面接の志望動機はどれぐらいの長さで話すと好印象？　例文付きで解説

掲載日：2023/10/20

採用面接で志望動機を聞かれた時は、より詳しく、長く時間をかけて伝えたいと考えている人も多いかもしれません。

しかし、実際には面接の時間は限られており、そのなかで簡潔に、分かりやすく伝える必要があります。では、実際に、どれくらいの長さで話すと好印象につながるのでしょうか。

本記事では、面接において志望動機を伝える際の適切な時間や、時間内にまとめるコツを、例文を交えて解説します。

面接で志望動機を話す長さは？

志望動機とは、なぜその企業に入社したいのか、どのような熱意を持って応募したのかを伝えるものです。

志望動機を伝える時間の長さは、個人面接か集団面接かによっても異なり、場合によっては、面接官が「〇分以内で志望動機を語ってください」と指定することもあります。臨機応変な対応ができるよう、いくつかのパターンを考えておきましょう。

面接で志望動機を伝える長さは「1～3分程度」が目安

志望動機は1～3分で話すと良いといわれています。ポイントを絞ってまとめると良いでしょう。

短すぎると、熱意に乏しい印象を与え、長すぎると、要点が分かりにくく、簡潔に説明するスキルが不足しているのではないかと思われるかもしれません。

なお、人が1分間に話すことができる文字数は、250～300字程度といわれています。1分間の文字数を意識すると、早口になることを防ぎ、聞き取りやすいスピードで話せます。

想定する時間に合わせて、文字数250～900字以内で志望動機をまとめてみましょう。

集団面接の場合は短く

1～3分を目安とお伝えしましたが、集団面接の場合、3分だと長すぎる可能性があります。

複数の応募者が話す分、一人ひとりに与えられた時間は限られます。できるだけ、1分以内にまとめたほうが良いでしょう。

あまり長い時間話すと、ほかの人が話す時間が短くなってしまい、協調性に欠けると思われる可能性があります。

集団面接の場合は、志望動機を250～300字以内に収めたほうが無難です。

志望動機が短すぎ、長すぎることのデメリット

志望動機はさほど言うことがない、ぜひとも詳しく伝えたいなど、思いは人それぞれでしょう。

では、志望動機を話す時間が、短すぎたり長すぎたりすると、どのような印象を与えてしまうのでしょうか。短すぎる場合と長すぎる場合に、どのようなことが懸念されるのか、解説します。

志望動機が短すぎる場合

志望動機について、数秒で終わってしまうような回答だと、面接官から入社意欲がないと判断される可能性があります。

面接官は、志望動機から応募者の本気度を見ています。短すぎる志望動機では、応募者が自社を本当に希望して応募してきたのか、やる気があるのかが判断できません。

「御社の企業理念に共感しました」だけではなく、どのような点に、どのような視点で共感したのか、ポイントを押さえたストーリーを作って伝えることが大切です。

志望動機が長すぎる場合

一方で、熱意を伝えるべく、長々と志望動機を伝えるのも、マイナス印象を与える可能性があります。話が長くなればなるほど、話の要点が分かりにくくなり、全体像が見えにくくなってしまうからです。

アピールしたいことを詰め込んだとしても、結局「何が言いたいのか分からない」と評価されてしまえば、残念な結果になってしまいます。

また、一方的に話すばかりで、コミュニケーション能力が高くないのではないか、と不安に思われる可能性もあります。面接官が志望動機を通じて何を知りたいのかを考え、ポイントを絞ってまとめましょう。

面接で話す志望動機の作り方

面接官が志望動機を聞くのは、応募者の意欲や熱意を知るためです。また、企業研究に対する姿勢もチェックされています。

応募先の企業にどのような魅力を感じたのか、なぜそこで働きたいと思うのか、面接官を引きつけるようなストーリーを考えてみましょう。その際、以下3つの要素を組み合わせると、説得力のあるストーリーを作ることができます。

1. どのように働き、どのようなキャリアを作りたいか

今後の人生で、どのように働き、どのようなキャリアを作っていきたいか、志望動機のなかで目標を明確にすると良いでしょう。

その際、短いスパンで考えるのではなく、中長期の視点を持って検討することが大切です。そのためには、しっかりと自己分析を行う必要があります。

2. なぜ、その企業に魅力を感じるのか

将来像を明確にし、その企業で働くイメージを持つためにも、企業研究が欠かせません。企業の情報を集め、魅力を感じるポイントを志望動機のなかで語ってみましょう。

例えば、働き方や職場環境、社会への貢献度など、具体的な魅力をまとめることが大切です。その際、自分が過去にした体験を具体的なエピソードも交えて話すことができると、より説得力が増します。奇をてらう回答は必要ありませんが、求人情報や企業のホームページを調べて、共感できる部分を魅力として伝えるといいでしょう。

どれだけ「熱意があります」と言葉で伝えても、背景が分からなければ、面接官も評価できないものです。どんな経験をし、何を感じて、この企業を希望したのかを真剣に伝えることで、本心からの熱意があるという印象につながります。

3. 入社したらどのような点で貢献できるのか

入社したいという気持ちだけでなく、入社後の活躍イメージを具体的に伝えてみましょう。

どのような点で貢献できるのか、採用後のメリットを伝えるのがポイントです。

これまでの経験やキャリア、自分の強みについて分析し、入社後チャレンジしたいことについても志望動機のなかで触れてみましょう。その際、できるだけ具体的な例を挙げ、活躍できる根拠を提示することが大切です。

