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手取りとは? 額面との違いは? 計算方法や手取りで損しないための方法を解説!

手取りとは、給与から税金などが引かれた後の、実際に手元に入る金額のことです。では、額面とはどのように違うのでしょうか。この記事では、手取りが給与明細のどこの金額を指しているか、年収、月収からの計算方法、手取りで損しないための豆知識などを解説します。

給与明細書イメージ画像

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手取りとは?

手取りとは、給与で自分が実際に受け取れる金額を指します。多くの人は手取りをもとに日々の生活を送っているため、「手取り=給与」と捉えている方も少なくありません。

後述する「額面」に対し、 手取りは毎月の給与から健康保険や厚生年金保険をはじめとした社会保険料や所得税、住民税が差し引かれた後の金額になります。一般的に手取りは「額面」の80%程度と言われており、給与所得者は額面の全額を受け取ることはありません。なお、給与明細上は「差引支給額」として表記され、実際の受取金額である「手取り」と一致します。

給与明細の例画像

額面とは? 手取りとの違いは?

額面は基本給だけでなく、時間外手当や役職手当、通勤手当などを含んだ金額で、控除を差し引く前の金額。したがって「額面金額-各種控除額=手取り額」という計算式が成り立ちます。 給与明細上では「総支給額」などの名称で記載されています。

額面金額から差し引かれる控除額には個人差があることから、 「年収」 「月収」と表現する時は、手取りではなく額面金額をもとに計算します。実際に給与を受け取る際には手取り額になることをお忘れなく。自身が負担している社会保険料や税金を把握するためにも、手取りと額面金額の違いを理解しておきましょう。

年収とは? 手取りとの違い、誤解しがちな点を解説

手取りは額面金額からどのようなものが控除される?

額面から控除されるのは、どのようなものがあるのでしょうか。主なものを一つずつ解説していきます。

健康保険料

健康保険料とは、民間企業などに勤務する方やその扶養家族が受けることができる公的な医療保険制度のもとになるもの。病院を利用した際に医療費の自己負担が 3割で済んだり、病気や怪我、出産など、働けなくなった場合の給付や保障の役割を担ったりしています。健康保険料は、標準報酬月額によって保険料が算定され、勤務先と従業員が折半して納めることとなります。

介護保険料

介護保険料とは介護保険制度のもとになるものであり、40歳から64歳までの会社員や自営業者が負担する保険料です。介護保険料も、健康保険料と同様に標準報酬月額によって保険料が算定され、勤務先と従業員が折半して保険料を負担します。

厚生年金保険料

厚生年金保険料とは、原則65歳から支給される「老齢厚生年金」のもとになるもの。障がいを負った際に支給される「障害厚生年金」や、遺族に対して支給される「遺族厚生年金」のような制度にも使われています。健康保険料や介護保険料と同様に、標準報酬月額によって保険料が算定され、勤務先と従業員が折半して保険料を負担します。

雇用保険料

雇用保険料とは、失業保険給付(基本手当)や職業訓練給付といった支援サービスに用いられています。雇用保険料は業種によって料率が異なります。

以上の4つ(健康保険、介護保険、厚生年金保険、 雇用保険)に加え、 勤務先が全額負担する労災保険も含めた5つを「社会保険」と総称します。保険料の支払いは給与から控除(天引き)する形で行われ、基本給に時間外手当や通勤手当を加えた1カ月の総支給額(標準報酬月額)の等級によって徴収される保険料の金額も異なります。

所得税

所得税とは課税所得のある個人が国に対して納める税金を言います。月々の給与の額面(非課税通勤手当は除く)から社会保険料を控除した金額が一定額を超える場合には、所得税が天引き(源泉徴収)されます。

源泉徴収される所得税額は、社会保険料控除後の金額やその人の扶養家族の人数などによって変動します。また毎月の源泉徴収税額の累計が、実際の年収をもとに計算した最終的な所得税額と比べて差額が生ずる場合には、その差額を年末調整にて還付または追加で徴収します。

