自身の業務についてはしっかり責任を果たすことを考えると良いでしょう。

    退職予定者のボーナス額をカットする企業もある

    ボーナス支給日に会社に在籍していたとしても、支給日直後に退職が決定していれば、支給額を減額する企業も存在します。

    通常、支給日後の退職であればボーナス自体はもらえます。ただし、支給直後の退職が決定している場合は、必ずしも満額がもらえるとは限りません。その場合は、ボーナス支給に対する何らかの条件が就業規則に定められています。

    したがって、満額支給を想定して退職を決定してしまうと、「こんなはずではなかった」と後悔することになりかねません。

    ボーナスをもらってから辞める場合は、あらかじめ就業規則などを確認しておくようにしましょう。

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    そもそもボーナス(賞与)とは?

    ボーナス(賞与)とは、労働の対価として、毎月支払われる給与とは別に支給される賃金です。毎月の給与との大きな違いは、支給額が会社や個人の業績によって「後から決まる」という点であり、性格としては以下の4点が考えられます。

    ① 生活にゆとりをもたらすため(生活補填的性格)

    ボーナスは、日々の生活費や急な出費を補う意味を持っています。例えば旅行や家電の買い替え、貯金などにあてる人も多く、年に数回まとまったお金が入ることで生活にゆとりをもたらす役割を果たします。

    ② 頑張りに報いるため(功労報償的性格)

    これまでの努力や成果に対して「よく頑張ったね」という形で支給されるのが功労報償的なボーナスです。売上への貢献やチームでの活躍など、結果を正当に評価してもらう報酬としての意味があります。

    ③ 今後への期待を示すため(勤労奨励的性格)

    今後も引き続き頑張ってほしい、という会社からの期待を込めた側面です。働くモチベーションを高める目的があり、次の目標に向けて意欲を持たせるための“励ましの報酬”ともいえます。

    ④ 会社の余剰利益を還元するため(収益分配的性格)

    会社が利益を上げたときに、その成果を社員に還元する意味で支給されるボーナスです。会社の成長を自分ごととして感じられる仕組みであり、「一緒に成果を分かち合う」ことで組織への帰属意識を高めます。

    人件費の調整という側面

    上記の性格のほかに、賞与は会社にとって人件費を柔軟に調整するための手段でもあります。業績や社員の成果に応じて支給額を変えられるため、経営者はこの特性を上手に活用しています。

    毎月の給与に関しては、労働基準法に厳しい定めがあり、経営者都合で勝手に金額を減らしたり、支払いを遅らせたりすることはできません。しかし、ボーナスについては、支給の時期や金額、要件を会社ごとに定めた就業規則などのルールによって決めることができます。

    そのため、業績が振るわない場合や個人の評価が低い場合には、支給額を減らしたり、支給自体を見送ったりするケースもあります。こうした仕組みにより、会社は業績に応じて人件費のバランスを調整しやすくなっています。

    ボーナス(賞与)の額と支給の有無は会社側の「査定」による

    ボーナスの支給額は、一般企業の場合「毎月の給与額×○カ月分+評価内容」などの計算式で算出されるケースが多く見られます。中小企業などで就業規則に計算式の定めがない場合は、経営者の主観で金額が決められることもあります。

    支給額の決定には、会社の業績や、個人の貢献度、勤務態度などが大きく影響します。そのため、賞与の支給条件として「評価の対象となる一定期間に在職していること」と「支給日に在職していること」を就業規則に定めている企業がほとんどです。

    「支給日に在職している場合のみボーナスを支払う」という規定は「支給日在籍要件」と呼ばれ、最高裁判例をはじめとする多くの係争事例で有効とされています。

    このことから、就業規則に支給日在籍要件が盛り込まれていて支給日を待たずに退職した場合は、たとえボーナス査定期間に在籍していたとしても支給されないと考えたほうが良いでしょう。

    ちなみにボーナス支給日が有給休暇の消化などで出社していない期間に当たる場合は、会社に籍があるので支給されます。

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    ボーナスをもらってから円満に退職するためのポイント

    ボーナスをもらってから円満に退職するためのポイント

    ボーナスをもらってから辞めるのは何ら問題のないことですが、退職の経緯によっては周囲から「もらい逃げ」のレッテルを貼られてしまう恐れがあります。

    いままでお世話になった会社、上司、同僚に悪印象を持たれながら退職するのは、双方にとって望ましい結果ではないはずです。そこで、円満退職の実現に向けて、ボーナスをもらってから辞める際の2つのポイントをご紹介します。

