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【FPが解説】年収500万円の手取りはいくら? 生活レベルと将来の不安、収入アップのポイントは?

更新日:2025年03月14日

年収500万円なら将来は安泰?のメインイメージ
高山 一恵

監修者高山 一恵

ファイナンシャル・プランナー/株式会社Money&You取締役

記事まとめ(要約)
  • 年収500万円以上の人の割合は、日本の労働人口の約30%
  • 年収500万円の手取りは約400万円
  • 独身生活や共働きの夫婦生活なら「貯金しながら、ある程度余裕のある暮らし」
  • いくら稼げばいいかは、ライフプランによってまったく変わってくる
  • 不安な人は人生のマネープランを立ててみる

現在の年収がいくらであっても、「今後の生活や将来を見据えると漠然と不安になる」という人は、多いのではないでしょうか? Webメディア業界に勤務するTさんも、その一人。仕事を頑張ってきて現在31歳で約500万円の年収があるけれど、「いくら稼げば将来への不安がなくなるのか分からない」とこぼします。

そんなTさんが、ファイナンシャル・プランナー(FP)の高山一恵先生に、将来に備えるためのマネープランについて相談しました。ライフステージの変化や老後資金を見据えると、いくら稼げば安泰なのか。貯金はいくらあればいいのか。収入・資産を増やす方法とは。お金のプロからの「お金と仕事と人生設計のアドバイス」、ぜひ参考にしてくださいね。

相談者プロフィール

Tさん相談者プロフィール
Tさん(31歳)

Webメディア業界勤務。正社員の妻と二人暮らし(共働き世帯)。年収は約500万円で、世帯年収は1,000万円。

目次

    年収500万円だと手取りはいくら? 一般的? ライフステージが変わると生活レベルはどう変わる?

    年収500万円以上の人の割合は、日本の労働人口の約30%! 手取り金額や生活レベルは?

    現在31歳で、約500万円の年収があるというTさん。この年収は、日本全体の労働人口において、上位30%に入る額です。20〜30代の若い世代に絞った場合は更に少ない割合になるため、Tさんの年収は高年収の分類に入ると言えます。

    民間給与実態統計調査(令和2年)給与所得者数・構成比

    では実際に500万円の年収がある場合、どのくらい「余裕のある生活」が送れるのでしょうか? 年収がぴったり500万円だと仮定すると、額面(税金や社会保険料を引く前)の月収は約41万円強(ボーナスなしの場合)、実際の手取り(税金や社会保険料を引いて手元に残る金額)年収は約400万円、手取り月収は33万強、といった額になります。

    扶養者や子供がいない独身生活や共働きの夫婦生活であれば、「貯金をしながら、ある程度余裕のある暮らしができる」といった生活レベルと言えるでしょう。

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    年収500万円夫婦の生活レベルは? 子育てを見据えるなら工夫が必要!?

    自身でも「今の自分の年収は500万円、夫婦共働きで世帯年収は1,000万円あり、ゆとりのある生活が送れている」と話すTさん。ただし、今後待ち受けるライフステージの変化を考えるとどのくらい稼げば安泰なのか分からず、漠然とした不安があるのだと言います。

    • DINKs……子供を持たない共働き夫婦のこと

    Tさん

    Tさん

    「人生で考えられる大きな支出、いわゆる子育て・マイホーム購入・老後などを見据えた際、正直今の年収のままでは厳しいのでは、と不安になります。でも、いくら稼げば安泰なのかと考えると、それも正解が分からないんですよね。今の収支はざっくりこのような状況なのですが……」

    現在の収入

     Tさん
    ご職業会社員会社員
    月収(税込)40万円/月35万円/月
    (手取り)32万円/月25万円/月
    賞与(税込)60万円/年60万円/年
    (手取り)50万円/年50万円/年

    生活費の内訳

    費  目金  額
    食費70,000円
    日用雑貨費25,000円
    光熱費15,000円
    交際費20,000円
    美容費30,000円
    医療費・介護費用3,000円
    雑費(新聞代・被服費など)50,000円
    通信費(固定電話・インターネット)4,000円
    通信費(携帯電話)12,000円
    お小遣い・趣味100,000円
    住居費150,000円
    合計479,000円
    高山先生