住民税

住民税は所得税と同様に課税所得のある個人が、1月1日時点で住んでいる都道府県や市区町村に対して納める税金を言います。住民税は前年度の所得をもとに計算された税額を、6月から翌年5月までの毎月の給与から天引きされます。

その他

上記以外にも、退職金や社員旅行に充てるための積立金が定期的に徴収されるなど、企業独自の控除が発生するケースも存在します。

これって損? 手取りのよくあるギモン

ここからは、手取りに関する疑問や、控除による手取りの減りを少なくするための豆知識について、Q&A方式で解説します。

Q1 同じ基本給なのに、人によって手取りに差があるのはなぜ?

A1 基本給以外の手当や控除額に違いがあるためです。

基本給が同額であったとしても、それ以外の役職手当や残業手当、通勤手当までが一致するとは限りません。

また、社会保険料を決定するための等級は基本給以外の手当も含めた金額をもとに算出するため、手当に違いがあれば控除額にも差が生じることになります。

そのほかにも所得税は配偶者など扶養家族の有無によって変わり、住民税は前年の課税所得によって徴収額が決まります。これらを踏まえると、基本給から手取りまで完全に金額が一致するケースのほうが珍しいと言えるでしょう。

Q2 4月から6月の間に残業をすると手取りが減るって本当?

A2 本当です。

その理由は社会保険料の「等級」の決め方にあります。上述したように、健康保険や介護保険、厚生年金保険の保険料については、基本給に時間外手当や通勤手当を加えた1カ月の総支給額に基づく標準報酬月額の「等級」によって決定されるのですが、この「等級」は毎年4月から6月の給与の平均をもとに算定され、9月から翌年8月まで1年間適用されるのです。

「等級」を算定する際に用いられる標準報酬月額には、基本給だけでなく、役職手当や時間外手当(残業手当)も含まれます。そのため、4月から6月の間に残業代が増えると「等級」も上がり、保険料が増加するのです。

ただし「手取りが減少=損」であるとは断定できません。等級が上がり、多くの保険料を納めていれば、老後の年金だけでなく健康保険によって支払われる傷病手当金や出産手当金なども増加します。もちろん、等級を上げるためにあえて残業を重ねる必要はありませんが、やむを得ず残業が増えてしまってもまったくの損というわけではないこともぜひ覚えておきましょう。

Q3 新卒2年目は手取りが減るって本当?

A3 一概には言えませんが、その可能性が高いです。

この理由は住民税にあります。上述したとおり、住民税は前年の課税所得に基づいて納税額が計算されます。

前年の給与所得が100万円以下であれば、新卒1年目は住民税が発生しません。しかし、新卒2年目からは新卒1年目の給与に基づいて計算されるため、住民税が発生します。したがって、新卒2年目に手取りが減少する可能性が高いのです。

Q4 給与が上がっても手取りはあまり変わらないって本当?

A4 額面金額の増加分がそのまま手取りの増加とはなりません。

給与の額面金額が増加した場合には、連動して控除額も増加することになります。特に「額面が増えても手取りは変わらない」という意見の背景には、「年収が増えれば所得税率が上がってしまうから」という認識によるものと考えられます。

たしかに、所得税率は、課税所得の増加に伴って5~45%まで7段階で変動します。ただし、課税所得が195万円未満であれば5%、195万円以上であれば10%となるのですが、例えば課税所得200万円の場合、200万円全体に対して10%の所得税(20万円)が課税されるわけではありません。

課税所得が200万円であれば、194万9,000円までは5%、超過する5万1,000円の部分のみ10%という計算になりますので、実際の所得税額は10万円程度となり、極端に税額が増えることはありません。したがって「税率の境界線を超えたら途端に所得税が急増する」という解釈は誤りです。

Q5 ふるさと納税で手取りは増える?

