公務員・市役所の志望動機の受かる書き方、伝え方【例文あり】

更新日：2025年02月19日

公務員の志望動機を考える際は、自分のスキルや知識をどのように社会や地域へ生かせるかを深掘りしていくことが大切です。

この記事では、公務員の志望動機をどのように伝えたら良いか分からない、受かるためのコツを知りたいという方の参考になる例文を、7つのパターンに分けてご紹介します。公務員の志望動機として望ましくない内容や、志望動機が思いつかない時のヒントも解説します。

• 「志望動機・志望理由の書き方・例文【110職種・30業界】」はこちら

【経験者】市役所臨時職員経験を生かす場合のサンプル（例文）

こんな方の場合

• 20代
• 任期付き公務員（市役所など）を数回経験
• 防災を担当する職員の求人に応募

社会貢献のスタンスで伝えるのがポイント

公務員（市役所など）への応募は、「社会貢献」というスタンスで述べることが大切なポイントです。応募先での職務内容や取り組み（力を入れている分野）を把握し、自分のやりたいこととのマッチングを考えましょう。そのうえで、興味があることを具体的に語り、現在も最新情報を入手して専門知識を更新する意欲や人脈の広さなど、貢献できることを伝えた点が評価につながります。

【経験者】市役所窓口業務経験を生かす場合のサンプル（例文）

こんな方の場合

• 30代
• 窓口業務の経験者
• ブランクがある

ブランク期間中も学ぶ姿勢・意欲が見られることがポイント

どのような職員になりたいのかが明確に示されています。ブランク期間中の自発的に学ぶ姿が好印象です。生かせる経験や地域を選んだ理由・きっかけとなる出来事が具体的に記載されており、意欲が伝わります。

【未経験者】公務員未経験者で地元に貢献したい場合のサンプル（例文）

こんな方の場合

• 30代
• 民間企業勤務
• Uターンで地元の県・市役所に転職希望

自分の知識やスキルの生かし方がしっかり伝わる

地元へのUターンというきっかけで、なぜ公務員（市役所など）を希望するのか、理由をはっきり伝えています。また、民間企業で得られた、コストを意識した知識やスキルをアピールして、社会貢献につなげようとする熱意が伝わり、評価できます。

【未経験者】民間企業の経験を生かしたい場合のサンプル（例文）

こんな方の場合

• 20代後半
• 民間企業勤務
• 国家公務員への転職希望

国家公務員でなければできないことが伝わる

公務員への志望動機は一般的な説明になってしまいがちですが、自分自身の言葉で説明できるように準備しましょう。まずは今の仕事ではできない、公務員でなくてはできない理由を具体的に示すことが大切なポイントとなります。

あわせて、民間企業で培ったスキル・経験を公務員での今後の仕事にも生かせることを説明しましょう。

【未経験者】教育ボランティア経験を生かしたい場合のサンプル（例文）

こんな方の場合

• 30代
• 民間企業勤務
• Uターンで地元の市役所に転職希望

自治体について深く研究していることがポイント

地元へのUターンというきっかけはもちろん、「安心して子育てができるまちの実現」という市の目標などの情報を把握したうえで、自身がなぜ公務員（市役所など）を希望するのか、志望する理由をはっきり伝えています。

また、自治体を豊かにするという視点で、民間企業で得た知識やスキルを社会貢献につなげようとする熱意が伝わり、評価できます。

【未経験者】応募する地域以外に在住している場合のサンプル（例文）

こんな方の場合

• 20代
• 災害時ボランティア経験あり
• 土木職希望

地域に貢献したいという気持ちが伝わることがポイント

居住経験のない地域であっても、志望理由を明確に示すことができれば、採用担当者を納得させることができます。自治体・地域住民の役に立ちたいという熱意や気持ちが伝わることもポイントです。

【未経験者】利用したことがある施設に応募したい場合のサンプル（例文）

こんな方の場合

• 30代
• 図書館（国立公文書館や国立国会図書館）の利用者
• 図書館司書希望、経験なし

将来像と貢献できる姿をイメージしやすいことがポイント

実際に図書館司書の対応を受けて、自分も働きたいと思ったことが明確に伝えられています。更に、自身のスキルがどのように図書館で生かせるのかが分かるので、採用後に活躍できるイメージがつくでしょう。

公務員・市役所の志望動機の書き方・伝え方のポイント

ここでは、公務員試験における志望動機の書き方や伝え方のポイントを3つに分けて解説します。志望動機は、履歴書に書くだけではなく、面接でも聞かれる可能性が高いのでじっくり考えてほかの求職者と差をつけましょう。

なぜ公務員なのかを明確にする

どうして民間企業ではなく、公務員を選んだのかを明確にしておきましょう。「国や地域に貢献したい」「行政に関われる仕事をしたい」という理由だけでは、公務員ではなく、民間企業でも成し得ることができます。

公務員でなければならない理由や、自分が公務員としてどのようなことを成し遂げたいのかを言語化しておきましょう。そのためには、公務員の仕事について深く理解し、民間企業との違いを把握することが大切です。

自分の強みをどのように生かせるかを伝える

公務員を志望する理由や、自治体に貢献したい理由が明確になったら、自分の強みをどのように生かせるのかを考えましょう。

採用担当者は、貢献してくれる人材を求めているので、仕事に生かせる経験や強みを伝える必要があります。まずは、自分の強みを分析し、具体的にどのような業務に生かせるのか言語化することが大切です。

