所得と収入の違いとは?定義や計算方法、使い分けるシーンを解説
更新日:2024年12月18日


記事のまとめ(要約)
- 収入は毎月の給与やボーナスなどの合計額、個人事業主の場合は売り上げを指す
- 所得は収入から給与所得控除額(個人事業主の場合は必要経費)を差し引いた金額
- 収入=年収だが、税法上は「収入」という表現が使われる
- 年末調整、確定申告、住宅ローン審査などで両者の使い分けが必要
- 面接で前職の収入を聞かれたら、年収を回答する
「所得」と「収入」の意味は混同しやすいため、使い方を迷う人も多いかもしれません。しかし、税法上の使われ方は異なります。
所得と収入の違いだけではなく、所得の計算方法、使い分けるシーンなどについて詳しく解説。正しく理解することで転職活動にも役立ちます。
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所得と収入の違いとは?
まずは、収入と所得に加えて年収という言葉も含め、それぞれの定義を詳しく解説します。
収入の定義
収入とは、労働やサービスの対価として受け取る報酬です。会社員の場合、毎月の給与やボーナスなどの合計額が収入であり、個人事業主の場合は売り上げが収入に該当します。
食事や住宅の提供といった、報酬の一部が現物支給という場合、その現物も収入にカウントされます。
所得の定義
所得は、収入から必要経費を差し引いた金額です。必要経費とは、仕事をするうえで必要な支出のことです。
個人事業主の場合は、パソコンなどの購入費や取引先へ行くための交通費なども必要経費に含まれます。収入から必要経費を差し引いた額をもとに、所得税が決まります。
会社員の場合は、給与所得とも呼ばれ、給与所得控除を差し引いた金額を指します。
給与所得控除とは?
会社員の場合は、原則として個人事業主のように必要経費を差し引く制度がありません(注1)。そのため、給与収入に応じて必要経費の代わりに差し引かれるのが「給与所得控除」です。
- (注1)給与所得者には、各年に「特定支出」をした場合で一定の要件を満たす時は「特定支出控除」を行うこともできます
控除額は下記の表(※)のとおりです。最低額は55万円ですが、収入によって段階的に増え、195万円が上限となります。
給与等の収入金額 (給与所得の源泉徴収票の支払金額) |
給与所得控除額 |
---|---|
1,625,000円まで | 55万円 |
1,625,001円~180万円まで | 収入金額×40%-10万円 |
1,800,001円~360万円まで | 収入金額×30%+8万円 |
3,600,001円~660万円まで | 収入金額×20%+44万円 |
6,600,001円~850万円まで | 収入金額×10%+110万円 |
8,500,001円以上 | 195万円(上限) |
出典:国税庁「 No.1410 給与所得控除」令和2年分以降
源泉徴収票では、給与所得控除後の金額を赤枠部分でチェックできます。

出典:国税庁「給与所得の源泉徴収票」を加工して作成
年収の定義
年収とは、収入を1年単位でまとめたものを指します。基本給だけでなく、残業代、ボーナス、各種手当なども含まれた金額です。
「収入と年収は同じ意味なのではないか?」と思われた人も多いかもしれません。実は収入と年収は同義ですが、税法上「年収」という言葉は使われず、「収入」という表現が使われています。
給与所得者の場合、源泉徴収票の青枠部分の「支払金額」の項目に1年間の総支給額が記載されていて、これが年収にあたります。

出典:国税庁「給与所得の源泉徴収票」を加工して作成
会社から支給される給与は、基本給や各種手当を足した額から社会保険料や税金などを差し引いた金額です。実際に受け取ることができる金額が「手取り」です。
年収と手取りの違いについては以下の記事でも詳しく解説しています。
所得の計算方法
所得の計算方法について解説します。
前述のとおり所得は収入から、個人事業主は必要経費、会社員は給与所得控除を差し引いた金額なので、下記の計算方法で求めることができます。
収入-必要経費(給与所得控除)=所得(給与所得)
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収入と所得を使い分けるシーン

次に、収入と所得を使い分ける必要がある2つのシーンについて詳しく解説します。
年末調整・確定申告
年末調整や確定申告では、収入金額と所得金額を記入する欄がそれぞれ存在します。記載ミスがないように注意しましょう。
年末調整
年末調整とは、その年の所得金額や控除金額を計算して本来払うべき所得税額を精算することです。会社員の場合、所得額を確定させるために、年末調整を行います。
確定申告
確定申告とは、1年間の所得の金額とそれに対する所得税を計算し、税務署へ申告・納税する手続きのことです。
会社を通じて年末調整を行っていると、確定申告は不要であることが多いです。しかし、医療費控除・寄付金控除(ふるさと納税を含む。ただしワンストップ特例を活用した時を除く)を受ける場合や、転職した月によっては確定申告が必要になります(詳しくは「転職のタイミングによっては確定申告が必要になる」)。
個人事業主の場合は自分で確定申告を行わなければいけません。
住宅ローンを組む場合
住宅ローンを組む場合、返済能力があるかどうかの審査が行われます。
会社員の場合は、収入(年収)(注2)が審査対象となりますが、個人事業主の場合は売り上げなどの「収入」ではなく、必要経費などが差し引かれた「所得(一般的には3期連続黒字)」(注3)が審査対象となります。
- (注2)勤続年数にも注意
- (注3)税金・保険料の未納、健康状態、借入金などにも注意
転職活動では所得と収入のどんな点に注意すべき?
最後に、転職活動において所得と収入で気を付けておきたいポイントを2点ご紹介します。
面接や入社前に前職の収入を聞かれたら「年収」を回答する
面接や入社前に前職の収入を聞かれることがあります。その際は、年収(収入)を回答しましょう。
希望年収を聞かれた時も同様です。年収より低い所得額をベースに回答してしまうと、前職よりも年収が下がってしまう可能性があります。
希望年収を聞く理由や、答え方については以下の記事も参考にしてください。
転職のタイミングによっては確定申告が必要になる
転職先への入社月によっては、新しい会社で年末調整を行ってもらえず、自分で確定申告をしなければならないでしょう。特に下記の3つのケースは注意が必要です。
- 年末調整(一般的に12月)の時期に会社に所属していない場合
- 12月に転職した場合(まだ給与が発生しない状態のため転職後の会社で年末調整が受けられない)
- 前職の源泉徴収票の発行が間に合わない場合
転職をする際は年末の時期を避けることで、確定申告の手間を省くことができるでしょう。
確定申告の書類は収入金額と所得金額を記入する欄がありますので、記載ミスがないように記入しましょう。
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まとめ
所得は収入から必要経費を差し引いた金額です。会社員の場合は、給与所得控除を差し引いた金額を指します。年末調整や確定申告、住宅ローンの審査などでは、所得と収入を使い分けます。
所得と収入の意味と違いを理解しておくと、転職活動でも役立ちます。面接で前職の収入を聞かれた場合は、年収を回答するようにします。転職後の生活や採否に影響することもあるので、間違えないようにしましょう。
監修者

塚本 泰久
社会保険労務士
ツカモト労務管理事務所 代表
関西地区を中心に、地域に密着した親切丁寧な事務所を目指しています。会計事務所での経験から、企業の労務管理と財務状況とのバランスを重視した適切なアドバイスを行うことで、より良い企業の体制作りをサポートしています。
マイナビ転職 編集部
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