求人情報の読み方と求人用語集|間違いやすい言葉に注意!
掲載日:2025年11月27日
記事まとめ(要約)
- 求人情報の読み込み・正しい理解が転職のミスマッチを防ぐ
- 思い込みはNG! 誤解しやすい用語と意味をチェック
- 企業の特色や採用方針を読み取り、自己PRにも活用を!
企業が社員を雇う際には、法律で事前に明示すべき労働条件があります。それらを限られたスペースで伝えているのが求人情報です。
求人情報を読んでいて「こんな意味だろう……」というあいまいな理解のままでは、仕事内容や待遇を誤解し、ミスマッチが起きる可能性があります。
転職で納得できる選択をするためにも、基本的な言葉の意味や求人情報の読み方を押さえておきましょう。
【頻出5選】求人情報で見る「似ている言葉」の意味と違い
求人情報によく記載があり、意味を間違われやすい言葉とその違いをピックアップしています。
完全週休2日制と週休2日制
求人情報に記載されている完全週休2日制と週休2日制は意味が異なります。
完全週休2日制は毎週2日間の休みがあることですが、週休2日制は週2日間の休みが月に1回以上あるという意味です。
更に「4週8休」は、4週間(28日間)のうち8日休みがあることを指していて、それぞれ意味が異なります。
休日数が気になるのであれば、併せて年間休日の記載もチェックしておくと安心です。
基本給と月給、月収
基本給は、各種手当を含まない給与のベース額。
月給は、基本給に固定手当(役職手当や住宅手当などの毎月必ず支給される手当)を加えた毎月の支給額です。
月収は、月給に残業代や歩合など変動要素を含めた支給額です。月収は「例」として記載されているため、入社したからといって必ずその額がもらえるとは限りません。
「在宅勤務可」と「完全在宅勤務」
「在宅勤務あり」「リモートワークOK」と書いてあるからといって、自分の好きな日に在宅勤務ができるとは限りません。企業や配属部署によって規定は異なり、「月●日まで」「●曜日は出社」などの決まりがあることも。
また、「完全在宅勤務」や「フルリモートOK」と書かれている場合でも、会議や研修で出社が求められることがあります。
「未経験者歓迎」と「経験者歓迎(優遇)」
「未経験者歓迎」とは、募集する職種や業種に携わったことがない方でも応募できるという意味です。
業務に必要な知識やスキルは入社後に習得できるため、経験がなくてもチャレンジ可能です。ただし、実際の選考では、経験者のほうが有利になる場合もあります。
一方で「経験者歓迎(優遇)」は、即戦力として活躍できる人を求めているケースが多く、研修や教育は最小限であることが一般的。応募条件に記載された歓迎経験と仕事内容を照らし合わせ、自分のどの経験を強調すべきかを考えてアピールすることが重要です。
「交通費全給」と「交通費支給」
交通費全給は、通勤交通費の全額が支給されますが、交通費支給の場合は上限額があるほか、全員に一律額支給のケースもあります。
あなたに合った
非公開求人をご紹介!
転職支援サービスでは、
公開されていない求人もご紹介可能。
無料・登録不要!
「仕事どうする?!」診断
8つの質問で、
仕事への向き合い方のヒントを得られる!
転職活動、1人では不安…
業界専任のキャリアアドバイザーが
あなたの転職をサポート!
シゴト性格や強み・弱みをチェック
向いている仕事が分かる、応募書類作成に役立つ!