ただし、成果を出す見込みがないようなことを、将来像としてアピールするのは考えものです。自己分析の結果を謙虚に捉え、大げさにならないように注意しましょう。

面接での志望動機を1～3分にまとめるコツ

志望動機に必要な要素は分かっても、適切な長さに収めるのは、案外難しいものです。面接本番で焦ってしまわないように、事前に文章にまとめておきましょう。

ここからは、志望動機を1～3分にまとめるコツを説明します。

まず結論から話す

話が回りくどくなるのを防ぐため、まず結論から話しましょう。最初に結論を示すことで、後に続く背景やエピソードも伝わりやすくなります。

志望動機の結論を端的にまとめると、「私は〇〇の理由で御社を希望しています」といった文章になります。

志望動機を1分にまとめる場合、最初の一文は、10～15秒を目安にすると良いでしょう。

伝えたいことの優先順位を決める

あれも、これもと盛り込みすぎてしまうと、あっという間に時間が過ぎてしまいます。伝えたいことの優先順位を紙に書きだし、どうしても入れたい要素と省いても良い要素を考えてみましょう。

優先順位を付けながら、志望動機を考えておけば、話せる時間が予想より短かったり長かったりしても、柔軟に対応しやすくなります。

長さごとに内容を調整する

志望動機として伝えたいことの優先順位が決まったら、面接で話す時間の長さを考えて、内容を調整します。

当日、急に時間を指定されたとしても、30秒、1分、2分、3分など、時間別に話す内容を考えておくと安心です。

一番短いパターンでは、結論、志望のきっかけになったエピソード、転職後のキャリアプランを入れて簡潔に構成すると良いでしょう。

「入社したい」とはっきり伝える

先にもお伝えしたように、面接官は志望動機を聞きながら、応募者にどれほどの熱意があるのかを推し量っています。

「御社に入社したいです」とはっきり言葉にするほうが、熱意も伝わります。あいまいな言葉で濁したり、うまく表現したいと考えすぎて日常で使わないような言葉を選んだりするよりも、入社を希望していることをはっきり伝えるほうが好印象を与えるでしょう。

【長さ別】志望動機の例文

面接で話す志望動機の例文を、1分、2分、3分の長さ別に紹介します。自動車部品を扱う商社に、営業職で転職を希望している人の志望動機を想定しています。文字数、内容など、参考に自身に合った志望動機を考えてみましょう。

【例文】1分の場合

【例文】2分の場合

【例文】3分の場合

キャリアアドバイザーからのアドバイス

面接官は、志望動機から、入社意欲と自社で実現したいことを見極めています。

志望動機の長さを考えることも大切ですが、何を伝えるのかを整理することがより大切です。応募企業で実現したいこと、応募企業の魅力、応募企業で発揮したい能力までをまとめてみてください。

通常は1分から2分程度に回答を収めましょう。かなえたいと考えたエピソードなどを丁寧に説明する場合でも、3分程度で回答してください。

面接の志望動機をまとめる際の注意点

面接で志望動機を話す際、言わないほうが良いこともあります。以下のような話題はマイナス印象を与える可能性があるため、注意しましょう。

前の職場環境に対する不満を話さない

限られた時間のなかで話す志望動機として、前の職場環境に対する不満や否定的なことを伝えるのはおすすめできません。なかでも「つらい」「きつい」「やりがいがなかった」など、ネガティブな言葉は使わないようにしましょう。

面接官は「その不満は、転職しても解消しない可能性があるのでは？」と思ってしまうかもしれません。仕事への向き合い方に対する評価にもつながり、採用しても不満が多いだろうと思われて、良い結果につながらない可能性があります。

給与水準の話ばかりしない

「給料が低かったから転職を考えました」という話は、好意的に受け入れられる場合と、そうでない場合があります。

成功報酬型の給与体制を採用する企業であれば、収入アップのために、仕事へのモチベーションも高いと評価されるかもしれません。一方で、金銭面の話ばかりしてしまうと、面接官が「業務内容自体には、興味がないのではないか」と思われる可能性があります。

お金の話だけではなく、自分がその企業にどのような点で貢献できるかという視点を忘れずに、志望動機をまとめることが大切です。

御社の製品のファンだけでは不十分

志望動機が、その企業の製品やサービスに詳しいというだけでは不十分です。

好きでよく使っていたとしても、あくまで消費者目線にすぎず、実際に働くことになれば、企業側の視点に立つ必要があります。

消費者目線が大切な場合もありますが、企業人として振る舞えるのかが問われることになるでしょう。

製品やサービスが抱える課題や改善点などを検討し、自分が課題解決のために取り組みたいことを具体的に入れるようにしましょう。

まとめ

志望動機は、面接で必ず聞かれる質問です。

自己紹介の後、最初に質問されることが多いため、その後の面接全体の印象を左右することも少なくありません。

限られた時間内で、志望動機をまとめるのは難しい点もありますが、企業研究を進め、企業の魅力や自身の目標など、優先順位を付けて考えてみましょう。あとは、時間の長さ別に、原稿を準備しておくと安心です。

ただし、丸暗記した志望動機を棒読みしているようでは、熱意が伝わりにくくなります。この企業で働き、成長しながら貢献したい気持ちや熱意を、思いを込めて素直に伝えることが肝心です。

監修者

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