    高山先生

    「今後『いくら稼げばいいか、いくら貯金があればいいか』は想定される将来・ライフプランによってまったく変わってきます。一般的に人生設計やマネープランに関わる大きな出費として挙げられるのは、以下の5つですね」

    • 結婚(新居の準備/結婚式/新婚旅行などを伴う場合)
    • 子供
    • 仕事の選択(時短勤務など働き方が変わる、収入状況が変わる転職、独立を伴う場合)
    • 住宅(マイホームを購入する場合)
    • 老後への準備

    「このなかで自分に起こりそうなものについて、まずは考えておくといいと思います。一方で、現実的にはこの合間に、離婚や親の介護、心身の不調による休職など、予期できない大きな支出や収入の断絶が起こることもあり得るわけです」

    Tさん

    Tさん

    「休職、ですか?」

    高山先生

    高山先生

    「肉体的な病気もそうですし、最近は仕事のプレッシャーなどから精神的な疾患を抱えて、長期間にわたって働けなくなってしまったというご相談もよく受けます。また、『老後』とひとくくりにしても、日本の平均寿命は非常に長い。男性で約80歳、女性は約87歳とされていますが、実は健康でいられる平均寿命は75歳程度とも言われているんですね。高齢期の最後のほうは介護を受けながら生活せざるを得ない状態になることも見越して、備えておくほうがいいのかもしれません」

    Tさん

    Tさん

    「考えなければいけないことはいろいろありますね……。自分のケースで言えば、一番直近で気になるのは『子供ができたらどうなる?』の部分でしょうか」

    高山先生

    高山先生

    「あくまで一般論ですが、子供一人を育てるためにかかる教育費は、幼稚園から大学まで公立であれば約1,000万円、私立であれば約2,500万円と言われています」

    Tさん

    Tさん

    「1,000万円~2,500万円……!」

    高山先生

    高山先生

    「もちろん、住むエリアや就学プランによって金額の上下はありますが、目安として今の生活にプラスでこれだけの出費をしていくことになるので、家計への影響はそれなりだと思います。加えて、時間の使い方の変化が収入にかかわってくるという点にも注意が必要です」

    Tさん

    Tさん

    「時間の使い方の変化ですか?」

    高山先生

    高山先生

    「例えば、保育園のお迎えに行くために時短勤務や残業をしない働き方にチェンジするケース。そうすると、勤務時間の減少に伴い収入が減ってしまうことも」

    Tさん

    Tさん

    「う~ん、ますます不安になりますね。とすると、一体いくら稼げば安泰なのでしょうか」

    高山先生

    高山先生

    「収入を上げていくことを考えるなら、税金や手当の仕組みもチェックしておくといいでしょう。基本的に、稼げば稼ぐほど税金や社会保険料も上がります。また、子育てに関する手当は所得制限があり、一定の年収以上だと支給を受けられないものもあります」

    Tさん

    Tさん

    「さまざまな手当の話題のなかで給付対象や上限という言葉をよく耳にしますね」

    高山先生

    高山先生

    「例えば現状の児童手当は、子供の人数などにもよりますが、夫婦のどちらかが年収1,200万円を超えるともらえません。高校の授業料無償化についても、年収900万円くらいがラインと言われています。また、今は夫婦どちらか、一人当たりの年収が基準になっていますが、今後は世帯年収が支給基準に変更されるかもしれません。このような不確定な要素もあり、『年収はいくらあれば安心できるのか』という質問に、シンプルに金額で回答することは意外に難しいのです」

    まずは現在の収支をチェックして見ましょう!

    希望のライフプラン・生活レベルに応じて、未来の収支をシミュレーション!

