営業職に受かる志望動機の書き方・伝え方｜経験別・種類別・業界別の例文あり

更新日：2024年05月01日

営業職への転職を目指している方の中には、志望動機の書き方・伝え方で悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

志望動機は、営業職になりたい理由や仕事に生かせるスキル・経験などを伝えられる重要なアピールポイントです。書き方次第で強みが伝わらなくなることもあるため、しっかりつくり込む必要があります。

本記事では、営業職の志望動機の例文・サンプルを経験別・種類別・業界別に紹介します。書き方・伝え方のポイントも解説するため、営業職の志望動機づくりにぜひ役立ててください。

営業職をはじめとした職種別の志望動機・志望理由の例文やポイントは以下の記事で解説しているため、併せてチェックしてみましょう。

• 【職種別例文46選】志望動機・志望理由の書き方・伝え方（履歴書・面接で受かる！）

営業職とは

営業職とは、自社で取り扱う商品・サービスを顧客に提案し、購入や契約といった成約を目指す仕事です。企業の売り上げは商品・サービスの購買があってこそで、営業職は企業を支えるために欠かせない職種と言えます。

顧客は必ずしも自社商品・サービスを知っているとは限らないため、興味を引き出したり、困り事をヒアリングしたりするなどのコミュニケーション能力が求められます。商品・サービスの販売という面では販売職と共通点がありますが、商品に興味がなく購入意欲が低い人にも提案する点が営業職の特徴です。

商品・サービスの魅力だけではなく、営業職の人柄や対応から信頼を得られることもあるため、企業の顔として顧客と関係を構築する存在と言えます。

さまざまな商品・サービスが流通している現代では、商材そのものの魅力だけでは差別化できないこともあるでしょう。企業や人が決め手になるケースがあるため、営業職は顧客と接する職種として重要な役割を持っています。

営業職の種類

営業職の種類は、対象とする顧客によって大きく以下の2つに分けられます。

• 個人営業
• 法人営業

個人の顧客か、法人の顧客かによってアプローチが異なるため、それぞれの特徴や違いを押さえることが大切です。

個人営業

個人営業とは、個人の顧客を対象にする営業スタイルです。個人に対して保険を提案したり、不動産の販売をしたりすることが主な例で、個人を対象とした商品を取り扱う企業で取り組まれています。

個人営業は、顧客とアポイトメントを取り、商品やサービスの説明やプレゼン、クロージング、契約、アフターフォローなどを行います。アプローチした相手が購買の決定権を持つことが多いため、企業としての判断が必要になる法人よりも契約スピードが早い点が特徴です。

成約までの期間が短いため、自身の営業が成果につながったことが明確になりやすく、成果主義の企業であれば昇給や昇格にも結び付くでしょう。

法人営業

法人営業とは、企業を対象とする営業スタイルです。企業向けの事務用品や社用車、ビジネス支援ツールなどを提供する企業では、法人営業によって購入や契約の獲得を目指しています。

法人営業では、アプローチする企業と電話などでアポイントを取り、課題や予算のヒアリングを行い、プレゼンを含む具体的な提案と見積書を提出します。決裁者の了解を得て契約が成立し、納品やアフターフォローを行います。

このように、仕事内容は個人営業と大きくは変わりません。しかし、法人営業は、営業活動でアプローチした相手が決裁権を持っているとは限りません。商談から社内での検討や稟議（りんぎ）を経て契約が決まるため、アプローチから成約までに時間がかかるのが一般的です。

法人営業のなかには規模が大きい案件もあり、成約によって企業に大きな利益をもたらすこともあります。複数の担当者やキーパーソンを納得させるためには、個人営業と同様、プレゼン力やコミュニケーション力といった営業力が欠かせません。

【営業手法別】営業職の種類

個人営業と法人営業はあくまで対象の違いによる分類であり、営業職の種類は顧客にアプローチする方法によって、更に細分化されます。

主な営業職の種類は、以下の5つです。

• 新規営業
• ルート営業
• 企画営業
• インサイドセールス（内勤営業）
• カウンター営業

各手法の特徴や違いを理解し、自分に合った手法を考えてみましょう。

新規営業

新規営業とは、まだ取引していない新規顧客を開拓する手法です。個人や法人を対象に、訪問や電話などの方法でアプローチを行い、自社の商品・サービスを提案します。

アプローチのスタイルによって、プル型とプッシュ型に分かれる点が特徴です。プル型はオウンドメディアやSNSなどの情報発信によって顧客からの問い合わせを促し、プッシュ型は顧客に対して自ら働きかけます。

