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圧迫面接とは?質問例や乗り切るための対処法、企業が行う理由

更新日:2024年12月26日

圧迫面接とは? 質問例や乗り切るための対処法、企業が行う理由
谷所 健一郎

監修者谷所 健一郎

キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)/有限会社キャリアドメイン 代表取締役

記事まとめ(要約)

  • 圧迫面接とは、威圧的な言動で応募者の本質を探る面接
  • 企業側の意図を把握すれば、慌てずに受け答えできる
  • 平常心を保ち、落ち着いて明るい対応を心掛ける
  • あまりにも圧迫がひどい場合は、途中で退席しても良い

圧迫面接とは、面接官が威圧的な言動を取ることで、応募者の本質を探る面接のことです。圧迫面接を行う理由や質問例、応募者が避けるべき対応、乗り切るための対処法について解説します。

圧迫面接について理解をして、慌てず実力を発揮できるようにしましょう。

目次

    圧迫面接とは?

    圧迫面接とは、企業の採用面接で面接官が応募者に対して、わざと威圧的な質問を投げ掛けて反応を探る面接手法です。

    応募者の本音を引き出したり、ストレス耐性があるか見極めるために行うことがあります。

    しかし、「法令遵守」を意味する「コンプライアンス」の意識向上に取り組む企業が増えた影響から、圧迫面接が行われるケースは減少しつつあります。とはいえ圧迫面接かどうかの判断は応募者が行うもの。企業は圧迫面接をしているつもりがなくても、圧迫面接になっている場合もあります。

    企業が圧迫面接を行う理由とは?

    企業が圧迫面接を行う理由や意図を把握しておけば、慌てずに受け答えができるかもしれません。

    ここでは、企業が圧迫面接を実施する理由を下記の4つに分けて紹介します。

    • 応募者の本音を引き出したい
    • 柔軟性・臨機応変な対応ができるか確認したい
    • ストレス耐性の有無を確認したい
    • 問題解決力の有無を確認したい

    応募者の本音を引き出したい

    企業は、応募者が本当に自社で働きたいと思っているのか、仕事に対する意欲は高いのかなど本音を引き出すために圧迫面接を行うことがあります。

    多くの応募者は、企業の面接を受ける前に面接対策を行い、事前に回答を用意して挑みます。企業側からすると、自分を良く見せるための建前なのか、本心なのか判断できないことがあります。

    そのため、本当はどのような考えを持っているのかを探るために、応募者が予想もしないような質問を投げ掛けるのです。圧力をかけることで感情が揺さぶられ、本音を引き出せるのではないかと考えている面接官もいます。

    柔軟性・臨機応変な対応ができるか確認したい

    圧迫面接では、面接官がわざと応募者を困らせるような質問や態度を取ったりします。そのような状況でも柔軟に対応できるのかを探っている傾向にあります。

    「突発的に入ってきた業務に柔軟に対応できるのか」「想定とは違う状況でもうまく切り返せるか」などを見極めているのです。

    ストレス耐性の有無を確認したい

    業務量が多かったり、顧客からクレームを受ける頻度が高かったりする業務は、ストレス耐性のある人材が求められます。

    圧迫面接を通して、入社後にストレスが多い業務に取り組めるのかを判断するケースもあるのです。

    回答や意見を否定されたり、良い反応が得られない場合、どのような受け答えをするのかや、表情や態度をチェックしています。

    威圧的な言動を受けたとしても、相手の意見を受け止めて、不快感を与えることなく、自分の考えを相手に主張できるとストレス耐性が高いと見られます。

    問題解決力の有無を確認したい

    圧迫面接を実施することで、応募者の問題解決力の有無を判断する企業もあります。

    なぜこのような質問をするのかを冷静に判断し、スムーズな対応ができれば、仕事においてもトラブル発生時に自力で解決へと導くことができると判断してもらえます。

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    【圧迫面接の例】面接官はどんな圧迫をかけてくる?