    いくら稼げば安泰か知りたいTさんに、一概に言うのは難しいと説明する高山先生。不安が拭えないTさんにアドバイスは続きます。

    高山先生

    高山先生

    「一概に『安心』の金額を出すのは難しいですが、不安な方にこそまずやってみてほしいのが、一度人生のマネープランを立ててみること」

    Tさん

    Tさん

    「将来子供がいるかどうかも今は分からないですし、現段階でマネープランを立てるのは難しい気がしますが……」

    高山先生

    高山先生

    「皆さん、そうおっしゃいます。でも、あくまで『希望ベース』でいいんですよ。状況や住む場所、望むライフスタイルは変わる前提で良いのです。大体で良いので、現状を踏まえて希望するライフスタイルを、具体的な数字を入れてシミュレーションしてみてください」

    Tさん

    Tさん

    「具体的な数字ですか?」

    高山先生

    高山先生

    「例えばこんな感じです。

    ■3年後
    子供1人目生まれる
    出産関連費用50万円 
    以降、生活費は月額+X万円
    ■5年後
    家を20年ローンで購入
    頭金500万円 
    以降、住居費は月額+X万円
    ■6年後
    子供2人目生まれる
    出産関連費用50万円 
    以降、生活費は月額+X万円
    (中略)
    夫婦それぞれ65歳まで働く
    65歳までは月収X万円
    65歳からは夫婦で年金給付月X万円
    以降、平均寿命の87歳まで老後を安心して生きていくために、2人で60歳までに3,000万円はためておきたい。

    希望ベースでもこうして全体設計をして見える化してみることで、現実味を帯びてきますよね」

    Tさん

    Tさん

    「なるほど。こう見ると、早くから貯蓄しておかなければという気になってきます」

    高山先生

    高山先生

    「そういう気づきが大きな一歩です。時間もお金も自由に使える『今』がため時とは言えますね。『子供がいない間に、貯蓄をX%上げておいたほうが良いのではないか』『5年後に住宅ローンを組む可能性を考えると、転職は2年以内が良さそう』など、ご自身のキャリアや生き方の検討材料になる部分が見つかると思いますよ」

    Tさん

    Tさん

    「なるほど。やってみます。ただ、希望のライフプランを立てたとして、現実的なプランなのかどうか分かりません」

    高山先生

    高山先生

    「作ってみて不安だった場合には、ファイナンシャル・プランナーなどに相談してみるのも良いかもしれませんね。あと、ライフステージに変化が生まれるタイミングなど、定期的に見直したり相談したりしてみるのも、新たな発見があるかもしれません」

    どのような出費を減らすと、貯蓄アップは可能?

    ライフプランを立ててみるとますます、早いうちからの備え、貯蓄が大事に思えてきます。Tさんの月々の手取りや生活費、貯蓄額を先生に見てもらい、支出でチェックするポイントがないか聞いてみました。

    高山先生

    高山先生

    「Tさんはまだお若いですし、この年収で貯蓄もしっかりされているので、このまま夫婦お二人で生活していく分には十分に余裕のある生活が送れそうですね。ただ、この余裕のあるバランスを崩さずに将来の子育てや住宅購入費用に備えることを考えると、支出の見直しを行ってみるのもいいかもしれません。繰り返しになりますが、子供がいない『今』がため時、なので」

    Tさん

    Tさん

    「ですよね。ためなきゃ、という意識はあるのですが、ではまず何から手を付けよう、と途方に暮れてしまい……」

    高山先生

    高山先生

    「支出の削減でまず、取り組みたいのが、毎月一定の金額がかかる「固定費」です。代表的な固定費といえば、「水道光熱費」。例えば、電力会社やガス会社の乗り換えや、10年以上使っている家電を省エネ家電に切り替えるなどは、効果が出るケースが少なくありません。長期目線で見れば、ここを見直すだけでだいぶ変わってきます」

    Tさん

    Tさん

    「今度早速見てみます。水道光熱費を見たら、次はどこをチェックすればいいですか?」

    高山先生

    高山先生

    ネット代やスマホ代などの『通信費』も代表的な固定費です。例えば、スマホを大手キャリアから格安SIMに変更すると平均で5,000円程度安くなります。また、コロナ下で『おうち時間』が増えたことでよく言われるのが、サブスクリプション代の増加です」

    Tさん

    Tさん

    「サブスクですか?」

    高山先生

    高山先生

    「サブスクも立派な固定費です。最近相談を受ける案件でも、動画配信系、洋服レンタル系やお花など、サブスクが増えて固定費が膨らんでいるというケースは増えています。Tさんの場合、内訳に細かく出てきていませんが、もし同じカテゴリーのサブスクリプションが複数ある場合には一つずつに絞っていく、プランを見直すというだけでも月々の出費は抑えられるかもしれません」

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    手取り収入を増やしたい! 年収500万円より更に上を目指すには?