    退職届を出すタイミングはボーナス支給後に調整を

    円満退職のためには、ボーナス支給のタイミングを考慮して動くことが欠かせません。

    退職が決定した場合は、速やかに申し出ることが原則です。退職交渉を先延ばしにしすぎると、転職先の入社時期の調整に支障が出ることもあります。

    一方で、ボーナスの支給額が決定する前に退職を申し出ると、前述の勤労奨励的性格の面でボーナス減額のリスクがあります。自社のボーナスの計算方法を確認し、現職や転職先に迷惑をかけない範囲で、申し出のタイミングを調整しましょう。

    運悪くボーナスの減額を避けられない場合は、「もらえる分だけもらっておく」精神で考えておくのが良いでしょう。

    また、転職エージェントを利用している場合は、退職や入社のタイミングがずれないよう、あらかじめスケジュールを共有しておくと安心です。

    引き継ぎを十分に行う

    退職により自分の抱えていた業務を同僚たちが担うことになるため、引き継ぎを十分に行うことも円満退職には欠かせません。後任者がスムーズに業務を遂行できるような引き継ぎを行うことは、誠意を示すことにもつながります。

    退職日から逆算し、引き継ぎ相手の業務状況にも配慮しながら、余裕を持ってスケジュールを組み立てましょう。

    円満退職のためのスムーズな引き継ぎ方法については、以下の記事を参考にしてください。

    ボーナスをもらってすぐに退職する時の注意点

    上記の円満退職につながるポイントのほかにも、ボーナスをもらってすぐ辞める場合の注意点があります。以下の3点に配慮することで無用なトラブルを避けられるので、ぜひ意識しておきましょう。

    ボーナスを優先しすぎない

    多くの人にとって、ボーナスをもらってから辞めるのが理想の形でしょう。ただ、ボーナスありきで物事を考えすぎるのはおすすめできません。特に、心身不調により退職を決断した人の場合、ボーナスにこだわって在職を長引かせることで病状が悪化するリスクも考えられます。

    また、ボーナスをもらうために、転職先への入社を先延ばしするようなことになれば、転職先にネガティブな印象を与えかねません。面接の場においても、「ボーナス支給日まで入社を待ってほしい」などと伝えないように気を付けましょう。

    転職先が決まってから辞める

    ボーナスをもらってすぐ辞めるのは問題ないですが、転職先を決めてから退職することをおすすめします。

    たとえボーナスをもらって退職しても、転職先が決まっていなければ安定収入を確保できないため、生活を維持することが難しくなります。したがって、一般的には転職先を決めてから退職するのが無難です。

    ただし、心身の不調が理由で退職する場合は急いで転職活動せず、しばらく休養するのも選択肢の一つです。また、数カ月分の生活費を蓄えていたり、実家暮らしで生活をサポートしてもらえたりする状況にある場合も、焦る必要はないでしょう。

    転職活動していることを周囲に漏らさない

    ボーナスをもらってすぐ辞める場合は、転職活動を行っていることを周囲に話すべきではないでしょう。前述のとおり、ボーナス支給日に在職していても、直後に退職が決まっていれば減額する企業もあります。加えて、周囲からの心証を損なう恐れも大いに考えられるからです。

    万が一、転職活動がうまくいかず現在の会社に残ることになった場合、上司や同僚との関係が険悪になり、居心地が悪くなるかもしれません。あらゆる可能性を考え、転職活動のことは周囲に漏らさないようにしましょう。

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    まとめ

    ボーナスをもらってすぐに辞めることは、決して悪いことではないので安心してください。ボーナスとは、「社員への労働の対価」「企業側が調整可能な人件費」として企業が労働者へ支給するものであり、後ろめたい気持ちを抱く必要はまったくありません。

    ただし、あくまでも支給条件は企業により異なるため、自社の就業規則をあらかじめ確認しておくことは必要です。

    そして、いままでお世話になった上司、共に切磋琢磨してきた同僚に迷惑の掛からない退職の仕方を模索することも大切です。退職届を提出するタイミングや引き継ぎに十分に配慮して、「立つ鳥跡を濁さず」の精神を大切にしましょう。

    監修者

    伊藤 ゆかこ

    伊藤 ゆかこ

    キャリアコンサルタント
    oriiro career代表

    大学院で心理学研究に従事後、新卒では技術者派遣のコーディネーターとして、スタッフの登録面談や求人紹介などを担当。その後事務職を経て、2018年に人材紹介業に転身し、複数社で第二新卒から50代の役員クラスまで幅広い世代の転職支援並びに企業の採用支援を行う。

    2024年に個人事業主としてoriiro careerを立ち上げ、20代〜50代まで幅広い年代の転職支援・キャリア相談を行うほか、大学での就職支援や仕事に関するノウハウをnoteで発信。また、ライターとしてHR領域のオウンドメディアの記事執筆も行う。

    マイナビ転職 編集部

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