    面接官は具体的にどんな「圧迫」をかけてくるのでしょうか。

    代表的な例として、面接官が以下のような態度の際は、圧迫面接である可能性が高いと考えられます。

    応募者の経歴や発言に対し、否定的な発言ばかりを投げ掛ける

    応募者の回答に対して、否定的な言葉を投げ掛けてくる場合は、圧迫面接だと割り切ったほうが良い可能性があります。

    例えば、「その考えは当社で通用しないと思います」「そのような考えは共感できません」「ほかの長所はないのでしょうか」などの強めの口調で返ってくることが特徴です。

    面接官は、意図して応募者の切り返しを見ているので、表情を変えずに落ち着いて対応しましょう。否定的な発言を受けた際には、一度受け入れて言葉を返すことが大切です。

    「なぜ?」「ほかにないの?」と、質問をしつこく畳み掛ける

    応募者の発言に対して、「なぜ?」「ほかにはないの?」などと繰り返し質問してくる場合、圧迫面接である可能性があります。

    具体的には、「それはなぜですか?」「具体的な事例はありますか?」「その発言に根拠はありますか?」など、あえて気に障る言い方をするケースもあるようです。

    しかし、応募者の回答が曖昧であったり、伝わりにくかったりする場合は、質問を繰り返されることもあります。また、単に「応募者のことをもっと知りたい」「アピールの詳細を深く知りたい」といった意図で深掘りすることもあります。

    応募者の発言に対して、終始「ふーん」といった気のないリアクションをする

    圧迫面接では、応募者の発言に対して、「ふーん」といった気のないリアクションをする面接官もいます。

    また、自分が発言した後に首をかしげられたり、難しい顔をしたりされると、萎縮してしまい本領を発揮できなくなるかもしれません。

    意図して話しづらい雰囲気づくりをして、応募者の対応能力を見極めている可能性があります。

    あくび、頬づえなど、いかにも興味がなさそうな態度を取る

    面接中に面接官があくびをしたり頬づえをついたりと、無関心な様子が見られたら圧迫面接である可能性が高いです。

    肘をついて話を聞くなど明らかに態度が悪い場合は、感情的にならずに冷静に対応しましょう。

    面接中にもかかわらず、携帯電話やパソコンをいじる

    面接中にもかかわらず、携帯電話やパソコンに目を向けており、素っ気ない態度を取られた場合、圧迫面接の可能性があります。

    応募者は、面接官が自分に対して「関心がない」「無視されている」ように感じ、イライラしてしまうかもしれません。

    そこで、ストレスを受けた時にどのように対応するのかを探られているケースもあります。相手が目も向けてくれない状況下においても、マイナス感情を持たずに丁寧に対応することが大切です。

    圧迫面接で避けるべき対応

    圧迫面接で大切なのは「平常心を保ち、落ち着いて明るい対応を心掛けること」。これさえ踏まえておけば、圧迫面接を恐れる必要はないのです。

    では圧迫面接に直面したら、具体的にどう対処すればいいのか。その前に、まずは「避けるべき対応」から解説します。

    イライラした態度や表情を見せてしまう

    圧迫面接で面接官の挑発に乗ってこうした態度を取ってしまうと、「感情のコントロールができない」「ストレスに弱い」といった判断をされてしまいかねません。
    言い換えれば、こうした態度を見せない対応が、圧迫面接を乗り切るポイントです。

    回答に窮し、沈黙してしまう

    威圧的な質問を投げ掛けられた時に、黙り込んでしまうとコミュニケーションが途切れてしまいます。

    面接官は、入社後にトラブルや問題が起きた時にどのように対応するのかを確認している可能性があるので、黙り込むのは避けたほうが良いでしょう。

    とはいえ、強い口調で問い掛けられると、気持ちが沈んでしまい、事前に準備していた回答が出てこなくなる人もいます。そのような時には、沈黙するのではなく、「考えを整理したいので少々お時間をください」などと伝えましょう。

    面接官の発言に食いつき、反論してしまう

    圧迫面接で強く否定される、あるいは非常識な言動を受けると、感情的になってしまい面接官に反論する人もいます。

    面接官の発言に食いついてしまいたくなるのは分かりますが、「感情がコントロールできない人」だと認識されるので、気持ちを抑えましょう。

    相手のペースに乱されることなく、練習した成果を最大限に発揮することを意識してみると良いかもしれません。

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    圧迫面接の対処法

    圧迫面接を受けると、心が動揺してしまいますが、平常心を保つようにしましょう。事前に圧迫面接を受けた際の対処法を押さえておけば、乗り切ることができるかもしれません。