    転職、副業、投資……  収入を増やすには、やはりこの3つ?

    支出削減も取り組みつつ、やはり「今より収入を増やす方法も知っておきたい」というTさん。

    Tさん

    Tさん

    「収入を増やすための具体的な方法は、何があるのでしょうか?」

    高山先生

    高山先生

    「一般的には次の3つになりますね。

    • 転職や独立で年収を上げる
    • 副業で収入を増やす
    • 投資で資産を増やす

    ただし、このなかのどれをとっても、無計画に飛び込んでしまうのは要注意です。それぞれにメリットとデメリット(リスク)がありますので、しっかり理解したうえで、自分に合った選択ができると良いのではないでしょうか」

    転職で年収を上げる?

    転職や独立で年収を上げるのは一見無難なように見えますが、意外な落とし穴があるそうです。

    高山先生

    高山先生

    「もし転職するなら、業種による平均年収の差や業務内容をしっかりリサーチしたうえで、というのは大前提。そして、転職も独立も、『今の給料』だけを見て年収が高そうな仕事かどうか判断してしまうのはリスクがあるので注意です」

    Tさん

    Tさん

    「リスク、ですか?」

    高山先生

    高山先生

    「どんな業種・職種にもアップダウンはあり、需要も時代によって変化します。また、年収は高いけれど激務というケースも。精神的・肉体的負荷に耐え切れず結局長く続かなかった……、ということになっては、元も子もないですよね」

    Tさん

    Tさん

    「たしかに、続けられなければ本末転倒ですね」

    高山先生

    高山先生

    「そうなると、ずっと続けられる仕事を選ぶほうが長期的な目線ではより確実、という可能性もあるわけです。私が相談を受けている方で、年収がすぐに上がるわけではなくても、長くニーズがある仕事に就くために看護学校などで勉強し直している、という方もいます」

    Tさん

    Tさん

    「長い目線で見ると仕事を選ぶ基準が変わりそうですね」

    高山先生

    高山先生

    「『目先の収入を上げる』だけでなく、『安定的に収入を得ていく』ことも考えれば、仕事の満足度も重要ですよね。そして、仕事の満足度はお金だけでは測れない。趣味や買い物を楽しみたいから多少大変でも年収の高い仕事を続けたい、というタイプもいれば、堅実な生活にストレスを感じないから、稼ぎがそれほど良くなくても好きな仕事を続けたい、というタイプもいます。つまり、自分が仕事に対して何を一番望むのか、ひいてはどんな生き方が幸せなのか、見極めることが大切でしょう」

    Tさんの相談写真

    年収アップのために独立するのはアリ?

    昨今は、会社勤めから独立してフリーランス(個人事業主)を選択する人も増えていると言います。「裁量が増え自分で働き方を決めやすい」「会社員の時より収入が増えた」という声も聞こえてきますが、実際どうなのでしょう。

    Tさん

    Tさん

    「フリーランスになるという選択肢もありますか?」

    高山先生

    高山先生

    「もちろん、ありです。ただし、やはり目先の収入アップだけを見て飛び込んでしまうのは要注意。長期目線で見ると、会社員よりも収入のアップダウンが大きく、安定しないという側面もあります。それと、万が一の時の備えができるのかという問題も」

    Tさん

    Tさん

    「万が一ですか?」

    高山先生

    高山先生

    「会社員であれば健康保険・厚生年金に加入でき、保険料を会社が半分負担してくれるのも大きなメリット。病気などで一時的に働けない期間も収入がある程度は担保されますし、出産・育児で会社を休んでいる場合も手当金を受け取れます。また、老後に受け取る年金額を増やすこともできるなど、会社員ならではのメリットもあるのです。独立せずに会社員を続けたほうが、長期的なマネープラン(ライフプラン)としては堅実な可能性も。入念な検討が必要でしょう」

    ライフステージの変化と転職。要注意なタイミングがある?

