履歴書作成中、「もうすぐ書き終わりそうなのに、1カ所だけ書き間違えてしまった!」「何枚も書いたから、もう書き直す気力がない!」という状況に出くわしたことはありませんか?
「少しだけなら、修正液や修正テープで書き直してもいいかな?」と思う方もいるかもしれませんが、結論から言うとNGです。
ここでは、履歴書の修正がNGな理由や合否への影響、書き間違えた時の適切な対処法について解説します。併せて、履歴書を書き間違えないためのコツや、提出後にミスに気づいた時の対処法もまとめました。この記事を参考に作成して、丁寧で熱意の伝わる1枚に仕上げましょう。
INDEX
履歴書の書き間違えは採用に影響する?
「履歴書に書き間違えがあれば、100%不採用になる」というわけではありませんが、採用担当者によっては良くない印象を持つ可能性があり、合否の判断材料になり得ます。
どのような業界・職種においてもミスは避けたいものであり、なかには数字や文字のミス一つで取引先との関係性が崩れたりする企業もあるかもしれません。
そのため、誤字が一つでもあればすぐに気づかれてしまうのです。
業界や職種によっては、「履歴書の書き間違え一つで不採用になる可能性がある」ということを念頭に置いておきましょう。
履歴書の修正がNGな理由
履歴書は採用担当者が最初に目にする書類ですので、たとえ立派な経歴であっても、修正したことが分かれば印象が悪くなります。履歴書は、企業へ提出する正式な書類ですので修正した箇所があれば、記載内容全体の信ぴょう性も下がってしまうでしょう。誰が修正したのか分からないため、第三者による改ざんや、不都合な内容の隠ぺいを疑われる可能性もあるのです。
厚生労働省が公表する「履歴書の作成の基本」においても、書き間違えた時は、修正液・修正テープ・二重線・訂正印などを用いた修正は避けて、最初から書き直す必要があると記載されています。
また、修正した履歴書を提出することで、入社意欲や仕事の捉え方が疑われ、選考に不利になる可能性もあります。履歴書から応募者の人となりや入社意欲を見極めている採用担当者もいます。手間を惜しまず書き直しましょう。
履歴書を書き間違えた時の対処法
履歴書を書き間違えた場合は、新たに書き直して修正箇所のない履歴書を提出することが原則です。小さなミスでも修正液や修正テープなどで修正することは避けましょう。
履歴書が採否の判断材料になると捉えれば、修正した履歴書は修正していない履歴書と比較して間違いなく見劣りします。
そのため履歴書は、誤字脱字などの可能性を考慮し、予備を含めて多めに用意しておき、少しでもミスがあれば新しく作成し直すようにしましょう。
どうしても履歴書を修正する必要がある時には?
応募企業の専用用紙(原本)の提出の場合は、書き直すことができないため細心の注意が必要です。しかし、時間に余裕がないなかで書き間違えてしまい、どうしても履歴書を修正する必要がある場合は、二重線を間違えた箇所に引いて、訂正印を押してください。
なお、履歴書に印鑑を使う際には、実印・銀行印・シヤチハタ以外の「ビジネス用の認印」を準備する必要があります。
二重線と訂正印どちらかが欠けていると、ビジネスマナーを心得ていないあるいは、手を抜いていると受け取られますので、二重線と訂正印で修正してください。


間違えずに作成するために、時間に余裕を持って記載してください。
履歴書を書き間違えないためのコツ
履歴書を書き間違えないための5つのポイントをお伝えします。これから履歴書を作成する方は、以下のポイントをすべて押さえたうえで作成を始めましょう。
実際に履歴書を書く前に下書きを作成する
実際に履歴書を書く前に下書きを作成しましょう。下書きを作成することで、誤字脱字を防げたり、文字の間隔や行間などの全体のバランスを整えられたりします。
また、自由記述欄の構成や文章量を調整できる点も、下書きを推奨する理由の一つです。下書きを作成する方法は主に2種類あります。具体的なやり方とポイントをまとめたので、「やりやすそう」だと思える方法をお試しください。
下書き方法 | 具体的なやり方とポイント |
---|---|
お手本となる履歴書を作成 | ・無料で履歴書テンプレートをダウンロードする ・パソコン入力で見本を作成する ・見本どおりに清書をする ・記載していない履歴書原本をコピーして下書きを行い、原本に清書する |
履歴書に直接鉛筆で薄く下書きして作成 | ・鉛筆の芯はH・F・HBを使用する ・下書き段階から丁寧な文字で書く ・油性かゲルインクの黒のボールペンで清書をする ・下書きの跡が残らないように消す |
どちらの方法も下書きを作成した後で、全体のバランスや誤字脱字がないかを確認しましょう。なお、パソコンで下書きを作成することで、書き写しが容易になります。「履歴書の書き方マニュアル完全版! 履歴書の見本(サンプル)・作成方法」では、厚生労働省の推奨テンプレートをExcel・Word・PDFの形式を選択してダウンロードできるので、ぜひご活用ください。
期限ギリギリに作成しないように注意する
履歴書の提出には期日が設けられていることが多いため、提出日から逆算して計画的に作成しましょう。期日ギリギリに作成すると、下書きを作成する時間を作れず、誤字脱字やバランスが悪いなど気になる部分があっても、再度書き直す余裕がないかもしれません。
1枚の履歴書を作成するために、文章を考える・下書きをする・清書をする・最終確認をするという手順を踏む必要があるため、できるだけ早く取り掛かりましょう。
使い慣れた筆記用具を使用する
履歴書を手書きで作成する場合は、使い慣れた筆記用具を使用しましょう。丁寧で読みやすい文字を書くには、日ごろから使っている筆記用具を使うのが一番です。
特に、鉛筆で書いた下書きを消す際に、普段使いしていない消しゴムを使用して「黒い跡が残ってしまった」というケースもあります。普段から使用していて使い勝手が分かる筆記用具で、見栄えの良い履歴書に仕上げましょう。
履歴書を書く場所の環境を整える
履歴書を書く場所の環境も整えてください。机の上が整理整頓されていないなかでは、間違える可能性が高くなります。また、テレビやラジオなどをつけながら記載すると、注意力が散漫になります。書く環境を整えることも間違いをなくすポイントです。
指定がなければ、パソコンで作成する
履歴書を手書きで提出するよう指定されていない場合は、パソコンで作成する方法もあります。履歴書のフォーマットをダウンロードしてパソコンで作成すれば、間違いを書き直す必要はなくなります。
履歴書の文字から人物像が読み取れるので、履歴書は手書きで書くべきだと考える採用担当者がいる反面、どちらでも構わない、またパソコンで作成された履歴書を見てPCスキルがある応募者だと捉える採用担当者も増えています。
履歴書の修正に関するよくある質問
履歴書を修正することは原則NGだと説明しました。それでも、バレないように修正すれば? などと疑問を持っている方もいるかもしれません。ここでは、履歴書の修正に関するよくある質問と回答を紹介します。
1文字だけなので、修正液や修正テープで修正してもいいですか?