【求人用語集】よく記載のある・知っておきたい言葉の意味
ここからは求人情報でよく目にする用語を整理し、意味や注意点を分かりやすく解説します。
雇用形態
同じ職場・同じ職種でも、雇用形態によって業務範囲や働き方は大きく異なります。
収入や待遇にも差が出るため、それぞれの特徴を理解したうえで長期的な視点で判断することが重要です。
なお、雇用契約とは異なる「業務委託」などの募集もあるため、働き方の選択肢として確認しておきましょう。
| 正社員とは | 契約社員とは |
| 嘱託社員とは | 業務委託とは |
勤務形態
勤務形態や勤務時間帯、労働時間数をチェックしましょう。
よくある勤務形態としては、固定時間制、変形労働時間制があります。
固定時間制 …… 「9:00~18:00(実働8時間)」など、始業・終業時刻や就業時間が決まっている
変形労働時間制 …… 1カ月・1年など企業が定めた一定労働期間の中で繁忙期と閑散期の労働時間を調整し、平均して法定労働時間(1日8時間・週40時間)以内に収める働き方
そのほか「裁量労働制」「フレックスタイム制」などもあります。制度の違いを理解しておくと安心です。
| 裁量労働制とは | フレックスタイム制とは |
給与・年収
給与に関する言葉の違いは、生活に及ぼす影響が大きいのできちんと理解しましょう。
| 基本給、月給、月収の違い | 年収とは? 手取りとの違い |
| 年俸制と月給制の違い | 歩合制 |
| インセンティブとは |
併せてチェック!
注意!
具体的な金額は、最終選考の段階まで分からないのが一般的
給与は、提示された職種、雇用形態、資格、労働条件に対して支払われることが保証される最下限の給与金額が記載されています。「25万円〜35万円」のように給与幅がある場合は、経験やスキル、前職の給与などを考慮して決定されるのが一般的です。
手取りは、記載された給与金額から社会保険料や税金などを引いた額です。また、インセンティブなどがある場合も給与金額には含まれていません。
初年度年収やモデル年収の記載があっても、就業後、具体的にいくらもらえるかは、最終面接や内定時までは分からないのが一般的です。
昇給・賞与
昇給・賞与欄には、時期や回数が記載されています。
| 昇給とは | 昇給の平均額・昇給率 |
| ベースアップとは | 賞与・ボーナスとは |
| 決算賞与とは |
併せてチェック!
注意!
最初の賞与は支給されない例も多い
最初の賞与は支給されないケースも多く、求人情報に記載されているのは就業規則での一般的な内容です。「勤続1年以上が対象」などの条件があるほか、賞与査定時期に在籍していないという理由で、支給されない場合もあります。
また、「年2回、各○カ月分」とある場合は、基本給や基準給与の○カ月分を意味します。「支給実績額」はあくまで目安であり、入社後に必ずその額がもらえる保証はありません。
諸手当
「時間外手当」は法律で定められていますが、企業独自の手当もあります。
| よくある手当一覧 | 住宅手当とは |
| 在宅勤務手当とは | みなし残業代の仕組み |
注意!
「手当が多いほど得!」の思い込みは禁物
マイナビ転職では、全員に一律に支払われる手当が、給与の表示額(固定給)に含まれている場合「一律手当含む」と記載があります。
一律手当が多いほど、基本給が低い場合があるので、基本給をもとに計算される賞与や退職金などの支給額が結果的に少なくなってしまうことも。
給与の表示額にプラスされる手当は、扶養家族がいる場合の「家族手当」、一定の資格を所持している場合の「資格手当」などがありますが、企業ごとに内容や名称がさまざまです。自分がその対象になる場合は、面接時に詳細を尋ねると良いでしょう。
休日・休暇
法律で定められている「年次有給休暇」のほかに、どんな休暇があるかもチェックが必要です。企業によっては「年間休日数」が記載されていますが、この日数に有給休暇は含まれません。
休日・休暇制度は企業によって異なります。前職や現職の慣習を当たり前と思わず、必ず確認しましょう。
| 年間休日とは | 有給休暇とは |
| 完全週休2日と週休2日の違い | リフレッシュ休暇とは |
| 慶弔休暇とは | 忌引き休暇とは |
注意!