    年収アップが見込める転職先を見つけられた場合でも、タイミングはよくよく見極めて、と高山先生は話します。

    Tさん

    Tさん

    「いずれ住宅購入なども考えているんですが、そういったライフステージの節目と転職や独立など収入手段の変化は、どのようにタイミングを見ていけばいいですか?」

    高山先生

    高山先生

    「ライフステージが変わるタイミングでの転職や独立は、慎重になることをおすすめします。例えばマイホーム購入を検討している場合、3年以上の継続勤務がないとローンが組みづらくなる、といったリスクを考慮する必要があるでしょう。

    また、子供を持つなど、何かと物入りで生活費がどのくらい上がるか読めないタイミングに収入が不安定な時期が重なると、心配事も増えてしまいます。収入以外にも手当や休暇制度など福利厚生をアテにしている場合は、転職先には制度がない、手当支給は入社後一定期間たってからなどの条件がある、制度はあるけど雰囲気的に使いづらいなど、さまざまな可能性があり得ます。もしキャリアプランを今から立てておく場合は、ライフプランとのバランスも考えると、より安心かもしれませんね」

    年収が下がる転職はやっぱりキケン?

    安定的な収入を得るために長く続けられる仕事、好きな仕事を選ぼうとすると「年収が下がる」というお悩みも、高山先生のもとにはよく相談があるそうです。いくら収入が高くても、合わない仕事や激務を無理して続けるのはつらいもの。かといって、いくら好きな仕事でも、実際に生活レベルが下がると耐えられず仕事を辞めるはめになる人もいるそうで……。どのくらいの年収の変化なら耐えられるものなのでしょうか。

    高山先生のアンサー

    「これは人それぞれだとは思いますが、月5、6万円、あるいは年収で100万円程度下がる場合は要注意。元の年収によっては、日常的に生活レベルの低下を感じるラインと言えるからです。このようなケースの場合は転職する前に、年収が下がった後の生活レベルをシミュレーションしてみる、転職後の想定給料の金額だけで生活してみるなど、自分が耐えられるかどうか試してみるといいでしょう。相談に来た方では、年収が300万円ほど下がったけれどもともと堅実な生活をしているのでまったく問題なく、向いている仕事に就けて充実した日々を送っているという方もいらっしゃいました。

    収入だけで仕事の良し悪しは決められませんが、収入も大事な要素であることは確かです。自分が仕事に求めるものは何か? どのようなワーク・ライフバランスが最も自分に合っているのか、じっくり考えて選択ができるといいですね」

    副業で収入アップを目指す?

    転職や独立にすぐ踏み出せなくても、副業をすることで追加収入を増やす、という方法もあります。

    Tさん

    Tさん

    「最近副業をしている人が周りにも増えているんですが、収入手段として副業はどうですか?」

    高山先生

    高山先生

    「もちろんいいと思います。また、転職や独立を見据えて、まずは自分がそういう働き方や仕事内容が向いているかどうかの相性を確かめてみるという意味でもありですね。ただ、税金の問題も絡んでくるので、むやみに副収入を増やすのも賢いマネープランではありません」

    Tさん

    Tさん

    「税金という面では、具体的にどのような点に注意すればいいのでしょうか」

    高山先生

    高山先生

    「副業収入から経費を差し引いた所得が20万円以下であれば所得税の納税義務はありませんので、様子見であれば副業の所得(雑所得)20万円を一つのラインに、試してみるのが良いかもしれません」

    副業からの所得(雑所得)が20万円を超える副業収入があるにもかかわらず、申告を怠って納税をしなかった場合には、意図した・していなかったかどうかにかかわらず脱税行為となります。加算税や延滞税といった罰則を受けることにもなり得ますので、必ず申告・納税を行いましょう。

    また、副業からの所得(雑所得)が20万円以下でも納税が不要なのは所得税のみ。住民税については免除がありませんので、申告義務は発生します。

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    投資で資産を増やす

    最近では、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)など節税や投資についての情報も耳にする機会が増えていると感じる人も多いのではないでしょうか。収入を増やす手段として、Tさんもやはり気になっている様子。