新規営業の主な目的は、顧客数増加による自社の利益向上、市場占有率向上、売り上げ低迷の回避などがあります。

ルート営業

ルート営業とは、すでに取引がある顧客を対象とした手法で、あらかじめ決まった得意先を回ります。

自社の商品・サービスを利用している取引先との関係を維持するために、成約後のフォローやアフターケアを実施したり、困り事をヒアリングしたりすることが主な仕事です。

既存顧客へのフォローをしっかり行うことで、契約や購入の継続が可能になります。そのうえで、新商品やサービスを提案していくことで、継続的に安定した売り上げが期待できます。

企画営業

企画営業とは、顧客企業が抱えている問題やニーズのヒアリングを行い、自社の製品やサービスをベースに顧客企業向けの商品開発を行い、提案をするといった営業手法です。

営業職は、自社の製品やサービスを販売しますが、企画営業職は、顧客に合った製品やサービスを企画立案して、販売するといった違いがあります。

インサイドセールス（内勤営業）

インサイドセールス（内勤営業）とは、社内で営業活動を行う手法です。顧客を訪問する営業スタイルに加えて、電話やメール、Web会議システムなどを活用したインサイドセールスが浸透しています。

インサイドセールスは、顧客に対して主体的にアプローチする場合と、顧客の問い合わせに対応する営業活動があります。

自社のターゲットとなる顧客に電話やメールで働きかけたり、オウンドメディアやSNSなどからの問い合わせに対応したりするなど、顧客との関わり方はさまざまです。

店舗に来客する顧客に提案するインサイドセールスは、カウンター営業とも言われます。カウンター営業については、次の項目で詳しく解説します。

カウンター営業

カウンター営業とは、店舗のカウンターで自社の商品・サービスを提案する手法です。保険代理店や旅行代理店、携帯ショップ、住宅展示場などが代表的な例で、店舗に来店する顧客に対して営業活動を行います。

店舗を訪れた顧客は、ホームページや広告などで商品・サービスをある程度知っているため、顧客が持つ不安や疑問を解消することが重要です。

ヒアリングやニーズに合った説明が重要になるため、コミュニケーション能力が求められます。商品を深く理解したうえで、顧客が求める情報を的確に伝えることで、契約を獲得できるでしょう。

営業職の仕事内容

営業職は新規営業と法人営業に分けられ、手法が複数あるものの、基本的な仕事内容は共通です。営業職は、以下のような流れで仕事を行います。

• 顧客にアプローチする
• アポイントを取った顧客に対して商談を行う
• 商談成立後、商品・サービスを納品・提供する
• 商品・サービスの納品後、アフターフォローを行う

主体的にアプローチする場合は、電話やメール、訪問などの方法で顧客との接点をつくり、商談に向けたアポイント獲得を目指します。

アポイントが取れた場合は、あらかじめ設定した日時で商品・サービスの提案を行うのが次のステップです。一度の商談で成約できる場合もありますが、複数回の商談が必要になる場合もあります。

商談で成約を取りつけたら、顧客に商品を提供したり、システムを導入したりします。納品後は、困り事に対してフォローしたり、トラブルに対応したりするなど、きめ細かいアフターフォローが欠かせません。

納品後のアフターフォローについては、営業ではなく別の部署が担当する企業もあります。具体的な仕事内容は企業によって異なるため、志望する企業ではどのように営業活動を実施しているのか、あらかじめリサーチしておきましょう。

営業職に求められるスキル・資質

営業職に求められるスキル・資質を知っておくと、志望動機・志望理由で営業職とマッチした強みをアピールしやすくなります。

営業職で必要とされる主なスキル・資質は、以下のとおりです。

• 要望や悩みをくみ取るヒアリング力
• 相手目線で伝えられる提案力
• 素早く柔軟に動けるフットワークの軽さ
• 急なトラブルや事態に臨機応変に対応できる力
• 諦めずに取り組む粘り強さ
• 取り扱う商材やサービスの知識
• 目標を達成するための高いモチベーション

