秘書の志望動機の書き方|アピールポイントと経験者・未経験者の例文
更新日:2026年04月22日
監修者石川 希
国家資格キャリアコンサルタント、イメージコンサルタント
記事概要
- 秘書の志望動機は、調整力や守秘義務など秘書特有のスキルや倫理観を踏まえて構築する
- 企業分析で企業理念や事業内容、経営陣の考えを把握し、志望動機に反映させる
- 志望動機と入社後の貢献を一貫して具体的に示すことが重要
- 秘書の志望動機では、応募先企業の成長段階や求める役割を踏まえ、内容を最適化する
秘書への転職を目指すなら、企業が求める人物像を踏まえた志望動機を作成することが重要です。そのためには、秘書の仕事内容や企業の特徴を理解し、自分の経験や強みと結び付けて伝える必要があります。
この記事では、秘書の志望動機を書く際のポイントや企業研究の方法、経験者・未経験者それぞれの例文を紹介します。
志望動機を書く際に意識すべき秘書のスキルとは?
志望動機を書き出す前に、そもそも秘書に求められるスキルとは何であるのか確認しておきましょう。
サポート力と調整スキル
秘書の仕事は社長や役員といった会社の重役をサポートすることです。華やかなイメージもありますが、上司が本来の業務に集中できるよう雑務やあらゆる調整を行う「縁の下の力持ち」的な役割です。
コミュニケーション能力と適応力
上司のスケジュールや性格、仕事のスタイルを把握し、言われる前に準備を整える「一歩先を行く行動」に加え、高いコミュニケーション能力と、冷静かつ柔軟に対応する適応力が求められます。
情報管理を徹底する「守秘義務」への意識と倫理観
また、経営の根幹に関わる機密情報や、上役のプライベートな情報に触れる立場です。守秘義務に対する徹底した意識と高い倫理観が不可欠となります。
事務スキルと計画性
秘書の具体的な仕事内容は、電話・メール対応、来客対応、備品管理、スケジュール調整、各種チケット類の手配、文書作成、ファイリングなど、多岐にわたります。
上司の仕事内容や行動パターンを把握し、優先順位をつけて効率的に業務をこなす計画性や、処理能力の高さも求められることでしょう。
このように、秘書に求められるのは一般的な事務スキルにとどまりません。志望動機を書く際には、秘書職の特性を理解し、自身の経験や強みをどのように生かせるかを踏まえて記述することがポイントとなります。
秘書の志望動機では企業研究が大切
秘書の志望動機を書く際に大切なのは、志望する企業をよく研究し、その企業ならではの内容に仕上げることです。
秘書の仕事は、企業の上役の仕事をサポートするものですが、事業運営を理解し、柔軟かつ臨機応変に対応することが求められます。志望動機をまとめる時も、どのような事業に属する人物をサポートすることになるのか、応募先企業の事業内容について詳しく知っておく必要があるでしょう。
応募の時点では、具体的に誰が上司になるのかは分からないかもしれません。しかし、事業の概要や代表の理念、どんな役員が勤務しているかなどを調べておけば、志望動機を書く際に、基本情報として役立てることができます。
採用されるためだけではなく、入社後、秘書としてより貢献度の高い仕事をしたいのであれば、企業が掲げる目標やビジョン、ミッションを理解することは大事なことです。
それでは、どのように企業研究を行えばいいのか、具体的な方法を3つご紹介します。
企業のウェブサイトをチェックする
秘書の志望動機を書く際、応募する企業のウェブサイトをチェックして、経営理念や経営方針を把握しておくことも大切です。経営陣の秘書として働く以上、このような情報についても熟知しておく必要があるでしょう。
企業がどのような理念で経営を行っているのか、業界内でどのような立ち位置にあるのかといったことは、求人に応募するかどうかの判断材料としても役立ちます。
自分のキャリアビジョンと合致するかどうかや、将来性はあるかどうかなどを確認しておきましょう。
企業の「フェーズ」から求められる秘書像を逆算する
企業の成長段階によって、秘書に求められる役割やミッションは大きく異なります。
例えば、スタートアップや成長期の企業では、運営体制や社内ルールが整っていないケースが多く、変化の速い環境下での「柔軟な基盤づくり」や、多忙を極める役員の意図をくみ取った「能動的な判断力」が重視されます。