休みは土日とは限らず、祝日の扱いも企業により違う
休みとなる曜日が記されていない場合、勝手に「土・日が休める」と思い込んではいけません。
休みの曜日が固定されていないケースもあり、祝日がある週の休みの取り扱いも企業によって異なります。例えば「完全週休2日制(土・日)」のように、曜日が明確に指定されている場合は土日休みが保証されますが、記載がない場合は事前に確認することが大切です。
福利厚生
職場選びの一つの判断材料にはなりますが、過剰な期待は禁物です。また「育休」や「産休」は法律によって定められている制度なので、記載がなくても取得できます。
| 社会保険完備(社保完備)とは | 退職金 |
| 時短勤務制度 | 育児休業(育児休業給付金) |
そのほか「財形貯蓄制度」「資格取得支援制度」「キャリアアップ研修」など、各種制度は職場環境の判断材料になります。
ただ、制度の種類によっては利用条件があるのも一般的。詳細な内容が不明なのに過剰な期待を抱き、企業選びの決め手にすると危険です。
注意!
「社保完備」「社保あり」などの表記の違いに注意
「社保完備」とは、社会保険完備の略。その企業が社会保険の適用を受けているという意味です。
マイナビ転職では下記4つの保険すべてを備えている場合のみ「社会保険完備(社保完備)」と表記可能としています。
健康保険 …… 業務外の疾病、負傷、分娩等の費用の補助
厚生年金保険 …… 老齢・障害時等の生活費の補助
雇用保険 …… いわゆる失業保険、失業時の賃金保障
労働者災害補償(労災)保険 …… 業務上の災害、事故の補償
会社情報
資本金や売上高の金額が大きいほど経営が安定しているイメージがありますが、実際のところそうとも限りません。以下では会社情報を読み解く時、参考となる点を項目ごとに解説しています。
| 資本金とは | 自己資本比率とは |
| 売上高とは | 事業内容とは |
会社・法人格
法人格の違いや会社の特徴についても、チェックしておきましょう。
| 法人とは? 種類や特徴 | 有限会社と株式会社の違い |
| 会社とは | 一般社団法人とは |
| 合同会社とは | 上場企業とは |
| ベンチャー企業とは | スタートアップとは |
| 大手・中小企業の定義と違い | 外資系企業とは |
| 零細企業とは |
あなたに合った
非公開求人をご紹介!
転職支援サービスでは、
公開されていない求人もご紹介可能。
無料・登録不要!
「仕事どうする?!」診断
8つの質問で、
仕事への向き合い方のヒントを得られる!
転職活動、1人では不安…
業界専任のキャリアアドバイザーが
あなたの転職をサポート!
シゴト性格や強み・弱みをチェック
向いている仕事が分かる、応募書類作成に役立つ!
読み込みたい求人情報の項目
求人情報は、その企業の採用方針や人材の活用について凝縮したエッセンス。そのため、単に“読む”のではなく“読み込む”ことが大切です。読み込むポイントを、マイナビ転職の求人情報のフォーマットに沿って解説します。
自分に合った企業を探すだけでなく、選考基準や応募書類、面接で使える自己PRのツボを見つけるつもりでチェックしてください。
職種名と仕事内容
職種名にとらわれず、仕事内容をしっかりと確認しましょう。
職種名は企業が独自に名付けたものも多く、例えば「○○プランナー」とあっても企画や制作を主業務にした職種であるとは限らず、営業・販売の仕事という場合もあります。
また、現在の職種と同職種や同役職への転職の場合も、仕事内容を分かっているつもりでいるのはキケン。勤務先の業種などで業務内容や守備範囲はかなり違います。事業内容と併せてチェックしておきましょう。
| そもそも職種・業種とは? | 総合職と一般職との違い |
| 管理職とは | マネジャーとは |
対象となる方(応募条件)
この欄では「この条件に合う人が選考対象です」という基準が分かります。
必要な経験、資格、スキルなどが記されていますが、必須なのか、それとも歓迎レベルなのかを把握しましょう。
転職を成功させるには、対象となる条件に合致している点を把握し、応募書類や面接でその強みをしっかりアピールすることがポイントです。
応募条件でよく見るキーワード
| 基本的なPCスキルとは | 急募とは |
| 人物重視とは | 第二新卒とは |
| 既卒とは |
注意!