営業では顧客の課題に合った提案が欠かせないため、悩みをくみ取るヒアリング力が必要です。商品・サービスを売り込むのではなく、相手の目線に立ってメリットを感じてもらえる提案ができると、成果を出しやすくなります。

的確な提案をするためには、前提として取り扱う商品・サービスの知識は必須です。商材を理解しているからこそ、相手の課題に合った特徴やメリットを伝えられます。

必要な時に素早くフォローできるフットワークの軽さや、状況に応じた対応ができる柔軟さも大切です。

顧客から提案を断られる場面もあるため、営業目標を達成するためには粘り強さやモチベーションも求められます。営業がうまくいかなくても、気持ちを切り替えて、目標に向かって粘り強く精力的に取り組む姿勢が必要です。

【経験別】営業職への志望動機の例文・サンプル

ここからは、営業職への志望動機の例文・サンプルを経験や手法、業界に分けて紹介します。

経験別の志望動機の例文・サンプルは、以下の2つです。

• 【経験者】異業種での経験をアピールする志望動機
• 【未経験】営業職を希望する理由をアピールする志望動機

それぞれ添削前・添削後の文章とポイントを解説するため、ぜひ参考にしてください。

• 面接などの口語は「御社」、書類では「貴社」と使い分けてください

【経験者】異業種での経験をアピールする志望動機

添削のポイント

応募先の戦略の特徴や、異業種からの転職でも前職との共通点（ターゲット層が同じであること）やマーケティングなど生かせる経験を具体的に述べて、アピールしている点が評価につながります。

【未経験】営業職を希望する理由をアピールする志望動機

添削のポイント

「なぜ営業職を希望するのか」という未経験職種を希望する理由が述べられています。また、未経験であっても、これまでの経験で得たコミュニケーションスキルなど、応募先でも生かせる汎用性のあるスキルがあることを伝えていて、早期に戦力になれる可能性や意欲が感じられます。

【種類別】営業職の志望動機の例文・サンプル

次に、営業職の種類別に志望動機の例文・サンプルを5例紹介します。

• 新規営業への志望動機
• ルート営業への志望動機
• 企画営業への志望動機
• インサイドセールス（内勤営業）への志望動機
• カウンター営業への志望動機

種類によって営業スタイルが大きく異なるため、自分の能力や価値観に合った手法を検討しましょう。

• 面接などの口語は「御社」、書類では「貴社」と使い分けてください

新規営業への志望動機

添削のポイント

スキルを身に付けて、どのように貢献していきたいかまで伝えないと、自分本位であり受身な印象を与えます。新規営業でコミュニケーション力は大切ですが、新規営業で求められる顧客のニーズを聞き出すなど、より具体的なアピールをすると良いでしょう。

ルート営業への志望動機

添削のポイント

これまでの仕事が分からないため、ルート営業として発揮できるスキルや能力が伝わってきません。ルート営業として親身に話を聞き、助けになりたいというだけではなく、顧客と良好な関係を築き、既存の商品やサービスの購入や契約を継続し、新商品なども提案していきたいなど、応募企業のルート営業の仕事を理解したうえで実現したいことを具体的に伝えることが大切です。

企画営業への志望動機

添削のポイント

前職がどういった営業をしていたのか分かりづらく、なぜ応募企業を志望するのか説明がないため、インパクトに欠けた志望動機になっています。採用担当者は自社で何ができるのか、何がしたいのか、そしてなぜ自社なのかを、志望動機から知りたいと考えています。

インサイドセールス（内勤営業）への志望動機

添削のポイント

営業職としてどういった商材やサービスを扱っていたのか説明しないと、前職の営業の仕事内容がイメージできません。またインサイドセールスの重要性を認識しただけではなく、応募企業のインサイドセールスに就きたい具体的な理由と、営業職としての強みを伝える必要があります。

カウンター営業への志望動機

添削のポイント

カウンター営業で生かせる経験やスキルが不足しており、活躍する姿がイメージできない内容になっています。また利用経験を志望動機で伝えるならば、どう感じたかまで伝えないと、応募企業へ転職したい意欲が伝わりません。