    Tさん

    Tさん

    「資産を増やす方法として積立NISAやNFT(非代替性トークン)をやっていますが、投資で資産を増やすというのも、ありなのでしょうか?」

    高山先生

    高山先生

    「個人的には必須だと思います」

    Tさん

    Tさん

    「必須ですか?(笑)」

    高山先生

    高山先生

    「これからの時代を考えると必須だと思います」

    Tさん

    Tさん

    「なぜでしょう」

    高山先生

    高山先生

    「日本は今後も低成長が続き、国も会社も余力がありません。ですから、これまで以上に自助努力が必要になります。また、世界中で物価上昇が起こっていますし、国内では、円安の問題も深刻です。もしずっとこの状態が続くとするならば、物価上昇分、お金を増やしていく必要がありますが、日本の円預金の金利はゼロに近いので、銀行口座だけにお金を預けていてもお金は増えず、むしろ実質お金の価値は目減りしてしまいます。ですから、今の時代投資をしてお金を増やしていくことが必要です。積立NISAは税制優遇もありますし、投資商品も金融庁が中長期的に安定して資産を増やせると判断した商品のみがラインアップされているので、初心者にも向いていると思いますよ」

    Tさん

    Tさん

    「今すでに月々3万円ずつ積み立てているのですが、積立と投資だったらどっちがいいのでしょう」

    高山先生

    高山先生

    すでに生活費の半年分の貯蓄があるのであれば、月々3万円を投資したほうが良いでしょう。仮に国内外の株や債券に投資している国際分散型の投資信託に投資をすると、大体4%程度の利回りで運用することができます。25年続けた場合には約1,540万円の資産を作ることが可能になります。更に奥さんとお二人で積み立てた場合、60歳まで続ければ二人で約4,000万円作れるという計算になります」

    Tさん

    Tさん

    「4,000万円……! 若いうちから貯金を投資に回すことで、老後の資金作りになるのは心強いですね。さっそく国際分散型の投資信託について調べてみます。本日は、とても勉強になりました。どうもありがとうございました!」

    高山先生おすすめの投資TOP3

    1. NISA
    2. iDeCo
    3. 個別株式投資

    税制優遇が受けられるという意味で、まずはNISA、次におすすめなのがiDeCo、と高山先生。iDeCoよりもNISAを勧める理由としては、将来的にライフプランが変わったり、不測の事態でお金が必要になったりした場合などに、積立NISAであればいつでも引き出せるメリットがあるからだそう(iDeCoは60歳まで引き出せません)。国際分散の投資信託で積立投資をすれば、しょっちゅう見直す必要もなく、「ほったらかし」の状態で資産運用ができるのも良い点だとか。

    ワンポイント

    「個別株式投資は、あくまでも資金に余裕があればで良いと思います。証券会社によっては、日本の個別株もアメリカの個別株も1,000円から買えたり、1株から買えたりするので、少額から投資ができるのも魅力ですね」

    【まとめ】年収500万円から理想の人生・生活を実現するために、大切なこと

    どんなライフプラニングをするにしても、「まずは現状を把握し、自分がどんな人生を歩みたいのかを考えて、自分の幸せを実現していく方法を考えることが一番大切」と高山先生。そしてより良い人生を送るためには、お金も仕事も長期的な視点が欠かせません。皆さんも一度、ライフプランとキャリアについてじっくり考えてみてはいかがでしょうか。

    【早見表】年収と手取り金額

    年収 手取り年収 手取り月収
    (ボーナス考慮せず)
    年収300万円 約225万円 約18.8万円
    年収400万円 約300万円 約25万円
    年収500万円 約400万円 約33万円
    年収600万円 約450万円 約37.5万円
    年収700万円 約525万円 約43.8万円
    年収800万円 約580万円 約48.3万円
    年収900万円 約660万円 約55万円
    年収1,000万円 約700万円 約58.3万円
    年収1,200万円 約830万円 約69.2万円
    監修者
    高山 一恵

    高山 一恵

    ファイナンシャル・プランナー
    株式会社Money&You 取締役

    CFP®、FP技能検定1級の資格を持つ。マネーに関する講演活動、執筆活動、相談業務などを行い、女性の人生に不可欠なお金の知識を発信。「はじめてのNISA&iDeCo」(成美堂出版)など、マネー関係の著書・監修は数十冊に及ぶ。

    マイナビ転職 編集部

    【監修記事】FP高山先生の相談シリーズは全3回
    年収・生活・人生設計についてもっと知る

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