    表情や態度に“負”を見せない

    回答に困る質問をされると、つい表情がこわばったり、眉間にしわが寄ってしまったり、負の表情や態度が出てしまいかねません。

    しかし、そうした表情や態度の変化こそ、面接官は注意深く見ています。圧迫をかけられても「見られている」ことを忘れず、一つひとつの表情や態度にも「明るく」「前向き」を意識するようにしましょう。

    面接官は「威圧的なキャラクターを演じている」と考える

    面接官全員が、圧迫面接をしたくてしている訳ではありません。仕事上、「無理をして意地悪な質問や態度をしている」、つまり役割として演じているのです。「私の対応力を見極めるために演技しているだけで、普段はいい人なのかもしれない……」そう捉えて気持ちを楽にし、圧迫面接に遭っても冷静な受け答えができるように落ち着いてください。

    面接官の指摘を否定せず、いったん受け止める

    面接官があなたを否定する発言をしても、「そんなことはありません」と突っぱねてしまうのはご法度です。

    例えば「転職回数が多いね。辛抱が足りないんじゃない?」と嫌みを言われた際、「ご指摘のとおりです。ただ、決して逃げ出したのではなく、前向きなキャリアステップとして転職を重ねてきました」と、面接官の指摘をまずは受け止めたうえで、自分なりの考え方を伝えるように心掛けましょう。

    「なぜ?」の繰り返しに対応できるように準備

    「なぜうちの会社を選んだの?」「なぜ転職回数が多いの?」「なぜその経験が生かせると思うの?」

    そんな「なぜ?」の攻勢にも対応できるように、志望動機や自己PR、職務経歴などについて深掘りされそうなポイントを洗い出し、想定回答を準備しておくことも、本番で焦らず冷静に対応するためには必要です。

    圧迫面接対策のために、家族や友人に繰り返し「なぜ?」と質問してもらい練習することも効果的です。

    ブラック企業の圧迫面接の対処法とは?

    ブラック企業の圧迫面接の対処法とは?

    圧迫面接=(イコール)ブラック企業ではありません。しかし一部の企業では過度な業務量をこなし、クレームやプレッシャーにも耐えられる人材を採用するために、圧迫の度合いが高まる可能性があります。また、面接官のモラルを欠いた質問や態度が目立つようであれば、企業体質が良くないことが考えられます。

    ブラック企業でありがちな圧迫面接の例

    ブラック企業においては、下記のような圧迫面接を実施するケースもあります。その場は冷静に受け答えして、その後の選考を辞退してもいいでしょう。

    質問以外にもこんな態度を取られたら注意してください。

    • 大声を出したり、怒鳴ったりする
    • 机をたたいたり、書類など物を投げたりする
    • 足を組んだり腕を組んだり、横柄な態度を取る

    ブラック企業でありがちな圧迫面接の質問例

    圧迫面接で下記のような質問を投げ掛けられた場合、不適切な面接である可能性があります。場合によっては、不法行為(民法709条)に当たり、違法となるケースもあるので注意が必要です。

    うちは厳しいから、君に務まらないだろうね

    ブラック企業の場合、「君には務まらない」「通用しない」といった発言を投げ掛けられる可能性があります。

    入社後に面接官は一緒に働く上司になる可能性もあるので、仕事でも同じように威圧的な態度を取られるかもしれません。たとえ選考を通過したとしても、そのような会社で働くべきなのか、検討が必要です。

    ほかにも

    • 君の考えは甘いんだよね
    • 君はうちに向いてないよ
    • 話が下手だよね

    など、応募者自身を否定するような発言を繰り返す場合も同様です。

    どうせすぐに辞めるんでしょ?

    短期離職を経験している応募者に対して、「どうせすぐに辞めるんでしょ?」と問い掛ける面接官もいます。

    過去を否定されたとしても、その場では丁寧に回答するようにしましょう。短期退職の理由と、現在は長く働けるという根拠を述べることで面接官も納得する可能性があります。

    ありふれた答えだね。もっとほかにないの?