例えば、高齢者を見守るボランティアに参加し、多くの高齢者と関わった経験がある場合、高齢者との接点が多い課や係の担当者になると「円滑なコミュニケーションを図りながら対応できる」というように自身の経験を結び付けながら、どのように貢献できるかを明確に伝えましょう。

自治体によってエントリーシートに記載できる文字数は異なる

自治体によってエントリーシートに記載できる文字数は、異なります。300文字・500文字などと指定されるケースもあれば、文字数の指定がない自治体もあるので、志望する自治体の募集要項を確認しておきましょう。

エントリーシートの文字数で意識すべきポイントを下記にまとめたので、把握したうえで文章を作成してみてください。

公務員・市役所の志望動機のNG例

公務員の志望動機を書く際には、避けたほうが良い内容もあります。しっかり確認しておきましょう。

安定感を得るために応募した

「収入や福利厚生が良いから」「生活が安定するから」「残業が少ないから」という理由は志望動機にはなりません。

公務員は、手当や福利厚生の充実、民間企業のように業績悪化による解雇のリスクが低く安定感があるため、公務員を目指すきっかけになる人は多いですが、志望動機としてはふさわしくありません。

やりたい業務・仕事を限定する

公務員の志望動機では、やりたい業務や仕事を限定しすぎると逆効果になってしまうケースもあります。というのも、公務員の世界では特定の業務や部署で活躍できるスペシャリストではなく、幅広い業務を担えるゼネラリストが求められるケースが多いからです。

もちろん自分のやりたい仕事や生かせるスキルをアピールすることも大切ですが、専門職や教員など資格免許職の公務員への応募でなければ内容を具体的に指定してしまわないように注意してください。部署や所属が変わったとしても熱意や意欲が制限されないような表現ができるよう心掛けてみましょう。

公務員・市役所の志望動機を作成する前に準備すること

公務員への応募に限った話ではありませんが、志望動機を作成する際は事前準備が大切です。ここでは、公務員を志望する場合に特に力を入れるべき3つのポイントについて解説します。

業務内容を調べておく

志望する公務員の業務内容について詳しく調べる必要があります。地方公務員と国家公務員では関わる仕事が大きく異なりますし、同じ地方公務員でも自治体ごとに公務員の携わる業務範囲が異なるケースがあるためです。

業務内容を正しく知ることは、志望動機を考える際の土台を固めることにもつながります。インターネットなどで積極的に情報を集めていきましょう。

応募する自治体について調べておく

志望先の自治体や省庁の取り組みや抱えている課題を深掘りしていきましょう。しっかりと下調べをすることが、真剣に公務員の道を考えていることの裏付けとなります。

例えば、前職の教育関連の仕事を通じて子育てサポートに関わる仕事がしたいと考えていたところ、子育てに手厚いサポートを行っている○○市の○○対策に大変共感したなど、前職の経験と自治体の特徴を関連付ける方法があります。

また、調べていくうちに、なぜ公務員を目指すのか、なぜその自治体を選んだのか、自分なりの理由も見えてくるでしょう。すると、より熱意や説得力のある志望動機が書けるようになります。

自己分析を行う

自己分析により、自分の強みやスキル、前職で培った経験をどう生かせるかなどを知ることも大切です。選考で有利になりそうな資格を持っている場合は、資格を取得したことだけでなく、その資格や知識をどう生かせるのかまで考えると良いでしょう。

特に中途採用の場合、現場や採用担当者が求めるのは、これまでの仕事で身に付けたスキルやノウハウを生かしてくれる人です。自己分析を元に、採用されたらどのような活躍ができるのか、具体的なイメージをつかみ、伝えていきましょう。

自己分析の方法については以下の記事でより詳しく解説しています。

• 【自己分析シートあり】転職時の自己分析のやり方や書き方を解説

公務員・市役所の志望動機がない場合はどうする？

公務員の志望動機が浮かばない、福利厚生の充実や雇用の安定といったことしか思いつかない場合は、職務経験や自分が持っているスキルや資格がどのように社会や地域のために生かせるのかを考えてみてください。

また、そのスキルや資格は公務員でしか生かせないことなのか、ほかの地域ではなくその地域を選ぶ理由は何か、一般企業やボランティア活動では実現できないのかといったことも確認していきましょう。

志望動機が思いつかないからといって、例文をそのまま使ったりうそをついたりするのは厳禁です。

まとめ

公務員への転職を希望している方はまず、公務員の仕事内容や志望する自治体の実情をよく理解しておきましょう。そして、仕事や地域に魅力を感じた理由、きっかけなどを明確に伝えられるようにすることが大切です。

給与や待遇の安定を志望動機に挙げてしまうと、採用を見送られてしまう可能性が高まります。スキルや知識といった自分の強みを生かしてどのように貢献できるのか、自分を採用するとどのようなメリットがあるのかが伝わるように、志望動機を作成してみてください。

• 志望動機は書き出し、締めくくりで差がつく！　書き方はこちら
  【例文あり】志望動機は「書き出し」と「締めくくり」で差をつける！　人事の目を引く書き方とは？

監修者

マイナビ転職　編集部

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