A5 翌年の住民税が減少するため毎月の給与の手取りは増加しますが、全体的に見れば手元に残る金額は増えません。

たしかに、ふるさと納税を行うことで所得税や住民税が減少するため、確定申告により所得税の還付を受けることができます。ただし、ふるさと納税で寄付した金額が住民税額から控除される仕組みであるため、支払う先が変わっているだけで全体的な手取り額は増えません。自己負担額2,000円に対し、受け取る返礼品の価値がふるさと納税のメリットになります。

【計算表】額面から手取り金額が分かる

額面金額に対して、手取り額はどれくらいになるのでしょうか。以下の表は額面と手取りの目安となります。

年収
(額面)
手取り月収
(額面)
手取り
200万円150~170万円16万円12~13.6万円
250万円187.5~212.5万円18万円13.5~15.3万円
300万円225~255万円20万円15~17万円
350万円262.5~297.5万円22万円16.5~18.7万円
400万円300~340万円24万円18~20.4万円
450万円337.5~382.5万円26万円19.5~22.1万円
500万円375~425万円28万円21~23.8万円
550万円412.5~467.5万円30万円22.5~25.5万円
600万円450~510万円32万円24~27.2万円
650万円487.5~552.5万円34万円25.5~28.9万円
700万円525~595万円36万円27~30.6万円
750万円562.5~637.5万円38万円28.5~32.3万円
800万円600~680万円40万円30~34万円
850万円637.5~722.5万円46万円34.5~39.1万円
900万円675~765万円50万円37.5~42.5万円

扶養家族の有無などによっても増減することも考慮すると、額面に対し、手取りは一般的に75~85%程度になると言われており、上表では、「額面金額×75~85%」で手取り額の目安を算出しています。

転職活動時の手取りに関する注意点

転職活動の際にも「手取り」に関して注意すべき点がいくつかあります。ここでは再びQ&A方式で解説します。

Q1 転職前後で社会保険料が重複してしまうことはありますか?

A1 重複する可能性はあります。

例えば、前職の退職後に社会保険の任意継続へ切り替え、同じ月に再就職をした場合には保険料が重複してしまいます。同月中に再就職する可能性がある場合には、国民健康保険に切り替えるなど、保険料が重複しないように注意が必要です。

また再就職の際、国民健康保険や社会保険の任意継続の脱退手続きを怠ってしまうことで重複となるケースもあります。その場合には還付手続きによって保険料の返還を受けることが可能です。

Q2.求人票の給与は手取りですか? 額面ですか?

A2 額面です。

なぜなら手取り額を計算するには所得税や住民税を算出する必要があり、これらは扶養家族の数や各人の前年所得などによって個人差が生ずるため、求人票へ掲載する情報としては不明瞭であるからです。

したがって求人票に掲載されている給与は「額面」であることを前提とし、実際の手取りはそれよりも少なくなることを理解しましょう。

Q3 希望給与や現職の年収を聞かれた場合には、手取りと額面のどちらを回答すべき?

A3 「額面」で回答します。

Q2でもお答えしたとおり、額面から差し引かれる控除額には所得税や住民税はおろか、勤務先独自の積立金まで含まれているケースもあり、「控除額の詳細が分からない状況での手取り額」からは正しい情報を受け取ることができません。

誤って希望額を「手取り」で伝えてしまうと、それが額面金額と誤解されて給与が減少してしまうリスクもあります。必ず額面金額で答えるようにしましょう。

まとめ

今回は給与の手取りについて、額面との違いやよくある疑問について解説しました。実際に受け取れる手取りはもちろんですが、額面金額からどのようなものが控除され、手取り額に至るのかを把握することも重要です。

今回お伝えした内容をもとに、「手取り」についてぜひ正しい知識を押さえておきましょう。

監修:服部大税理士事務所  
税理士・中小企業診断士 服部 大

2020年2月、30歳で名古屋市内にて税理士事務所を開業。
平均年齢が60歳を超える税理士業界内で数少ない若手税理士として、同年代の経営者やフリーランス、副業に取り組む方々の良き相談相手となれるよう日々奮闘。
単発の税務相談や執筆活動も承っており、「分かりにくい税金の世界」を分かりやすく伝えられる専門家を志しています。

マイナビ転職 編集部

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