一方で、大手企業や安定期の企業では、伝統や規律の遵守はもちろん、多岐にわたるステークホルダーとの「高度な調整力」や、盤石な組織運営を支える「緻密な正確性」が不可欠です。
応募先企業が今どのフェーズにあり、何に課題を感じているのかを求人情報や経営メッセージから読み解き、自身の経験や強みがどう貢献できるのかを整理して伝えられるよう準備しましょう。
社長や経営陣、会長などの著作、記事を読む
志望動機を書く前に、社長や経営陣、会長などの著作やインタビュー記事などにも目を通しておきましょう。
上記のとおり、企業のウェブサイトに掲載されている内容をチェックするのは最低条件となります。更に、外部サイトに掲載されたインタビュー記事やメディア実績、代表者が執筆した著作・文献などに目を通しておくことは、印象に残る志望動機を書くために有効です。
経営陣の名前は企業のウェブサイトに掲載されているため、簡単に調べることができます。名前や社名で検索をすれば、インタビュー記事や著作などが見つけられるはずです。
多くの著作や記事がある場合、すべてに目を通すのは難しいかもしれません。しかし、まずはタイトルや見出しをチェックして、経営陣がおおよそどんな考えを持っている人物であるのか理解しておくようにしましょう。
自社のことを深く知るために情報収集をしてくれたということは、文面の随所ににじみ出るものであり、採用担当者の印象に残る志望動機となるでしょう。
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秘書の志望動機に織り込みたいポイント
続いては、秘書の志望動機に織り込みたいポイントを3つご紹介します。志望動機を書く際には、これらのポイントを意識しながらまとめてみてください。
1.その企業を選んだ理由
秘書として働くうえでなぜ自社を選んだのかは、採用担当者が最も知りたい事柄でしょう。
「企業のキーパーソンとなる人物のそばで働き、サポート役として活躍したい」「仕事を通してビジネスマナーを磨き、一流の秘書になりたい」など、秘書という職種への熱意ではなく、その企業への思いを伝えます。
採用担当者に「秘書ができるならどこでも良かったのではないか」と思われないように、企業に対して感じた魅力を、自分なりの言葉で書きましょう。
なぜ自社を選んだのかを明確にすることで、採用のミスマッチが起こりにくくなるため、応募者にとっても企業側にとってもメリットとなります。
2.秘書という仕事をしたい理由
そもそも、なぜ秘書の仕事がしたいのかを伝えることも大切です。
秘書の仕事は、成果を上げて脚光を浴びたり、売上に対して明確な評価を受けたりできる営業職などと異なり、成果が見えにくく、自分が前に出る仕事ではありません。
そういった秘書という仕事に、どのようなやりがいを感じているのか、自身が見いだせている魅力を伝える必要があります。
「人の上に立つよりも人をサポートする仕事が好きだから」など、自分の性格や資質を、秘書という仕事を選ぶ要因の一つに加えるのも有効です。なぜ秘書を志望するのか、あなたならではの理由を明確に伝えてください。
企業にとっては、秘書という仕事に応募者がどのような魅力を見いだせているのかを知ることで、入社後のギャップを減らすことができ、結果的に早期離職を減らすことにもつながります。
3.その企業に貢献できる理由
入社後に、秘書としてどのように貢献できるのか、明確なビジョンを書きましょう。
「習得したビジネスマナーと接遇応対で、内外に対する貴社のイメージアップに貢献したい」など、採用担当者が読んだ時に、採用後のメリットが具体的にイメージできることが大切です。
そもそも採用は、企業と求職者の双方にメリットがなければ実現しません。志望動機は、自分自身の応募理由を書くものです。それと同時に、自身を採用することで得られる企業側のメリットを伝えることも意識しましょう。
【経験者・未経験者別】志望動機の例文
秘書の経験者と未経験者それぞれについて、志望動機の例文をご紹介します。例文を参考に、自分の実績やスキル、応募先の企業に合わせた志望動機を考えてみましょう。
秘書経験者の志望動機の例文
経験者の例文
ICT技術を駆使し世界規模で事業を展開する貴社において、これまでの秘書の実務経験と語学力を融合させ、グローバルな事業拡大を支えたいと考え志望いたしました。