1文字の間違いや漢字の一部の間違えなど小さなミスなら修正液や修正テープで修正しても構わないと思う方もいるかもしれませんが、時間が許すならば書き直してください。
ほかの応募者が修正していない履歴書を提出しているなかで、1文字でも修正した履歴書を提出すれば間違いなく見劣りしますし、採用に影響する可能性もあります。履歴書の記載内容を見極める前に、修正箇所が気になってしまう採用担当者もいます。採用に不利になる可能性があるならば、少しでも採用に近づくために書き直した履歴書を提出しましょう。
消せるペンで履歴書を書くのはありですか?
消せるペンで記載することはおすすめしません。
消せるペンは摩擦や熱で消えるため、一般的に。「消せる」ということは第三者に容易にデータを改ざんされるオープンな状態と言えるので、履歴書として認めていない企業が多いのです。
公的文書で使用できない消せるペンで提出する姿勢に、応募者の認識を疑う採用担当者もいます。
消せるペンで書いた履歴書は、鉛筆で書いた履歴書と同様だと捉えてください。油性のボールペンと若干違う色から、消せるペンを使用していることは分かってしまいますし、消せるペンで提出する姿勢は、仕事の目的や本質を理解せず、面倒なことはしたくない応募者だと受け取られる可能性があります。
砂消しゴムやカッターで消したら、バレますか?
砂消しゴムやカッターで消せば、バレないと考えている方がいますが、採用担当者は多くの履歴書に目を通しているので、すぐに気づくでしょう。
砂消しゴムやカッターを使うと、明らかに違う紙質になり逆に目立ってしまいます。また紙が薄くなり、破れる可能性もあります。分からないようにと細心の注意を払って消しても分かってしまいますので、おすすめしません。
また、仕事のミスも分からないようにごまかす応募者だというイメージを与えてしまうこともあります。分からないように砂消しゴムやカッターで処理する時間があるならば、面倒でも新たに書き直した履歴書を提出したほうが、間違いなく採用担当者に与える印象は良くなります。
応募先に履歴書を送った後に間違いに気づきました。どのような対処をすべきですか?
履歴書をポストに投函した後、あるいはメールで送信した後に、間違いに気づいた場合、速やかに担当者へ連絡をしましょう。
具体的には、メールか電話で誤字を訂正したり、書き直した履歴書を郵送または面接時に持参したりして、謝罪の気持ちを伝えましょう。
まとめ
履歴書の書き間違えた部分を、修正液・修正ペン・修正テープで隠すのはマナー違反です。履歴書は、採否の判断材料の一つになるので、ミスがない状態で提出しましょう。
少しでもミスがあれば、一から書き直す必要があるため、始めに下書きを作ったり、予備の用紙をいくつか用意したり、時間に余裕を持って作成することが大切です。
また、ミスのある履歴書を誤って送ってしまった場合は、採用担当者宛てに電話またはメールにて連絡を入れて、再提出をしましょう。自ら申し出ることで採用担当者に敬意が伝わり、プラスの印象を与えられる可能性もあります。
その他、履歴書を書く際に役立つツールや情報
履歴書の書き方見本(項目・欄別)
履歴書の項目・欄ごとの詳しい書き方は、こちらをチェック。
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- 免許・資格欄の書き方業務に関連する免許・資格を正式名称で記入しましょう
- 志望動機欄の書き方自己PRを交えて、応募企業で貢献できることを具体的に記入しましょう
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- コピーはNG?使い回しがダメな理由と作成時の注意点
入学・卒業年度自動計算表(年号早見表)
履歴書を書く時に意外と分からなくなる入学・卒業年度。自動計算表を使えば、誕生日を入力するだけで、学歴の入学・卒業年度がすぐに分かります。浪人や休学などの調整も可能です。
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厚生労働省の推奨テンプレート
職歴、スキル資格、自己PRなど、強調できるポイントが異なるテンプレートもあります。自分に合った履歴書のテンプレートを選ぶことで完成度を上げ、採用担当者にも好印象を与えましょう!
履歴書を書き始める前に、こちらもチェック!
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監修:
谷所健一郎(やどころけんいちろう)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例(マイナビ出版)」、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例(マイナビ出版)」、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。

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