合致していなくてもカバー要素があればアピールしても問題ない
条件を満たさない場合も、簡単にあきらめては損。「簿記2級は所持していませんが、試算表作成や決算業務の経験があります」など実務経験でカバーできる要素を伝えることをおすすめします。
勤務地
所在地の記載が中心ですが、通勤の難易度は実際の距離よりも「通勤時間」に影響されるもの。念のために交通手段やダイヤ、最寄り駅からの徒歩時間などを確認することも大切です。
注意!
複数の勤務地がある場合の配属は指示に従うのが原則
複数の勤務地がある場合、配属は企業の指示に従うのが原則。
本人の希望を考慮する制度の有無は企業により異なります。また、勤務地によって仕事内容に差が出るケースもあります。「希望勤務地は応相談」などと記載されていない場合は、安易な気持ちで応募書類に希望を書くのは避けたほうが無難です。
応募方法
応募の受付方法や採用のプロセス、面接回数、面接地などの記載があります。
マイナビ転職では、ほとんどの企業がWeb上の応募フォームからエントリーを受け付ける方式をとっています。応募フォームの情報をもとに書類選考が行われると考えて良いでしょう。
面接前に企業を知るための面談・企業説明会などの案内があることも
応募前に互いの理解を深める機会として、カジュアル面談や会社説明会を設けている企業もあります。よくチェックしてみてください。
併せてチェック!
会社・仕事の魅力/社員インタビュー
実際に働いている社員の言葉や、求人に際して企業が応募者にアピールしたい点が記されています。
注意!
読み飛ばさず、志望動機や自己PRのヒントに!
経営理念、社風や職場環境、人材に対する考え方が盛り込まれているので、自己PRや志望動機を作成する際のヒントになるでしょう。
先輩社員や人事担当者のインタビューにも、「即戦力」として期待することや「未経験でもこんな方なら歓迎します」など、企業が求める人材像が隠れている場合もあります。
マイナビ転職編集部より
求人情報を制作する際の取材から得られた、企業の印象を第三者の視点で伝えています。
オフィスの雰囲気や人材に関する考え方、その企業が展開するビジネスに関するトピックなど、あなたの会社選びのヒントとしてご活用ください。
【まとめ】求人情報を“斜め読み”せず、正しく理解を
求人情報には、労働条件や企業の特色が凝縮されています。気になる部分だけ拾い読みすると、例え採用されたとしても、入社後のミスマッチにつながる恐れがあります。
求人情報を読む時に押さえておきたいポイント
- 用語の意味を正しく理解する
「完全週休2日制」「在宅勤務あり」など、誤解しやすい言葉は要チェック - 疑問を残さない
給与、賞与、手当、休日制度などは、言葉の意味や仕組みを理解したうえで、疑問があれば面接などで確認する - 応募前に読み込み、アピール戦略を立てる
応募条件と自分の経験を照らし合わせ、どこをアピールするかを考える
求人情報は、企業とあなたをつなぐ重要な情報源です。応募前にしっかり読み込み、納得できる選択をしましょう。
監修者
谷所 健一郎(ヤドケン)
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例」(マイナビ出版)、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。
マイナビ転職 編集部
≪併せて読みたい≫
豊富な転職・求人情報と転職ノウハウであなたの転職活動を支援する【マイナビ転職】。マイナビ転職は正社員の求人を中心に“日本最大級”常時 約8,000件以上の全国各地の豊富な求人情報をご紹介する転職・求人サイトです。毎週火・金更新であなたの希望の職種や勤務地、業種などの条件から検索することができます。職務経歴書や転職希望条件を匿名で登録するとあなたに興味を持った企業からスカウトされるサービスや、転職活動に役立つ職務経歴書サンプルや転職Q&A、会員登録をすると専門アドバイザーによる履歴書の添削、面接攻略など充実した転職支援サービスを利用できる転職サイトです。