現職では社長付秘書として、スケジュール管理や文書作成、経費精算などの実務に幅広く携わっております。常に上司の状況を先読みし、「正確性」と「柔軟な対応」を心掛け、サポートに努めてまいりました。
また、留学で培った語学力を生かし、海外拠点とのメール対応や簡易通訳など、グローバルな環境において円滑なコミュニケーションを支えてきた経験がございます。
入社後も重役の皆さまが本来の業務に専念できる環境を構築し、貴社の更なる成長に貢献したいと考えております。
国家資格キャリアコンサルタント
ポイント
ポイントは単なる現職の業務説明に留まらず、秘書としての「スタンス」が明確な点です。
まず、日々の業務で「先読み」や「柔軟な対応」を意識していたと言及することで、秘書に不可欠な適性と視座の高さを表せています。
また、語学力を単なるスキルではなく、円滑なコミュニケーションを支える「手段」として定義し、実績を具体化した点も評価につながります。
更に、自身の経験を振り返り「なぜ今、ICT領域なのか」という動機を語ることで、転職の必然性と意欲を両立させています。最後は「上司が本来の業務に専念できる環境作り」と、入社後の貢献イメージを明確にした説得力のある構成です。
秘書未経験者の志望動機の例文
未経験者の例文
新部署の立ち上げという重要なフェーズにおいて、営業事務で培った「先読みのサポート力」を生かし、組織の基盤構築に貢献したいと考え志望いたしました。
現職では3年間、営業事務として担当者が本来の業務に注力できるよう、状況を先読みした細やかなサポートに従事してまいりました。周囲から信頼され、自身の動きが組織の成果に直結することにやりがいを感じております。実務と並行して秘書検定準1級を取得し、ビジネスマナーと実務知識の習得にも励んでまいりました。
秘書実務は未経験ですが、現職で磨いた「正確性」と、資格取得で得た「専門知識」を掛け合わせ、重役の皆さまが本来の業務に専念できる環境を共に創り上げたいと考えております。
国家資格キャリアコンサルタント
ポイント
未経験から秘書職を目指す際、最も大切なのは「これまでの経験が秘書業務にどうつながるか」を言語化することです。
この志望動機では、営業事務での「先読み」や「環境づくり」を秘書の適性に結び付けることで、実務未経験を「関連経験あり」という期待感に変えています。
また、「組織の基盤構築」というフレーズを入れることで、新部署立ち上げという変化の多い環境への貢献意欲を示しています。更に、資格取得という努力の形を添えることで、意欲だけでなく、即戦力として定着しようとする誠実な姿勢が伝わる内容となっています。
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秘書の志望動機は企業によって書くべきことが変わる
秘書の志望動機は、企業の経営方針や求める人材像によって、どのような書き方をすべきかが変わります。
応募する企業に合わせて、適切で印象に残る志望動機を書くために、企業研究を綿密に行い、自身が保有するスキルや実績を確認するなど、事前準備をすることが大切です。
どのような企業が秘書を募集しているのか、未経験の場合にどのようなスキルがアピールポイントになるのかなど、一人では判断が難しい場面もあるかもしれません。
志望動機の書き方や転職活動の進め方に迷った際は、転職エージェントに相談するという選択肢もあります。企業の内情に詳しいキャリアアドバイザーから、求人情報の提供や志望動機の添削など、客観的なアドバイスを受けられることがあります。
監修者
石川 希
国家資格キャリアコンサルタント、イメージコンサルタント
大手アパレル企業にて接客・バイヤーとして商品企画に携わった後、人事職へ転身。複数の事業会社にて人事・労務業務に従事。
現役人事として採用や組織運営に携わる傍ら、国家資格キャリアコンサルタントとして個人のキャリア支援も行っている。
現場視点と人事視点の双方を生かし、顔タイプ診断®やパーソナルカラー診断を掛け合わせ、「装いから才能を導き出す」多角的な支援に注力している。
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