採用・育成、人事考課や労務管理制度の整備・構築・管理など、それぞれに必要な能力は若干変わってくるが、対人能力(コミュニケーション力・傾聴力・調整力)、思考力(論理構成力・プレゼンテーション力が求められる。
さらに、採用部門であれば、会社が必要とする人材の資質や能力をどのように測って採用するのかという人材採用の専門性、人事考課部門であれば、評価制度や賃金制度の知識が必要とされる。どこに重きを置いて仕事をしていきたいかによって、アピールの仕方が変わってくる。
また、年齢が高くなればなるほど専門性を求められるので、自分がどこに強いのか、何を今まで実績として残すことができたのかを必ず記載して、持っている能力をアピールすること。
未経験の場合は、前述の対人能力や思考力をどこでどのように培ったのかをPRしよう。その上で、給与管理・労務管理・人材採用・育成などのどの部門に進んでいきたいかを述べる。専門分野については、独学でもかまわないので、興味を持って自ら勉強していることを述べて、これからの成長を期待させること。
事務系 人事・労務
事務系のポイント
まずは企業が求める人物像をつかむ
仕事内容が幅広いだけに、業務内容は企業によってまちまちだ。まず募集要項をよく読んで、応募企業が求める人物像をつかみ、そこにマッチする経験や能力を自分の業務経験から探すこと。事務処理能力はもちろんのこと、無理や無駄を省く課題認識力とその解決力、他部署との折衝力や気配りを窺わせる、具体的なエピソードを盛り込もう。未経験なら、意欲が評価される部分も大きいので、志望動機をじっくり練ろう。
資格や自己啓発で前向きアピール!
簿記の資格や会計ソフトの知識が重視される経理以外の職種でも、取得資格や自己啓発などはしっかりアピールしよう。現在勉強中であるとか資格試験を受験しているというような記載でも、積極的に動いていることが伝わり好感度アップにつながる。
見出しをつけてメリハリを
見出しをつけて、職種ごとに業務内容や実績を述べ、採用側に、どこでどんな業務を行っていたのかを一目瞭然でわかるようにする。また、それによって、採用側に業務で即戦力となることを印象づける。5W1Hを意識して記述すると、読みやすいものになる。
具体的な数値を記入
人数・期間・金額など、具体的な数字をあげておくと、仕事環境やスケールがわかって採用側が評価しやすい。
異動の理由を入れることで積極性を伝える
人事への異動は自らの積極的な活動を認められてのこと、という内容をさりげなく入れることで、人事業務に対する積極性をアピールできる。
専門性を発揮した実績はとくにPR
どんな実績を残し、その実績を作るにはどんな能力が必要だったのかが訴えられるように。もちろん面接でもこの点は強調してアピールを。
数字で表せなくても魅力的に実績をPR
数字で表せないことでも、書き方によっては、たいへん魅力的な実績となる。常に課題意識を持って課題解決していけるということを具体的に述べることで、この職種に必要な能力を持っていると伝えられる。
取得資格をPR
応募職種に役立つ資格は必ず記載しよう。取得できていなくても、現在継続して勉強している資格も記載することで意欲をPRできる。
勤務先会社名 | 株式会社○○建設 |
---|---|
経験期間 | 20××年××月~20××年××月 |
勤務先業種 | 建設・土木 |
勤務先資本金 | 1億円以上 |
勤務先従業員数 | 1000名以上 |
経験職種 | 建築施工管理・工事監理者 |
雇用形態 | 正社員 |
年収実績 | 400万~449万円 |
業務上のポジション | マネジメント経験なし |
職務内容 | 20××年××月××日 株式会社○○建設 入社 新宿支店 △△建築作業所 20××年××月××日~20××年××月××日 ![]() <業務内容> 現場の施工管理および法知識の研修後、施工現場で施工管理業務 (社員5名 パートタイマー2名) ◆主な担当業務 ・建設現場に出入りする技能者の作業管理 ・関連業者との調整から最適な施工方法の提示 ・コスト管理 ・安全管理 ◆達成事項 上司に業務フローの改善を提案し、資材の受発注や取引先への支払い、その他経理伝票処理を入力すると、その後の処理を自動的に行うシステムを作るプロジェクトに参加。このシステムの導入で、社員やパートタイマーの時間外残業が著しく減り、所長特別賞を受賞。(時間外勤務時間 前年比-22%) ![]() その後、システム利用マニュアルも作成し、業務の効率化を進め、対顧客対応などヒューマンスキルを必要とされる業務に、より時間を費やせるようにした。 |
勤務先会社名 | 株式会社○○建設 |
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経験期間 | 20××年××月~ (現在も就業中) |
勤務先業種 | 建設・土木 |
勤務先資本金 | 1億円以上 |
勤務先従業員数 | 1000名以上 |
経験職種 | 人事・労務 |
雇用形態 | 正社員 |
年収実績 | 450万~499万円 |
業務上のポジション | マネジメント経験なし |
職務内容 | 東京 本社人事部 20××年××月××日~現在 <業務内容> 人事制度の全面改訂(評価制度構築と賃金改定、全社説明と実施) (社員5名 派遣スタッフ1名) ◆異動の経緯 作業所のシステム開発の際に、社員の時間外労働や賃金のことを学び、その結果、評価制度・賃金制度に対する関心が高まり、独学で賃金制度や評価制度について学ぶ。 学習成果を生かし、自社の評価制度や賃金制度についても検討する。その結果を、本社の人事に報告したところ、20××年に人事制度の見直しのプロジェクトに抜擢され人事部に異動。 ![]() ◆達成事項 ![]() 会社設立当時からの考え方であった年功序列型賃金制度を、職能・業績・目標達成度による評価制度に変更するプロジェクトに参加。賃金の算定をメインで担当。人事コンサルタントのアドバイスや他社事例の検証などを行い新たな評価制度を構築。 その後、導入のための組合交渉および各支店への導入説明と実施を行い、20××年××月に新人事制度導入。 この新人事制度は、建設業界では初めての試みである職能給の導入であることと、業績・能力評価の精度が高いため、他社から毎月のように取材を受ける。20××年××月の業界紙○○○○に、「業界初人事制度~○○建設~」という内容で掲載される。 ![]() ◆取得資格 ![]() ・日商簿記2級 会計ソフトのシステム構築の際に、計数管理の知識が不足していたために取得 ・社会保険労務士 人事や労務の基礎となる法的な知識をつけるため、通信教育で夜間に勉強し取得 |