【業界別】営業職の志望動機の例文・サンプル

最後に、業界別に営業職の志望動機の例文・サンプルを紹介します。

• メーカー営業への志望動機
• Web業界の営業への志望動機
• 不動産業界の営業への志望動機
• 通信業界の営業への志望動機
• 保険業界の営業への志望動機

取り扱う製品の違いから営業スタイルに異なる点があるため、興味・関心のある業界から志望動機の例をぜひチェックしてみてください。

メーカー営業への志望動機

添削のポイント

応募企業への思いは伝わってきますが、どういった能力を発揮できるのかが伝わってきません。転職の志望動機は、応募企業への思いだけでなく、メーカーの営業職としての仕事内容を把握したうえで、発揮したい能力や強みを伝えるようにしましょう。

Web業界の営業への志望動機

添削のポイント

未経験でもWeb業界の営業で生かせるスキルや経験を、伝える必要があります。サービスなどの使用経験もアピール材料になります。応募企業の魅力を伝えるだけでなく、応募企業が求めている営業職の職務内容を把握したうえで、汎用できる経験や知識を、生かせる能力としてアピールするといいでしょう。

不動産業界の営業への志望動機

添削のポイント

幼少の頃からの家や建築への興味や学生時代の賃貸経験を志望動機にすると、なぜ新卒で就職しなかったのかと懸念を抱きます。不動産に興味を持った理由だけでなく、これまでの経験を通じて不動産営業職として発揮できる能力を伝えなければ、憧れだけで応募していると判断されてしまうでしょう。

通信業界の営業への志望動機

添削のポイント

なぜ通信業界の法人営業に就きたいのかが伝わってきません。また携帯ショップの経験をどのように生かせるのか、なぜ応募企業なのかが記載されていないため、漠然とした志望動機になっています。

保険業界の営業への志望動機

添削のポイント

前職で希望がかなえられなくて辞めたと伝えると会社批判と受け取られる可能性がありますので、生命保険を積極的に販売していきたいという理由を伝えましょう。またこれまでの営業職としての強みを、発揮していきたい能力として具体的に伝えるようにしましょう。

営業職の志望動機の書き方・伝え方のポイント3つ

営業職への採用をより実現しやすくするためには、熱意や強みを感じられる書き方・伝え方が重要です。

営業職の志望動機を作成する際は、以下のポイントを大切にしましょう。

なお、営業職をはじめとした職種別の志望動機の書き方・伝え方は以下の記事でも解説しているため、併せてチェックしてください。

• 【職種別例文46選】志望動機・志望理由の書き方・伝え方（履歴書・面接で受かる！）

「なぜ当社なのか？」という採用担当者の疑問に答える

営業職はさまざまな企業で採用されているため、なぜその企業を志望するか明確に伝える必要があります。

採用担当者に「なぜ当社なのか？」と質問されることもあるため、企業理念や商品・サービスの魅力などから、志望先への思いを伝えましょう。

企業が掲げているビジョンや商品・サービスの意義などへの共感と併せて、営業職として携わりたい熱意を語るのがポイントです。

企業が求めている人物像とマッチした実績・強みをアピールする

志望動機・志望理由では、やみくもに自分のスキルや経験を伝えるのではなく、企業が求めている人物像にマッチした実績・強みをアピールすることがポイントです。

採用ページや求人案内などに目を通し、どのような人物を採用したいと考えているかを見極めましょう。必要としている人物像にマッチしたスキルや経験を洗い出し、営業職に結び付けてアピールすると、志望先に合った人材として評価を得やすくなります。

自身の強みをどのように生かして応募企業に貢献していくかを明示する

志望動機・志望理由で自分の強みを伝えているものの、効果的なアピールができていない場合には、どのように貢献できるかという視点が欠けていることがあります。

企業は、応募者を採用した時にどのようなメリットがあるかを見極めているため、強みを生かして貢献できることを伝えましょう。

「コミュニケーション能力を発揮して顧客との良好な関係をつくり、既存顧客の売り上げを伸ばしたい」といったように、強みと貢献をセットでアピールするのがポイントです。

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魅力的な志望動機で営業職への転職を実現しよう

営業職の志望動機・志望理由のポイントは、「なぜ当社なのか？」という企業が持つ疑問に答えながら、求めている人物像にマッチした強みや貢献できることをアピールすることです。

営業職は個人営業と法人営業に分かれ、新規営業やルート営業などの手法が複数あります。それぞれの仕事内容や求められるスキルを理解し、強みや経験のアピールにつなげましょう。

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