    圧迫面接では、「どういう意味?」「その根拠は?」などと質問を重ねてくるケースがあります。「もっとほかにないの?」と質問された場合は、落ち着いて別の回答を考えるようにしましょう。

    しかし、別の回答を述べたにもかかわらず、更に「ほかの回答は?」と聞いてくる場合は、「大変恐縮ですが、これ以上思いつきません」などと答えてその場を乗り切りましょう。

    体は強いの?

    心身に関する内容は就職差別につながり、本来面接で聞いてはいけないとされています。圧迫面接では、それらの事柄に踏み込んでくることも考えられますが、その場はいったん冷静さを失わずに対応することを心掛けてください。

    プライバシーや個人情報に関わり、答えたくない質問には「申し訳ございませんが、お答えできません」と丁重に回答を断るなど、最後まで落ち着いて乗り切りましょう。

    三流大学出身だね、何か学んだの?

    人格や性格、学歴に関して否定的な言葉を掛けると、不法行為(民法709条)に当たる可能性があります。精神的な暴力と同じですので、状況に応じて退席を検討しても良いでしょう。

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    圧迫面接のよくある質問

    圧迫面接に関する疑問や不安を感じている人も多いのではないでしょうか。ここでは、よくある質問に対して回答するので不安をやわらげられるかもしれません。

    圧迫面接をされやすい人はいますか?

    圧迫面接は、基本的に業界・業種など必要に応じて行われるものですので、個人の特徴で判断されることはないでしょう。

    例えば、業務量が多かったり、ストレス耐性がなければ業務の遂行が厳しいような業界・業種で取り入れられる手法でもあります。

    しかし、自信がないように感じたり、面接対策をしていないことが見透かされたりした場合に、意図せず強い口調で問われることがあるかもしれません。企業の面接官は貴重な時間を割いて面接の機会を設けているので、失礼のないように対応しましょう。

    あまりにも圧迫がひど過ぎる場合は、退席してもいいでしょうか?

    あまりにも圧迫がひどい場合は、途中で退席しても構いませんし、その後の選考を辞退することもできます。耐え難い時には、自分の身を守るために状況に応じて判断しましょう。

    圧迫面接がひどかった場合の相談窓口はありますか?

    圧迫面接があまりにもひどかった場合は、公的な機関に窓口が設けられているので相談をしましょう。

    専門知識を持った相談員に話を聞いてもらい、法律に違反の疑いがある場合は、企業に対して助言・指導を行う可能性もあります。

    また今後、圧迫面接を受けた時にどのように対応すればいいのか、対策を講じることもできるので誰かに相談をしたい方は利用してみましょう。

    出典:厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内

    回答しにくい質問をされた場合、どのように対処すれば良いでしょうか?

    下記のような質問は、人によっては圧迫面接と感じる可能性があるでしょう。

    • 今付き合っている人はいるの?
    • 結婚して辞められると困るんだけど
    • お父さんの職業と年収は?
    • 一発ギャグで笑わせてよ

    しかし、これらは圧迫面接の質問と言うよりも「不適切な発言」に当たります。回答に困った時には、「申し訳ございませんが、お答えできません」と丁重に回答を断るなど、最後まで落ち着いて乗り切りましょう。

    まとめ

    圧迫面接は、企業のコンプライアンス意識の高まりに伴い、減少傾向にあります。しかし、ストレス耐久性や対応力、問題解決力があるかを判断するために実施するケースもあるようです。また、採用したいと考えていて、確認のために厳しい指摘をすることもあります。いずれにしても、圧迫面接だと感じるような不快感を与える面接であれば、入社すべき企業か慎重に考えてみましょう。

    圧迫面接の存在と意図を把握しておけば、感情を揺さぶられることなく冷静に対処できる可能性があります。具体的には、表情や態度に“負”を見せないようにしたり、面接官の言動を一度受け止めたり、「なぜ?」という質問に回答できるように準備をしておくことが大切です。

    圧迫面接でブラック企業と感じたら、選考を辞退することもできますし、内定を得ても入社すべきか検討しましょう。

    監修者

    谷所 健一郎

    谷所 健一郎(ヤドケン)

    キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
    有限会社キャリアドメイン 代表取締役

    有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例」(マイナビ出版)、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。

    マイナビ転職 編集部

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